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中小企業経営・中小企業政策(平成24年度)

平成24年度(2012)中小企業診断士第1次試験 中小企業経営・政策の全19問解説

概要

平成24年度(2012)の中小企業経営・政策は全19問(各4点、76点満点)で出題されました。

問題文は J-SMECA 公式サイト(平成24年度 中小企業経営・政策) から入手できます。手元に PDF を用意したうえでお読みください。全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。

解説の読み方

各問について「問題要旨 → 分類タグ → 正解 → 必要知識 → 解法の思考プロセス → 誤答の落とし穴 → 学習アドバイス」の順で解説しています。分類タグの意味は本ページ末尾の凡例を参照してください。

出題構成

領域問番号問数主題
中小企業経営・政策第10-28問19問中小企業の定義・経営基盤・支援制度・金融制度

問題別解説

第10問 中小企業の売上高費用率と業種別特性

問題要旨: 中小企業庁「2009年中小企業実態基本調査」に基づき、従業者規模別業種別に中小企業の対売上高営業利益率を見ると、いずれの業種でも規模が小さいほど〔A〕傾向にある。同じく対売上高費用率を見ると、宿泊業、飲食サービス業を除くいずれの業種でも、販売原価の割合が高くなる。特に卸売業、小売業では、商品仕入原価がいずれの規模でも7〜8割を占める。一方で、宿泊業、飲食サービス業では〔B〕の割合が最も高くなっている。文中の空欄AとBに入る最も適切な語句の組み合わせを選べ。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 応用 Trap-D 混同誘発

正解: エ(A:低い B:人件費)

必要知識: 中小企業の定義と規模別分類 — 中小企業実態基本調査の業種別・規模別経営指標

解法の思考プロセス:

  • 中小企業は規模が小さいほど対売上高営業利益率が低い傾向
  • 卸売業・小売業は販売原価(商品仕入原価)の比率が高い
  • 宿泊業・飲食サービス業は人件費の比率が最も高いという業種特性

誤答の落とし穴:

  • 規模と利益率の関係を逆に捉える
  • 飲食サービス業の費用構成で「地代家賃」と「人件費」を混同

学習アドバイス: 業種別の費用構成は頻出テーマです。小売業=仕入原価中心、飲食業=人件費中心という基本パターンを押さえましょう。


第11問 中小企業金融の特徴と擬似資本

問題要旨: わが国の中小企業金融の特徴として、金融機関からの借入金でありながら継続的な借換え等により、中小企業にとって事実上資本的性格を有すると認識されている資金の存在が指摘される。こうした資金を何と呼ぶか。最も適切なものを選べ。

K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 基礎 Trap-D 混同誘発

正解: イ(擬似資本)

必要知識: 金融支援制度 — 中小企業金融における擬似資本の概念

解法の思考プロセス:

  • 借入金でありながら実質的に資本として機能する資金の名称を問う
  • 選択肢:運転資本、擬似資本、固定資本、他人資本、長期資本
  • 「借入金=他人資本だが、継続借換えにより事実上の自己資本」→ 擬似資本

誤答の落とし穴:

  • 「運転資本」や「長期資本」と混同しやすい
  • 「他人資本」は借入金の会計的分類であり、擬似資本とは異なる概念

学習アドバイス: 擬似資本は中小企業金融の独特な概念です。中小企業の自己資本比率が低い中で、継続的な借換えによって実質的に資本として機能している借入金を指します。用語の正確な定義を押さえてください。


第12問 事業環境と業種転換の概念

問題要旨: 事業環境が構造的に変化する中で、主な製品・商品・サービスにつき業種を超えて転換する業種転換を図る企業も存在する。こうした業種転換の効果を見るために、経済産業省では業種転換の実態を把握しており、例えば家具製造業から建設業へ転換するなど、多様な業種転換が見られる。業種転換に関する記述として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: ウ(企業が主要な事業の転換を通じ、事業環境への適応を図る戦略的な対応)

必要知識: 主要補助金 — 業種転換の定義と中小企業の事業戦略

解法の思考プロセス:

  • 業種転換が単なる事業の多角化ではなく、「主要事業の転換」であることが重要
  • 経済産業省の調査における業種転換の定義を理解
  • 事業環境の変化への戦略的対応という文脈

誤答の落とし穴:

  • 「業種転換」と「多角化」の違いを混同する可能性
  • 一時的な試験的な新事業展開と、本格的な主要事業転換の区別が必要

学習アドバイス: 中小企業経営の用語は、定義が厳密に定められているものが多くあります。特に「業種転換」「多角化」「経営革新」など類似概念の違いを整理することが重要です。


第13問 中小企業基本法の定義

問題要旨: 中小企業基本法の定義に基づく、小規模企業者と中小企業者に関する記述として、最も適切なものはどれか。

K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 基礎 Trap-D 混同誘発

正解: イ(小規模企業者は中小企業者に含まれる概念である)

必要知識: 中小企業の定義と規模別分類 — 中小企業基本法における企業規模の定義と階級関係

解法の思考プロセス:

  • 中小企業基本法で定義される「小規模企業者」と「中小企業者」の関係を理解
  • 小規模企業者が中小企業者の一部集合であることの確認
  • 具体的な従業員数・資本金基準の把握

誤答の落とし穴:

  • 小規模企業者と中小企業者を別個の概念と誤認
  • 「中小企業」という用語の広さと狭さを混同

学習アドバイス: 中小企業基本法第2条は最重要の定義規定です。業種別の従業員数・資本金基準を正確に覚え、問題文から業種を判定して定義を適用する訓練が必須です。


第14問 中小企業新事業活動促進法に基づく支援

問題要旨: 中小企業のA社は、地元の特産品を活用した観光客向けの新商品の開発を計画している。中小企業診断士のB氏は、A社が「中小企業新事業活動促進法」に基づく支援を受けるため、「経営革新計画」を策定することを薦めることにした。このとき、B氏のA社への説明として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-C 部分正解

正解: ウ(支援業務部門は、主要な機能等や活用施設を指定し、具体的で実現可能な再生計画の策定支援を行う)

必要知識: 政策の枠組みと基本法 — 経営革新計画の制度内容と中小企業新事業活動促進法の支援体制

解法の思考プロセス:

  • 経営革新計画の定義と制度の適用要件
  • 中小企業新事業活動促進法に基づく支援メニュー
  • 計画申請から承認までのプロセス

誤答の落とし穴:

  • 「経営革新」と「経営改善」や「事業承継」の支援制度を混同
  • 計画策定責任と支援機関の責任の関係を誤認

学習アドバイス: 中小企業支援法制は複数存在し、それぞれの対象・要件・支援内容が異なります。個別の法律の制度設計を整理し、法律名と支援の対応を習得することが重要です。


第15問 農商工等連携事業の支援制度

問題要旨: 農業者と連携を計画している中小製造業のA社は、「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律」に基づく支援を受けるため、「農商工等連携事業計画」の認定申請を行うことを計画している。このとき、A社への説明として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: ア(農業者と連携した新商品開発により、農林漁業者の6次産業化を支援する事業)

必要知識: 産業集積とクラスター — 農商工等連携事業の定義と支援内容、農林漁業者との連携の意義

解法の思考プロセス:

  • 農商工等連携事業計画の認定基準を理解
  • 中小企業と農林漁業者の役割分担と相乗効果
  • 6次産業化の概念との関連性

誤答の落とし穴:

  • 農商工等連携と単なる農産物購入を混同
  • 農業者側への支援内容を正確に理解していない
  • 連携の対価や利益配分に関する誤解

学習アドバイス: 農商工等連携は、地方創生や農業振興との文脈で出題されることが多いです。農業と商工業の機能的な連携を通じて、付加価値を生み出す仕組みを理解することが重要です。


第16問 地域中小企業応援ファンドの仕組み

問題要旨: 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。地域中小企業応援ファンドは、対象となる地域の中小企業者のニーズに応じて「経営資源活性化型」と「チャレンジ企業応援型」の2つのタイプが用意されている。(設問1)と(設問2)に関する記述がある。最も適切なものを選べ。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-A 逆方向誘発

正解: ア(経営資源活性化型は、既存事業の再構築や環境整備が中心で、設立直後の企業向けではない)

必要知識: 経営支援施策 — 地域中小企業応援ファンドの2つのタイプの特徴と対象企業の違い

解法の思考プロセス:

  • 経営資源活性化型と チャレンジ企業応援型の対象企業層の違い
  • ファンドの資金供給メカニズムと出口戦略
  • リスク選別と支援期間の違い

誤答の落とし穴:

  • 2つのタイプの用途を逆に理解する危険性
  • 「チャレンジ企業」と「既存企業」の定義が曖昧
  • ファンド形態での返済要件と出資の関係

学習アドバイス: ファンドは金融支援の新しい形態です。従来の貸付と異なり、出資・返済・利益配分の仕組みを制度設計から理解することが重要です。


第17問 創業支援制度と資金確保

問題要旨: 下記は、創業予定者に対する中小企業診断士のアドバイスである。「創業には、多様な事業形態があり、それぞれに創業に関する支援施策が整備されています。お客様の事業計画に応じて、次のような資金調達方法を活用できます」という説明に関連して、最も適切な記述を選べ。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: ウ(創業者向けの保証制度と補助金・助成金の併用による資金調達)

必要知識: 創業支援策 — 創業資金の多元的調達方法と各種支援制度の活用

解法の思考プロセス:

  • 日本政策金融公庫の新創業融資制度
  • 信用保証協会の保証制度
  • 国庫補助金・地域の助成金の活用
  • これらの制度の組み合わせ方

誤答の落とし穴:

  • 融資制度と補助金制度の違いの理解不足
  • 保証制度と貸付制度の関係性の混同
  • 利用できる資金調達方法の順序や優先順位の誤解

学習アドバイス: 創業資金は複数の仕組みの組み合わせで確保されることが多いです。各制度の特徴(返済義務の有無、利率、手続き)を整理し、創業計画に合わせた資金調達アドバイスができる状態を目指しましょう。


第18問 新創業融資制度の利用条件

問題要旨: 洋菓子小売業を開業予定のA氏から、開業資金の相談を受けた中小企業診断士のB氏は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の利用を薦めることにした。このとき、B氏のA社への説明として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-C 部分正解

正解: イ(相談・受託実践は、日本政策金融公庫と相談窓口を通じて行われます)

必要知識: 創業支援策 — 新創業融資制度の利用要件と担保・保証人の要件

解法の思考プロセス:

  • 新創業融資制度の特徴(無担保・無保証人での融資)
  • 融資可能額と利率の一般的な水準
  • 融資実行までのプロセスと必要書類
  • 認定支援機関の活用

誤答の落とし穴:

  • 無担保・無保証人という制度の特徴を見落とす
  • 融資額の限度や金利条件の具体的数字に関する誤解
  • 返済期間や据置期間の要件の混同

学習アドバイス: 新創業融資制度は、起業時に最初に検討される重要な資金調達方法です。無担保・無保証人という革新的な特徴と、その代わりとしての利率・融資限度額のバランスを正確に理解してください。


第19問 中小企業再生支援協議会と再生の枠組み

問題要旨: わが国経済の活性化のためには、独自の技術やノウハウを持ち地域経済を支える中小企業が破綻に追い込まれることがないよう、円滑な再生を進めることが不可欠である。特に、中小企業の再生の必要性・重要性は高く、「中小企業再生支援協議会」を軸とした中小企業の再生の取り組みが行われている。「中小企業再生支援協議会」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: エ(中小企業支援法に基づき設置されている)

必要知識: 経営支援施策 — 中小企業再生支援協議会の設置根拠法と支援機能

解法の思考プロセス:

  • 中小企業再生支援協議会は47都道府県の認定支援機関(商工会議所等)に設置されている
  • 支援業務部門は個別支援チームを編成し、再生計画策定支援を行う
  • 設置根拠法は産業活力再生特別措置法(現・産業競争力強化法)であり、中小企業支援法ではない

誤答の落とし穴:

  • 「最も不適切」を問う問題であることに注意(正しい記述を選ばないこと)
  • 設置根拠法(産業活力再生特別措置法)と中小企業支援法を混同
  • 協議会の機能自体は正しく理解していても、法的根拠を誤認

学習アドバイス: 中小企業再生支援協議会は産業活力再生特別措置法(2003年改正で追加)に基づいて設置されています。「不適切」問題では消去法ではなく、各選択肢の正誤を一つずつ判定する習慣をつけましょう。


第20問 中小企業退職金共済制度

問題要旨: 中小企業のA社は、従業員のために退職金制度を設けたいと思っているが、独力では退職金制度を設けることが困難な状況にある。A社の社長から相談を受けた中小企業診断士のB氏は、一般の中小企業退職金共済制度を紹介することにした。B氏の説明として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-D 混同誘発

正解: ア(掛金の2分の1は、事業主の損金又は必要経費として認められます)

必要知識: 人材・雇用支援施策 — 一般の中小企業退職金共済制度(中退共)の仕組み

解法の思考プロセス:

  • 中退共の掛金は全額が損金・必要経費として認められる(ア)
  • 掛金助成は国(中退共本部)が行い、都道府県ではない(イの誤り)
  • 同居の親族は原則加入不可(ウの誤り)
  • 退職金は中退共本部から直接従業員に支払われ、事業主を経由しない(エの誤り)

誤答の落とし穴:

  • 掛金助成の主体(国 vs 都道府県)の混同
  • 退職金の支払経路(直接支払い vs 事業主経由)の誤解
  • 加入対象者の範囲に関する理解不足

学習アドバイス: 中退共は「掛金は全額損金算入」「退職金は従業員に直接支払い」「新規加入時は国が掛金の一部を助成」の3点が重要です。類似制度(小規模企業共済、特定退職金共済)との違いも整理しましょう。


第21問 下請企業保護と不公正な取引慣行の規制

問題要旨: 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。下請事業者は、親事業者に対する取引依存度が高いことから、しばしば親事業者から不利な取引条件を強いられることがある。国は、下請法により親事業者の不公正な取引慣行を規制するとともに、下請企業の経営基盤強化に向けた施策を推進している。下請法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: ウ(下請法は、親事業者が行ってはならない行為を規定し、下請事業者の権益を保護する法律である)

必要知識: 取引適正化と小規模事業者向け施策 — 下請法の目的と禁止行為の体系

解法の思考プロセス:

  • 下請法の適用対象(資本金による分類)
  • 禁止される行為(買いたたき、返品、支払い遅延など)
  • 下請法による保護の範囲

誤答の落とし穴:

  • 下請法と独占禁止法の関係と役割分担の混同
  • 適用対象となる企業規模の誤解
  • 禁止行為の具体的内容の不正確な理解

学習アドバイス: 下請法は「禁止行為法」です。親事業者が「してはならない」行為を列挙する構造を理解することが、問題の正誤判定に直結します。


第22問 経営安定関連保証制度

問題要旨: 中小企業のA社は、取引先企業の倒産によって、経営の安定に支障を生じている。そこで、中小企業診断士のB氏は、A社への資金供給の円滑化を図るため、「経営安定関連保証制度(セーフティネット保証)」を薦めることにした。この制度に関するB氏のA社への説明として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-C 部分正解

正解: ア(この制度を利用するためには、事業所の所在地を管轄する市町村長又は特別区長の認定が必要になります)

必要知識: 金融支援制度 — 経営安定関連保証制度の認定要件と適用対象

解法の思考プロセス:

  • セーフティネット保証の対象となる経営危機の類型
  • 市町村による認定手続きの重要性
  • 信用保証協会の保証率と利率

誤答の落とし穴:

  • 認定機関(市町村長)の役割を過小評価
  • 取引先倒産による支障と自然災害による支障の区別
  • 保証融資と直接融資の混同

学習アドバイス: セーフティネット保証は、経営危機時の重要な支援制度です。「どの経営危機が対象か」「誰が認定するか」といった制度設計の基本を理解することが重要です。


第23問 高度化事業と中小企業の共同投資

問題要旨: 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。高度化事業は、中小企業者が共同で事業環境の改善や経営基盤の強化に取り組む場合に必要となる設備資金について、事業計画に対するアドバイスを受けたうえで、長期・低利(又は無利子)で貸付けを受けることができる制度である。高度化事業に関する記述として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-A 逆方向誘発

正解: ア(A方式では、都道府県が中小企業者に貸付けを行う)

必要知識: 経営支援施策 — 高度化事業の資金融通方式とA方式・B方式の違い

解法の思考プロセス:

  • A方式と B方式の貸付者の違い
  • 都道府県と日本政策金融公庫の役割分担
  • 対象となる事業と支援内容

誤答の落とし穴:

  • A方式とB方式の特徴を逆に理解する危険性
  • 貸付者(都道府県 vs 政策金融公庫)の違いを見落とす
  • 共同性の要件と参加企業数の混同

学習アドバイス: 高度化事業は、複数の中小企業による「共同」投資を支援する制度です。個別企業への支援ではなく、グループ・協会への支援という特徴を理解することが重要です。


第24問 商店街振興組合と商店街活性化事業

問題要旨: 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。商店街振興組合は、商店街が形成されている地域において、小売商業又はサービス業に属する事業その他の事業を営む者及び定款で定める要件を満たす者によって組織される事業組合である。商店街振興組合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: ア(1地区に複数組合の設立が可能である)

必要知識: 取引適正化と小規模事業者向け施策 — 商店街振興組合の設立要件と組織体系

解法の思考プロセス:

  • 商店街振興組合の設立に必要な組合員数や資本金要件
  • 1地区における複数組合設立の可否
  • 中小企業等協同組合法の適用

誤答の落とし穴:

  • 「中小企業団体」と「商店街振興組合」の区別
  • 設立条件(組合員数の最小要件)の誤解
  • 複数組合の設立可否に関する理解不足

学習アドバイス: 商店街振興組合は、地域コミュニティに基づいた組織です。組合の法人化と支援制度の対象範囲を理解することが、商店街活性化に関する複合問題の解答に有効です。


第25問 エンジェル税制とベンチャー企業投資

問題要旨: 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。「エンジェル税制」は、一定の要件を満たすベンチャー企業に対して投資を行う個人投資家が減税を受けることができる制度である。エンジェル税制に関する記述として、最も適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-C 部分正解

正解: イ(創業20年未満の中小企業者であることと)

必要知識: 創業支援策 — エンジェル税制の適用要件とベンチャー企業の定義

解法の思考プロセス:

  • エンジェル税制の対象となるベンチャー企業の要件
  • 個人投資家の投資控除率と控除額の限度
  • 未上場企業という要件の位置付け

誤答の落とし穴:

  • 「創業」と「設立」の年数カウント方法の違い
  • 大規模法人への投資の排除要件を見落とす
  • 投資控除の仕組み(減税額の計算方法)の誤解

学習アドバイス: エンジェル税制は、個人投資家による起業支援とベンチャー企業の資金調達を促進する制度です。投資側の優遇措置と被投資企業の要件が組み合わされた制度設計を理解することが重要です。


第26問 戦略的中心市街地商業等活性化支援事業

問題要旨: 次の文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。「戦略的中心市街地商業等活性化支援事業」は、Aの認定を受けたBのうち、商業等活性化施設の整備を伴う事業を対象としている。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-D 混同誘発

正解: ウ(A:内閣総理大臣 B:市町村)

必要知識: 産業集積とクラスター — 中心市街地活性化法の認定体系と実施主体

解法の思考プロセス:

  • 中心市街地活性化基本計画は市町村が作成し、内閣総理大臣が認定する
  • 戦略的中心市街地商業等活性化支援事業は認定された基本計画に基づいて実施
  • A=内閣総理大臣、B=市町村 の組み合わせが正解

誤答の落とし穴:

  • 認定者を「経済産業大臣」と誤認しやすい(実際は内閣総理大臣)
  • 計画の作成主体が「都道府県」ではなく「市町村」であることを見落とす
  • 中心市街地活性化法の制度設計を正確に理解していないと間違える

学習アドバイス: 中心市街地活性化法では、計画作成主体は市町村、認定者は内閣総理大臣という体系です。「誰が作り、誰が認定するか」を制度ごとに整理することが重要です。


第27問 中小企業法制の歴史的変遷

問題要旨: 中小企業に関する施策は、時代に応じて変遷をしてきた。下記のaからcの中小企業の法律に関する記述について、古いものから順に正しく配列したものを下記の解答群から選べ。

a:中小企業の自助努力を尊重しつつ、きめ細かな支援を行うため、中小企業基本法が改正され、中小企業政策の抜本的見直しが行われた。

b:中小企業近代化促進法の制定により、政策の力点は近代化・高度化におかれた。

c:わが国製造業の国際競争力を支えるものづくり中小企業の支援を行うため、中小ものづくり高度化法が制定された。

K4 因果メカニズム T4 因果推論 L3 高度 Trap-A 逆方向誘発

正解: ウ(b→a→c)

必要知識: 政策の枠組みと基本法 — 中小企業関連法の制定・改正の時系列

解法の思考プロセス:

  • b:中小企業近代化促進法の制定(1963年・昭和38年)
  • a:中小企業基本法の改正(1999年・平成11年)
  • c:中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律(中小ものづくり高度化法)の制定(2006年・平成18年)
  • よって古い順に b(1963年)→ a(1999年)→ c(2006年)

誤答の落とし穴:

  • 中小企業基本法の「制定」(1963年)と「改正」(1999年)を混同すると時系列が狂う
  • 中小ものづくり高度化法(2006年)をものづくり基盤技術振興基本法(1999年)と混同
  • 近代化促進法と基本法が同じ1963年に制定されたことを知らないと判断に迷う

学習アドバイス: 中小企業政策の変遷は、①1963年(基本法・近代化促進法の制定)→②1999年(基本法の抜本改正)→③2006年(中小ものづくり高度化法)という大きな流れで整理してください。各法律が「その時代のどの課題に対応したのか」を理解することが重要です。


第28問 知的財産の保護と中小企業支援

問題要旨: 中小企業のA社は、海外での模倣品の製造により、知的財産権の侵害を受けている。模倣品対策を検討しているA社に対して、中小企業診断士のB氏は、「中小企業知的財産権保護対策事業」を紹介することにした。この事業に関して、B氏のA社に対するアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 応用 Trap-B 条件すり替え

正解: ア(海外の知的財産事情に詳しい専門家を6ヵ月間無料で派遣してくれます)

必要知識: 経営支援施策 — 中小企業知的財産権保護対策事業の支援内容

解法の思考プロセス:

  • 相談・受付窓口は日本貿易振興機構(JETRO)(イは正しい)
  • 補助対象経費は侵害調査にかかる海外調査機関への委託費用(ウは正しい)
  • 補助率は3分の2以内で上限額あり(エは正しい)
  • 専門家派遣の期間・条件がアの記述と異なるため、アが不適切

誤答の落とし穴:

  • 「最も不適切」を問う問題であることに注意
  • 補助率や窓口機関など、正しい選択肢の細部に惑わされない
  • 知的財産権保護対策事業と他の知財関連支援事業を混同

学習アドバイス: 知的財産権保護対策事業は、海外での模倣品被害に対する中小企業の支援制度です。窓口(JETRO)、補助対象(海外調査費用)、補助率(2/3以内)の3点をセットで覚えましょう。


分類タグの凡例

知識種類(K)

タグ意味
K1定義・用語
K2グラフ形状 / 分類・表示
K3数式・公式
K4因果メカニズム / 手続・手順
K5制度・データ / 制度・基準

思考法(T)

タグ意味
T1正誤判定
T2グラフ読解 / 分類判断
T3計算実行
T4因果推論 / 条件整理
T5場合分け

形式層(L)

タグ意味
L1定義暗記で解ける
L2構造理解が必要
L3因果連鎖・推論が必要
L4数式操作・応用が必要

罠パターン(Trap)

タグ意味対策
Trap-A逆方向方向を書き出して確認
Trap-B条件すり替え前提条件を最初に確認
Trap-C部分正解最後の一段を重点チェック
Trap-D混同誘発対比表で区別を明確に
Trap-E計算ミス誘発公式の意味を理解して検算

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