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中小企業経営・中小企業政策(令和4年度)

令和4年度(2022)中小企業診断士第1次試験 中小企業経営・中小企業政策の全31問解説

概要

令和4年度の中小企業経営・中小企業政策は全42問(100点満点)で出題されました(中小企業経営21問+中小企業政策21問)。本解説では代表的な31問を取り上げています。

問題文は J-SMECA 公式サイト(令和4年度 中小企業経営・中小企業政策) から入手できます。手元に PDF を用意したうえでお読みください。全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。

解説の読み方

各問について「問題要旨 → 分類タグ → 正解 → 必要知識 → 解法の思考プロセス → 誤答の落とし穴 → 学習アドバイス」の順で解説しています。分類タグの意味は本ページ末尾の凡例を参照してください。

出題構成

領域問番号問数
中小企業経営(白書・統計)1〜99
中小企業政策(施策・制度)10〜3122

全問分類マップ

テーマ知識種類思考法形式層罠パターン
1企業規模別の従業者数と付加価値額K5 制度・データT2 グラフ読解L2Trap-D 混同誘発
2製造業・卸売業・小売業の企業規模別割合K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
3小規模企業の売上高経常利益率K5 制度・データT2 グラフ読解L2Trap-B 条件すり替え
4製造業・非製造業の付加価値額K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
5従業者数別の労働生産性K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-A 逆方向
6雇用関係の変動(開業率・廃業率)K5 制度・データT2 グラフ読解L2Trap-D 混同誘発
7自己資本比率のデータ分析K5 制度・データT3 計算実行L2Trap-C 部分正解
8直接輸出企業と直接投資の比較分析K5 制度・データT2 グラフ読解L2Trap-B 条件すり替え
9ソフトウェア投資比率の推移K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
10デジタル化の取り組み状況K5 制度・データT1 正誤判定L2Trap-C 部分正解
11中小企業基本法の定義K1 定義・用語T1 正誤判定L1Trap-C 部分正解
12構造改革特区と事業再生支援K5 制度・データT2 グラフ読解L2Trap-D 混同誘発
13事業承継・引継ぎ支援センターK5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
14小規模企業経営改善資金と事業所数K5 制度・データT2 グラフ読解L2Trap-D 混同誘発
15小規模企業の環境変化への対応K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
16サービス業の認定状況K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
17多様な資金調達手段の特性K4 因果メカニズムT1 正誤判定L2Trap-B 条件すり替え
18中小企業基本法の第2条と第5条K1 定義・用語T1 正誤判定L1Trap-C 部分正解
19下請代金支払い遅延行為の禁止ルールK5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
20経営革新支援事業と経営目標K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
21下請代金支払いに関する下請代金法K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-A 逆方向
22小規模事業者持続化補助金K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
23事業承継・引継ぎ支援センター相談K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
24中小企業等経営強化法K1 定義・用語T1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
25経営課題解決のための資金調達相談K4 因果メカニズムT2 グラフ読解L2Trap-C 部分正解
26女性・若年層・シニア企業支援K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
27JAPAN ブランド育成支援事業K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
28ものづくり補助金と経営指標K5 制度・データT1 正誤判定L2Trap-B 条件すり替え
29成長型中小企業等研究開発支援事業K5 制度・データT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発
30中小企業支援における伴走型支援K4 因果メカニズムT1 正誤判定L2Trap-B 条件すり替え
31経営支援と公開情報の活用K4 因果メカニズムT1 正誤判定L1Trap-D 混同誘発

形式層の分布

形式層問数割合該当問
L1 定義・基礎知識1858%2, 4, 5, 9, 11, 13, 14, 15, 16, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 26, 29, 31
L2 制度・施策の比較理解1239%1, 3, 6, 7, 8, 10, 12, 25, 28, 30
L3 複合分析13%17

L1(定義・基礎知識)だけで取れるのは最大 72 点。合格ラインを超えるには L2(制度比較理解)+ 施策の体系的理解が不可欠です。


思考法の分布

思考法問数割合該当問
T1 正誤判定2374.2%2,4,5,9,10,11,13,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,26,27,28,29,30,31
T2 分類判断722.6%1,3,6,8,12,14,25
T3 計算実行13.2%7

出題傾向: 正誤判定(T1)が74%と圧倒的で、中小企業施策や制度の定義・要件を機械的に暗記する学習が中心になります。ただし分類判断も23%あり、複数施策の対象企業や申請要件を区別する力も必須です。

罠パターンの分布

罠パターン問数割合該当問
Trap-A 逆方向26.5%5,21
Trap-B 条件すり替え516.1%3,8,17,28,30
Trap-C 部分正解516.1%7,10,11,18,25
Trap-D 混同誘発1961.3%1,2,4,6,9,12,13,14,15,16,19,20,22,23,24,26,27,29,31

最重要な罠: Trap-D「混同誘発」が61%で圧倒的多数派です。多数の補助金・支援制度の対象企業・要件・給付額が選択肢に並び、わずかな違いを見抜く力が求められます。施策ごとの「3要素(対象・要件・給付)」を体系的に整理する学習が最優先です。


中小企業経営(白書・統計)

第1問 企業規模別の従業者数と付加価値額

問題要旨: 経済産業省「平成28年経済センサス」データに基づき、企業規模別の従業者数と付加価値額の関係を分析する問題。中小企業(従業者数および付加価値額)の規模別構成を判断する。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業統計と実態 — 企業規模別の分布、従業者数と付加価値額の関係

解法の思考プロセス: 全体比較で、従業者数の約 70% が中小企業に占められ、付加価値額でも約 100 万円が全体の約 7 割を占めるという基本関係を読み取ります。選択肢ごとに「従業者数が約 2,000 万人で全体の約 7 割」という記述を確認し、付加価値額の配分の大きさとの相対関係を検証します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「従業者数が多い = 付加価値額が多い」という単純な比例関係を仮定する。実際には大企業と中小企業の生産性(1人当たり付加価値)が異なるため、従業者数と付加価値額の構成比が異なります。大企業は付加価値効率が高く、中小企業は従業者数が多くても付加価値額シェアは小さい傾向があります。

学習アドバイス: 統計問題は毎年3〜4問出題で、中小企業白書のデータセッションが主要出題源です。「企業規模」「従業者数」「付加価値」の3軸の関係を図表で整理し、年度ごとの変動トレンドを追跡する習慣をつけましょう。


第2問 製造業・卸売業・小売業の企業規模別割合

問題要旨: 製造業、卸売業、小売業について、企業規模別の割合(企業数割合)を比較する問題。中小規模企業数と規模別構成の違いを判定。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業の業種別分布 — 業種ごとの企業規模分布パターン

解法の思考プロセス: 小規模企業数割合は卸売業・小売業が製造業より高い傾向があります。「小規模企業数割合が卸売業が最高、中規模企業数割合が製造業が最高、小売業は中程度」という典型パターンを確認し、各選択肢の記述を照合します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 業種間の企業規模分布の違いを見落とし、「すべての業種で同じ構成」と仮定する。実際には、卸売業・小売業は個人商店などの小規模事業者が多く、製造業は中規模以上の企業が相対的に多い傾向があります。

学習アドバイス: 業種別統計は毎年1〜2問出題です。wiki の「業種別実態」セッションで、食品製造業・建設業・卸売業・小売業・飲食サービス業など主要業種の特性差を習得しましょう。


第3問 小規模企業の売上高経常利益率

問題要旨: 財務省「法人企業統計」(2010〜2019年)データに基づき、小規模企業の売上高経常利益率の推移を読み取り、利益率の増減傾向を判定する問題。資本金1,000万円未満の企業を小規模企業として定義。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-B 条件すり替え

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業の経営実態 — 売上高経常利益率の推移パターン

解法の思考プロセス: グラフから3つのポイントを読み取ります:(1) 基準年の利益率レベル、(2) 2010年度から2019年度にかけての増減傾向(基調)、(3) 上昇傾向・下降傾向の開始時点と継続期間。景気局面との連動性を確認し、「上昇傾向」「下降傾向」「横ばい傾向」のいずれかを判定します。

誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: グラフの「上昇区間」と「下降区間」を混同し、「全体的には改善している」と誤判定する。データセットが2010年の後退局面から2019年の好況局面まで含むため、区間分割して傾向を読み直す必要があります。

学習アドバイス: 経営指標の時系列分析は毎年出題パターンです。「利益率」「成長率」「労働生産性」などの指標について、景気循環との連動性を理解することが合格への道です。


第4問 製造業・非製造業の付加価値額の推移

問題要旨: 経済産業省「企業活動基本調査」データに基づき、2003年から2019年間における製造業と非製造業の付加価値額の推移を比較し、業種別の動向を判定する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業の業種別動向 — 製造業と非製造業の付加価値構成

解法の思考プロセス: グラフから、製造業と非製造業の付加価値額の相対的な大きさを比較します。基準年と最終年を確認し、「製造業は減少傾向」「非製造業は増加傾向」といった方向性を判定します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「付加価値額が大きい = 産業規模が大きい」と単純に仮定し、産業構造の転換(サービス化)を見落とす。実際には非製造業化の進展により、付加価値額の産業構成が大きく変わっています。

学習アドバイス: 産業構造の変化は診断士試験の重要テーマです。「第二次産業から第三次産業へ」という長期トレンドと、各年度の白書発表データの関連付けを習慣化しましょう。


第5問 従業者数別の労働生産性

問題要旨: 経済産業省「企業活動基本調査」データに基づき、2003年から2019年間における従業者数別企業の労働生産性(1人当たり付加価値)の推移を比較する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-A 逆方向

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業の経営実態 — 企業規模別生産性格差

解法の思考プロセス: 労働生産性は「付加価値 ÷ 従業者数」で計算されます。大企業と小企業の生産性格差の動向を確認し、「格差が拡大」「格差が縮小」「格差が安定」のいずれかを判定します。

誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: 「従業者数が多い企業 = 生産性が高い」という逆方向の因果を仮定する。実際には小規模企業の生産性が低い傾向にあり、この格差は年によって変動します。

学習アドバイス: 生産性分析は経営診断における基本スキルです。企業規模別生産性のトレンドを理解することで、中小企業の課題(付加価値向上、人的資本投資など)が浮き彫りになります。


第6問 雇用関係の変動(開業率・廃業率)

問題要旨: 厚生労働省「雇用保険事業年報」データに基づき、2000年から2019年間における開業率(新規開業)と廃業率(企業閉鎖)の推移を比較する問題。開業率と廃業率の相対的位置と変動パターンを判定。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 創業・廃業の動向 — 開業率・廃業率の推移パターン

解法の思考プロセス: グラフから3つのポイントを読み取ります:(1) 開業率と廃業率の基本的な大小関係、(2) 時系列での増減トレンド(開業は低位安定か変動か、廃業は上昇傾向か安定か)、(3) 両者の乖離幅の変化。景気局面との連動性を確認します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「開業率 > 廃業率 = 企業数増加」という一般的認識を逆転させている時期(景気後退期など)を見落とす。また、絶対値の大小と年度別の増減傾向を混同しやすいため、グラフの折れ線方向を丁寧に読み直す必要があります。

学習アドバイス: 開業・廃業率は経営診断のマクロ環境分析に直結します。毎年の白書データをアップデートし、「日本の起業環境」の国際比較も含めて理解を深めましょう。


第7問 自己資本比率のデータ分析

問題要旨: 財務省「令和元年度法人企業統計」データに基づき、大企業と中小企業の自己資本比率を比較する問題。資本金規模別の借入金依存度の差異を判定する。

K5 制度・データ T3 計算実行 L2 Trap-C 部分正解

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業の財務実態 — 資本構成、借入金依存度

解法の思考プロセス: 自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 で計算されます。大企業と中小企業の数値を読み取り、(1)絶対値の大小、(2)格差の存在確認、(3)業種別・資本金規模別による違いを検証します。

誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「自己資本比率が低い = 経営危機」と単純に判定する。実際には中小企業の特性(担保に依存した借入融資、家族経営による資本構成など)を考慮する必要があり、「相対的に低い」という事実確認の段階で十分です。

学習アドバイス: 財務分析の統計問題は毎年1問出題です。wiki の「中小企業の財務実態」セッションで、自己資本比率以外の指標(流動比率、負債比率、ROA、ROE など)とセットで学習を進めましょう。


第8問 直接輸出企業と直接投資の比較分析

問題要旨: 経済産業省「企業活動基本調査」データに基づき、1997年から2018年間における企業規模別の直接輸出企業割合と直接投資企業割合の推移を比較する問題。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-B 条件すり替え

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業の海外展開 — 直接輸出、直接投資の推移

解法の思考プロセス: グラフから、大企業と中小企業の直接輸出企業割合および直接投資企業割合を比較します。基本的に大企業 > 中小企業という大小関係が成立し、時系列での増減傾向(両者とも増加傾向か、中小企業が特に増加か)を判定します。

誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「直接輸出 > 直接投資」という一般的傾向から、「直接輸出企業割合 > 直接投資企業割合」と一律に仮定する。実際には企業規模や産業によって、投資比率が輸出比率を上回る場合があります。

学習アドバイス: グローバル化と中小企業の関連問題は近年の重要テーマです。wiki の「海外展開支援」セッションで、政府の支援施策(JETRO、海外見本市出展支援など)とデータの関連付けを習慣化しましょう。


第9問 ソフトウェア投資比率の推移

問題要旨: 経済産業省「企業活動基本調査」データに基づき、2013年から2020年間における企業規模別のソフトウェア投資比率の推移を比較する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: デジタル化と中小企業 — ソフトウェア投資、DX 対応

解法の思考プロセス: ソフトウェア投資比率 = ソフトウェア投資額 ÷ 総投資額 で定義されます。大企業と中小企業の数値の大小関係と、時系列での増減傾向(上昇傾向、下降傾向、安定傾向)を確認します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「ソフトウェア投資が重要 = すべての企業で同じペースで増加」と仮定し、企業規模別の投資傾向の違いを見落とす。実際には大企業の投資が先行し、中小企業は後塵を拝している傾向が強いです。

学習アドバイス: DX(デジタル・トランスフォーメーション)は今後の出題の中核予想テーマです。ソフトウェア投資、IT 人材、クラウドファンディングなど、デジタル化に関連する統計データを継続的にフォローしましょう。


中小企業政策(施策・制度)

第10問 デジタル化の取り組み状況

問題要旨: 中小企業庁の調査に基づき、中小企業のデジタル化の現状と課題を把握する問題。IT ツール・システムの導入状況、導入障害(人材不足、予算不足、知識不足など)を認識する。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 Trap-C 部分正解

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: デジタル化と中小企業支援 — DX 推進施策、導入支援

解法の思考プロセス: 中小企業のデジタル化状況を(1)導入済み企業の割合、(2)導入予定企業の割合、(3)導入障害(人材・資金・知識)の大きさの3軸で整理します。アナログ文化・旧態然たる経営慣行が根深い中小企業において、「デジタル化の遅れが経営課題」という認識が浸透していることを確認します。

誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「デジタル化が重要 = すべての企業で導入が進んでいる」と偏った仮定をする。実際には導入企業は限定的で、多くの企業が「知りたいが、手段がない」という状態にあります。

学習アドバイス: 2020年以降、デジタル化支援は政府施策の最優先項目になっています。wiki の「デジタル化支援」ノードで、IT 導入補助金、DIGITAL 化認定、スマート経営推進事業などの支援制度を体系的に習得しましょう。


第11問 中小企業基本法の定義

問題要旨: 中小企業基本法の条文に基づき、中小企業者の定義(第2条)と中小企業に関する施策の基本方針(第5条)を正しく理解する問題。

K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業基本法と施策体系 — 定義、基本方針、施策展開

解法の思考プロセス: 中小企業基本法の骨組みを確認します:(1) 第2条で「中小企業者」を定義(資本金と従業者数による分類)、(2) 第5条で中小企業振興の基本方針を述べます。「第2条で定義される企業 = 中小企業政策の対象」という基本的な対応関係を認識し、選択肢の条文表記を照合します。

誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「中小企業基本法 = 融資制度法」と混同し、中小企業金融公庫などの施設根拠法と区別できない。基本法は「定義と方針」の法律であり、個別施策(融資、補助、保証など)は別個の法律に基づいています。

学習アドバイス: 中小企業基本法は診断士試験の「憲法」です。第1条から第9条までの総則部分は暗記必須領域です。wiki の「基本法と施策体系」ノードで、基本法と個別法(下請代金支払遅延等防止法、中小企業技術革新制度法など)の関係図を習得しましょう。


第12問 構造改革特区と事業再生支援

問題要旨: 中小企業庁による構造改革特区制度と事業再生支援の取り組みについて、認定状況を読み取り、認定企業数の増減傾向を判定する問題。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 事業再生支援制度 — 事業再生計画、資金支援、伴走支援

解法の思考プロセス: 構造改革特区と事業再生支援の違いを区別します。前者は「規制改革によるビジネス実験」であり、後者は「経営危機企業の再生支援」です。グラフから認定企業数の年別推移を読み取り、「増加傾向」「減少傾向」「安定傾向」のいずれかを判定します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「構造改革特区 = 事業再生支援」と混同し、別個の施策として理解できない。統計データも異なるため、各施策の定義をしっかり区別してから数値を読む必要があります。

学習アドバイス: 事業再生支援は診断士の実務領域です。wiki の「事業再生」ノードで、事業再生計画の要件、支援機関(中小企業再生支援協議会など)、融資条件を習得しましょう。


第13問 事業承継・引継ぎ支援センター

問題要旨: 事業承継・引継ぎ支援センターの機能と役割について、相談件数、成約件数などの実績を読み取り、支援実績の認識を確認する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 事業承継支援制度 — 事業承継・引継ぎ支援センター、相談機能、マッチング

解法の思考プロセス: 事業承継・引継ぎ支援センターの基本機能を確認します:(1) 相談受付・調査診断、(2) 後継者人材バンク(親族・従業員・外部人材)の運営、(3) M&A マッチング支援。各都道府県に設置され、無料相談を実施しています。選択肢で「相談件数」「成約件数」の大小関係を確認します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「相談件数 > 成約件数」という基本的な通過率を見落とし、逆の記述に引っかかる。支援センターの成功率(相談から成約までの実現率)は約 20 〜 30% 程度であり、大多数の相談が不成立に終わる現実を認識すると判定が容易になります。

学習アドバイス: 事業承継は社会的に最重要課題です。wiki の「事業承継」ノードで、親族承継・従業員承継・M&A の3類型と、各々の支援制度・税制優遇を体系的に習得しましょう。


第14問 小規模企業経営改善資金と事業所数

問題要旨: マーケットシート(当該「小規模企業経営改善資金」)についての認識調査に基づき、施設構成比(1986年と2016年比較)を読み取り、事業所数の増減パターンを判定する問題。

K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 小規模企業経営改善資金 — 融資制度、融資対象、件数実績

解法の思考プロセス: グラフから、1986年と2016年の事業所数を業種別(製造業、卸売業・小売業、サービス業など)に比較します。「製造業が減少、サービス業が増加」という産業空洞化のトレンドを読み取り、当該資金の利用パターンがこのトレンドにどう反映しているかを判定します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: グラフの棒の高さと増減傾向を混同し、「現在の事業所数が多い = その業種が成長している」と判定する。30年間の変化を見るために、基準年からの増減方向を丁寧に読む必要があります。

学習アドバイス: 小規模企業経営改善資金(マル経資金)は伝統的で重要な融資制度です。wiki の「融資制度」ノードで、信用保証協会による保証融資、日本政策金融公庫の直接融資、金利・期間などの条件を習得しましょう。


第15問 小規模企業の環境変化への対応

問題要旨: 小規模企業の経営課題(環境変化への対応)について、大企業との比較による認識を確認する問題。経営資源の制約下での環境対応のあり方を判定。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 小規模企業の経営実態 — 経営課題、対応戦略

解法の思考プロセス: 小規模企業の特性を確認します:(1) 経営資源(人材・資金)の制約、(2) 環境変化への対応速度の遅さ、(3) 外部資源活用(診断士、支援機関)の必要性。これらを踏まえ、「小規模企業にとって環境対応は重要だが、実行能力に課題がある」という事実認識が正答につながります。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「環境対応が重要 = すべての企業で同じペースで対応」と仮定し、企業規模別の対応能力格差を見落とす。実際には小規模企業は「対応の必要性は認識しているが、資金・人材不足で実行できない」というジレンマに直面しています。

学習アドバイス: 中小企業経営の永遠の課題である「環境対応と経営資源の制約」は、診断実務でも頻出テーマです。wiki の「経営課題」ノードで、デジタル化、カーボンニュートラル、働き方改革など、現在の主要課題の支援施策を習得しましょう。


第16問 サービス業の認定状況

問題要旨: サービス業企業の各種認定制度(経営革新計画、経営力向上計画など)の認定状況を読み取り、業種別の認定数や認定率を判定する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 経営革新・経営力向上支援 — 認定制度の仕組み、業種別対応

解法の思考プロセス: サービス業内での業種別認定数(飲食、宿泊、小売、人材サービスなど)の相対的な大小関係を確認します。「飲食・宿泊が最も認定数が多い」など、業種規模と認定数の関係を検証します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「サービス業 = 小規模企業が多い」という一般論から、「認定企業も小規模企業が中心」と仮定する。実際には「成長志向の企業」が認定申請をするため、業種別の規模分布とは異なるパターンが生じます。

学習アドバイス: 経営革新計画は診断実務でも頻出です。wiki の「経営革新・経営力向上」ノードで、認定要件(新事業分野展開、新商品開発など)、税制優遇、融資優遇の詳細を習得しましょう。


第17問 多様な資金調達手段の特性

問題要旨: 中小企業の資金調達手段(銀行融資、信用保証協会保証融資、日本政策金融公庫、エクイティ ファイナンス)の特性を理解し、それぞれの適用場面と利点・欠点を判定する問題。

K4 因果メカニズム T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件すり替え

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業金融の仕組み — 融資と出資の違い、各機関の役割分担

解法の思考プロセス: 各資金調達手段を(1)返済義務の有無、(2)金利・期間・返済条件、(3)適用対象企業(信用不足企業、成長企業など)の3軸で分類します。銀行融資は信用力が重要、政策金融公庫は弱小企業向け、ベンチャー企業はエクイティ重視、という典型パターンを確認します。

誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「融資 = 返済義務」という一般的性質を逆転させ、「融資なら返済不要」などと誤判定する。また、「政策金融公庫 = すべての企業が利用可」と仮定し、実際の対象要件(経営改善、創業支援など)を見落とします。

学習アドバイス: 資金調達は経営診断の核となる領域です。wiki の「金融支援」ノードで、信用保証協会の保証メカニズム、日本政策金融公庫の融資制度(マル経、創業融資、事業再生融資など)、ファンド・ベンチャーキャピタルの仕組みを体系的に習得しましょう。


第18問 中小企業基本法の第2条と第5条

問題要旨: 中小企業基本法第2条(定義)と第5条(基本方針)の条文に基づき、中小企業政策の対象企業と施策方針の整合性を確認する問題。

K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 中小企業基本法 — 第2条の定義と第5条の基本方針

解法の思考プロセス: 基本法の構造を確認します:(1) 第2条で「中小企業者 = 個人事業主と法人」を定義し、資本金と従業者数の分類基準を示す、(2) 第5条で「中小企業に関する国の施策の基本的方針」として「経営の安定性確保」「競争力強化」「地域経済への貢献」などを掲げます。定義と方針の論理的整合性を確認します。

誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「第2条 = 定義」「第5条 = 方針」という構造は正しいが、「定義される企業 = 政策対象のすべて」と限定的に理解する。実際には、中小企業基本法の施策対象には、定義外の企業(特定業種)や特別枠(起業家、女性経営者など)も含まれます。

学習アドバイス: 中小企業基本法は診断士試験の「根幹テキスト」です。全9章の条文構成を把握し、各章の役割分担(総則、基本方針、施策の種類など)を理解することが、個別施策法の学習にもつながります。


第19問 下請代金支払い遅延行為の禁止ルール

問題要旨: 下請代金支払遅延等防止法に基づき、親企業(製造業・卸売業など)が下請企業に対して禁止される行為(代金支払い遅延、買いたたき、一方的な契約変更など)を正しく識別する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 下請代金支払遅延等防止法 — 禁止行為、代金支払期限、罰則

解法の思考プロセス: 下請代金支払遅延等防止法の核心を確認します:(1) 代金支払期限は原則「納入から60日以内」、(2) 禁止される親企業の行為は「支払遅延」「買いたたき」「一方的返金」「代金減額」など複数列挙、(3) 罰則は「個別指導」「警告」「公表」となっています。選択肢で「禁止行為」を正確に識別するため、各行為の定義を確認します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「下請いじめ = すべての親企業行為が違法」と広く解釈し、実際には合法的な範囲内の行動(品質改善指導、納期厳格化など)を違法と誤判定する。禁止行為は明確に列挙されており、判定は機械的になります。

学習アドバイス: 下請代金支払遅延等防止法は診断士の「現場知」として重要です。wiki の「下請法」ノードで、禁止行為の定義、代金支払期限の例外(手形支払い、電子決済など)、指導官庁(中小企業庁)の運用を習得しましょう。


第20問 経営革新支援事業と経営目標

問題要旨: 経営革新計画の認定基準として、達成すべき経営目標(売上増加率、経常利益率など)を正しく理解する問題。認定を受けるために必要な数値目標を判定。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 経営革新計画認定制度 — 認定要件、経営目標基準

解法の思考プロセス: 経営革新計画の認定要件を確認します:(1) 新事業分野展開、新商品開発、経営方針の転換などの「革新性」、(2) 実現可能性の検証、(3) 経営目標として「計画期間(3〜5年)における付加価値額(または一人当たり付加価値額)の年平均3%以上の増加」および「給与支給総額の年平均1.5%以上の増加」という具体的な数値基準が設定されています。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「経営革新 = 大幅な成長」と仮定し、設定される経営目標が実は「保守的」(3% 程度)であることを見落とす。政府支援は「現実的で実現可能な計画」を重視するため、途方もない目標設定は審査対象外となります。

学習アドバイス: 経営革新計画は診断実務での最頻出支援メニューです。wiki の「経営革新」ノードで、認定要件の詳細、認定企業に対する税制優遇(設備投資減税など)、融資優遇の仕組みを習得しましょう。


第21問 下請代金支払いに関する下請代金法

問題要旨: 下請代金支払遅延等防止法に基づき、特定の親企業・下請企業組合せに適用される代金支払いルールを確認する問題。対象企業の要件(業種、資本金、従業者数)を判定。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-A 逆方向

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 下請代金支払遅延等防止法 — 法適用要件、親企業・下請企業の定義

解法の思考プロセス: 下請代金支払遅延等防止法の適用要件を確認します:(1) 親企業:製造業・卸売業・小売業など(金融・保険業を除く)、(2) 下請企業:親企業との取引基準(資本金、従業者数、発注金額など)で定義。親企業 > 下請企業という経営規模の関係が適用の前提となります。

誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: 「親企業 = 大規模企業」という単純な仮定から、実際には中小企業同士の親子関係にも適用されることを見落とす。また、「下請 = 製造業」と限定的に理解し、卸売・小売での下請関係を見落とします。

学習アドバイス: 下請法の適用要件は細かいですが、「親企業と下請企業の経営規模による相対関係」という基本原理を理解すると暗記が容易になります。wiki の「下請法」ノードで、業種別・資本金別の具体的適用例を習得しましょう。


第22問 小規模事業者持続化補助金

問題要旨: 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)の制度概要(補助対象、補助額、補助率)を正しく理解する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 小規模企業向け補助金 — 持続化補助金、補助対象経費、補助額

解法の思考プロセス: 持続化補助金の基本要素を確認します:(1) 対象企業:小規模事業者(従業者数:製造業20人以下、商業・サービス業5人以下)、(2) 補助対象経費:店舗改装、機械購入、広告、研修など(人件費は不可)、(3) 補助額:通常枠で最大50万円、上限補助率2/3。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「補助金 = 返済不要」という理解は正しいが、「すべての経費が対象」と仮定し、人件費・賃貸料などの経常経費が対象外であることを見落とす。補助金は「設備投資、販売促進」に限定されています。

学習アドバイス: 持続化補助金は中小企業の最もアクセスしやすい公的支援です。wiki の「補助金制度」ノードで、毎年の公募要領(補助額、対象経費の詳細)をアップデートし、他の補助金(ものづくり補助金、IT 導入補助金など)との使い分けを習得しましょう。


第23問 事業承継・引継ぎ支援センター相談

問題要旨: 事業承継・引継ぎ支援センターの機能(相談サービス、マッチング、後継者人材バンク)と実績を正しく理解する問題。相談対象企業(後継者候補がいない企業など)を判定。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 事業承継・引継ぎ支援センター — 相談機能、マッチング支援、実績

解法の思考プロセス: 支援センターの機能を確認します:(1) 相談受付(初期診断、課題整理)、(2) 後継者人材バンク(親族・従業員・外部人材の登録と提案)、(3) M&A マッチング支援、(4) 事業承継計画策定支援。支援センターが特に活躍する場面は「後継者候補がいない企業」です。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「事業承継 = すべての企業が相談する」と仮定し、実際には「差し迫った承継ニーズがない企業」は相談しないという現実を見落とす。支援実績は「相談件数」と「成約件数」の乖離で明らかですが、これは「相談しても成約に至らない」という課題を示唆しています。

学習アドバイス: 事業承継は社会的最重要課題であり、毎年の施策拡大が続いています。wiki の「事業承継」ノードで、支援センター以外の支援機関(事業承継ガイドライン、税制優遇、事業承継税制など)も含めて、総合的な支援体系を習得しましょう。


第24問 中小企業等経営強化法

問題要旨: 中小企業等経営強化法(経営強化法)に基づく経営力向上計画の認定制度と、これに伴う設備投資減税などの優遇措置を正しく理解する問題。

K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 経営力向上計画認定制度 — 認定要件、優遇措置、税制

解法の思考プロセス: 経営強化法の基本構造を確認します:(1) 対象企業:中小企業(資本金3億円以下など)、(2) 認定対象:経営力向上計画(人材育成、IT 導入、組織改革など)、(3) 優遇措置:即時償却(固定資産税ゼロまたは導入投資の 100% 償却)、融資優遇。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「経営強化法 = 経営革新計画と同じ」と混同し、別個の制度として理解できない。両者の違い(経営革新は「新事業」重視、経営強化は「経営能力向上」重視)を確認することが判定を容易にします。

学習アドバイス: 経営強化法は比較的新しい制度(2016年施行/平成28年7月1日)で、毎年アップデートされています。wiki の「経営力向上」ノードで、認定要件、税制優遇の詳細、中小企業 IT 導入補助金との関連性を習得しましょう。


第25問 経営課題解決のための資金調達相談

問題要旨: 中小企業経営診断士が顧客企業の経営課題(品質改善、販路開拓、資金不足など)を踏まえ、最適な資金調達手段(融資、補助金、クラウドファンディングなど)を提案する場面での判定問題。

K4 因果メカニズム T2 グラフ読解 L2 Trap-C 部分正解

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 経営課題と資金調達の対応 — 経営課題別の最適資金調達手段

解法の思考プロセス: 各経営課題に対応する資金調達手段を整理します:(1) 短期的な運転資金不足 → 銀行融資・ビジネスローン、(2) 設備投資 → 日本政策金融公庫・補助金、(3) 新規事業展開 → 経営革新計画+補助金、(4) 急速成長 → ベンチャーキャピタル・エクイティ。経営課題から逆算して最適手段を選定します。

誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「資金調達 = すべての企業で融資」と仮定し、補助金やクラウドファンディングなど多様な選択肢を見落とす。また、「融資 = 返済義務」という事実から、「経営課題解決には融資が不適切」と逆に判定することもあります。

学習アドバイス: 資金調達の最適化は診断実務の核です。wiki の「金融支援」ノードで、各資金調達手段の比較表(金利、期間、対象企業、手続き期間など)を整備し、経営課題から最適手段を導出するプロセスを習得しましょう。


第26問 女性・若年層・シニア企業支援

問題要旨: 女性起業家、若年層起業家、シニア起業家などの対象者別支援制度について、各々の支援プログラム(融資優遇、補助金、研修など)を正しく理解する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 対象別起業支援制度 — 女性起業家支援、若年層支援、シニア支援

解法の思考プロセス: 各対象別の支援制度を確認します:(1) 女性起業家:特別枠融資、研修、ネットワーク支援、(2) 若年層:創業支援特別保証、研修、(3) シニア:起業経験者による相談、ネットワーク。各々の支援機関(商工会議所、中小企業庁、女性起業家支援室など)を確認します。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「女性起業 = 小規模で不安定」という偏見から、「支援の必要性が高い」と判定する。実際には支援の設計(融資額、融資期間)は性別に中立的に設定されており、「女性だから特別枠」という待遇をしない政策実行が標準です。

学習アドバイス: 多様な主体(女性、若年、シニア、外国人など)の起業支援は政府施策の重点領域です。wiki の「起業支援」ノードで、各対象別の支援プログラムと対象企業の特性(ビジネスプラン、資金需要、課題など)を対応させながら学習しましょう。


第27問 JAPAN ブランド育成支援事業

問題要旨: 経済産業省による JAPAN ブランド育成支援事業について、支援対象(輸出品目、業種)と支援内容(海外見本市出展、プロモーションなど)を正しく理解する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 海外展開支援施策 — JAPAN ブランド育成支援、対象企業、支援内容

解法の思考プロセス: JAPAN ブランド育成支援事業の基本構造を確認します:(1) 支援対象:中小企業グループが海外で統一ブランドで展開する商品・サービス、(2) 支援内容:海外見本市出展、プロモーション、パッケージング改善、プロフェッショナル事業者(デザイナー、マーケター)派遣、(3) 支援期間:複数年(3年程度)の継続支援。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「JAPAN ブランド = 大企業の事業」と仮定し、実際には中小企業グループが対象であることを見落とす。また、「支援対象 = すべての輸出品目」と広く解釈し、実際には「ブランド化可能な高付加価値商品」に限定されることを見落とします。

学習アドバイス: グローバル化は中小企業の重要課題です。wiki の「海外展開支援」ノードで、JAPAN ブランド育成支援以外の施策(JETRO 活動、海外見本市出展補助、貿易保険など)も含めて、総合的な海外展開支援体系を習得しましょう。


第28問 ものづくり補助金と経営指標

問題要旨: ものづくり・商社・サービス経営力強化支援事業(ものづくり補助金)の補助対象と補助要件(経営指標)を正しく理解する問題。補助対象経費と経営目標の合致を判定。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件すり替え

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: ものづくり補助金 — 補助対象、経営要件、補助額

解法の思考プロセス: ものづくり補助金の要件を確認します:(1) 対象企業:中小企業・小規模企業、(2) 補助対象経費:機械装置、システム構築、外注費などの生産性向上経費、(3) 経営要件:事業計画で「付加価値額の年率平均3%以上増加」および「給与支給総額の年率平均1.5%以上増加」という経営目標を設定、(4) 補助額:通常枠で最大 1,000 万円(従業員規模による)、補助率 1/2(中小企業)または 2/3(小規模事業者・再生事業者)。

誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「ものづくり補助金 = 設備投資をすればすべて対象」と仮定し、実際には「生産性向上に直結する投資」に限定されることを見落とす。また、経営目標設定が必須であり、「補助金獲得が目的」という申請は不採択になることを認識すべきです。

学習アドバイス: ものづくり補助金は中小製造業の最大支援メニューです。wiki の「補助金制度」ノードで、毎年の補助率・補助額の変動、IT 導入の優遇枠、グローバル展開枠など複数メニューの使い分けを習得しましょう。


第29問 成長型中小企業等研究開発支援事業

問題要旨: 経済産業省による成長型中小企業等研究開発支援事業(略称:Go-Tech事業)について、支援対象(企業規模、研究開発内容)と支援額を正しく理解する問題。

K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 研究開発支援制度 — Go-Tech事業、成長型企業、研究開発支援

解法の思考プロセス: Go-Tech事業の基本構造を確認します:(1) 支援対象:中小企業が大学・公設試等と連携して行う研究開発、試作品開発、販路開拓など、(2) 支援内容:研究開発費の補助(人件費、外注費、設備費など)、(3) 支援額:通常枠で9,750万円以下(3年間合計)の研究開発補助。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「研究開発支援 = 大企業の研究所向け」と仮定し、実際には成長ポテンシャルのある中小企業が対象であることを見落とす。また、「研究開発 = 基礎研究」と限定的に理解し、「応用研究、事業化研究」も対象であることを見落とします。

学習アドバイス: イノベーション支援は今後の最重要テーマです。wiki の「研究開発支援」ノードで、Go-Tech事業以外の支援制度(産学連携、ものづくり補助金の R&D 枠など)と合わせて、イノベーション支援の総合体系を習得しましょう。


第30問 中小企業支援における伴走型支援

問題要旨: 中小企業庁の伴走型支援アプローチ(複数年にわたる継続的相談、経営課題の段階的解決)の特徴と実施方法を理解する問題。

K4 因果メカニズム T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件すり替え

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 伴走型支援の仕組み — 継続的支援、経営課題の段階的解決

解法の思考プロセス: 伴走型支援の特性を確認します:(1) 「一度の相談で完結」ではなく、「複数年にわたって企業の成長段階に応じた支援」、(2) 経営診断士・商工会議所などの支援機関が定期的に企業と接触し、課題解決を促進、(3) 短期の成果(売上増加など)だけでなく、「中期的な経営基盤強化」を目指す。

誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「伴走型支援 = 補助金を出す」と誤解し、実際には「継続的相談と指導」が中核であることを見落とす。また、「支援 = 企業主体の判断支援」ではなく「支援者主導の課題解決」と誤判定することもあります。

学習アドバイス: 伴走型支援は診断士実務の現在形です。wiki の「支援アプローチ」ノードで、顧客企業の発展段階(創業期、成長期、成熟期)に応じた支援メニュー設計と、複数年関係構築のプロセスを習得しましょう。


第31問 経営支援と公開情報の活用

問題要旨: 中小企業経営診断に際して、経営者の意識改革と経営情報の公開・活用(決算書開示、経営計画書作成など)の重要性を理解する問題。

K4 因果メカニズム T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発

正解: (公式発表を確認してください)

必要知識: 経営情報の透明性と利用 — 情報開示、経営計画、透明性経営

解法の思考プロセス: 中小企業経営診断の基本原則を確認します:(1) 経営者の「意識改革」が支援の出発点、(2) 経営実績の「透明性確保」(決算書整理、記録管理)が診断精度を向上、(3) 経営計画の「書面化」が実行性を高める。金融機関や支援機関との信頼関係構築にも、情報開示が不可欠です。

誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「経営情報公開 = 競争上の不利」と仮定し、実際には「透明性が信用を生み、融資や取引先開拓に有利に働く」という事実を見落とす。小規模企業ほど、経営情報の秘密化傾向が強いですが、これが成長阻害要因になっていることを認識すべきです。

学習アドバイス: 経営情報の透明性確保は診断実務の基本スキルです。wiki の「経営管理」ノードで、記帳・決算・経営計画の策定プロセスと、これに基づく経営改善ステップを習得しましょう。


年度総括

令和4年度の中小企業経営・中小企業政策試験の特徴:

  1. データ分析重視 (問1〜9):白書・統計データの読解能力が 36 点分の配点に。グラフ形状、数値比較の正確な判断が合格の必須条件。
  2. 施策・制度の正確な理解 (問10〜31):中小企業基本法から個別施策法(下請法、補助金制度など)まで、体系的な知識が必要。「制度名 ≠ 制度内容」という陥穽が多い。
  3. 経営課題と支援施策の対応 (問17, 25, 30など):単なる知識暗記ではなく、「経営課題 → 最適支援施策」という因果推論能力を試す出題が増加中。
  4. 図表読解 vs. 正誤判定の混在:全31問中、L1(定義・基礎)が58%と高いが、L2(図表読解)も39%あり、両能力の総合的な習得が必須。

合格戦略の要点

  • L1 の基礎知識(企業規模定義、制度名と内容)を確実に暗記
  • L2 の白書統計読解能力を、毎年度の最新データで定期更新
  • L3 の経営課題分析は、診断実務経験を通じた学習が最効果的

分類タグの凡例

知識種類(K)

  • K1 定義・用語:制度や概念の定義が問われる。「中小企業」の規模基準など。
  • K2 グラフ形状:需給曲線や費用曲線の形状を理解する基礎知識。
  • K3 数式・公式:計算に必要な公式(利益率、生産性など)。
  • K4 因果メカニズム:「A が増加すれば B も増加」などの因果関係。
  • K5 制度・データ:白書統計データ、政府施策、法律条文。中小企業経営・政策科目の主要領域。

思考法(T)

  • T1 正誤判定:5 択肢の中から誤文を発見する最も基本的な解法。
  • T2 グラフ読解:棒グラフ、折れ線グラフから数値や傾向を読み取る。
  • T3 計算実行:公式を適用して数値計算を実行する。
  • T4 因果推論:「A の増加が B の低下をもたらす」という論理推論。
  • T5 場合分け:複数の条件下での結論を分別する。

形式層(L)

  • L1 定義暗記:教科書的な定義や用語の暗記だけで解答できる問題(難易度低)。
  • L2 グラフ構造理解:グラフの形状、増減傾向、業種別の特性の理解が必要(難易度中)。
  • L3 因果連鎖推論:複数の因果関係を組み合わせた多段階推論が必要(難易度高)。

罠パターン(Trap)

  • Trap-A 逆方向:「A が増加 → B も増加」という単純な因果を、実は「A が増加 → B は減少」と逆転させる罠。
  • Trap-B 条件すり替え:「通常は A → B だが、特定条件下では A → C」という条件変化を見落とす罠。
  • Trap-C 部分正解:選択肢の一部が正確だが、全体では誤った結論に導く罠。
  • Trap-D 混同誘発:概念 A と B を混同させ、誤った判定に導く罠。
  • Trap-E 計算ミス:計算過程で符号や小数点を誤り、答えが変わる罠。

分類タグ凡例

タグ意味
K1 定義・用語用語の正確な意味を問う
K2 グラフ形状グラフの読み取り・形状判断
K3 数式・公式公式の適用・計算
K4 因果メカニズム原因→結果の論理連鎖
K5 制度・データ法制度・統計データの知識
T1 正誤判定選択肢の正誤を判定
T2 グラフ読解グラフから情報を読み取る
T3 計算実行数値計算を実行
T4 因果推論因果関係を推論
T5 場合分け条件による場合分け
L1 基礎基本知識で解ける
L2 応用知識の組み合わせが必要
L3 高度複数ステップの推論が必要
L4 最難度高度な分析力が必要
Trap 逆方向誘発因果の向きを逆に誘導
Trap 混同誘発類似概念を混同させる
Trap 部分正解部分的に正しい選択肢で誘導
Trap 条件すり替え前提条件を変えて誘導
Trap 計算ミス計算過程での間違いを誘発

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概要出題構成全問分類マップ形式層の分布思考法の分布罠パターンの分布中小企業経営(白書・統計)第1問 企業規模別の従業者数と付加価値額第2問 製造業・卸売業・小売業の企業規模別割合第3問 小規模企業の売上高経常利益率第4問 製造業・非製造業の付加価値額の推移第5問 従業者数別の労働生産性第6問 雇用関係の変動(開業率・廃業率)第7問 自己資本比率のデータ分析第8問 直接輸出企業と直接投資の比較分析第9問 ソフトウェア投資比率の推移中小企業政策(施策・制度)第10問 デジタル化の取り組み状況第11問 中小企業基本法の定義第12問 構造改革特区と事業再生支援第13問 事業承継・引継ぎ支援センター第14問 小規模企業経営改善資金と事業所数第15問 小規模企業の環境変化への対応第16問 サービス業の認定状況第17問 多様な資金調達手段の特性第18問 中小企業基本法の第2条と第5条第19問 下請代金支払い遅延行為の禁止ルール第20問 経営革新支援事業と経営目標第21問 下請代金支払いに関する下請代金法第22問 小規模事業者持続化補助金第23問 事業承継・引継ぎ支援センター相談第24問 中小企業等経営強化法第25問 経営課題解決のための資金調達相談第26問 女性・若年層・シニア企業支援第27問 JAPAN ブランド育成支援事業第28問 ものづくり補助金と経営指標第29問 成長型中小企業等研究開発支援事業第30問 中小企業支援における伴走型支援第31問 経営支援と公開情報の活用年度総括分類タグの凡例知識種類(K)思考法(T)形式層(L)罠パターン(Trap)分類タグ凡例関連ページ