中小企業経営・中小企業政策(令和3年度)
令和3年度(2021)中小企業診断士第1次試験 中小企業経営・中小企業政策の全29問解説
概要
令和3年度の中小企業経営・中小企業政策は全29問(各4点、116点満点)で出題されました。中小企業経営(白書・統計)が問1〜9、中小企業政策(施策・制度)が問10〜29という構成です。
問題文は J-SMECA 公式サイト(令和3年度 中小企業経営・中小企業政策) から入手できます。手元に PDF を用意したうえでお読みください。全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。
解説の読み方
各問について「問題要旨 → 分類タグ → 正解 → 必要知識 → 解法の思考プロセス → 誤答の落とし穴 → 学習アドバイス」の順で解説しています。分類タグの意味は本ページ末尾の凡例を参照してください。
出題構成
| 領域 | 問番号 | 問数 |
|---|---|---|
| 中小企業経営(白書・統計) | 1〜9 | 9 |
| 中小企業政策(施策・制度) | 10〜29 | 20 |
全問分類マップ
| 問 | テーマ | 知識種類 | 思考法 | 形式層 | 罠パターン |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 企業規模別の企業数分布 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 2 | 小規模企業の産業分布 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 3 | 企業規模別資本装備率 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 4 | 企業規模間の移動状況 | K5 制度・データ | T3 計算実行 | L2 | Trap-E 計算ミス |
| 5 | 企業規模間の移動の詳細分析 | K5 制度・データ | T4 因果推論 | L2 | Trap-B 条件すり替え |
| 6 | 中小企業の経営課題分析 | K5 制度・データ | T2 グラフ読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 7 | 国内生産額と海外直接投資 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 8 | 研究開発投資比率 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 9 | 企業規模別の経営課題 | K5 制度・データ | T2 グラフ読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 10 | 中小企業基本法の目的 | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 11 | 中小企業支援機関の役割 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 12 | 創業計画と認定制度 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 13 | 小規模企業経営改善資金融資 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 14 | 小規模企業経営改善資金の要件 | K5 制度・データ | T3 計算実行 | L2 | Trap-E 計算ミス |
| 15 | 少額減価償却資産の特例 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 16 | 少額減価償却資産の税制措置 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 17 | 中小企業退職金共済制度 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 18 | 地域団体商標制度の登録要件 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 19 | 地域団体商標制度の登録者 | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 20 | 経営革新計画認定支援 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 21 | ものづくり補助金の対象経費 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 22 | 事業承継支援の仕組み | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 23 | 中小企業支援施策の組み合わせ | K4 因果メカニズム | T4 因果推論 | L2 | Trap-B 条件すり替え |
| 24 | 地方創生と中小企業支援 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 25 | グローバル展開支援 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 26 | 共同申請による補助金制度 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 27 | 事業承継支援センターの機能 | K5 制度・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 28 | 小規模企業経営改善資金の条件 | K5 制度・データ | T3 計算実行 | L2 | Trap-E 計算ミス |
| 29 | 地域団体商標制度の効果 | K4 因果メカニズム | T1 正誤判定 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
形式層の分布
| 形式層 | 問数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| L1 定義・基礎知識 | 21 | 72% | 1, 2, 3, 7, 8, 10, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 24, 25, 26, 27 |
| L2 制度・施策の比較理解 | 8 | 28% | 4, 5, 6, 9, 14, 23, 28, 29 |
L1(定義・基礎知識)だけで取れるのは最大 84 点。合格ラインを超えるには L2(制度比較理解)と施策の体系的理解が不可欠です。
思考法の分布
| 思考法 | 問数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| T1 正誤判定 | 22 | 75.9% | 1, 2, 3, 7, 8, 10, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 24, 25, 26, 27, 29 |
| T2 グラフ読解 | 2 | 6.9% | 6, 9 |
| T3 計算実行 | 3 | 10.3% | 4, 14, 28 |
| T4 因果推論 | 2 | 6.9% | 5, 23 |
出題傾向: 正誤判定(T1)が 76% で圧倒的多数派。白書データ解釈(T2)と施策制度の計算・比較判断(T3/T4)は限定的。正確な制度知識と数値の記憶が何より重要です。
罠パターンの分布
| 罠パターン | 問数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| Trap-A 逆方向 | 0 | 0% | |
| Trap-B 条件すり替え | 2 | 6.9% | 5, 23 |
| Trap-C 部分正解 | 4 | 13.8% | 7, 10, 16, 21 |
| Trap-D 混同誘発 | 20 | 69.0% | 1, 2, 3, 6, 8, 9, 11, 12, 13, 15, 17, 18, 19, 20, 22, 24, 25, 26, 27, 29 |
| Trap-E 計算ミス | 3 | 10.3% | 4, 14, 28 |
最重要な罠: Trap-D(混同誘発)が圧倒的に 69%。制度・施策の選別混同が常出です。例:経営革新計画認定と事業承継支援の対象者、各種補助金の要件の区別、白書統計値の数値誤認。制度体系の整理と具体例の学習が不可欠です。
中小企業経営(白書・統計)
第1問 企業規模別の企業数分布
問題要旨: 経済産業省「平成28年経済センサス−活動調査」に基づき、企業数について資本金規模別と常用雇用者規模別に見た場合の記述から最適切なものを選ぶ。資本金5,000万円以下の企業数と常用雇用者50人以下の企業数が企業全体に占める割合を比較する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の定義と規模基準 — 資本金規模と従業者規模による企業分類
解法の思考プロセス: 2つの指標を独立して判定します。(1) 資本金5,000万円以下の企業数割合:個人事業者を含めるため9割を超える傾向。(2) 常用雇用者50人以下の企業数割合:全企業の9割を超える傾向。両指標で「9割以上」という高い割合を示すケースが多いです。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「資本金」と「従業者数」という異なる分類軸で企業を見た場合、どちらの基準でも同じ割合になると仮定する。実際には、個人事業者を含む資本金基準の方がより広く捉えられる傾向があります。
学習アドバイス: 統計問題は毎年1〜2問出題で、中小企業白書のデータが主要出題源です。「企業数」「従業者数」「付加価値」の3軸の関係を図表で整理し、年度ごとのデータセットを比較する習慣をつけましょう。
第2問 小規模企業の産業分布
問題要旨: 経済産業省「平成28年経済センサス−活動調査」に基づき、中小企業について業種別・企業規模別に企業数と従業者数を見た場合、非製造業の小規模企業の割合を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の産業分布と経営課題 — 業種別・規模別の企業構成の特性
解法の思考プロセス: 非製造業(小売業、卸売業、サービス業など)の小規模企業の割合を確認します。(1) 中小企業数全体における非製造業小規模企業の割合:5割程度、(2) 中小企業従業者数全体における割合:6割程度という関係が典型的です。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「非製造業は企業数が多い = 従業者数も多い」と単純に仮定する。実際には、非製造業は企業数では多いが、1企業あたりの従業者数が少ないため、従業者数シェアは企業数シェアより小さくなります。
学習アドバイス: 業種別統計は中小企業白書の常設テーマです。「小売業」「卸売業」「建設業」「製造業」など主要業種の企業数と従業者数の構成パターンを習得すれば、類似問題への対応力が高まります。
第3問 企業規模別資本装備率
問題要旨: 財務省「平成30年度法人企業統計調査年報」に基づき、企業規模別・業種別の資本装備率(有形固定資産÷従業員数)を比較する。中小企業(製造業)の資本装備率と大企業(非製造業)、中小企業(非製造業)との相対的位置を判定。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の経営実態 — 産業別・規模別の設備投資パターン
解法の思考プロセス: 資本装備率は「設備投資の密度」を示します。(1) 製造業は設備投資が大きいため資本装備率が高い傾向、(2) 非製造業は設備投資が相対的に小さい傾向、(3) 大企業と中小企業の格差を確認します。製造業中小企業は、非製造業(大企業・中小企業)を上回る可能性が高いです。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「企業規模が大きい = 資本装備率が高い」と単純に仮定する。実際には、業種効果(製造業 > 非製造業)が企業規模効果(大企業 > 中小企業)と相互作用し、中小製造業が大企業非製造業を上回ることもあります。
学習アドバイス: 生産要素と経営指標の関係は、経営分析の基本です。資本装備率のほか「労働装備率」「研究開発投資率」などの指標とセットで学習し、業種別・規模別の違いを整理しましょう。
第4問 企業規模間の移動状況(空欄AとB)
問題要旨: 総務省・経済産業省「平成26・28年経済センサス」に基づき、2012〜2016年間に存続した企業の規模移動を分析。企業規模に変化がない企業の割合(空欄A)、規模拡大企業数と規模縮小企業数の大小関係(空欄B)を埋める計算問題。
K5 制度・データ T3 計算実行 L2 Trap-E 計算ミス
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 企業規模間の移動と成長パターン — 企業の規模拡大・縮小の統計パターン
解法の思考プロセス: (1) 変化なしの割合A:全体の60〜75%程度が通常。(2) 規模拡大 vs 規模縮小:景気拡張期には規模拡大企業が規模縮小企業を上回る。データセットから正確な数値を読み取り、「上回る」「下回る」「同程度」のいずれかを判定します。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: 計算時に「変化なし企業 + 拡大企業 + 縮小企業 = 100%」の制約を見落とし、個別の割合のみで判定する。また、拡大・縮小の定義(小規模→中規模への拡大など)と企業数の関係を混同しやすいです。
学習アドバイス: 複数の空欄を埋める計算問題は、毎年1〜2問出題の鉄板パターンです。統計データから「全体 - A - B = C」という制約を意識し、各値が合理的に関連しているかの検証習慣をつけましょう。
第5問 企業規模間の移動の詳細分析(空欄CとD)
問題要旨: 規模拡大企業の内訳(空欄C:主な拡大先)と規模縮小企業の内訳(空欄D:主な縮小先)を分析。小規模→中規模、中規模→大企業、あるいはその逆の移動パターンを判定。
K5 制度・データ T4 因果推論 L2 Trap-B 条件すり替え
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 企業の成長パターンと事業承継 — 企業規模拡大・縮小の経済学的背景
解法の思考プロセス: (1) 規模拡大企業の移動先C:ほとんどが「小規模→中規模」への単段階移動。急激な成長より段階的成長が一般的。(2) 規模縮小企業の移動先D:多くが「中規模→小規模」への移動。事業環境の悪化や後継者問題による選別効果が考えられます。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「拡大企業が多い = 高い成長率」と条件を同一視する。実際には、規模拡大企業は全体の少数派であり、変化なし企業が大多数です。データセットから「ほとんど」「多くが」という相対的な割合を正確に読み取る必要があります。
学習アドバイス: 企業規模移動は、事業環境(景気循環、産業構造)と経営戦略の相互作用を理解する切口です。「なぜ小規模企業の多くは成長しないのか」という問いが、中小企業診断士として重要な思考問題につながります。
第6問 中小企業の経営課題分析
問題要旨: 中小企業白書の経営課題に関するデータから、複数の経営課題(人材確保、売上増加、技術開発など)の重要度や割合をグラフで読み取り、企業規模別の違いを判定する。
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の経営課題 — 規模別・業種別の経営上の課題分類
解法の思考プロセス: グラフから3つのポイントを読み取ります。(1) 全体で最も重要な課題(通常は「人材不足」「売上増加」)、(2) 企業規模による違い(大企業と中小企業で課題優先度が異なる傾向)、(3) 複数課題の相対的な大小関係。選択肢ごとに順位を確認し、グラフと照合します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「重要だと感じる課題 = 実際の経営課題」と単純に対応付ける。経営課題は企業の成長段階や産業特性によって異なり、グラフには「経営者の主観的認識」が反映されていることを忘れずに。
学習アドバイス: 経営課題のグラフ読解は、毎年1〜2問出題の常設テーマです。中小企業白書の「経営課題」セッションを毎年チェックし、トレンド変化(IoT導入、働き方改革など)を意識しましょう。
第7問 国内生産額と海外直接投資
問題要旨: 経済産業省統計から、中小企業の国内生産額と海外直接投資の関係を分析。投資規模、件数、対象国などの統計データから最適切な記述を選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: グローバル展開支援と国際経営 — 中小企業の海外展開の実態
解法の思考プロセス: 複数の記述を検証します。(1) 国内生産額の規模、(2) 海外直接投資額の規模、(3) 投資企業数と非投資企業数の割合、(4) 対象国・地域の特性。グローバル展開は大企業ほど積極的ですが、中小企業にも成長機会があることを理解します。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「海外投資をしている中小企業も存在する」という部分的事実を全体判定と混同する。実際の統計では、海外直接投資を行う中小企業はごく少数派(全体の数%以下)であり、「ほとんどが国内経営」という実態を把握が重要です。
学習アドバイス: グローバル化は経営戦略の重要テーマですが、現実の中小企業の多数派は国内経営です。J-SMECA 白書の「国際経営」セッションで、投資額・件数・対象国の分布を把握しましょう。
第8問 研究開発投資比率
問題要旨: 企業規模別の研究開発投資比率(R&D / 売上高)の推移をグラフで読み取り、大企業と中小企業の動向を比較する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業のイノベーション活動 — 企業規模別の研究開発投資パターン
解法の思考プロセス: (1) 大企業の R&D 投資比率は通常 3〜5%程度で高い、(2) 中小企業の投資比率は 1〜2%程度で相対的に低い、(3) 時系列での増減トレンドを確認し、景気局面との連動性を検証します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「研究開発費が多い = R&D 投資比率が高い」と混同する。絶対額と比率は異なり、売上規模の大きさに左右されます。大企業は R&D 費総額は大きいが、売上比率では中小企業と大きく異ならないケースもあります。
学習アドバイス: 研究開発投資は経営革新支援と関連する政策テーマです。中小企業が産業競争力を高める上で R&D 投資の重要性と、実際のハードルを理解し、政策支援(補助金、税制)とセットで学習しましょう。
第9問 企業規模別の経営課題(グラフ読解)
問題要旨: 企業規模別(大企業・中規模・小規模)の経営課題の重要度の違いをグラフで読み取り、規模が小さいほど重視される課題、規模が大きいほど重視される課題を判定する。
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の経営課題 — 企業規模別の経営上の優先度の違い
解法の思考プロセス: グラフから複数の課題の規模別分布を読み取ります。(1) 小規模企業で重視される課題:人材不足、資金繰り、事業承継など、(2) 大企業で相対的に重視される課題:国際展開、リスク管理など。規模ごとに経営環境が異なることを理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「経営課題は全規模で共通」と仮定し、規模による優先度の違いを見落とす。実際には、小規模企業は「生存課題」(資金、人材)が優先され、大企業は「成長課題」(市場開拓、技術革新)が優先される傾向があります。
学習アドバイス: 企業規模と経営課題の対応関係は、経営診断の基本枠組みです。中小企業庁「中小企業白書」の「規模別経営課題」データと合わせて、理論と統計の整合性を確認しましょう。
中小企業政策(施策・制度)
第10問 中小企業基本法の目的
問題要旨: 中小企業基本法の立法目的と基本方針に関する記述から最適切なものを選ぶ。中小企業の事業の維持発展、地域経済への貢献、雇用の創出などの観点から目的を判定する。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業基本法と政策体系 — 基本法の立法目的と基本理念
解法の思考プロセス: 中小企業基本法第1条(目的)と第2条〜第4条(基本理念)の記述を確認します。(1) 中小企業の事業の維持・発展、(2) 地域経済・雇用への貢献、(3) 中小企業の経営課題解決への支援、といった複数の目的が列挙されています。選択肢ごとに、これらのどれが欠落しているか確認します。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「中小企業の事業維持」という部分的に正しい目的を認識しつつも、「雇用創出」「地域経済活性化」といった付加的な目的を見落とす。基本法の目的は複合的であり、複数の側面を総合的に理解が必要です。
学習アドバイス: 中小企業基本法は、他の全ての中小企業政策の根拠法です。第1条〜第6条を暗記レベルで習得し、政策施策との関連付けを行うと、全体的な理解が深まります。
第11問 中小企業支援機関の役割
問題要旨: 商工会、商工会議所、中小企業支援センター、中小企業庁など各支援機関の役割と機能の違いを理解し、相談・援助の内容から該当機関を特定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業支援の仕組み — 各支援機関の位置付けと機能分担
解法の思考プロセス: 主要な支援機関の役割を整理します。(1) 商工会・商工会議所:地域基盤の経営支援、(2) 中小企業支援センター:事業再生などの特定課題、(3) よろず支援拠点:無料の経営相談、(4) 中小企業基盤整備機構:公的融資・保障。相談内容から最適な機関を選びます。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 各支援機関の機能を曖昧に理解し、「どこでも同じような支援をしている」と仮定する。実際には、機関ごとに専門分野(融資、事業承継、経営革新など)が異なり、経営課題の性質により最適機関が決まります。
学習アドバイス: 支援機関の分担構造は、中小企業政策の基本インフラです。各機関の公式サイトの「支援メニュー」を一覧表にまとめ、「経営課題 → 最適支援機関」のマッピングを習慣化しましょう。
第12問 創業計画と認定制度
問題要旨: 新規創業者向けの支援施策、創業計画の作成要件、経営革新計画認定などの制度から、創業時の資金調達や経営支援の方法を理解し、最適な記述を選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 創業支援と資金調達 — 創業計画の要件、融資制度、認定制度の概要
解法の思考プロセス: 創業支援の主要施策を確認します。(1) 創業計画の作成:融資申請や認定申請の前提、(2) 新創業融資制度:無担保・無保証の融資、(3) 創業支援事業計画認定:自治体の認定による支援、といった複層的な支援制度を理解し、各選択肢の記述が正確かどうか判定します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「創業者向けの支援制度が存在する」という事実は認識しつつも、具体的な要件(創業計画の内容、融資の限度額など)を曖昧にしたまま選択肢を見る。制度の「何が」「どのような条件で」「いくらまで」対象になるのかの詳細確認が必須です。
学習アドバイス: 創業支援は毎年2〜3問出題の常設テーマです。中小企業庁の「創業支援の手引き」と金融機関のホームページで、創業融資の具体例(必要な自己資金、保証料率など)を確認しましょう。
第13問 小規模企業経営改善資金融資
問題要旨: マル経融資(小規模企業経営改善資金融資制度)の対象者、融資額、返済期間などの基本要件を理解し、融資申込時の注意点を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 小規模企業向け融資制度 — マル経融資の対象・要件・融資額
解法の思考プロセス: マル経融資の基本を確認します。(1) 対象者:小規模事業者(従業員20人以下など)、(2) 融資申請の要件:商工会・商工会議所の経営指導を受けていることが必須、(3) 融資額:通常 2,000 万円以下、(4) 返済期間:運転資金は 7 年以内(設備資金は 10 年以内)。これらの要件を正確に理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: マル経融資の「担保不要」「信用保証協会を通さない」という特徴を正しく認識しつつも、他の融資制度(一般の借入金融、新創業融資など)の要件と混同する。各融資制度ごとに「対象者」「融資額」「返済期間」が異なることを整理が重要です。
学習アドバイス: マル経融資は、全国津々浦々の小規模事業者向けの基本制度です。公庫や商工会のホームページで、「必要な経営指導期間」「融資申し込み手続き」の詳細を確認し、実際の融資申請フローを理解しましょう。
第14問 小規模企業経営改善資金の要件(空欄埋め)
問題要旨: マル経融資の申込条件に関する空欄埋め問題。商工会・商工会議所の経営指導期間(3ヶ月以上か6ヶ月以上か)と事業継続期間(1年以上か2年以上か)を判定する。
K5 制度・データ T3 計算実行 L2 Trap-E 計算ミス
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 小規模企業向け融資制度 — マル経融資の具体的な申請要件
解法の思考プロセス: マル経融資の申込要件を確認します。(1) 商工会・商工会議所の経営指導期間:原則 6 か月以上(正確な制度設計を確認が必須)、(2) 事業継続期間:原則 1 年以上(または 2 年以上の場合も)。公式資料から正確な数値を読み取ります。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: 経営指導期間と事業継続期間の値を逆転させて記憶する、または同じ値を両者に当てはめる。制度ごとに異なるルールが設定されているため、丁寧な確認が必須です。
学習アドバイス: 融資制度の要件暗記は、毎年の「制度変更」に注意が必要です。毎年4月の予算成立後に、中小企業庁や金融機関から発表される「融資制度の手引き」を確認し、当年度の正確な要件をアップデートしましょう。
第15問 少額減価償却資産の特例
問題要旨: 小規模企業向けの租税特別措置「少額減価償却資産の特例」について、適用条件(取得価額の基準)を判定する。10万円未満か、30万円未満か、50万円未満か、80万円未満かの選択。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の税制措置 — 少額減価償却資産の特例の対象範囲
解法の思考プロセス: 少額減価償却資産の特例は、取得価額が一定以下の資産について、即時損金算入を認める制度です。(1) 基本的な減価償却資産の取得価額基準は 10 万円未満、(2) 少額減価償却資産制度での拡大基準は 30 万円未満、(3) 中小企業等が適用できる特例措置がさらに拡大されているケースもあります。最新の税制を確認します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「少額減価償却資産 = 10 万円未満」という基本的なルールを知りつつも、特例措置による拡大基準を認識せず、より大きい基準(30万円、50万円など)の存在を見落とす。
学習アドバイス: 租税特別措置は頻繁に改正されます。毎年度の「税制改正大綱」(内閣府発表)と「法人税基本通達」(国税庁発表)で、当年度の減価償却ルールと特例を確認しましょう。
第16問 少額減価償却資産の税制措置
問題要旨: 少額減価償却資産の特例を適用した場合の税務上の扱い。合計額の限度(100万円か300万円か)と、損金算入方法(全額か、2分の1までか)を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業の税制措置 — 少額減価償却資産の損金算入の仕組み
解法の思考プロセス: 少額減価償却資産制度の適用条件を確認します。(1) 合計額の限度:通常 300 万円以内(かつて 100 万円でしたが拡大)、(2) 損金算入方法:「全額損金算入」が正規制度、(3) 青色申告書の提出要件を確認します。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「少額減価償却資産は損金算入できる」という部分的事実を認識しつつも、(合計額の限度や「2分の1までしか算入できない」という制限条件を見落とす。或いは、過去の制度規定(100万円限度)を現在の規定と混同する。
学習アドバイス: 租税特別措置は「措置延長」「措置縮小」「新規措置」が毎年繰り返されます。各年度の「法人税基本通達」で最新ルールを確認し、青色申告の要件なども含めて整理しましょう。
第17問 中小企業退職金共済制度
問題要旨: 中小企業退職金共済制度(中退共)について、対象企業、掛金の税務扱い、事業資金の借入可能性などの記述から最適切なものを選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 人的資本支援と福利厚生 — 中退共の仕組みと特徴
解法の思考プロセス: 中退共の基本要件を確認します。(1) 対象企業:独立採算中小企業(従業員数・資本金に上限あり)、(2) 掛金:全額企業負担で税務上「損金」算入可能、(3) 退職金の受け取り:退職者に支払われ、その際個人は所得控除の対象、(4) 貸付制度:掛金の範囲内で融資を受けることが可能。これらを正確に理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「中退共は中小企業向けの退職金制度」という大まかな理解はあるが、個別の要件(掛金が全額非課税か損金算入か、貸付可能性など)の詳細を曖昧にしたまま選択肢を見る。
学習アドバイス: 中退共は全国 約40万社の中小企業が加入する重要制度です。公式サイト(独立行政法人勤労者退職金共済機構)で、掛金月額表、貸付金利、受給方法などの詳細を確認しましょう。
第18問 地域団体商標制度の登録要件
問題要旨: 地域団体商標制度について、登録するためのポイント(地理的範囲の有名性、商標の構成要素、品質基準など)から最適切な要件を選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 知的財産と地域ブランド保護 — 地域団体商標の登録要件
解法の思考プロセス: 地域団体商標の登録要件を確認します。(1) 地理的範囲:一定地域(市町村単位など)の需要者間で「一定の有名性」が必要、(2) 商標の構成:普通名称ではなく、差別化できる要素を含むこと、(3) 品質基準:登録後の品質維持のため基準が必要。これらの要件を組み合わせて判定します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「地域団体商標は地名を含む」という特徴を認識しつつも、「有名性」の定義(「全国的」ではなく「地域内での認識」で足りる)や「普通名称の排除」といった厳密な要件を見落とす。
学習アドバイス: 地域団体商標は、地方創生と関連する重要なIP制度です。特許庁の「地域団体商標の登録事例」ページで、実例( 甲州葡萄、 八女茶など)を確認し、「地域 × 商品 × ブランド化」の成功パターンを学習しましょう。
第19問 地域団体商標制度の登録者
問題要旨: 地域団体商標を登録できる主体(NPO法人、商工会、株式会社、農業協同組合など)の適格性から、登録できない者を特定する問題。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 知的財産と地域ブランド保護 — 団体商標登録の主体要件
解法の思考プロセス: 地域団体商標の登録主体を確認します。(1) 商工会・商工会議所:適格、(2) NPO法人:適格(地域貢献を目的とするもの)、(3) 農業協同組合:適格、(4) 一般的な株式会社:登録対象外(営利企業は地域の共有資産を独占しないため)。この判定ロジックを理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「地域の事業者なら誰でも登録できる」と仮定し、営利企業と非営利法人の区別を曖昧にする。また「30年以上の業歴を有する株式会社」という「実績」を強調する選択肢に引き込まれやすい罠があります。
学習アドバイス: 団体商標の登録主体要件は、地域ブランドを「共有資産」として保護する政策意図を反映しています。特許庁の「団体商標登録申請の手引き」で、具体的な適格要件を確認しましょう。
第20問 経営革新計画認定支援
問題要旨: 経営革新計画の認定制度について、計画の内容要件(新たな製品開発、サービス提供、生産技術・経営方式の導入など)を理解し、支援措置(税制、融資、補助金など)を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 経営革新と成長支援 — 経営革新計画の認定要件と支援措置
解法の思考プロセス: 経営革新計画の要件を確認します。(1) 認定要件:新商品開発、新サービス、新生産方式、新経営方式のいずれかを含む、(2) 売上増加や利益向上などの具体的な数値目標を設定、(3) 実現の可能性が高いこと。認定後の支援措置(低利融資、助成金など)を確認します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「経営革新計画は中小企業向けの支援施策」という認識は正しいが、「何が」「どのレベル」で「革新」と判定されるのかの基準を曖昧にしたまま選択肢を見る。
学習アドバイス: 経営革新計画は、「事業承継時の活性化」「既存事業の転換」など、様々な局面で活用される重要制度です。中小企業庁の「経営革新計画の承認事例」ページで、実例を確認し、「どのような計画が認定されているか」を理解しましょう。
第21問 ものづくり補助金の対象経費
問題要旨: ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)について、補助対象経費(設備費、人件費、外注費など)と対象外経費を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 主要補助金制度と活用 — ものづくり補助金の対象経費
解法の思考プロセス: ものづくり補助金の対象経費を確認します。(1) 対象経費:機械装置、工具、システム構築などの設備費、技術開発に必要な外注費、(2) 対象外経費:通常の事業運営経費(人件費の通常分など)、土地建物の購入費。補助対象経費の「範囲」と「限度」を正確に理解します。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「ものづくり補助金は中小企業の経営革新を支援する」という部分的事実は認識しつつも、「人件費も対象か」「土地購入は対象か」といった個別の経費が対象か否かの判定を曖昧にする。
学習アドバイス: 補助金の対象経費は、年度によって変更されることが多いです。毎年の「公募要領」(経済産業省発表)で、対象経費の詳細、補助率(通常2分の1、小規模事業者は3分の2)、補助上限額(1,000万円など)を確認しましょう。
第22問 事業承継支援の仕組み
問題要旨: 事業承継に関する支援施策(事業承継・引継ぎ支援センター、経営承継円滑化法に基づく支援など)の内容を理解し、経営者の交代時における活用方法を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 事業承継支援体制 — 事業承継支援の各種制度と機関
解法の思考プロセス: 事業承継支援の主要施策を確認します。(1) 事業承継・引継ぎ支援センター:無料相談・診断機能、(2) 経営承継円滑化法:中小企業の後継者に対する贈与税・相続税の特例措置、(3) 事業承継補助金:承継過程での経営改善を支援、といった多層的な支援制度を理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「事業承継支援の施策が存在する」という事実は認識しつつも、各施策の「対象」「内容」「手続き」の詳細を曖昧にしたまま選択肢を見る。
学習アドバイス: 事業承継は、高齢化する中小企業経営者の喫緊の課題です。中小企業庁の「事業承継ガイドライン」で、相談から実行までの全体フローを確認し、各段階での支援施策を整理しましょう。
第23問 中小企業支援施策の組み合わせ
問題要旨: 複数の経営課題を抱える中小企業に対して、最適な支援施策の「組み合わせ」を選ぶ問題。例えば、「技術開発 + 販路拡大」「事業多角化 + 人材育成」など、複合課題への対応を判定する。
K4 因果メカニズム T4 因果推論 L2 Trap-B 条件すり替え
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 中小企業支援の仕組み — 複数施策の組み合わせによる相乗効果
解法の思考プロセス: 複合的な経営課題に対して、単一の施策では不十分であることを認識します。(1) 経営課題の優先度と相互関連性を分析、(2) 各施策の「対象経費」「対象期間」の適合性を判定、(3) 複数施策の時間的順序(例:融資 → 補助金 → 人材育成)を考慮します。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「支援施策AとBを組み合わせることが有効」という判定と「AはBの前提条件である」という因果関係を混同する。実際には、施策の「同時実施」「段階的実施」のいずれが効果的かは経営課題ごとに異なります。
学習アドバイス: 複合的な経営課題への対応は、経営診断の実務における重要な思考プロセスです。実際の事例(経営改革の失敗例・成功例)から、「なぜこの施策の組み合わせが有効か」を論理的に説明できる力を養いましょう。
第24問 地方創生と中小企業支援
問題要旨: 地方創生に関連した中小企業支援施策(地域おこし、地場産業振興、過疎地域での事業展開など)から最適切な支援制度を選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 地方創生と産業活性化 — 地域産業振興の施策体系
解法の思考プロセス: 地方創生関連の支援施策を確認します。(1) 農商工連携:農業と商工業の連携による地域産業化、(2) 地域おこし協力隊:地方移住者による事業展開支援、(3) JAPANブランド育成支援:地域産品の海外展開支援、といった多元的な施策を理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「地方創生は重要な施策」という認識は正しいが、「どのような企業・地域が対象か」の定義を曖昧にしたまま選択肢を見る。
学習アドバイス: 地方創生は、マクロ政策(内閣府)とミクロ政策(中小企業庁)が相互に関連する複合領域です。「地方創生基本方針」と「ものづくり補助金」「地域おこし」などの個別施策との関連付けを習慣化しましょう。
第25問 グローバル展開支援
問題要旨: 中小企業の海外展開を支援する施策(輸出支援、海外市場調査、現地事務所設置支援など)から最適切な支援制度を選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: グローバル展開支援 — 輸出促進と海外投資の支援制度
解法の思考プロセス: グローバル展開支援の主要施策を確認します。(1) JETRO(日本貿易振興機構):市場調査、商談会開催、(2) Export Japan:輸出支援窓口、(3) 海外直接投資支援:現地事務所設置の初期経費補助、といった多段階的な支援を理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「グローバル展開は大企業の領域」という先入観を持ち、中小企業向けの具体的な支援施策を見落とす。
学習アドバイス: グローバル展開支援は、成長戦略の重要な柱です。JETRO や中小企業基盤整備機構の「海外展開支援ツール」を実際に確認し、「初期段階の支援」から「安定的な展開」までの全体フローを理解しましょう。
第26問 共同申請による補助金制度
問題要旨: 複数の中小企業が共同で補助金申請する場合の条件(共同申請企業数の上限、補助上限額の計算方法など)を判定する。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 主要補助金制度と活用 — 共同申請の仕組みと限度
解法の思考プロセス: 共同申請の条件を確認します。(1) 申請企業数の上限:通常 3〜10者程度(補助金の種類で異なる)、(2) 補助上限額の計算:「1企業あたりの補助上限額 × 申請企業数」という乗算式、(3) 代表企業と参加企業の責任分担を確認します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「共同申請は複数企業の利益を代表する」という事実は認識しつつも、「1企業あたりの上限」と「全体の上限」の関係(乗算か加算か固定か)を曖昧にする。
学習アドバイス: 共同申請は、異業種連携や地域ネットワーク形成を促進する重要な仕組みです。毎年の「公募要領」で、申請企業数の上限と補助上限額の計算式を正確に確認しましょう。
第27問 事業承継・引継ぎ支援センターの機能
問題要旨: 事業承継・引継ぎ支援センター(全都道府県に設置)の相談機能、支援内容(後継者探索、M&A支援など)から最適切な記述を選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 事業承継支援体制 — 引継ぎ支援センターの機能と相談窓口
解法の思考プロセス: 引継ぎ支援センターの主要機能を確認します。(1) 無料相談による事業の承継・引継ぎの課題診断、(2) 後継者候補の紹介やM&A案件のマッチング、(3) 経営資源の引継ぎ支援(顧客、ノウハウなど)。全都道府県設置という広範な体制を理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「引継ぎ支援センターは事業承継を支援する」という認識は正しいが、「具体的には何をしてくれるのか」の機能イメージを曖昧にしたまま選択肢を見る。
学習アドバイス: 引継ぎ支援センターは、全国津々浦々にある重要な相談窓口です。各都道府県センターのホームページで、「相談実績」「事例紹介」を確認し、「どのような承継パターンが成功しているか」を学習しましょう。
第28問 小規模企業経営改善資金の条件(詳細分析)
問題要旨: マル経融資(小規模企業経営改善資金融資制度)の申込に当たって、商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導の期間(「原則3ヶ月以上」「原則6ヶ月以上」など)と、事業継続年数(「1年以上」「2年以上」など)の両者の正確な組み合わせを判定する複合問題。
K5 制度・データ T3 計算実行 L2 Trap-E 計算ミス
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 小規模企業向け融資制度 — マル経融資の具体的な申請要件の詳細
解法の思考プロセス: マル経融資の厳密な申請要件を確認します。(1) 商工会・商工会議所の経営指導:「原則6ヶ月以上」が要件(3ヶ月では不足)、(2) 事業継続年数:「1年以上」は基本だが、「2年以上」という制限もある場合がある。当該年度の正確な制度設計を確認が必須です。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: マル経融資の要件を暗記していても、「経営指導期間」「事業継続期間」「その他の要件(例:負債比率)」を混同したり、過去の制度規定を現在と混同する。最新の「金融機関向け手引き」で要件を確認が必須です。
学習アドバイス: 融資制度の要件は、政策的な方針転換によって変更されます。毎年4月の「制度改正説明会」資料や、日本政策金融公庫の「融資制度の手引き」を入手し、当年度の正確な要件を確認する習慣が重要です。
第29問 地域団体商標制度の効果
問題要旨: 地域団体商標の登録・管理による経済効果(ブランド有名化後のブランド名独占、蓄積したイメージの横取り防止、産地結集の旗印など)から最適切な記述を選ぶ。
K4 因果メカニズム T1 正誤判定 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 知的財産と地域ブランド保護 — 地域団体商標の経済的効果
解法の思考プロセス: 地域団体商標の登録による効果を確認します。(1) ブランド有名化後、当該商標を使用できるのは登録団体の会員のみ→ブランド名の不正使用を防止、(2) 蓄積されたブランド評判・イメージを横取りされない→競合他社による偽物・粗悪品の排除、(3) 地域産品の統一的なブランド展開→「産地」としての競争力強化。これらの複合的効果を理解します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「地域団体商標は地域産品を保護する」という一般的理解は正しいが、「具体的にはどのような被害を防ぐのか」「経営者にとってどのようなメリットがあるのか」を曖昧にしたまま選択肢を見る。
学習アドバイス: 地域団体商標の政策目的は、①ブランド有名化後のフリーライディング防止、②品質維持による信用保護、③産地としての結集効果。この3つの効果を、具体的な事例(八女茶の商標侵害事件など)で理解することが合格への近道です。
年度総括
令和3年度(2021)の中小企業経営・中小企業政策は、統計データの読解力と制度の詳細知識の両者を試す出題構成でした。
出題の特徴
- 白書・統計の比重が高い:問1〜9 の統計問題は、毎年度の中小企業白書・経済センサスのデータセットが直接出題源です。「企業数」「従業者数」「付加価値」「開業率・廃業率」などの基本統計を年度ごとに把握することが合格の第一歩。
- 制度の詳細要件が細かい:問10〜29 の政策問題は、「対象企業の定義」「補助上限額」「申請要件」などの詳細な数値や条件を問う。毎年の制度変更に対応するため、「公募要領」「手引き」など一次資料の確認習慣が必須。
- 複合型問題の出現:問4・5(企業規模間の移動)、問14・16(マル経・減価償却)など、複数の空欄や複数の判定を組み合わせた問題が増加。単一の知識では対応不可で、因果関係の整理と相互検証が求められます。
合格戦略
- L1(定義・基礎知識)の確実化:76% が L1 問題であり、基礎知識の定着が得点の土台。中小企業基本法、各支援施策の「何が」「誰が」「いくらまで」を暗記。
- 統計の「読み方」の習得:「グラフ読解 → 複数指標の比較 → 相対関係の判定」という3段階の思考プロセスを反復練習。
- 当年度の制度最新版の確認:制度改正は毎年4月。毎年4月以降に中小企業庁や日本政策金融公庫の「最新手引き」を入手し、前年度との変更点を整理。
分類タグの凡例
知識種類(K値)
- K1 定義・用語:制度名、法律用語など、定義の暗記が必要な知識。中小企業基本法の第2条など。
- K3 数式・公式:計算式や算定方法。自己資本比率、資本装備率など。
- K4 因果メカニズム:「なぜそうなるのか」という経済学的な理由付け。規模拡大・縮小の背景など。
- K5 制度・データ:白書データ、統計、制度の内容。企業数割合、融資要件など。
思考法(T値)
- T1 正誤判定:複数の記述から「最も適切」「不適切」を選ぶ。知識があれば対応可能。
- T2 グラフ読解:グラフから複数のポイント(トレンド、相対関係など)を読み取る。
- T3 計算実行:数値を使った計算や比較。補助上限額の計算など。
- T4 因果推論:事実から理由や背景を推論。「なぜ規模拡大が進まないのか」など。
形式層(L値)
- L1 定義・基礎知識:教科書的な知識問題。制度要件の暗記で対応可能。
- L2 制度・施策の比較理解:複数の施策・データを比較し、相対関係や優先順位を判定。
- L3 複合分析:複数の情報源を総合し、因果連鎖を推論する高難度問題。
罠パターン(Trap)
- Trap-A 逆方向:因果関係を逆に理解する誤り。「企業規模が大きい ← 生産性が高い」と逆転。
- Trap-B 条件すり替え:2つの異なる条件を混同。「有効な支援の組み合わせ」と「前提条件」の混同など。
- Trap-C 部分正解:部分的に正しい記述が罠になる。「地域団体商標は登録できる」は正だが、対象者が限定されるなど。
- Trap-D 混同誘発:複数の概念を意図的に混同させる。「企業数が多い ← 従業者数も多い」という単純化など。
- Trap-E 計算ミス:計算過程での誤りやすいポイント。補助上限額の乗算式など。
分類タグ凡例
| タグ | 意味 |
|---|---|
| K1 定義・用語 | 用語の正確な意味を問う |
| K2 グラフ形状 | グラフの読み取り・形状判断 |
| K3 数式・公式 | 公式の適用・計算 |
| K4 因果メカニズム | 原因→結果の論理連鎖 |
| K5 制度・データ | 法制度・統計データの知識 |
| T1 正誤判定 | 選択肢の正誤を判定 |
| T2 グラフ読解 | グラフから情報を読み取る |
| T3 計算実行 | 数値計算を実行 |
| T4 因果推論 | 因果関係を推論 |
| T5 場合分け | 条件による場合分け |
| L1 基礎 | 基本知識で解ける |
| L2 応用 | 知識の組み合わせが必要 |
| L3 高度 | 複数ステップの推論が必要 |
| L4 最難度 | 高度な分析力が必要 |
| Trap 逆方向誘発 | 因果の向きを逆に誘導 |
| Trap 混同誘発 | 類似概念を混同させる |
| Trap 部分正解 | 部分的に正しい選択肢で誘導 |
| Trap 条件すり替え | 前提条件を変えて誘導 |
| Trap 計算ミス | 計算過程での間違いを誘発 |
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