運営管理(令和3年度)
令和3年度(2021)中小企業診断士第1次試験 運営管理の全42問解説
概要
令和3年度の運営管理は全42問(各4点、100点満点を超える配点)で出題されました。試験は2日間に分かれており、1日目は問1~10(生産管理・改善系)、2日目は問11~42(生産管理・店舗販売管理・流通・情報システム系)という構成です。
問題文は J-SMECA 公式サイト(令和3年度 運営管理) から入手できます。手元に PDF を用意したうえでお読みください。全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。
解説の読み方
各問について「問題要旨 → 分類タグ → 正解 → 必要知識 → 解法の思考プロセス → 誤答の落とし穴 → 学習アドバイス」の順で解説しています。分類タグの意味は本ページ末尾の凡例を参照してください。
出題構成
| 領域 | 問番号 | 問数 |
|---|---|---|
| 生産管理 基礎(レイアウト・手法) | 1〜9 | 9 |
| 生産管理 スケジューリング・設備 | 10〜16 | 7 |
| 生産管理 品質・工程管理 | 17, 20 | 2 |
| 店舗管理 販売・レイアウト | 18, 19, 21〜30 | 11 |
| 流通・物流・情報システム | 31〜40 | 10 |
全問分類マップ
| 問 | テーマ | 知識種類 | 思考法 | 形式層 | 罠パターン |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 工場レイアウトと手法 | K4 手続・手順 | T2 グラフ読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 2 | 生産管理の手法選択 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 3 | 店舗レイアウト分析 | K4 手続・手順 | T2 グラフ読解 | L2 | Trap-A 逆方向 |
| 4 | 実験設計と直交表 | K3 数式・公式 | T3 計算実行 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 5 | ラインバランシング | K3 数式・公式 | T3 計算実行 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 6 | Just-in-Time の実装 | K4 手続・手順 | T2 テキスト読解 | L2 | Trap-A 逆方向 |
| 7 | 工場レイアウト選択 | K4 手続・手順 | T2 グラフ読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 8 | 需要予測手法 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-B 条件すり替え |
| 9 | 部品構成の把握 | K4 手続・手順 | T2 構造読解 | L2 | Trap-A 逆方向 |
| 10 | スケジューリング計算 | K3 数式・公式 | T3 計算実行 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 11 | 発注方式と定量発注 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 12 | 在庫管理指標 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 13 | 現場管理の改善 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 14 | 流動数分析の正誤 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 15 | 標準時間測定 | K4 手続・手順 | T2 テキスト読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 16 | 職務設計の考え方 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 17 | 作業測定方法 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 18 | サービス運営の改善 | K4 手続・手順 | T2 テーブル読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 19 | VMD と表現方法 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-A 逆方向 |
| 20 | 商品特性と販売 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 21 | 商品ポートフォリオ | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 22 | ショッピングセンター | K5 統計・データ | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 23 | 立地選定と商圏分析 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 24 | 商圏分析 修正ハフモデル | K3 数式・公式 | T3 計算実行 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 25 | 食品リサイクルと持続可能性 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 26 | 照度と照明距離 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 27 | 利益と売価のマークアップ | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-B 条件すり替え |
| 28 | 店舗生産性の改善 | K4 手続・手順 | T2 テーブル読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 29 | VMD と表現方法 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-A 逆方向 |
| 30 | ベーカリーと小売事例 | K4 手続・手順 | T2 対話読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 31 | 販売記録と商品表示 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 32 | 在庫管理 定期発注 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 33 | 物流センターの機能 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 34 | トラック配送と生産性 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-B 条件すり替え |
| 35 | 小売チェーン物流センター | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 36 | ユニットロード化 | K4 手続・手順 | T2 テキスト読解 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 37 | 物流センター運営 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 38 | GTIN と商品コード | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 39 | CRM の分析手法 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 40 | HACCP と食品事業者 | K4 手続・手順 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 混同誘発 |
| 41 | 中小企業共通EDI標準 | K4 手続・手順 | T4 条件整理 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
| 42 | 電子タグと識別コード | K4 手続・手順 | T4 条件整理 | L2 | Trap-D 混同誘発 |
形式層の分布
| 形式層 | 問数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| L1 定義暗記 | 29 | 69% | 2, 8, 11, 12, 13, 14, 16, 17, 19, 20, 21, 22, 23, 25, 26, 27, 31, 32, 33, 34, 35, 37, 38, 39, 40 |
| L2 手順・図解理解 | 12 | 29% | 1, 3, 5, 6, 7, 9, 15, 18, 24, 28, 30, 36, 41, 42 |
| L3 計算実行 | 1 | 2% | 4, 10 |
L1(定義暗記)が圧倒的多数派。運営管理は どの手法をいつ使うか 正誤をどう判定するか という手続知識が中核です。計算問題は最小限です。
思考法の分布
| 思考法 | 問数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| T1 正誤判定 | 27 | 64.3% | 2, 8, 11, 12, 13, 14, 16, 17, 19, 20, 21, 22, 23, 25, 26, 27, 31, 32, 33, 34, 35, 37, 38, 39, 40 |
| T2 グラフ読解・テキスト読解・構造読解・テーブル読解・対話読解 | 11 | 26.2% | 1, 3, 6, 7, 9, 15, 18, 28, 30, 36 |
| T3 計算実行 | 3 | 7.1% | 4, 5, 10, 24 |
| T4 条件整理 | 2 | 4.8% | 41, 42 |
出題傾向: 正誤判定(T1)が 64% で圧倒的。グラフ・図表・テキスト読解(T2)が 26% で、この 2 つで 90% を占めます。計算問題(T3/T4)は極めて限定的です。
罠パターンの分布
| 罠パターン | 問数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| Trap-A 逆方向 | 7 | 16.7% | 3, 6, 9, 19, 29 |
| Trap-B 条件すり替え | 3 | 7.1% | 8, 27, 34 |
| Trap-C 部分正解 | 7 | 16.7% | 13, 16, 17, 23 |
| Trap-D 混同誘発 | 22 | 52.4% | 1, 2, 5, 7, 11, 12, 14, 15, 18, 20, 21, 24, 25, 26, 28, 30, 31, 32, 33, 35, 37, 38, 39, 40, 41, 42 |
最重要な罠: Trap-D(混同誘発)が 52% で圧倒的。手法・用語・数値の混同が非常に多いです。例:JIT と定期発注、5S と現場改善、商圏分析の各手法の区別が重要です。
生産管理 基礎・レイアウト・改善
第1問 工場レイアウトと手法
問題要旨: 工場レイアウトの5S に関する記述において、整頓・清潔と躾・整頓が繰り返される設定で、最も適切な組み合わせを選ぶ問題。
K4 手続・手順 T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 生産方式と計画統制 — 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の定義と順序
解法の思考プロセス: 5S の順序と役割を確認します。(1) 整理:不要なものを取り除く、(2) 整頓:必要なものを正しい場所に配置する、(3) 清掃:ゴミや汚れを取り除ききれいにする、(4) 清潔:清掃した状態を維持する、(5) 躾:習慣化する。問題文では各用語の置換で正誤を判定します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「整頓と清潔」「清潔と清掃」の役割分担が曖昧になりやすい。整頓は配置、清潔は状態維持、清掃は活動という区別を明確に。
学習アドバイス: 5S は生産現場の基本。何度も手で書いて、各段階の目的を内在化しましょう。
第2問 生産管理の手法選択
問題要旨: 生産管理における基本的な考え方・手法を選択する問題。標準化・平準化・3S の概念の正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 生産方式と計画統制 — 生産管理の基本概念
解法の思考プロセス: 各選択肢を生産管理の基本原則に照合します。(ア) 現在は市場の需要を見越した対応が必要。(イ) 生産活動を効率的に行うため標準化を導入。(ウ) 多品種少量生産に対応するためペンチマーキング。(エ) 同期化生産で各工程の生産速度を合わせる。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「標準化」と「標準時間」、「平準化」と「流動化」を混同する罠。それぞれの定義と目的を区別。
学習アドバイス: 生産管理の基本 6 概念(流動・平準・標準・同期・見える・安全)を整理すると体系的に理解できます。
第3問 店舗レイアウト分析
問題要旨: DI 分析・SLP(システマティック・レイアウト・プランニング)・流れ図・工場配置図などのレイアウト分析手法のうち、最も適切なものを選ぶ問題。
K4 手続・手順 T2 グラフ読解 L2 Trap-A 逆方向
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 工場レイアウト・フロー設計 — DI 分析、SLP、流れ図配置
解法の思考プロセス: 各手法の使い分けを把握します。(ア) DI 分析:横軸に商品、縦軸に生産量をとり、グラフから生産量に応じたレイアウトを選択。(イ) SLP:アクティビティ間の近接関係を評価して配置を決定。(ウ) 流れ図配置:対象商品の移動経路と工場配置図を組み合わせる。(エ) フローウォッチャート:列を機械設備、行を各工程とし、セルに生産量を記入。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: 「DI 分析で生産量が少なければ特定のレイアウトを選ぶ」と正方向に述べるのが正しいのに、逆方向で述べた選択肢に惑わされる。
学習アドバイス: レイアウト選択は「何を基準に配置を決めるか」を問うています。生産量・多様性・流れの 3 つの軸から整理してください。
第4問 実験設計と直交表
問題要旨: 工程の加工条件を改善するため、2 水準系の直交表を用いた実験を計画する際、3 列目~7 列目を割付ける要因と交互作用の組み合わせを選ぶ問題。
K3 数式・公式 T3 計算実行 L3 Trap-E 計算ミス
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: IE と VE — 直交表の見方、因子割付、交互作用
解法の思考プロセス: L8 直交表(2 水準、7 列)に、因子 A, B, C, D と交互作用 A×B, A×C を割付けます。直交表の性質から、3 列目~7 列目に合計 5 つの割付が必要です。選択肢の組み合わせから、正しく割付けられているものを選びます。1 列目=A、2 列目=B は確定で、その後の割付けを追跡します。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: 直交表の行数(8 行)や列数(7 列)を見落とす。交互作用の列数を誤算する。因子と交互作用の置換を誤る。
学習アドバイス: 直交表は実験計画の時間短縮法。因子が多い場合に組み合わせの全部を試すのではなく、最小限の試行で効率的に最適条件を探索します。
第5問 ラインバランシング
問題要旨: 1 ヶ月 864 個の生産計画で、稼働日数 25 日/月、8 時間/日、稼働率 90% のとき、ライン編成効率(ライン構成率)を求める問題。
K3 数式・公式 T3 計算実行 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: スケジューリング・ラインバランシング — 生産能力、ラインバランシング率の計算
解法の思考プロセス:
- 日産数を算出:864 個 ÷ 25 日 = 34.56 個/日
- サイクルタイム(目標)= 8 時間 × 60 分 × 稼働率 90% ÷ 34.56 個/日 ≈ 12.5 分/個
- 各ワークステーションの作業時間を問題の表から読み取る
- ライン編成効率 = 各ステーションの作業時間の総和 ÷ (ステーション数 × サイクルタイム)
計算式:ライン編成効率(%)= 各作業時間の合計 ÷ (ワークステーション数 × サイクルタイム) × 100
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 分子分母の計算順序を間違える。月間生産能力と日産能力を混同する。稼働率を適用するタイミングを誤る。
学習アドバイス: ラインバランシング率は「ライン全体の効率がどれだけ出ているか」を見る指標。低いほど改善の余地がある。
第6問 Just-in-Time の実装
問題要旨: ジャストインタイムの実現方法について、その基本的な実装条件を述べた記述の正誤判定。
K4 手続・手順 T2 テキスト読解 L2 Trap-A 逆方向
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: JIT とかんばん — Just-in-Time の原理と実装条件
解法の思考プロセス: JIT は「必要なとき、必要な量だけ、必要なものを生産」する思想です。実現には:(1) 工程の要求に合わせて生産量を平準化する、(2) 工程から引き取られた量を補充する(引き取り方式)、(3) 工程の生産量と平準化することで詰まりを防ぐ。選択肢をこの原理に照合して正誤判定。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: 「生産量が増えると詰まりが生じる」と正しく述べるべきを、「生産量が増えると詰まりが緩和する」と逆方向に述べた選択肢。
学習アドバイス: JIT は工場全体の流動性を改善する思想。現場での「引き取り」と「補充」が何度も往復する循環を理解することが鍵です。
第7問 工場レイアウト選択
問題要旨: 生産される製品の品種数・生産量に応じて、適切な工場レイアウトのタイプを選ぶ問題。図には A~D のエリアが品種数と生産量に対応して配置されている。
K4 手続・手順 T2 グラフ読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 工場レイアウト・フロー設計 — レイアウトタイプの選択
解法の思考プロセス: 横軸に品種数、縦軸に生産量を取った DI 分析グラフから、各ポジションに適したレイアウトを判定します。
- 品種少・生産多(左上): 製品別レイアウト(ラインレイアウト)
- 品種多・生産少(右下): 工程別レイアウト(機能別レイアウト)
- 品種中・生産中(中央): グループ別レイアウト
- 品種少・生産少(左下): 製品固定式レイアウト
グラフのどのポジションに製品が位置するかで判定します。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「品種が少ないのでライン生産(製品別)」と正しく判断すべきを、「品種が少ないので工程別」と誤認する罠。また生産量も判断基準で、品種が少なくても生産量が少なければ製品固定式になります。
学習アドバイス: DI 分析は生産戦略に直結する重要な判断軸。各レイアウトの特徴(流動性・効率・柔軟性)を対応させて理解。
第8問 需要予測手法
問題要旨: 需要の時系列データを用いた需要予測法の選択。移動平均・指数平滑・指数平滑では複数の予測手法の特性を述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-B 条件すり替え
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 生産計画 — 需要予測の手法
解法の思考プロセス: 各需要予測法の性質を判定します。
- 移動平均法: 過去 n 期間の平均。最近のデータを同等に扱う
- 指数平滑法: 最近のデータに重みを付け、過去データは指数的に減少
- 指数平滑では: 季節変動を考慮する場合と考慮しない場合で異なる
選択肢で「期が進むにつれて予測値の計算に用いるデータ数が増加する」vs「一定」などを判定。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「移動平均は直近の期間だけを使う」と「すべての過去期間を同等に扱う」を混同。移動平均は n 期間のみを使うが、各期は等しい重みを持つ。
学習アドバイス: 需要予測は生産計画の入口。どの手法が安定需要向きで、どの手法が変動需要向きかを区別。
第9問 部品構成の把握
問題要旨: 最終製品 Z の部品構成が BOM(Bill of Materials)で与えられ、Z を 10 個生産するのに必要な部品数量の範囲を求める問題。構造図で深さ・幅がある複数層の構成。
K4 手続・手順 T2 構造読解 L2 Trap-A 逆方向
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 生産計画 — BOM と部品展開、所要量計算
解法の思考プロセス: BOM 構造から各部品の「1 個の親製品に対する使用数」を把握します。Z を構成する直下部品の数と、各部品を構成する下位部品の数を掛け合わせて、各部品が Z 10 個あたり何個必要かを計算します。例えば Z の直下に X(2)、Y(1) があり、X の構成部品に P(1), Q(3) があれば、Z 10 個には P は 20×1 = 20 個、Q は 20×3 = 60 個必要。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: 「部品 P が最終製品に 20 個必要」と正しく述べるべきを、「部品 P は直接組付けるので数量は少ない」と逆方向に述べた選択肢。BOM の深さを無視した判定。
学習アドバイス: MRP(資材所要量計算)の基盤が BOM。構造を正確に読み取り、層ごとに展開する作業を何度も練習。
スケジューリング・設備管理・品質
第10問 スケジューリング計算
問題要旨: ジョブショップにおいて 7 つの工程 A~G が与えられ、各工程の作業時間と先行関係が示されているとき、全工程完了時間(クリティカルパス)を求める問題。
K3 数式・公式 T3 計算実行 L3 Trap-E 計算ミス
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: スケジューリング・ラインバランシング — PERT/CPM、クリティカルパス
解法の思考プロセス: 先行関係図から各工程の最早開始時間と最遅開始時間を計算します。クリティカルパスは、余裕(総余裕時間)がゼロの工程の連鎖です。問題では 7 つの工程と先行関係が示され、どの経路がクリティカルパスで、全工程完了時間は何日かを計算します。一般的に作業時間の加算で判定。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: (1) 先行関係を読み違える(A の後に B と C が並行で続く場合など)、(2) 複数のパスの中で最長のものを見落とす、(3) 余裕時間を含めて最早完了時間と最遅完了時間を混同する。
学習アドバイス: PERT/CPM は生産計画で遅延を最小化する手法。複数の並行工程がある場合に、どの経路を優先管理するかが意思決定の鍵。
第11問 発注方式と定量発注
問題要旨: 在庫管理における発注方式の選択。ダブルビン方式での発注量、定量発注方式での調査期間中の平均的な払出し量などを述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 材料・在庫管理 — 定量発注、定期発注、ダブルビン
解法の思考プロセス: 各発注方式の特性を判定します。
- ダブルビン方式: 発注量は固定、発注点の決定が重要。最初のビンが空になったら発注
- 定量発注方式: 発注点を超えたら一定量を発注。在庫が変動しやすい
- 定期発注方式: 一定期間ごとに発注。在庫の平均値が上下する
選択肢で「発注点の 2 倍を発注量とする」など、各方式の発注点・発注量の関係を述べた正誤を判定。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「発注量は一定」と「発注点は一定」を混同。定量発注では発注量が常に一定だが、発注点は変わりうる。
学習アドバイス: 在庫管理は「何時に・いくつ発注するか」という 2 軸。定量 vs. 定期、発注量 vs. 発注点の区別が重要。
第12問 在庫管理指標
問題要旨: 在庫管理における定点発注方式(定点発注の平均的払出し量と分散比を計算)と経済発注量を用いた比較検定に関する正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 材料・在庫管理 — 定点発注、EOQ
解法の思考プロセス: 統計的な在庫管理指標を評価します。「定量発注での調査期間中の平均的払出し量」と「経済発注量」を用いた有意性検定の記述の正誤を判定。選択肢では「5% 有意水準で有意である」などの統計的結論が述べられています。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「平均払出し量が高いほど在庫は増加する」と「分散が高いほど安全在庫が必要」を混同。両者は別の観点。
学習アドバイス: 統計的在庫管理は実務で使用頻度が高い。F 分布(分散比検定)と t 分布(平均の検定)の使い分けを習得。
第13問 現場管理の改善
問題要旨: 現場管理の活動に関する記述で、正誤の組み合わせを選ぶ問題。原材料の品質保護、RFID の活用、発注方式などを述べた 4 つの記述の正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 生産方式と計画統制 — 現場改善の方法論
解法の思考プロセス: 各記述を現場管理の実際に照合します。(a) 原材料の品質保護ため、置き場の環境改善は改善。(b) 仕掛かり量の適正ため RFID を導入した例は存在。(c) 仕掛かり単位を減らすため、準備ロットサイズを小さくするのは改善。(d) 在庫量の適正化ため、発注方式を改善する例は多い。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「原材料の品質保護」は一般的に改善案だが、「RFID の導入で仕掛かり量が必ず減る」わけではない場合がある。部分的正解が罠に。
学習アドバイス: 現場改善は理論と実例の往復が重要。5S、かんばん、改善活動などの実装形態を把握。
第14問 流動数分析の正誤
問題要旨: 流動数分析に関する記述で、横軸・縦軸の定義などについて述べた正誤判定。流動数因子では横軸は累積量、縦軸は生産時間などの関係を問う。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: IE と VE — 流動分析、流動図
解法の思考プロセス: 流動数分析のグラフ構成を確認します。(a) 流動数因子では、横軸は累積量(全製品が受ける行程数の合計)、縦軸は生産時間。(b) 縦軸は経過時間。斗積棒グラフの形状から、どの行程が詰まりやすいか読み取ります。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「縦軸は経過時間」と「縦軸は生産時間」を混同。生産時間(作業)と経過時間(待ち含む)は異なる。
学習アドバイス: 流動数分析は「どこでロスが発生するか」を可視化する手法。グラフの形状から現場の特性を読む力が重要。
第15問 標準時間測定
問題要旨: 標準時間の測定方法に関する記述で、正時間に関する定義と計測方法の正誤判定。
K4 手続・手順 T2 テキスト読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: IE と VE — 標準時間、時間研究
解法の思考プロセス: 標準時間の測定法を確認します。「①時間は正時間と余裕時間 ②の合算」「②時間は余裕時間であります」という記述の正誤を判定。選択肢から、正しく記述を組み合わせたものを選びます。例えば「①正時間 ②余裕時間」ならば、標準時間 = 正時間 + 余裕時間という定義が正しい。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「余裕時間」が生理的ロスのみを指すのか、機械停止なども含むのかで判定が変わる。定義の正確性が鍵。
学習アドバイス: 標準時間は工場管理の根幹。PTS(予定時間システム)などの標準化手法も合わせて理解。
第16問 職務設計の考え方
問題要旨: 職務設計におけるジョブ設計の考え方や、職務拡大・職務充実・ジョブローテーションなどの手法に関する正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: IE と VE — 職務設計、作業環境
解法の思考プロセス: 職務設計の手法を確認します。(ア) 職務拡大:同一水準の仕事の範囲を広げる。(イ) 職務充実:仕事の深さ・責任を増す。(ウ) ジョブローテーション:複数の職務を交互に行う。各手法の定義と効果を述べた記述の正誤を判定。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「職務設計で職務拡大を行う」は部分的には正しいが、「職務充実なし」では不十分な場合もある。単一の手法で全て解決できるわけではない。
学習アドバイス: 職務設計は人事管理との接点。生産現場の士気向上と生産性向上の両立を目指す。
第17問 作業測定方法
問題要旨: 作業測定における PTS 法・間接測定法・直接測定法などの手法で、その特性を述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: IE と VE — 作業測定、PTS
解法の思考プロセス: 各作業測定法の特性を判定します。
- PTS 法: 作業後に標準データ表から標準時間を計算。実際の作業の再現は不要
- 間接測定法: 過去の標準時間資料に基づいて標準時間を設定
- 直接測定法: ストップウォッチで計測。サイクル作業には適している
選択肢で各法の適用条件や精度について述べた正誤を判定。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「PTS 法は作業済後に時間を求める」と「サイクル作業には適していない」が両立しない場合がある。サイクル作業に適用できるケースもあり、部分的正解の罠。
学習アドバイス: 作業測定は標準時間の根拠を示す重要なプロセス。目的に応じた最適な手法を選択できるようにしましょう。
店舗・販売管理
第18問 サービス運営の改善
問題要旨: 店舗における 1 日の作業配分を改善するための手法で、各作業の作業時間と作業担当人数が表で与えられているとき、人時生産性の改善施策を評価する問題。
K4 手続・手順 T2 テーブル読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 店舗運営、人時生産性
解法の思考プロセス: 表から各作業の作業時間と担当人数を読み取り、全体の人員配置を評価します。改善施策(自動化システム導入、ボール棚の導入、シェルフレディの導入など)を実施した場合の人時削減効果を計算し、どの施策が最も効果的かを判定。例えば清掃ロボット導入で清掃の 1 人当たり作業時間を 50% 削減できるなら、効果を数値化。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「作業数が多い」と「人員数が多い」を区別。複数の作業が同時並行できないと、人員数を減らせない場合もあります。
学習アドバイス: 店舗生産性は「販売売上÷人件費」で測定。改善施策の効果を定量評価できるようにしましょう。
第19問 VMD と表現方法
問題要旨: ビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)における表現方法で、IP(Item Presentation)・PP(Point of Sales Presentation)・VP(Visual Presentation)のいずれが該当するかを選ぶ問題。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-A 逆方向
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — VMD の 3 つのレベル
解法の思考プロセス: VMD の 3 層構造を確認します。
- VP(Visual Presentation): 店舗全体のウィンドウディスプレイやテーマ設定
- PP(Point of Sales Presentation): 販売コーナーの売場設営や什器配置
- IP(Item Presentation): 個別商品の陳列・演出
問題文で「ショーウィンドウやステージなど特定の場所で行い」と述べられていれば VP、「商品の特徴や機能を説明し」と述べられていれば IP、というように対応させます。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: 「ショーウィンドウは VP」と正しく述べるべきを、「ショーウィンドウは個別商品の表示なので IP」と逆方向に述べた選択肢。レベルの大小を逆に判定。
学習アドバイス: VMD の 3 層は「全体 → 売場 → 商品」の階層構造。各層の役割分担を図解で整理。
第20問 商品特性と販売
問題要旨: 商品の売価に関する記述で、原材料供給量の適正化、食品小売業の販売方法などについて述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 販売管理指標
解法の思考プロセス: 各記述を販売実務に照合します。(a) 基本組合で食品ロスが明記、食品廃棄事業者および食品共販業者の役割整理。(b) 企業全食品ロスは「2050 年までに半減」などの数値目標が設定。(c) 食品業の発生の原因(食品加工場での鮮度劣化など)と対策を述べた記述の正誤判定。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「食品ロスの削減」と「販売期限管理」を混同。ロス削減には調達・製造・販売・消費全段階での対策が必要。
学習アドバイス: 食品小売業の経営課題として、食品ロス削減が重要テーマ。法改正(食品リサイクル法)の内容も把握。
第21問 商品ポートフォリオ
問題要旨: 商品の売価に含まれる消費税の計算や、販売価格の決定方法に関する正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 店舗運営と販売管理
解法の思考プロセス: 販売価格設定の記述を確認します。(ア) 商品の売価は消費税を含む(税込み価格)。(イ) 商品の売価は商品の本体価格と消費税率を分別する。(ウ) 商品の売価は新聞折込チラシに掲載される商品の価格は消費税を含めた価格記載。(エ) 量り売りで商品を販売する場合、単位当たりの価格表示をするなどの法規定の正誤判定。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「消費税は店舗が負担」と「消費税は購買者が負担」を混同。法律上、消費税は購買者(最終消費者)が負担。
学習アドバイス: 販売価格の決定は法規制を含む。景品表示法や消費税法などの知識も合わせて習得。
第22問 ショッピングセンター
問題要旨: わが国のショッピングセンター(SC)の現状についての統計情報から、正しい記述を選ぶ問題。1 SC 当たりのテナント数、店舗面積、キーテナント数などのデータを読み取る。
K5 統計・データ T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 小売業態の動向
解法の思考プロセス: SC の統計数据から正誤を判定します。「1 SC 当たりの平均テナント数は約 300 店舗」「1 SC 当たりの平均店舗面積は約 10 万 m²」などの具体的数字が述べられた記述の正誤を評価。公式統計(日本ショッピングセンター協会「SC 白書」)と照合。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「1 SC の平均テナント数」と「1 SC の中で最も多いキーテナント数」を混同。キーテナントは少数(3~5 程度)だが、全体テナントは多数。
学習アドバイス: SC 業態は流通チャネルの重要な担い手。最新の統計情報を定期的に確認する習慣が重要。
第23問 立地選定と商圏分析
問題要旨: 都市再生特別措置法における立地適正化計画に関する記述で、居住誘導区域の設定方法について述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-C 部分正解
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗立地と商圏分析 — 立地選定と商圏
解法の思考プロセス: 立地適正化計画の居住誘導区域設定に関する記述を確認します。(ア) 居住誘導区域の設定に際しては、市町村合併の経緯や街進形態の歴史的経緯は考慮されない。(イ) 市町村は主要な中心部のみを区域として設定することが望ましい。(ウ) 郡市計画上の区域区分を行っていない市町村では、その代替措置として立地適正化計画を活用できない。(エ) 立地適正化計画では、原則として居住誘導区域の中に都市機能誘導区域を定める必要がある。各記述の正誤を法律に基づいて判定。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 「立地計画では中心市街地を優先」は部分的には正しいが、「郡部への誘導も可能」な例外規定がある場合も。法令の正確な読み取りが必須。
学習アドバイス: 立地適正化計画は令和初期の新しい施策。最新の法令改正を確認しながら学習。
第24問 商圏分析 修正ハフモデル
問題要旨: 2 つの地域に設置された店舗A、店舗B が消費者X からの購買を競争している場合、修正ハフモデルを用いて消費者X が店舗A に買い物に出かける確率を計算する問題。
K3 数式・公式 T3 計算実行 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗立地と商圏分析 — 修正ハフモデル
解法の思考プロセス: 修正ハフモデルの公式は: ここで は i 番目の店舗への来店確率、 は店舗面積、 は距離。
与えられた店舗 A・B の面積と消費者 X との距離から、各店舗への購買確率を計算します。例:店舗 A の面積 1,000 m²、距離 1,000 m、店舗 B の面積 2,000 m²、距離 2,000 m なら、
- 店舗 A:1,000 / 1,000,000 = 0.001
- 店舗 B:2,000 / 4,000,000 = 0.0005
- 合計:0.0015
- P_A = 0.001 / 0.0015 = 2/3
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 距離の 2 乗を分母に入れることを忘れて、単純に距離で除く。また、距離が長いほど来店確率が低くなるという逆方向の判定。
学習アドバイス: ハフモデルは商圏分析の標準的手法。距離減衰の概念と計算式を正確に習得。
第25問 食品リサイクルと持続可能性
問題要旨: 食品リサイクル法に基づく新たな基本方針(令和元年 7 月)の特例の適用後、商品の品揃え表示に関する記述の正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 環境対応と食品管理
解法の思考プロセス: 食品リサイクル法の特例適用に関する記述を確認します。(a) 基本組合において食品ロスが明記された、食品廃棄事業者および食品共販業者の役割が整理。(b) 事業者食品ロスについて「2030 年度を目標年次とするサプライチェーン全体での 2000 年度比半減」が設定。(c) 食品廃棄物等の発生の原因(食品加工場での鮮度劣化など)と対策の実施、都道府県別および市町村別に報告することになった。各記述の法令に基づいた正誤判定。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「食品ロス削減」が「販売期限管理」と同じと誤解。実際には調達から消費まで全段階での対策が必要。
学習アドバイス: 食品リサイクル法は改正が頻繁。最新の法令内容をニュースや告示で確認する習慣を。
第26問 照度と照明距離
問題要旨: 店舗設計における照度と照明距離の関係について述べた正誤判定。自然光で照らされた場所の明るさを JIS では「スーパーマーケットにおける店内全般の照度を 500 ルクス」などと基準が定めるが、光で照明された物体の色の見え方を「イルミナント」という、などの記述の正誤を判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 店舗環境設計
解法の思考プロセス: 照度基準と照明に関する記述を確認します。(ア) スーパーマーケットの店内全般照度は「約 500 ルクス」が基準。(イ) 光で照明された物体の色を「色温度」で表現(ケルビン)。(ウ) 照明距離が長いと物体の色差別が難しくなる傾向。(エ) スーパーマーケットでは、色で照明された物体の色の見え方を「イルミナント」という(誤)。正しくは「光源の色特性」を表す。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「照度」と「色温度」を混同。また「イルミナント」は光源の種類を指し、物体の色の見え方ではない。
学習アドバイス: 店舗環境設計は顧客体験に大きく影響。照度・色温度・動線の 3 要素を統合的に理解。
第27問 利益と売価のマークアップ
問題要旨: 商品の売価に含まれる消費税の計算や、販売価格の決定方法に関する正誤判定で、新聞折込チラシに掲載される商品の価格表示などについて述べた記述の正誤を判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-B 条件すり替え
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 販売価格設定
解法の思考プロセス: 販売価格の決定方法を確認します。(ア) 定価販売では、原価に一定のマークアップ率を乗じて売価を決定する場合が多い。(イ) 最初の販売価格で売れた商品を当初の値入率とおりに実現するなら、仕入価格上昇に対応する値上げが必要。(ウ) 仕入れた商品を販売したときの利益は、仕入価格上昇と売価固定下では減少。(エ) 複数店舗で異なるマークアップ率を用いて販売価格を設定し、全体の利益を管理するケース。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「マークアップ率が一定」なら「利益率も一定」と単純化する罠。仕入価格変動があると、同じマークアップ率でも利益率は変わります。
学習アドバイス: 価格決定は経営戦略の中核。マークアップ率、利益率、粗利額の 3 つの観点で考える習慣を。
第28問 店舗生産性の改善
問題要旨: 店舗における 1 日の作業配分と人員配置を改善するための施策で、各作業の作業時間と担当人数が表で与えられているとき、改善施策の効果を評価する問題。
K4 手続・手順 T2 テーブル読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 店舗運営の効率化
解法の思考プロセス: 表から、発注・商品陳列・レジ接客・清掃・その他各作業の 1 人当たり作業時間と担当人数を読み取ります。改善施策(自動化システム導入、シェルフレディ導入、清掃ロボット導入など)で人時削減効果を計算し、全体の人時生産性がどう変化するか評価します。例えば清掃ロボット導入で清掃の人時を 50% 削減できたとき、全体の人員削減可能性と売上への影響を総合的に判定。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「単一作業の効率化」と「全体の人員削減」を混同。複数作業が直列で行われている場合、1 作業の削減では他作業との同時実施が困難な場合がある。
学習アドバイス: 店舗改善は個別最適から全体最適へ。販売額・人時・顧客満足度の 3 軸で評価。
第29問 VMD と表現方法(再掲)
問題要旨: ビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)における IP・PP・VP の概念と適用例を問う問題。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-A 逆方向
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — VMD の 3 層構造
解法の思考プロセス: (問19と同様) VMD の 3 層(VP・PP・IP)を確認。各層の役割を正しく理解した上で、問題文で示された事例がどの層に属するかを判定。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: VP(全体演出)と IP(商品個別演出)の大小関係を逆に述べた選択肢。
学習アドバイス: VMD は店舗デザインの実践的スキル。イメージトレーニングと実例分析を組み合わせて習得。
第30問 ベーカリーと小売事例
問題要旨: ベーカリー事業を展開する 3 店舗のコンサルティングで、各店の状況(売上変動、商品品揃え、ロス管理)を分析し、最適な改善策を選ぶ問題。診断士と経営者の対話形式で進行。
K4 手続・手順 T2 対話読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 小売事業の運営戦略
解法の思考プロセス: 対話を読み進めながら、各店の課題(①売上変動が大きい、②商品品揃え不足、③ロス増加)を把握します。診断士の提案を評価し、「B 最適な改善方針」として述べられた内容が妥当か判定。例えば、「店舗 B の課題は商品品揃えなので、品揃え拡大と顧客ニーズの整理が有効」という論理の正誤を確認。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「売上が低い = 品揃え不足」と単純化する罠。実は「立地が悪い」「営業時間が短い」などの別要因もあり得る。
学習アドバイス: 事例問題は「現状分析 → 問題抽出 → 仮説 → 検証」というコンサルティングプロセスを意識。
流通・物流・情報システム
第31問 販売記録と商品表示
問題要旨: 販売記録に関する記述で、消費税、販売価格、商品の本体価格に関する規制を述べた正誤判定。令和 3 年 4 月 1 日以降(消費税率変更法)の特例の適用後における表示に関する正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 店舗・販売管理 — 消費税表示、販売記録
解法の思考プロセス: 消費税の表示方法に関する記述を確認します。(ア) 商品の本体価格と消費税率を記載している場合と記載していない場合で、消費税込み価格の表記方法が異なる。(イ) 新聞折込チラシに掲載される商品の価格は、消費税を含めた価格を記載すべき。(ウ) 量り売りで商品を販売する場合、単位当たりの価格を表示する際は消費税額を含めるか否かを明確に。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「消費税込み価格」と「本体価格」の表記ルールが混同。法律で定められた表示方法を正確に把握することが重要。
学習アドバイス: 消費税法の改正は毎年。最新の景品表示法・消費税法改正内容を確認する習慣を。
第32問 在庫管理 定期発注
問題要旨: 最も多く取り扱う小売店における在庫管理に関する記述で、定期発注方式での発注点や発注量の設定方法について述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 材料・在庫管理 — 定期発注、定量発注
解法の思考プロセス: 定期発注方式の特性を確認します。(ア) 1 回当たりの発注量が一定の場合、サイクル在庫は一定になる。(イ) 不足を防ぐため安全在庫は調査期間中の平均的払出し量の 2 倍とする場合がある。(ウ) 定期発注方式では販売量が変動しやすく、一回当たりの発注量は発注から納品までの調査期間に長くなるほどざっくりになる。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「定量発注では発注量が一定」と「定期発注では発注量が変動」を混同。実は定期発注でも在庫水準に応じて発注量は変わる。
学習アドバイス: 在庫管理は流通戦略の要。定期 vs. 定量、安全在庫算定式の正確な習得が重要。
第33問 物流センターの機能
問題要旨: チェーン小売業の物流センターの機能に関する記述で、在庫型物流 vs. 在庫型物流センターの役割分担、物流センターから店舗への配送方式などについて述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — 流通センター、物流管理
解法の思考プロセス: 物流センターの機能を確認します。(ア) 在庫型物流センターには、各仕入先からの納品に対応する店舗での荷受け作業を集約する機能。(イ) 通過型物流センターには、各仕入先からの納品品をそのまま情報に従い店舗に配送する機能。(ウ) 店舗から物流センターへの リードタイムは、通過型の方が在庫型より短い。(エ) 物流センターから店舗への多頻度配送は、店舗の在庫を減らし、スペース効率を高めるメリット。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「通過型物流センター」と「DRP(Distribution Requirements Planning)」を混同。DRP は計画手法であり、物流センター形態ではない。
学習アドバイス: 物流センターは小売チェーン経営の要。在庫型・通過型・流動型の 3 形態の特性を把握。
第34問 トラック配送と生産性
問題要旨: トラック配送における共同輸配送に関する記述で、最短経路と取組組織による改善が期待される「生産性指標」の組み合わせを選ぶ問題。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-B 条件すり替え
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — 物流管理、配送効率
解法の思考プロセス: 物流の生産性指標を確認します。(a) 実績率(トラックの走行可能な時間に占める、実際に稼働した時間の割合)。(b) 実率(トラックの走行距離に占める、実際に輸送した距離の割合)。(c) 積載率(貨物を積載したトラックの最大積載量に占める、実際に積載した貨物の割合)。共同輸配送で改善が期待される指標を選びます。一般に、路線統合や積載効率向上で「実率」と「積載率」が向上。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 「実績率が高い」と「走行時間の利用効率が高い」を同じと解釈する罠。実績率は時間軸、実率は距離軸での効率指標。
学習アドバイス: 物流効率は「時間利用」「距離利用」「積載利用」の 3 軸で評価。各指標の定義と改善方向を明確に。
第35問 小売チェーン物流センター
問題要旨: チェーン小売業における在庫管理に関する記述で、1 回当たりの発注量が一定の場合と定期発注を用いた場合の販売量の変動への対応を述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 材料・在庫管理 — 在庫管理方式
解法の思考プロセス: 小売チェーンの在庫管理方式を確認します。(ア) 発注点と続注量が決まると、サイクル在庫は一定。(イ) 不足を防ぶため安全在庫は調査期間中の平均的払出し量の標準偏差が 2 倍になると平分になる。(ウ) 定期発注方式では販売量が変動しやすく、一回当たりの発注量は発注から納品までの調査期間が長いほど多くなる。(エ) 定量発注と継続発注を同時に採用して発注する方式を採用した場合、1 回当たりの発注量は販売の増減にかかわらず一定になる。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「定量発注では発注量が常に一定」と「定期発注では発注量が在庫水準に応じて変動」を混同。
学習アドバイス: 在庫管理方式の選択は、商品特性と流通特性に依存。食品など腐敗しやすい商品では定期発注が適切。
第36問 ユニットロード化
問題要旨: ユニットロードシステムについて、パレットやコンテナなどの機械を用いた貨物を単位化し、搬送や保管が効率化される特徴を述べた記述の正誤判定。
K4 手続・手順 T2 テキスト読解 L2 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — ユニットロード、パレット化
解法の思考プロセス: ユニットロードシステムの機能と特性を確認します。(ア) パレットやコンテナなどの機械を用いて貨物を単位化し、搬送や保管が効率化される。(イ) ユニットロードの標準的な寸法を決定するには、物流モジュール化が必要。(ウ) ユニットロード化により、フォークリフトなどの荷役機械の使用が効率化される。(エ) ユニットロード化には対応すべき課題がある。例えば、半パレットを使用するトラック輸送の場合、トラック積載効率が低下する可能性。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「ユニットロード化でトラック積載効率が常に向上」と過度に期待する罠。実は不規則な搬送では積載効率が低下する場合もあり。
学習アドバイス: ユニットロード化は物流現代化の基本。標準化と柔軟性のバランスが重要。
第37問 物流センター運営
問題要旨: 物流センターの運営に関する記述で、ABC 分析・固定ロケーション管理・棚卸・ピッキング方式などの運営技法について述べた正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — 物流センター運営
解法の思考プロセス: 物流センター運営の技法を確認します。(ア) ABC 分析では、取扱数の多い品目(A)は固定ロケーション管理で置き場を固定。(イ) 固定ロケーション管理では、フリーロケーション管理に比べて商品の保存効率が高いという特徴。(ウ) 棚卸は、実際の在庫数と帳簿在庫数の整合性を確認する作業。(エ) 桶詰めピッキング(ピッキングの方式)では、商品ごとに仕分けをして配送する作業。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の長短を混同。固定は回転数が少ない商品向き、フリーは高速回転品向き。
学習アドバイス: 物流センター運営は実務的スキル。現場見学や事例分析で「見える化」の重要性を実感。
第38問 GTIN と商品コード
問題要旨: 電子タグを活用して商品を個体で管理するために必要なコードが、GS1 標準の識別コードに対して整備されている。既存のバーコードシステムとの整合を保ちながら、電子タグシステムを構築するのに関する記述の正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — 商品コード、EDI、電子タグ
解法の思考プロセス: 商品コード体系を確認します。(ア) A は EPC(Electronic Product Code)で、GS1 で標準化された電子タグ用の識別コード。(イ) B などの GS1 が定める標準識別コードが基礎となっている。(ウ) A の一例では、商品識別コード(B)にシリアル番号(B)を付加した形式で、B が同じ 1 つ 1 つを個別に識別可能。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「EPC」と「GS1」の関係が曖昧。EPC は GS1 の標準に基づいて設計されているため、共存が可能。
学習アドバイス: 商品コード体系は IoT・AI 活用の基盤。GS1、GTIN、EPC の定義と関係を正確に習得。
第39問 CRM の分析手法
問題要旨: 小売業における CRM と、それに関連する分析手法や手段に関する記述の正誤判定。RFM 分析など顧客属性データを活用した分析方法について述べた記述の正誤判定。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — CRM、顧客分析
解法の思考プロセス: CRM と分析手法を確認します。(ア) CRM は顧客ライフタイムバリュー(LTV)を最大化するため顧客別の対応を最適化。(イ) RFM 分析では Recency(最終購買日)・Frequency(購買頻度)・Monetary(購買額)を指標とした顧客分類。(ウ) FSP はクラスター分析よりも顧客属性を詳細に分類する手法。(エ) 顧客の購買機会との関連を分析する場合、RFM 分析と購買品目の関連も合わせて考慮が重要。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「RFM 分析」と「クラスター分析」を混同。RFM は 3 つの定量指標による分類、クラスター分析は多変量統計手法。
学習アドバイス: CRM は戦略的顧客管理。データ分析と顧客接点の統合が効果的。
第40問 HACCP と食品事業者
問題要旨: 食衛生法等の一部を改正する法律(平成 30 年法律第 46 号)により令和 3 年 6 月 1 日から原則としてすべての食品事業者は HACCP に沿った衛生管理に取り組むことになり、小規模な営業者についても HACCP を取り組み入れた衛生管理が求められることになり、公衆衛生に与える影響が少ない営業として衛生管理計画および手順書の作成が義務付けられていない営業者が存在。以下①~④のうち、そのような営業者の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
K4 手続・手順 T1 正誤判定 L1 Trap-D 混同誘発
正解: (公式発表を確認してください)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — 食品衛生管理
解法の思考プロセス: HACCP 義務化の例外対象を確認します。食衛生法改正により、以下の営業者は HACCP の対応が不要: ①器具容器包装の輸入や販売事業 ②飲食店等で食品を調理する営業者 ③食品または添加物の輸入事業
問題では「HACCP 沿った衛生管理計画および手順書の作成が義務付けられていない営業者」を複数選ぶ問題。公衆衛生への影響が少ないと判断された業種を選別。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 「小規模営業者は HACCP が不要」と単純化する罠。実は要件を満たす小規模営業も対応を求められる。
学習アドバイス: 食品衛生法は改正が頻繁。最新の法令改正内容を厚労省発表で確認する習慣を。
第41問 中小企業共通EDI標準と接続方式
問題要旨: 中小企業共通EDI標準制定の経過に関するテキスト読解。1985年の通信自由化からインターネット普及による接続方式の変遷を辿る問題。空欄A(初期接続方式)、B(初期段階の課題)、C(インターネット時代の接続方式)、D(後発段階の課題)に入る用語の組み合わせを選択。
K4 手続・手順 T4 条件整理 L2 Trap-D 混同誘発
正解: ウ(A:個別EDI、B:多端末、C:WEB-EDI、D:多画面)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — EDI標準、接続方式、情報システム進化
解法の思考プロセス:
EDI(Electronic Data Interchange)の発展史:
| 時期 | 接続方式 | 特徴 | 課題 |
|---|---|---|---|
| 1985-1999年 | 個別EDI(1:1) | 専用線・ISDN利用 | 高額投資、多端末問題発生 |
| 2000年以降 | WEB-EDI(1:n) | インターネット利用 | 多画面・仕様バラバラの課題 |
設問の空欄埋め:
時系列順序:
- 1985年:通信自由化 → 専用線・ISDN による接続 = 個別EDI方式(1対1)
- 初期課題:発注者1社に対して受注者が複数いる場合、受注者は顧客ごとに異なるシステムに対応 = 多端末問題
- 2000年頃:インターネット普及 → 受注者はパソコン+インターネット接続で対応可能 = WEB-EDI方式(1対多)
- 後発課題:発注者ごとに独自の仕様 → 受注者は発注者ごとに異なるフォーマットに対応 = 多画面問題
各選択肢の検証:
- ア(WEB-EDI、多画面、個別EDI、多端末):時系列が逆
- イ(WEB-EDI、多端末、個別EDI、多画面):初期と後発が逆、WEB-EDI が誤位置
- ウ(個別EDI、多端末、WEB-EDI、多画面):正解 ✓ 時系列と課題が正確
- エ(個別EDI、多端末、WEB-EDI、多画面):ウと同じだが表記異なる(確認)
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発:
- 接続方式と課題を混同: 「個別EDI」と「多端末」、「WEB-EDI」と「多画面」が対になっていることを見落とす
- 時代順序の誤認: インターネット普及後も「個別EDI」が使われていたと誤解
- 発注者1 vs. 受注者多の構造: WEB-EDI で受注者が複数の発注者に対応するため「多画面」が発生することを理解できない
- 用語の似た響き: 「多端末」(複数の異なるシステム端末)と「多画面」(複数の異なるWebフォーム)を混同
学習アドバイス: EDI標準は「課題への応答」という視点で覚えます。各段階で「何が問題だったか」「次の技術で何が解決したのか」「新たに何が課題になったのか」という因果チェーンを辿ることで、誤選択を防げます。テキスト読解では、特に「1対1」「1対多」といった構造的違いを図で整理する習慣が重要です。
第42問 電子タグと識別コード(GS1標準)
問題要旨: 電子タグを活用した商品個体管理に必要なコード体系に関するテキスト読解。GS1標準の識別コードについて、空欄A(電子タグ識別コード総称)、B(GS1標準識別コード)、C(具体的な識別コード)に入る略語の組み合わせを選択。
K4 手続・手順 T4 条件整理 L2 Trap-D 混同誘発
正解: イ(A:EPC、B:GTIN、C:SGTIN)
必要知識: 販売指標・物流・小売情報システム — GS1標準、バーコード、電子タグシステム
解法の思考プロセス:
GS1標準の識別コード体系:
| 略語 | 正式名 | 対象 | 用途 | 構成 |
|---|---|---|---|---|
| EPC | Electronic Product Code | 電子タグ総称 | RFID用識別コード | GS1ベース |
| GTIN | Global Trade Item Number | 商品単位 | バーコード・EPC基礎 | 標準識別コード |
| SGTIN | Serialized GTIN | 個別商品 | 電子タグで個体識別 | GTIN + シリアル番号 |
| GRAI | Global Returnable Asset Identifier | 返却資産 | 回収可能容器・機器 | GS1ベース(個別ID) |
| SSCC | Serial Shipping Container Code | 物流ユニット | 段ボール・パレット | シリアル・集合包装用 |
テキスト読解の手順:
- 空欄A : 「GS1で標準化された電子タグに書き込むための識別コードの総称」 → 電子タグ全体を指す → EPC(Electronic Product Code)
- 空欄B : 「GS1が定める標準識別コード」、「既存バーコードシステムとの整合性」 → 既存バーコードと連続性 → GTIN(Global Trade Item Number)
- 空欄C : 「EPCの一例」、「商品識別コード+シリアル番号(連続番号)」 → 商品+個別識別 → SGTIN(Serialized GTIN)
各選択肢の検証:
- ア(EPC、GRAI、SSCC):B・Cが不適切(GRAI は返却資産、SSCC は集合包装)
- イ(EPC、GTIN、SGTIN):正解 ✓ A=総称、B=標準、C=個別識別
- ウ(EPC、GTIN、SSCC):C が誤り(SSCC は物流ユニット)
- エ(GCN、GRAI、SSCC):A が誤り(GCN は実在しない)
- オ(GCN、GTIN、SGTIN):A が誤り
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発:
- GTIN と SGTIN の役割分担: GTINは商品分類、SGTINは個体識別(同じコード体系だが、シリアル番号の有無で用途が異なる)
- EPC と GTIN の関係: EPCは電子タグ全体、GTINはその基礎となるコード(包含関係)
- GRAI・SSCC との混同: いずれもGS1ベースだが、対象が「返却資産」「集合包装」と限定(本問は「商品個体」が対象)
- バーコード互換性の見落とし: B空欄で「既存バーコードシステムとの整合性」とあることから、新しい独自規格ではなく「既存標準との継続」= GTIN
学習アドバイス: GS1標準の各コード体系は「何を対象にしているか」で区別します。GTIN(商品分類)→ SGTIN(商品個体) → GRAI(返却容器) → SSCC(梱包単位)という「粒度」の違いを図にまとめて暗記すると、類似選択肢の誤選択を防げます。「既存バーコードとの整合性」という視点も重要です。
年度総括
Wiki カバレッジ
R3 運営管理 42 問のうち、wiki の複数ノードで全問をカバーしています:
| ノード | 対応問数 | カバレッジ |
|---|---|---|
| 生産方式と計画統制 | 1, 2, 8, 13 | 4/4 (100%) |
| 工場レイアウト・フロー設計 | 3, 7 | 2/2 (100%) |
| スケジューリング・ラインバランシング | 5, 10 | 2/2 (100%) |
| JIT とかんばん | 6, 9 | 2/2 (100%) |
| IE と VE | 4, 14, 15, 16, 17 | 5/5 (100%) |
| 材料・在庫管理 | 11, 12, 32 | 3/3 (100%) |
| 店舗・販売管理 | 18, 19, 20, 21, 27, 28, 29, 31 | 8/8 (100%) |
| 店舗立地と商圏分析 | 23, 24 | 2/2 (100%) |
| 販売指標・物流・小売情報システム | 25, 26, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42 | 12/12 (100%) |
| その他(統計データ) | 22 | 1/1 (100%) |
全問網羅達成。教材型ノードとの統合で完全カバレッジを確保。
思考法分布
| 思考法 | 問数 | 割合 |
|---|---|---|
| T1 正誤判定 | 28 | 70% |
| T2 グラフ・テキスト・テーブル読解 | 10 | 25% |
| T3 計算実行 | 2 | 5% |
正誤判定(T1)が圧倒的多数派。運営管理は「どの手法をいつ使うか」「何が正しいか」という手続知識の正確さが得点の 70% を占めます。
罠パターン頻度
| 罠パターン | 問数 | 出現頻度 |
|---|---|---|
| Trap-D 混同誘発 | 27 | 67.5% |
| Trap-B 条件すり替え | 3 | 7.5% |
| Trap-A 逆方向 | 5 | 12.5% |
| Trap-C 部分正解 | 5 | 12.5% |
Trap-D(概念の混同)が圧倒的に多い。「定量発注と定期発注」「在庫管理と購買管理」「ユニットロード化と積載効率」など、似た概念を区別できるかが鍵です。
学習優先度 Tier
Tier 1(必須・高頻出):
- 5S、生産方式、生産計画、生産統制(問 1, 2, 8)
- レイアウト選択(DI 分析)(問 3, 7)
- JIT とかんばん方式(問 6, 9)
- 在庫管理:定量 vs. 定期、発注点・発注量(問 11, 12, 32)
- 店舗立地と商圏分析(修正ハフモデル)(問 23, 24)
- VMD と 3 層構造(問 19, 29)
- 物流センター機能と配送効率(問 33, 34)
Tier 2(重要・応用系):
- スケジューリング・PERT/CPM(問 10)
- ラインバランシング(問 5)
- 実験設計と直交表(問 4)
- 作業測定(PTS・間接・直接)(問 17)
- 食品リサイクルと持続可能性(問 25)
- 照度と店舗環境(問 26)
- 商品ポートフォリオと利益管理(問 27)
Tier 3(定義確認):
- 流動数分析(問 14)
- 職務設計(問 16)
- ショッピングセンター統計(問 22)
- 販売記録と消費税表示(問 31)
- ユニットロード化(問 36)
- 商品コード・GTIN・EDI(問 38)
- CRM 分析手法(問 39)
- HACCP と食品衛生(問 40)
本番セルフチェック(5 項目)
試験直前と試験当日の朝に確認すべき 5 項目:
- 5 つの基本概念: 「流動」「平準」「標準」「同期」「見える」の定義と実装形態が言えるか
- レイアウト選択軸: 品種数・生産量を軸にした DI 分析で、各タイプの特性を図解できるか
- 在庫管理の 2 軸: 「発注点」と「発注量」、「定量発注」と「定期発注」の相違が即座に説明できるか
- 店舗改善の 3 軸: 販売売上、人時生産性、顧客満足度の 3 つを同時に改善する施策を考えられるか
- データの正確性: 商圏分析(修正ハフモデル)、統計分析(RFM、ABC)の計算と解釈が正確か
分類タグの凡例
知識種類(K)
- K3 数式・公式: 特定の計算式や公式を適用する必要がある問題(例:修正ハフモデル、ラインバランシング率、乗数計算)
- K4 手続・手順: 「どの手法をいつ使うか」という手続知識や判断基準を要する問題(例:レイアウト選択、発注方式、改善施策)
- K5 統計・データ: 統計データやグラフの読み取り、業界動向統計の理解が必要な問題
思考法(T)
- T1 正誤判定: 複数の記述のうち、正しいもの・誤りを含むものを選ぶ形式
- T2 グラフ・テキスト・テーブル読解: グラフの軸、表データ、対話文などから情報を読み取る思考
- T3 計算実行: 与えられたデータを公式に当てはめて計算する思考
形式層(L)
- L1 定義暗記: 定義や基本概念を覚えていれば解ける問題(例:5S の定義、発注方式の特性)
- L2 手順・図解理解: グラフ・表・フローから対応関係を把握し、判断する必要がある問題
- L3 計算実行: 複数のステップを経て計算結果を導く必要がある問題
罠パターン(Trap)
- Trap-A 逆方向: 因果の方向を逆に述べた誤選択肢(例:「照度が低い → 商品の色差別が容易」)
- Trap-B 条件すり替え: 「短期では有効、長期では無効」など条件を取り違えさせる誤選択肢
- Trap-C 部分正解: 一部は正しいが、全体では誤っている選択肢(例:「HACCP は全事業者に義務」は部分的)
- Trap-D 混同誘発: 似た概念(定量と定期、在庫と購買、ユニットロードと積載)を混同させる誤選択肢
- Trap-E 計算ミス: 計算式の分子分母を逆にする、符号をミスするなど、計算過程で誘発される誤り
分類タグ凡例
| タグ | 意味 |
|---|---|
| K1 定義・用語 | 用語の正確な意味を問う |
| K2 グラフ形状 | グラフの読み取り・形状判断 |
| K3 数式・公式 | 公式の適用・計算 |
| K4 因果メカニズム | 原因→結果の論理連鎖 |
| K5 制度・データ | 法制度・統計データの知識 |
| T1 正誤判定 | 選択肢の正誤を判定 |
| T2 グラフ読解 | グラフから情報を読み取る |
| T3 計算実行 | 数値計算を実行 |
| T4 因果推論 | 因果関係を推論 |
| T5 場合分け | 条件による場合分け |
| L1 基礎 | 基本知識で解ける |
| L2 応用 | 知識の組み合わせが必要 |
| L3 高度 | 複数ステップの推論が必要 |
| L4 最難度 | 高度な分析力が必要 |
| Trap 逆方向誘発 | 因果の向きを逆に誘導 |
| Trap 混同誘発 | 類似概念を混同させる |
| Trap 部分正解 | 部分的に正しい選択肢で誘導 |
| Trap 条件すり替え | 前提条件を変えて誘導 |
| Trap 計算ミス | 計算過程での間違いを誘発 |
関連ページ
- 生産方式と計画統制 — 5S、生産方式、生産計画の基本
- 工場レイアウト・フロー設計 — DI 分析、レイアウトタイプ
- スケジューリング・ラインバランシング — PERT/CPM、ラインバランシング
- JIT とかんばん — Just-in-Time、かんばん方式
- IE と VE — 実験設計、作業測定、職務設計
- 材料・在庫管理 — 定量発注、定期発注、EOQ
- 店舗・販売管理 — VMD、店舗運営、販売指標
- 店舗立地と商圏分析 — 修正ハフモデル、商圏分析
- 販売指標・物流・小売情報システム — 物流センター、配送効率、EDI
- 過去問マッピング(運営管理) — 全年度の過去問を wiki ノード対応付け
- 運営管理トップ — 学習全体のガイド
過去問アーカイブ
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