中小企業経営・中小企業政策(令和5年度)
令和5年度(2023)中小企業診断士第1次試験 中小企業経営・中小企業政策の全28問解説
概要
令和5年度(2023)第1次試験「中小企業経営・中小企業政策」は、2日目(13:30~15:00)に実施されました。本試験は、中小企業の経営課題、政策制度、統計データ、事例分析を幅広く問う構成になっています。
問題文は J-SMECA 公式サイト(令和5年度(2023) 中小企業経営・中小企業政策) から入手できます。手元に PDF を用意したうえでお読みください。全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。
解説の読み方
各問について「問題要旨 → 分類タグ → 正解 → 必要知識 → 解法の思考プロセス → 誤答の落とし穴 → 学習アドバイス」の順で解説しています。分類タグの意味は本ページ末尾の凡例を参照してください。
出題範囲は以下の大きなテーマを網羅しています。
- 中小企業の定義・規模基準:従業員数、資本金による分類
- 経営統計・経営実態調査:経営分析指標(売上高研究開発費率、労働分配率、設備投資など)
- 中小企業白書・経営課題:事業承継、起業、雇用、生産性向上
- 支援制度:BCP(事業継続計画)、共済制度、設備資金、ビジネスマッチング
- 税制・法制度:法人税、相続税、事業承継制度
- 経営戦略・イノベーション:デザイン経営、PMI(企業統合)、新規事業開発
- 倒産動向・産業集積:倒産件数動態、企業規模別倒産、経営支援機関
単なる定義や制度知識だけでなく、統計データの読み取り、複合的な場合判断、会話文の解釈が求められます。
出題構成テーブル
| 分野 | 問題数 | 主要キーワード |
|---|---|---|
| 中小企業の統計・規模基準 | 5問 | 経営実態調査、設備投資、労働分配率、売上高研究開発費率 |
| 経営分析・財務指標 | 3問 | 交易条件DI、仕入価格DI、設備投資額 |
| 事業承継・新規事業・事業転換 | 5問 | PMI、事業再構築補助金、新規事業開発 |
| 支援制度・資金 | 6問 | 共済制度、設備資金、共有制度、IT導入支援 |
| BCP・リスク対応 | 2問 | 事業継続計画、災害対応 |
| 人事・労働 | 1問 | 外国人労働者、技能実習 |
| 経営支援機関・診断士法 | 1問 | 中小企業基本法、診断士の役割 |
全問分類マップテーブル
| 問 | 分野 | 形式層 | K層 | T層 | 難度 | キーワード |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 統計・規模 | 単文 | K1 K2 | T2 | L2 | 業種別売上高構成比 |
| 2 | 統計・規模 | 単文 | K1 K2 | T2 | L2 | 業種別企業規模比較 |
| 3 | 統計・規模 | 単文 | K4 | T4 | L3 | 売上高研究開発費率の業種比較 |
| 4 | 統計・規模 | 単文 | K4 | T4 | L3 | 開業率・廃業率・産業別比較 |
| 5 | 経営分析 | 単文 | K4 | T4 | L3 | 交易条件DI・仕入価格DI |
| 6 | 経営分析 | 単文 | K4 | T2 | L3 | 借入金借率の業種推移 |
| 7 | 経営戦略 | 複合文 | K4 K5 | T4 | L3 | 経営課題・経営支援 |
| 8 | 経営戦略 | 複合文 | K5 | T2 | L2 | 外国人労働者・技能実習 |
| 9 | 経営戦略 | 複合文 | K4 K5 | T4 | L3 | 支援に当たっての配慮 |
| 10 | 統計・設備投資 | 複合文 | K4 | T3 T4 | L3 | 研究開発費・能力開発費の規模別推移 |
| 11 | BCP | 複合文 | K5 | T2 | L3 | BCP策定・固定資産税 |
| 12 | 労働分配率 | 複合文 | K3 K4 | T3 T4 | L4 | 労働分配率・業規別比較 |
| 13 | PMI・事業承継 | 長文 | K4 K5 | T4 | L3 | M&A・PMI・成立後の実施 |
| 14 | 設備投資 | 長文 | K4 | T3 T4 | L3 | IT投資・ソフトウェア投資の推移 |
| 15 | デザイン経営 | 長文 | K4 K5 | T4 | L3 | デザイン経営の要素・実例 |
| 16 | 経営支援機関 | 複合文 | K5 | T2 | L3 | 開業・経営支援実績 |
| 17 | 倒産件数推移 | 複合文 | K2 K5 | T2 | L2 | 倒産件数・企業規模別推移 |
| 18 | 信用保証・融資制度 | 複合文 | K5 | T2 T3 | L3 | 信用保証利用、保証残高 |
| 19 | 中小企業基本法 | 複合文 | K1 K5 | T1 | L2 | 法定定義・中小企業の範囲 |
| 20 | 新規事業・経営改革 | 複合文 | K4 K5 | T4 | L3 | 経営革新・新規事業 |
| 21 | 共済制度 | 複合文 | K5 | T2 | L2 | 小規模企業共済・設定条件 |
| 22 | 設備資金 | 複合文 | K5 | T3 | L2 | 高度化事業・貸付条件 |
| 23 | BCP関連・災害対応 | 複合文 | K5 | T2 | L2 | BCP・災害対応・支援対象企業 |
| 24 | 経営支援・先端設備導入 | 複合文 | K5 | T2 | L2 | 先端設備導入・固定資産税 |
| 25 | IT導入支援 | 複合文 | K5 | T3 | L2 | IT導入補助金・補助タイプ |
| 26 | 法人税・相続税 | 複合文 | K5 | T2 T3 | L3 | 法人税率・欠損金・相続税 |
| 27 | 事業承継税制 | 長文対話 | K5 | T1 T2 | L3 | 特例承継計画・特例措置 |
| 28 | ポストコロナ・事業再構築 | 長文対話 | K4 K5 | T4 | L3 | 事業再構築補助金・新規野展開 |
形式層の分布
- 単文題(問題文が1パラグラフ):問1~7(7問、25%)
- 統計読み取り、直接的な定義・用語判定が中心
- 選択肢も単純・対照的
- 複合文題(問題文が複数パラグラフ、複合判断):問8~26(19問、68%)
- 背景説明+複数の条件を組み合わせた判断
- 実務的な事例・制度の理解が必要
- 長文対話題(中小企業診断士の会話、複数の空欄埋め):問20、27、28(3問、11%)
- 会話文の脈絡から複数の空欄を埋める
- 相談相手の立場・コンテキストの理解が重要
- T1(正誤判定)や T4(因果推論)が混在
各問の解説
問1:業種別売上高構成比
問題要旨 経営実態調査に基づき、平成28年経済センサス活動調査における小売業、建設業、製造業の売上高比較で、最も適切な記述を選ぶ。
K1 定義・用語 K2 グラフ形状 T2 グラフ読解 L2
正解 ア
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 中小企業の経済的役割と統計データ読み取り(業種別売上高構成の基本パターン)
解法の思考プロセス 経営実態調査のデータから業種別の売上高相対位置を読み取る。一般に製造業は最も売上高が大きく、建設業がそれに次ぎ、小売業は3業種の中では相対的に小さい傾向。選択肢で述べられている大小関係を正確に確認する。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: 業種別データの順序を反転させた選択肢が紛れている。たとえば「小売業の売上高が建設業より多い」という逆の記述に注意が必要。
学習アドバイス 経営実態調査は中小企業の基本統計であり、試験で頻繁に出題される。業種別の経営特性(売上規模、企業数、従業員数など)の大小関係を複数業種にわたって整理しておくことが重要。
問2:企業規模別売上高構成比の業種比較
問題要旨 平成28年経済センサス活動調査において、産業別企業規模(民営、非一次産業、2016年)の記述として、最も適切なものを選ぶ。
K1 定義・用語 K2 グラフ形状 T2 グラフ読解 L2
正解 ウ
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-definition-and-size-criteria — 中小企業基本法に基づく企業規模の定義と業種別分類基準
解法の思考プロセス 中小企業基本法の業種別定義に基づいて、各業種の企業規模比率を判定する。建設業・小売業は小規模企業の比率が高く、製造業は中規模企業の比率が相対的に高いという業種別の特性を理解。選択肢で述べられている各業種の小規模・中規模・大規模の相対的位置を確認。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: 業種別の企業規模構成を逆に認識している。たとえば「製造業で小規模企業が大多数」という誤った認識に陥りやすい。
学習アドバイス 業種ごとに企業規模の分布が大きく異なることを認識。建設業・小売業・サービス業は小規模が多く、製造業は相対的に規模が大きい傾向がある。
問3:売上高研究開発費率の業種比較
問題要旨 令和3年中小企業実態基本調査(令和2年度実績)に基づき、小売業、宿泊業・飲食サービス業、製造業について、売上高研究開発費率と自己資本比率の企業種平均との比較を記述として、最も適切なものを選ぶ。
K3 数式・公式 K4 因果メカニズム T4 因果推論 L3
正解 ウ
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 売上高研究開発費率の業種別比較、業種別の経営指標パターン
解法の思考プロセス 売上高研究開発費率 = 研究開発費 ÷ 売上高 の定義を確認。製造業は研究開発投資が全体平均を上回り、宿泊業・飲食サービス業は下回る傾向。さらに自己資本比率との相関を見ると、製造業は資本集約的で自己資本比率が相対的に高い傾向。各選択肢で述べられている業種別の相対位置を比較検討。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 数値の大小関係を逆に認識する。「サービス業が研究開発費率で企業平均より高い」というような誤った記述に注意。
学習アドバイス 製造業とサービス業の経営特性の根本的な違いを理解することが重要。製造業は技術開発投資、資本設備投資が多く、サービス業は人的資本に依存する傾向。この基本的な違いが各種指標に反映されることを認識。
問4:開業率・廃業率・産業別比較
問題要旨 雇用・経済政策「雇用関係事業年報」に基づき、小売業、宿泊業・飲食サービス業、製造業について、2020年度の開業率と廃業率を企業規模平均と比較した場合の記述として、最も適切なものを選ぶ。
K3 数式・公式 K4 因果メカニズム T4 因果推論 L3
正解 イ
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-startup-and-closure-rates — 開業率・廃業率の定義と業種別の特性、コロナ禍の影響分析
解法の思考プロセス 開業率と廃業率の定義:開業率 = 当該年の新規設立事業者数 ÷ 前年度の適用事業数、廃業率 = 当年度の廃業所数 ÷ 前年度の適用事業数。サービス業(宿泊業・飲食業)は参入障壁が低く、開業・廃業ダイナミクスが大きい。2020年度はコロナ禍で業種別に影響が異なった。小売業、製造業と比較した相対的位置を確認。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: 業種別データの順序を反転させた選択肢。コロナ禍で飲食業が特に廃業が増加したことを逆に読む誤り。
学習アドバイス 開業・廃業率は業種の参入退出メカニズムを示す重要な指標。サービス業は一般的に開業が容易で廃業も多く、製造業は参入障壁が高い傾向。特に時間軸(コロナ禍前後)での変化に注目。
問5:交易条件DI・仕入価格DI
問題要旨 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」に基づき、2018~2021年の中小企業交易条件指数推移に関する記述として、最も適切なものを選ぶ。
K3 数式・公式 K4 因果メカニズム T4 因果推論 L3
正解 ウ
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 交易条件DIの定義と計算方法、経営環境の読み取り方
解法の思考プロセス 交易条件DI = 販売価格DI - 仕入価格DI の式から、DIの上昇は企業にとって有利(販売価格が上昇or仕入価格が下降)、下降は不利(仕入価格が上昇or販売価格が下降)を意味することを理解。2018~2021年の推移で、2020年以降の仕入価格上昇と販売価格の追従ラグを読み取る。各選択肢の記述が交易条件DIの上昇・下降傾向を正確に述べているか確認。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 数値(DI)の大小関係を逆に認識する。「交易条件が改善(DI上昇)している」という誤った認識。実際には2020年以降、仕入価格上昇で交易条件が悪化。
学習アドバイス 交易条件DIは企業の価格設定力を示す重要な指標。仕入価格が上昇しても販売価格に転嫁できない企業は、交易条件の悪化により利益が圧迫される。コロナ禍以降、原材料高騰で多くの企業が交易条件悪化に直面した経験と結合させて理解。
問6:借入金借率の業種推移
問題要旨 財務省法人企業統計調査年報に基づき、2018~2021年の業種別借入金借率推移で、最も適切な記述を選ぶ。
K3 数式・公式 K2 グラフ形状 T2 グラフ読解 L3
正解 ウ
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 資本構成の業種別特性、借入金借率と企業の資金調達行動
解法の思考プロセス 借入金借率 = 借入金 ÷(短期借入金 + 長期借入金 + 社債)の定義から、業種ごとの資金調達手段の違いを理解。建設業は工事資金の前払いが必要で借入金依存が高く、サービス業は相対的に借入金への依存が低い傾向。2018~2021年の推移で、各業種の資金調達方針の安定性と変動を読み取る。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 業種別の借率順序を逆に認識。「サービス業の借率が最も高い」というような誤った認識に注意。
学習アドバイス 業種による資金調達手段の選択は、その業種の事業特性を反映している。建設業は工事債権担保融資が活用でき、サービス業は固定資産が少なく借入による成長投資が限定される傾向を理解することが重要。
問7:経営課題・経営支援の配慮
問題要旨 わが国経済における製造業は付加価値の創出に寄与し、雇用面からも大きな役割を果たしている。製造業の経営課題と支援の配慮について、空欄A・Bに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを選ぶ。
「国は経営力強化を支援するに当たり、支援に当たっては A を基本的な姿勢とすることが望ましい。第二は、経営者の『自力化』のための B を行い、『情報力』を引き出すことである。」
K4 因果メカニズム K5 制度・データ T4 因果推論 L3
正解 イ:A「対話と協調」、B「内発的動機づけ」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — 中小企業診断士による支援の原則と動機づけ理論
解法の思考プロセス 中小企業診断士の支援原則は「相談者の自発的な経営改革を支援する」ことにあり、診断士が一方的に指示するのではなく「対話と協調」を基本姿勢とすべき。経営者の「自力化」を目指すには、外部からの命令や報酬(外発的動機づけ)ではなく、経営者自身が主体的に経営改革に取り組む意欲を引き出す「内発的動機づけ」が不可欠。問題文の「『情報力』を引き出す」という表現から、経営者の内面的な動機と自発性を重視していることが読み取れる。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 用語の類似性に注意。「対話と協調」vs「対話と傾聴」の違い、「内発的」vs「外発的」の定義を混同しやすい。特に「協調」は相互理解に基づく協働であり、「傾聴」は一方的な聞き手スタイルである点に注意。
学習アドバイス 経営支援における動機づけ理論は、中小企業診断士として不可欠な理論。外発的動機づけ(報酬や処罰)は短期的な行動変化しかもたらさず、内発的動機づけ(自発的な関心と意欲)が持続的な経営改革をもたらすことを理解。これは心理学的基盤に基づく重要な原則。
問8:外国人労働者・技能実習
問題要旨 厚生労働省「労働力調査」「外国人雇用状況」に基づき、2015~2021年の外国人労働者数と技能実習生(留学)の在留資格別比較で、最も適切な記述を選ぶ。
K2 グラフ形状 K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2
正解 エ(技能実習が「製造業」で高く、「建設業」で低い傾向、または年次推移でA「製造業」、Bの正確な記述が含まれる選択肢)
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-human-resources-and-employment-support — 外国人労働者の在留資格別分類と産業別受入実態
解法の思考プロセス 外国人労働者の在留資格は技能実習、留学、就労ビザなど複数が存在し、それぞれ業種別の受入が異なる。技能実習は建設業・製造業が主要受入先であり、留学生アルバイトはサービス業(宿泊業・飲食業)が多い傾向。2015~2021年の推移で、各資格別の労働者数と比率の変化を読み取る。特にコロナ禍(2020年)の影響にも注意。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: 在留資格別の業種分布を逆に認識。「技能実習がサービス業で多い」というような誤った認識。
学習アドバイス 外国人労働者の受入は中小企業の人手不足対策として重要な課題。在留資格によって受け入れ可能な職種と業種が厳密に限定されていることを理解。技能実習は開発途上国への技術移転が目的とされ、留学生は本国での就学が主目的であるという制度設計の違いを認識。
問9:経営支援・支援手法の配慮
問題要旨 中小企業を取り巻く経営環境の変化に対応するため、自己変革力の重要性が増していく。国は支援手法として、経営力強化に取り組む企業への支援策を以下のように定めている。支援に当たっては A を基本的な姿勢とすることが望ましい。第二は、経営者の「目先化」のための B を行い、「活性力」を引き出すことである。
「対話と協調」「対話と傾聴」「内発的動機づけ」「外発的動機づけ」の正確な組み合わせを選ぶ。
K4 因果メカニズム K5 制度・データ T4 因果推論 L3
正解 エ:A「対話と傾聴」、B「内発的動機づけ」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — 支援姿勢と動機づけ理論、問7との対比における概念の区別
解法の思考プロセス 問7で「自力化」のために「内発的動機づけ」と述べたのに対し、本問では「目先化」という異なるキーワードが用いられている。「目先化」は短期的な課題対応を意味し、より実行志向的な支援が必要。「対話と傾聴」は相手の声をより受動的に聞く姿勢(聴く側)を示し、「対話と協調」は相互に協働する姿勢を示している。問題文の脈絡と支援段階によって、支援スタイルが異なることを理解。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 問7と問9の異なる文脈を見落とす。両者は支援の異なる局面を問うており、同じ正解ではない可能性が高い。「自力化」vs「目先化」、「情報力」vs「活性力」という異なるキーワードに注意。
学習アドバイス 同一科目・分野で類似した複数の問題が出題される場合、問題文のニュアンスの違い(言葉選びの違い)に着目することが重要。支援の局面(経営者自身の自発的な改革促進か、短期的な課題解決か)により、診断士の介入スタイルが異なることを理解。
問10:研究開発費・能力開発費の規模別推移
問題要旨 経済産業省「企業活動基本調査年報」に基づき、2010~2019年の企業規模別における研究開発費と能力開発費(能力開発費割合)の推移を見ると、製造業では能力開発費割合より A 、非製造業では能力開発費割合より B である。
K3 数式・公式 K4 因果メカニズム T3 計算実行 T4 因果推論 L3
正解 ウ:A「小さく」、B「大きい」
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 産業別の人的資本投資と技術開発投資の相対的位置付け
解法の思考プロセス 製造業は有形資産(機械設備)や技術開発に投資を優先する傾向が高く、能力開発費(人的資本投資)は相対的に低い水準となる傾向。非製造業(サービス業)は人材の質が競争力の核であり、能力開発費の割合が相対的に高い傾向。2010~2019年の企業活動基本調査において、この業種別の投資パターンの相違が顕著に表れていることを読み取る。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 製造業が人材投資に高い割合を使っているという誤った認識。実際には製造業は技術開発投資が優先され、人材投資は相対的に低い傾向。
学習アドバイス 業種ごとに経営戦略(資本集約的vs労働集約的、技術志向vs人材志向)が異なることを理解。製造業のR&D投資と非製造業の人材投資という対比は、両業種の競争力源泉の違いを示す重要な指標。
問11:BCP・固定資産税
問題要旨 帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に関する企業意識調査」(2019年5月、2020年5月、2021年5月)に基づき、中小企業における過去3年間の BCP の策定状況を見ると、BCP を策定している企業は A 傾向にある。また、半数近くは、いずれの調査時点でも B という回答となっている。
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L3
正解 エ:A「増加」、B「策定を検討している」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-bcp-and-disaster-recovery-support — BCP 策定の中小企業での実態と認識の高まり、コロナ禍の影響
解法の思考プロセス 2019年5月、2020年5月、2021年5月の3時点のデータで、BCP 策定企業の割合の推移を読み取る。2020年のコロナ禍を境に、事業継続の重要性が急速に認識されるようになり、「BCP を策定している企業」の割合は増加傾向を示した。しかし、実際の策定企業は全体の少数派であり、多くの企業が「検討段階」にあると考えられる。調査時点での「策定していない」「検討中」「策定済み」の選択肢の中で、「検討中」が最も多いことが特徴。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 「策定が増加している」という傾向と「実際の策定率は低い」という事実のギャップを見落とす。認識は高まっているが、実装は遅れているという状況を読み取ることが重要。
学習アドバイス 中小企業の BCP 策定は、特にコロナ禍以降の重要課題。認識の高まりと実装のギャップは、多くの中小企業が資金的・人的リソースの制約に直面していることを示唆している。診断士としては、簡便で実用的な BCP 策定支援が求められる状況を理解。
問12:労働生産性の企業規模別比較
問題要旨 財務省法人企業統計調査年報に基づき、2003~2020年の中小企業の従業員1人当たり付加価値額(労働生産性)の推移を見た場合、製造業、非製造業ともに A 傾向にある。また、企業規模別に上位10%、中央値、下位10%の水準(2020年度)を見ると、中小企業の上位10%の水準は、大企業の中央値より B いる。大企業の下位10%の水準は、中小企業の中央値より C いる。
K3 数式・公式 K4 因果メカニズム T3 計算実行 T4 因果推論 L4
正解 ウ:A「増加」、B「下回って」、C「上回って」
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 労働生産性の長期推移、企業規模別の生産性格差と分布
解法の思考プロセス 複合判断問題。3つの判定を同時に行う必要がある。(1) 2003~2020年の長期推移では、業種を問わず労働生産性は増加傾向を示した。ただしコロナ禍(2020年)で製造業は一時的に低下。(2) 中小企業の上位10%(生産性が高い企業)の水準を見ると、大企業の中央値より下回る傾向。これは大企業と中小企業の生産性格差の大きさを示唆。(3) 大企業の下位10%(生産性が低い企業)の水準は、中小企業の中央値より上回る傾向。つまり、大企業の平均レベル(中央値)は中小企業の平均を上回り、大企業内での生産性ばらつきは大きいことを示している。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 複数の比較軸を混同する。「中小企業の上位10% vs 大企業の中央値」と「大企業の下位10% vs 中小企業の中央値」という2つの異なる比較を見落とし、単純に「大企業が上」という認識に陥りやすい。
学習アドバイス この問題は高度な統計読み取り問題。複数の企業規模グループの分布をクロスして理解する必要がある。「平均」だけでなく「分布」(上位・中央値・下位)に着目し、グループ内のばらつきと グループ間の差異の両方を認識することが重要。中小企業政策における「生産性向上」が重要テーマであることも理解。
問13:PMI・企業統合・事業承継
問題要旨 2022年3月、中小企業の M&A における PMI(Post Merger Integration)の成功事例分析として、PMI の取り組みについて複数の陳述の正誤を判定する。
- a:PMI の主な構成要素は、「経営統合」「信頼関係構築」「業務統合」の3領域と定義されている。
- b:M&A の検討段階ではなく、M&A の成立後から PMI に向けた準備を進めることが PMI を円滑に実施する上で不可欠である。
- c:M&A 成立後1年の集中実施期間を経て、それ以降も継続的に統合を実施することが重要である。
K4 因果メカニズム K5 制度・データ T1 正誤判定 L3
正解 イ:a「正」、b「誤」、c「正」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-business-succession-and-ma-support — PMI の定義と実行プロセス、M&A 検討段階での準備の重要性
解法の思考プロセス PMI の基本理解と最新知見の違いに着目。(a) PMI の3領域(経営統合・信頼関係構築・業務統合)は一般的な定義として妥当であり正しい。(b) M&A 成立後からの準備開始は古い考え方。現代の PMI 理論では、M&A 検討・交渉段階からの準備(デューディリジェンス、統合計画の策定)が不可欠と考えられており、この記述は誤り。(c) M&A 直後の集中実施期間と、その後の継続的な統合は PMI の重要な特徴。統合は1~3年の継続的プロセスであり、正しい。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 従来の「M&A 成立後が PMI の開始」という認識を引きずる。最新のベストプラクティスでは、検討段階からの準備が強調されていることを見落とす。
学習アドバイス PMI は理論と実践が急速に進化する領域。中小企業の M&A・事業承継支援にあたっては、デューディリジェンス段階での統合課題の検討、統合リスク分析、統合後のトラブルシューティングなど、多段階的なアプローチが必要であることを理解。
問14:IT投資・ソフトウェア投資の推移
問題要旨 財務省法人企業統計調査年報に基づき、2007~2020年の設備投資推移を見ると、2020年のIT投資水準は、リーマン・ショック前の2007年の水準を A 。また、中小企業にとって IT 投資の重要性は増していくが、同期間における中小企業のソフトウェア投資額を見ると、 B 傾向に推移している。
K4 因果メカニズム T3 計算実行 T4 因果推論 L3
正解 イ:A「上回る」、B「横ばい」
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — IT投資の長期推移と中小企業のデジタル化ギャップ
解法の思考プロセス 2007年(リーマン・ショック前)と2020年(コロナ禍)の比較。(A) 経済全体の IT 投資は、リーマン・ショック後の低迷を経て回復し、2020年には2007年の水準を上回る水準に達した。これはデジタル化の加速とテレワーク需要の急増を反映。(B) 一方、中小企業のソフトウェア投資を見ると、時系列での大幅な増加や減少は見られず、相対的に横ばい傾向。つまり、大企業のIT投資は加速しているが、中小企業ではペースが劣後している状況を示している。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 「IT投資の重要性が増している」という記述から、中小企業のIT投資も増加しているはずという誤った推論に陥る。実際には、中小企業と大企業のデジタル化ギャップが拡大している状況を読み取ることが重要。
学習アドバイス 中小企業のデジタル化・IT投資は、経済産業省の重要施策テーマ。投資の必要性が認識されながら、資金制約や人的リソース不足により、実装が遅れている中小企業が多い現状を理解。IT導入補助金などの支援制度の設計背景をも理解。
問15:デザイン経営
問題要旨 企業を取り巻く環境が大きく変化する中、これまでの事業の通識が通用しにくい状況が生じている。デザインの考え方や手法を経営の中に取り入れる「デザイン経営」である。特許庁は、既にデザイン経営を実践し、一定の実績がある中小企業にインタビューを行い、デザイン経営の要素や実践例をまとめた「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」に関する記述の正誤を判定する。
- a:中小企業のデザイン経営に対する取り組みが、「会社の人格形成」「企業文化の醸成」「顧客への価値提供」という3つのフレームで整理されている。
- b:デザイン経営を実行するためには、経営者の決断が重要であるが、成果を上げるためには社員一人一人の意識改革が必須である。
K4 因果メカニズム K5 制度・データ T1 正誤判定 L3
正解 ア:a「正」、b「正」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — デザイン経営の定義と中小企業での実践フレーム、経営者と従業員の役割分担
解法の思考プロセス 2021年版「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」に基づく正誤判定。(a) デザイン経営の取り組みが「会社の人格形成」(企業ブランドアイデンティティの確立)「企業文化の醸成」(内部的な価値観・行動規範)「顧客への価値提供」(外部顧客への実質的な価値)という3つのフレームで整理されているという記述は、公式ハンドブックの内容と合致しており正しい。(b) デザイン経営の実行には経営者のリーダーシップと全従業員の参加が不可欠。特に意識改革(デザイン思考の浸透)は組織全体で必要とされるため、正しい。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: デザイン経営が「経営者個人の判断」に帰属する経営手法と認識し、組織全体での実装が必要な点を見落とす。
学習アドバイス デザイン経営は、単なる「見た目のデザイン」ではなく、企業の経営理念・企業文化・顧客価値の統合的な再定義を伴う経営革新である。中小企業でも実装可能な手法として政策的に推奨されており、支援対象として重要なテーマ。経営革新支援との連携も大切。
問16:経営支援機関・開業支援実績
問題要旨 日本政策金融公庫の新規開業者支援に関する記述として、最も適切なものを選ぶ。開業の動機について見ると、開業者は、さまざまな動機から開業していることがわかる。開業の平均年齢は 1991年度と 2022年度で比較すると、 A 傾向にある。また、開業者における女性の割合は、1991年度と 2022年度で比較した場合、 B 傾向にある。
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L3
正解 イ:A「上昇」、B「増加」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-startup-support — 新規開業者の属性変化と世代別の開業動向、女性起業家の増加
解法の思考プロセス 30年間の開業層の特性変化を読み取る。(A) 開業の平均年齢は、1991年度から2022年度にかけて上昇傾向を示している。これは高齢化社会の進展、生涯雇用制度の崩壊、セカンドキャリアとしての起業が増加していることを反映。(B) 女性開業者の割合も増加傾向にあり、これは女性の経済的自立、起業環境の整備、女性起業家支援施策の充実を示唆している。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: 「開業は若い人が主体」という固定観念から、平均年齢の上昇傾向を見落とす。
学習アドバイス 日本政策金融公庫は新規開業者向けの融資実績が豊富で、市場データが充実している。開業層の属性変化は、経済環境の変化と政策ニーズの変化を示す重要な指標。女性起業家、高齢起業家、事業承継型起業など、多様な開業パターンへの対応が求められている状況を理解。
問17:倒産件数の推移
問題要旨 株式会社東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」に基づき、2009~2021年の倒産件数推移を見た場合、 A 傾向にある。また、企業規模別に倒産件数を見た場合、大部分が B が占めていることがわかる。
K2 グラフ形状 K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2
正解 ア:A「減少」、B「小規模企業」
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-economic-role-and-statistics — 倒産件数の長期トレンドと企業規模別構成、中小企業支援政策の成果
解法の思考プロセス 2009~2021年の12年間における倒産件数の推移を読み取る。(A) 日本の企業倒産件数は、リーマン・ショック後の2009年をピークとして長期的に減少傾向を示している。この背景には、中小企業向けの信用保証制度の拡充・緊急保証、超低金利環境、リスケジュール支援などの政策的サポートが奏功している。特に2020年のコロナ禍では、ゼロゼロ融資(無担保・無利子融資)により倒産件数が歴史的低水準に抑制された。(B) 企業規模別では、倒産件数の大部分を小規模企業が占めている。資金調達力・経営体力が弱い小規模企業は経営危機に陥りやすく、倒産が集中する傾向が続いている。
誤答の落とし穴
Trap-A 逆方向誘発: 「リーマン・ショックやコロナ禍で倒産が増加した」という印象から、倒産件数の増加傾向を想定してしまう可能性。実際には政策的支援により長期的に減少傾向。また、大企業の倒産事例が大きく報道されることから「大企業の倒産が多い」という誤った認識に陥りやすい。
学習アドバイス 倒産件数の長期トレンドは、中小企業支援政策の効果を示す重要な指標。減少傾向の背景にある政策(信用保証制度、特例措置、コロナ禍のゼロゼロ融資)を理解することで、各時期の倒産動向の変化を正確に解釈できる。また、小規模企業が倒産の大部分を占めるという事実は、診断士が支援すべき対象の中核を認識するうえで重要。
問18:信用保証・融資制度
問題要旨 わが国の中小企業金融において、公的信用保証制度は大きな役割を果たしている。全国信用保証協会連合会の調べによれば、中小企業者数に占める信用保証利用企業者数の割合は、2021年度末時点で約 A 割となっている。また、2012年から 2021年の期間における全国の信用保証協会の保証残高(金額)の推移を見た場合、2019年度まで B 傾向にあり、2020年度には大きく増加している。
K5 制度・データ T2 グラフ読解 T3 計算実行 L3
正解 イ:A「4」、B「減少」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-financial-support — 信用保証制度の利用実績と推移、コロナ禍対応融資の急増
解法の思考プロセス 中小企業金融における信用保証の重要性と変化を読み取る。(A) 中小企業者数に占める信用保証利用企業の割合は約4割(2021年度末)。中小企業の約4社に1社が信用保証を利用している状況を示し、制度の浸透度の高さを表現。(B) 2012~2019年の保証残高は減少傾向を示していた。これは経済全体の景気回復と企業の自己資金力の改善を背景に、保証に依存しない融資が増えていたことを示唆。しかし2020年のコロナ禍で、緊急融資需要が激増し、保証残高が大幅に増加。
誤答の落とし穴
Trap-B 条件すり替え: 2019年までの「減少傾向」と2020年の「急増」の二面性を見落とす。長期トレンドとショック的な変化の両方を読み取ることが重要。
学習アドバイス 信用保証制度は中小企業の資金調達に不可欠なセーフティネット。経済環境の変化(景気循環、コロナ禍)により、利用動向が大きく変動することを理解。診断士としては、企業の経営段階・資金ニーズに応じた適切な融資・保証制度の活用を支援することが重要。
問19:中小企業基本法
問題要旨 中小企業基本法は、中小企業施策についての基本理念・基本方針などを定めるとともに、国及び地方公共団体の責務として規定することにより、中小企業施策を総合的に推進し、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上を図ることを目的としている。
この法律において、中小企業の範囲が定められている。中小企業の範囲に含まれる企業に関する記述について、複数の事例の正誤を判定する。
K1 定義・用語 K5 制度・データ T1 正誤判定 L2
正解 ア(a「正」、b「誤」)
必要知識 /sme-management-and-policy/knowledge-sme-definition-and-size-criteria — 中小企業基本法に基づく業種別規模基準の完全暗記
解法の思考プロセス 中小企業基本法の業種別定義基準を正確に適用:
- a:従業員200人、資本金1億円の広告制作業 → サービス業に該当。基準は「従業員100人以下かつ資本金5千万円以下」。従業員数が200人(基準100人超)、資本金が1億円(基準5千万円超)なので、いずれも基準を超える。よって中小企業ではない。
- b:従業員500人、資本金2億円の建築リフォーム工事業 → 建設業に該当。基準は「従業員300人以下かつ資本金3億円以下」。従業員数が500人(基準300人超)なので、基準を超える。よって中小企業ではない。
正誤判定:a「誤」、b「誤」 となり、「ア」が正解。
誤答の落とし穴
Trap-D 混同誘発: 「従業員と資本金の両条件は"および"(AND)」という論理を誤解。「従業員が基準以下ならば中小企業」という単一条件での判定に陥りやすい。実際には「従業員300人以下かつ資本金3億円以下」という両条件を満たす必要がある。また、業種ごとに異なる基準を混同しやすい。
学習アドバイス 中小企業の定義は制度・施策の対象範囲を決める最も基本的な規定。業種別に基準が異なること(特に建設業は従業員300人以下、一般業種も300人以下、卸売業・小売業・サービス業は100人以下など)を正確に把握が必須。試験出題では、複数業種の複合問題で正確な基準適用が問われる。
問20:経営革新・新規事業開発
問題要旨 中小企業経営革新支援法において、「経営の革新」は、経営の革新または創業の対象となる事業活動の導入、新しい経営管理方法の導入により、 A ということとされている。また、「創造的な事業活動」は、経営の革新または創業の対象となる事業活動のうち、 B 又は著しく創造的な経営管理方法を活用したものとされている。
K1 定義・用語 K5 制度・データ T2 グラフ読解 L3
正解 エ:A「その経営の相当程度の向上を図る」、B「創造工夫を施し生み出す経済資源」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — 経営革新の定義と創造的事業活動の区別、認定基準の理解
解法の思考プロセス 中小企業経営革新支援法(経営革新法)の定義規定を正確に理解。(A) 「経営の革新」は、新製品開発、新サービス提供、新生産方式導入などにより、「その経営の相当程度の向上を図る」ことを目指す取り組み。「新たな価値創出」よりも「相当程度の経営向上」という、より具体的で測定可能な目標が設定されている。(B) 「創造的な事業活動」は、単に技術革新だけでなく、「創造工夫を施し生み出す経済資源」(ビジネスモデル、組織体制、マーケティング手法など)を活用したより広い概念。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 「革新」=「新規性」という単純な連想から、「著しい新規性を有する技術」という選択肢を選んでしまう。実際には、経営革新は技術革新に限定されず、経営全般の改善を目指すより広い概念。
学習アドバイス 経営革新支援は中小企業政策の重要施策であり、認定企業には金融支援、税制優遇、人材派遣事業など多様な支援が用意されている。定義を正確に理解して、支援対象企業の適切な判定と支援メニューの提案ができることが診断士に求められる。
問21:共済制度(小規模企業共済)
問題要旨 小規模企業共済制度について、次の文中の空欄A・Bに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを選ぶ。
「小規模企業共済制度は、掛け金を納付することで、 A である。納付した掛け金の一部は B で、事業資金などの貸付けを受けることができる。」
K1 定義・用語 K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2
正解 ウ:A「経営者が生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておくための共済制度」、B「2分の1以内」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-major-subsidies — 小規模企業共済の目的と機能、貸付制度の仕組み
解法の思考プロセス 小規模企業共済制度の本質と機能を正確に把握。(A) 小規模企業共済は「事業主のための退職金制度」であり、経営者が事業から退出する際の生活資金、事業再構築の資金を事前に積み立てる仕組み。従業員の退職金制度(中小企業退職金共済)とは異なることに注意。(B) 掛金の範囲内で低利融資が受けられ、その限度は掛金の2分の1以内(つまり「2分の1以内」)。
誤答の落とし穴
Trap-D 混同誘発: 「共済」という言葉から「従業員向けの退職金制度」という誤った認識。実際には「経営者個人向け」の自助的な積立制度。また、貸付限度額の「2分の1以内」を「2分の2(全額)」と誤認しやすい。
学習アドバイス 小規模企業共済と中小企業退職金共済(中退共)は異なる制度。共済には小規模企業共済(経営者向け)、中退共(従業員向け)、経営セーフティ共済(運転資金向け)など複数があり、目的と対象を正確に区別することが支援の基本。
問22:設備資金(高度化事業)
問題要旨 高度化事業について、次の文中の空欄A・Bに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを選ぶ。
「高度化事業では、工場団地・商業団地、ショッピングセンターなどの整備、商店街のアーケード・カラー舗装等の整備をする中小企業組合等に対して、 A と中小企業基盤整備機構が B の貸付けを行う。貸付けに際しては、事業に専門的な立場から診断・助言を行う。」
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2
正解 ウ:A「都道府県」、B「設備資金」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-financial-support — 高度化事業の実施体制と貸付制度、地域振興型の中小企業支援
解法の思考プロセス 高度化事業の制度設計と実施体制を正確に理解。(A) 高度化事業の貸付主体は都道府県。都道府県が中小企業基盤整備機構と協調して、工場団地・商業団地等の整備を行う中小企業組合等に対して資金を貸し付ける仕組み。中小機構が都道府県に財源を貸し付け、都道府県が事業者への直接の貸付を行う二段階構造。(B) 貸付けの対象は工場・施設などの設備投資に限定した「設備資金」。運転資金は対象外。
誤答の落とし穴
Trap-D 混同誘発: 先端設備導入計画の認定機関(市町村)と混同し、高度化事業も市区町村が主体と誤認するケース。高度化事業の実施主体は都道府県。また、設備資金に限定されることを見落とし、運転資金も含まれると誤認しやすい。
学習アドバイス 高度化事業は地域開発と中小企業支援を結合した政策手法。商店街振興、工業団地整備、観光地域の基盤整備など、多様なプロジェクトが対象。貸付主体が都道府県であること、中小機構との協調融資の仕組みを理解しておくことが重要。診断士として地域創生関連の相談に応じる際の支援制度として認識を深めておきたい。
問23:BCP・事業継続力強化計画
問題要旨 事業継続力強化計画に基づく防災・BCP融資制度について、次の文中の空欄Aに入る法律として、最も適切なものを選ぶ。
「社会環境対応施設整備資金融資制度(BCP融資)は、防災のための施設整備に必要な資金の融資を行うものである。この制度の対象となるのは、 A に基づく『事業継続力強化計画』または B の認定を受けている中小企業者である。」
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2
正解 エ:中小企業等経営強化法
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-bcp-and-disaster-recovery-support — 事業継続力強化計画の法的根拠と防災施設整備への支援
解法の思考プロセス BCP関連制度の法律体系を正確に把握。事業継続力強化計画は「中小企業等経営強化法」に基づいて実施される制度。この計画の認定を受けた中小企業に対して、防災関連施設の整備資金を融資する仕組み。選択肢から根拠法令を特定する際、「経営強化」というキーワードが重要。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 「BCP」と「防災」というキーワードから、防災関連の特別措置法を選んでしまう可能性。しかし、制度の根拠は経営強化法であることを認識することが重要。
学習アドバイス 中小企業向けのBCP・防災支援は、経営強化法、災害対応基本法など複数の法律に基づいている。制度の根拠法令を正確に把握することで、対象企業の要件判定と支援メニューの提案が適切になる。災害多発時代における中小企業のレジリエンス向上が政策課題。
問24:先端設備導入計画(固定資産税特例)
問題要旨 先端設備導入計画に係る固定資産税の特例制度について、次の文中の空欄に入る語句として、最も適切なものを選ぶ。
「対象となるのは、一定期間内に労働生産性を一定程度向上させるため、先端設備など導入する計画を策定し、新たに導入する設備などが存在する A に基づく『先端設備導入基本計画』などの認定を受けた中小企業である。」
K5 制度・データ T2 グラフ読解 L2
正解 ウ:市町村(特別区を含む)
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — 先端設備導入計画の認定体制と地方自治体の役割、固定資産税減免のメカニズム
解法の思考プロセス 先端設備導入計画の実施体制を正確に理解。この計画は地方創生・地域経済活性化を目指す施策であり、計画の策定・認定権限は市町村(基礎自治体)が担う。市町村長が企業から提出された計画を審査・認定し、その認定に基づいて地方税法に規定された固定資産税の特例が適用される仕組み。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 「国の施策」という認識から、経済産業局や国税局を選んでしまう可能性。実際には地方自治体主導の地方創生型施策であることを認識することが重要。
学習アドバイス 先端設備等導入計画は、中小企業等経営強化法に基づく制度(旧・生産性向上特別措置法は2021年に廃止され、同法に統合)。労働生産性の一定程度の向上(3年間で年平均3%以上など)を条件に、機械装置や器具などの固定資産税を最大3年間ゼロにする優遇措置。地域経済の循環と中小企業の投資促進を同時に実現する施策として設計されている。
問25:IT導入補助金
問題要旨 IT導入補助金は、売上や業務効率を高めるための IT ツール導入を支援するものである。
この補助金には用途や対象などに応じて、「通常枠」「デジタル化基盤導入類型」「複数社連携 IT 導入類型」などがある。「通常枠」の補助率は A である。「複数社連携 IT 導入類型」は、地域 DX の実現や生産性の向上を図る B 以上の複数の中小企業や小規模事業者などが連携して IT ツール及びハードウェアを導入する取組について補助を行う。
K5 制度・データ T3 計算実行 L2
正解 ア:A「2分の1以内」、B「5者以上」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — IT導入補助金の補助率体系と複数社連携要件
解法の思考プロセス IT導入補助金の複数類型と補助条件を正確に把握。(A) 通常枠(A類型・B類型)の補助率は「2分の1以内(1/2)」。デジタル化基盤導入類型(3/4など)と混同しないよう注意。(B) 複数社連携 IT 導入類型では、幹事社を含む「5者以上」の中小企業・小規模事業者等の連携が要件とされている。地域全体でのDX推進、サプライチェーン全体でのデジタル化を促進するため、複数企業の協働が前提条件となっている。
誤答の落とし穴
Trap-D 混同誘発: デジタル化基盤導入類型(3/4以内)やセキュリティ対策推進枠(1/2以内)など補助率が類型によって異なるため、通常枠の「2分の1以内」を他の類型の補助率と混同しやすい。また、複数社連携の企業数要件(5者以上)を「10者以上」と誤認しやすい。
学習アドバイス IT導入補助金は経済産業省の重要施策であり、毎年実施されている。補助率は類型によって異なり、通常枠より要件が厳しい類型(たとえば事業継続力強化に特化した類型)は補助率が高い傾向。診断士として企業のIT導入相談を受ける際は、最新の補助要件を確認することが重要。
問26:法人税軽減税率制度
問題要旨 以下は、電子部品製造を営む X 氏(現在、従業員10名の個人事業主)と中小企業診断士 Y 氏との会話である。
X氏:「令和5年度に法人化を予定しているのですが、法人税についても教えていただけますか。」
Y氏:「中小企業の法人税は、大法人と比較して、軽減されています。」
X氏:「具体的には、どのような制度になっているのでしょうか。」
Y氏:「資本金または出資金の額が A の法人を対象に、 B の部分については一定の範囲内までの部分は特別な税率が適用されます。」
会話中の空欄A・Bに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを選ぶ。
K5 制度・データ T3 計算実行 L3
正解 ア:A「1億円以下」、B「年800万円以下の所得」
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-major-subsidies — 中小企業の法人税軽減制度(軽減税率、適用対象企業)
解法の思考プロセス 中小企業向け法人税軽減制度の対象と範囲を正確に把握。(A) 対象となる法人は資本金または出資金が「1億円以下」の法人。この基準により中小企業の範囲が定義される。(B) 軽減対象となるのは「年800万円以下の所得」。この部分について通常の法人税率(約23.2%)ではなく、軽減税率(15%)が適用される。つまり、企業の所得が800万円以下なら全額軽減税率が適用され、800万円を超えた場合は超過部分に通常税率が適用される累進的な構造。
誤答の落とし穴
Trap-D 混同誘発: 「軽減」という言葉から、「全所得が軽減される」と誤認。実際には800万円までという上限があること、そして「年1,000万円の所得なら800万円分が軽減、200万円分は通常税率」という部分的適用の仕組みに注意。
学習アドバイス 法人化を検討している個人事業主にとって、法人税軽減制度の理解は経営判断に重要な情報。資本金1億円の要件により、資本金をいくらで設定するかが税務戦略上の判断ポイントとなる。診断士として、法人化前後の税務シミュレーションができる能力が求められる。
問26(続き):法人税軽減税率の詳細
設問(認問2:空欄B・Cの判定) 会話中の空欄B・Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
「資本金または出資金の額が A の法人を対象に、 B の部分については法人税が C となります。」
正解 ウ:B「800万円以下」、C「15%」
解説 中小企業向け法人税軽減制度の具体的な内容:資本金1億円以下の法人のうち、所得が800万円以下の部分に対して15%の軽減税率が適用される。通常の法人税率は約23.2%(2024年度)であるため、軽減税率との差は約8%。この制度により、利益が小さい企業の税負担が軽減される。
問27:事業承継税制(特例措置)
問題要旨 以下は、事業承継に関する税制について、中小企業診断士 X 氏と相談者 Y 氏の会話である。
X氏:「事業承継には税制面での課題があります。この制度は事業承継円滑化のための税制措置として制度化されました。」
Y氏:「この制度の対象者はどのような方ですか。」
X氏:「平成30年4月1日に、法人版事業承継税制の特例措置が創設されました。平成30年4月1日から令和6年3月31日までの期間内に、経営承継円滑化法に基づく A を都道府県知事に提出したうえで、平成30年1月1日から令和9年12月31日までの10年間にわたる非上場株式の贈与・相続が対象となるということです。」
Y氏:「具体的にはどのような計画ですか。」
会話中の空欄Aに入る語句として、最も適切なものを選ぶ。
K5 制度・データ T1 正誤判定 T2 グラフ読解 L3
正解 エ:特例承継計画
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-business-succession-and-ma-support — 事業承継税制の特例措置と特例承継計画の要件
解法の思考プロセス 事業承継税制の特例措置に関する制度を正確に理解。平成30年4月1日に創設された特例措置では、経営承継力に基づく「特例承継計画」を都道府県知事に提出することが承認要件となっている。特例承継計画は、経営者の世代交代と経営資源の継承を計画的に実施するための承継者による計画書。他の選択肢(活性化計画、経営改善計画、経営革新計画)は事業承継とは異なる目的の計画であり、この文脈では不適切。
誤答の落とし穴
Trap-C 部分正解: 「経営」という共通キーワードから「経営革新計画」や「経営改善計画」を選んでしまう可能性。しかし、事業承継に特化した「特例承継計画」という専門用語の正確な認識が重要。
学習アドバイス 事業承継税制の特例措置は、後継者への株式贈与時の相続税・贈与税の納税猶予制度を提供。特例承継計画の策定により、より有利な税制措置を受けることができる。診断士として、事業承継を検討する経営者に対して、この特例措置の概要と要件を説明でき、計画策定を支援できる能力が求められる。
問28:事業再構築補助金(ポストコロナ対応)
問題要旨 以下は、事業再構築に関する検討を進めている X 氏(印刷業経営者、従業員30名)と中小企業診断士 Y 氏との会話である。
X氏:「コロナ禍で印刷事業が低迷しており、新分野への展開を検討しています。事業再構築補助金について教えていただけますか。」
Y氏:「事業再構築補助金は、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、事業を再構築させる中小企業を支援します。」
X氏:「当社は、印刷技術を活かして新分野展開を考えています。どのような支援があるのでしょうか。」
Y氏:「新規分野展開は、事業再構築補助金の重要な対象です。具体的には A という取り組みが該当します。」
会話中の空欄Aに入る記述として、最も適切なものを選ぶ。
K4 因果メカニズム K5 制度・データ T4 因果推論 L3
正解 b(または、新規分野への進出に必要な新製品開発・マーケティング・設備投資を総合的に支援する取り組み)
必要知識 /sme-management-and-policy/policy-management-support — 事業再構築補助金の対象事業パターン(新規分野展開、事業転換、業態転換、事業継続)
解法の思考プロセス 事業再構築補助金の支援対象となる事業形態を正確に理解。事業再構築補助金は、以下のような事業パターンをサポート:
- 新規分野展開:既存事業とは全く異なる新しい分野への進出
- 事業転換:事業の内容を大きく転換(例:製造業から小売業へ)
- 業態転換:販売方法や提供形態を大きく変更(例:店舗販売からEC販売へ)
- 事業継続:既存事業を維持しながら経営効率を向上
X氏の「既存の印刷技術を活かして新分野展開」というシナリオは、既存資産の活用と新規市場開拓を組み合わせた事業再構築。設備機械資産だけでなく、事業計画、製品開発、マーケティング、人材育成など総合的な支援が対象。
誤答の落とし穴
Trap-E 計算ミス: 「補助金」だから「設備機械資産への補助」に限定されると誤認。実際には、事業計画の策定、設備投資、人材育成、マーケティング、組織体制の再構築など、事業再構築に必要な多様な経費が補助対象。
学習アドバイス 事業再構築補助金は、2020年のコロナ禍に対応して創設された時限措置で、現在でも継続実施されている重要施策。補助率は高く(通常3分の2以内)、補助上限額も大きいため、経営危機に直面する企業の事業転換を支援する強力なツール。診断士として、企業の事業再構築可能性を判定し、事業計画の策定を支援できる能力が求められる。
年度総括
令和5年度(2023)第1次試験「中小企業経営・中小企業政策」の出題特性は以下の通りです。
出題トレンド
- 統計データの活用が加速
- 経営実態調査、全国企業短期経済観測調査、財務省法人企業統計調査
- 単なる用語知識より、データ読み取り・分析判定の比重が高まった
- 複合判断問題の増加
- 複数の条件を組み合わせた因果推論(T4)が多い
- 会話形式の問題(問20、27、28)で相談者の立場・脈絡を考慮した判定
- 支援制度の理解が必須
- 共済制度、設備資金、IT導入補助金、BCP融資など、実務的な支援メニューの詳細
- 補助率、補助上限、対象企業規模などの細部が問われる
- 制度改革への対応
- 特例承継計画(平成30年度改正)、事業再構築補助金(コロナ対応)など、時限措置・新規制度への理解
- 業種別・企業規模別の差異認識
- 建設業、製造業、サービス業(宿泊・飲食)の経営特性の相違
- 売上高構成比、開業・廃業率、投資行動の業種ごとの異なりを見極める力が重要
難度分析
- L2(基本的):問1、2、8、19、21、22、23、24、25(9問、32%)
- 統計読み取り、定義・制度の直接問題
- 正確な知識があれば確実に得点可能
- L3(標準的):問3、4、5、6、7、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、26、27、28(19問、68%)
- 複合判断、業種別比較、因果推論
- 制度の背景理解と応用力が必要
- L4(高度):問12(1問、但し複合判断の集約)
- 複数のデータポイントを同時に処理
- 認知負荷が高い
学習上の注意点
- 統計データの時系列把握
- 開業率・廃業率、労働分配率、IT投資額など、数年間の推移を理解
- コロナ禍(2020年度)の変動点に注目
- 業種分類の正確性
- 中小企業基本法に基づく業種別定義の完全暗記
- 一般業種、卸売業、小売業、サービス業、建設業の基準を区別
- 支援制度の体系理解
- 金融支援(融資)、税制支援、補助金・給付金の三本柱
- 各制度の対象企業、補助率、補助上限を整理
- 設問形式の多様化への対応
- 単文題:用語定義、分類判断
- 複合文題:複数条件の組み合わせ
- 長文対話題:相談者視点の脈絡読み取り
- 各形式ごとの解法戦略を確立
分類タグの凡例
K層(知識層)
- K1 定義・用語:中小企業の定義、経営革新、PMI など、制度や概念の定義を直接問う
- K2 分類・表示:業種分類、企業規模別分類など、カテゴリー分けと表現
- K3 数式・公式:交易条件DI = 販売価格DI - 仕入価格DI など、計算式や指数の定義
- K4 因果メカニズム:業種特性に基づく経営行動の相違、変数間の関係性
- K5 制度・データ:支援制度の詳細(補助率、対象企業)、統計データの具体値
T層(思考層)
- T1 正誤判定:複数の陳述の中から正しい・誤った記述を識別(真偽値判定)
- T2 分類判断:複数の選択肢から、条件に最適なものを選ぶ
- T3 計算実行:公式を用いた計算、複数条件の組み合わせ
- T4 因果推論:統計データや制度的背景から、論理的に結論を導く
- T5 場合分け:複数の条件分岐における判定(本年度では出題少)
L層(難度層)
- L1:概念定義、単純な分類(試験出題少)
- L2:基本的な統計読み取り、直接的な制度知識
- L3:複合判断、業種別比較、データ分析
- L4:複数のデータポイントを同時処理する高度な問題
Trap分類
本年度における典型的な引っ掛け要素:
- Trap-A:業種別データの順序を反転させた選択肢(問1、2、4など)
- Trap-B:数値の大小関係の誤読(問5、6、12)
- Trap-C:類似の制度・用語の混同(問13のPMI準備段階など)
- Trap-D:「年以内」「以上」などの境界条件の誤解(問21、25など)
- Trap-E:会話文における相談者の実状とズレた提案(問27、28の背景設定)
分類タグ凡例
| タグ | 意味 |
|---|---|
| K1 定義・用語 | 用語の正確な意味を問う |
| K2 グラフ形状 | グラフの読み取り・形状判断 |
| K3 数式・公式 | 公式の適用・計算 |
| K4 因果メカニズム | 原因→結果の論理連鎖 |
| K5 制度・データ | 法制度・統計データの知識 |
| T1 正誤判定 | 選択肢の正誤を判定 |
| T2 グラフ読解 | グラフから情報を読み取る |
| T3 計算実行 | 数値計算を実行 |
| T4 因果推論 | 因果関係を推論 |
| T5 場合分け | 条件による場合分け |
| L1 基礎 | 基本知識で解ける |
| L2 応用 | 知識の組み合わせが必要 |
| L3 高度 | 複数ステップの推論が必要 |
| L4 最難度 | 高度な分析力が必要 |
| Trap 逆方向誘発 | 因果の向きを逆に誘導 |
| Trap 混同誘発 | 類似概念を混同させる |
| Trap 部分正解 | 部分的に正しい選択肢で誘導 |
| Trap 条件すり替え | 前提条件を変えて誘導 |
| Trap 計算ミス | 計算過程での間違いを誘発 |
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