企業経営理論(令和6年度)
令和6年度(2024)中小企業診断士第1次試験 企業経営理論の全30問解説
概要
試験情報
- 試験年度: 令和6年度(2024年7月実施)
- 科目: 企業経営理論
- 出題数: 全30問
- 試験時間: 90分(13:30~15:00)
この資料について
本資料は、令和6年度(2024)第1次試験の企業経営理論30問すべてについて、正解根拠・必要知識・解法プロセス・誤答パターンを体系的に解説したものです。
解説の読み方
各問の解説は以下の構成で統一しています。
- 問題要旨 — 問いの要点を簡潔に
- 分類タグ — 知識種類(K)・思考法(T)・形式層(L)・罠パターン(Trap)
- 正解 — 正答の選択肢記号
- 必要知識 — wiki記事へのリンク付き
- 解法の思考プロセス — 問題を読んでから答えに至る手順
- 誤答の落とし穴 — 他の選択肢が誤りである理由
- 学習アドバイス — 本番での対策
公式資料
試験問題の詳細は、J-SMECA(一般社団法人 日本中小企業診断協会)の公式サイトから入手できます: https://www.jf-cmca.jp/attach/test/shikenmondai/1ji2024/C1JI2024.pdf
全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。
出題構成
| 大領域 | 問番号 | 問数 | 小領域 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ 経営戦略論 | 第1~4問 | 4 | 創発的戦略、多角化、経営資源、PPM |
| Ⅱ 組織論 | 第5~17問 | 13 | 買収戦略、取引コスト理論、ポーター分析、アーキテクチャ、リーダーシップ、紛争管理、組織文化 |
| Ⅲ 人材・組織行動 | 第18~23問 | 6 | ERG理論(マズロー対比)、公正性判断、コンフリクト、組織ネットワーク、組織学習、組織ライフサイクル |
| Ⅳ 人事・労務(法制度) | 第24~27問 | 4 | 労働者派遣法、育児休業法制、就業規則 |
| Ⅴ マーケティング・ブランド戦略 | 第28~30問 | 3 | ブランド戦略、ソシエタル・マーケティング、カスタマージャーニー |
全問分類マップ
| 問 | テーマ | K分類 | T分類 | L形式 | Trap分類 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ミンツバーグの創発的戦略 | K1定義 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-A定義逆転 |
| 2 | 見えざる資産(無形資産) | K1定義 | T1正誤判定 | L1単一判定 | Trap-B部分的正誤 |
| 3 | 多角化の分類(ルメルト) | K2分類 | T2分類判断 | L3計算・計測 | Trap-C概念混同 |
| 4 | PMM と経営戦略 | K4因果 | T3計算実行 | L3計算・計測 | Trap-D表面的類似 |
| 5 | 買収戦略(「ゴールデンパラシュート」) | K1定義 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-A定義逆転 |
| 6 | 取引コスト理論(O.ウィリアムソン) | K4因果 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-B部分的正誤 |
| 7 | ポーター代替品分析 | K1定義 | T1正誤判定 | L1単一判定 | Trap-D表面的類似 |
| 8 | 賃貸業界の競争戦略 | K4因果 | T4因果推論 | L4多段推論 | Trap-C概念混同 |
| 9 | ドミナントデザインと製品イノベーション | K4因果 | T4因果推論 | L3計算・計測 | Trap-B部分的正誤 |
| 10 | 製品アーキテクチャ | K1定義 | T2分類判断 | L1単一判定 | Trap-D表面的類似 |
| 11 | 国際化と経営判断スタイル | K5制度 | T4因果推論 | L2複合判定 | Trap-E引数順序 |
| 12 | 企業の社会的責任・ESG投資 | K5制度 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-C概念混同 |
| 13 | エフェクチュエーション | K4因果 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-A定義逆転 |
| 14 | グローバルデザイン情報処理 | K1定義 | T2分類判断 | L1単一判定 | Trap-B部分的正誤 |
| 15 | 組織文化の要因と代表研究者 | K1定義 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-D表面的類似 |
| 16 | 複雑な意思決定と意思決定原理 | K4因果 | T2分類判断 | L2複合判定 | Trap-C概念混同 |
| 17 | 組織変革時のリーダーシップ | K4因果 | T2分類判断 | L3計算・計測 | Trap-E引数順序 |
| 18 | マズロー vs ERG理論 | K1定義 | T1正誤判定 | L1単一判定 | Trap-B部分的正誤 |
| 19 | 限定配子式と公正性判断 | K4因果 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-C概念混同 |
| 20 | 組織集団内の紛争対処方法 | K1定義 | T2分類判断 | L1単一判定 | Trap-A定義逆転 |
| 21 | 組織間関係と組織ネットワーク | K4因果 | T4因果推論 | L3計算・計測 | Trap-D表面的類似 |
| 22 | 組織学習(ダブルループ学習) | K1定義 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-B部分的正誤 |
| 23 | 組織ライフサイクル | K2分類 | T2分類判断 | L2複合判定 | Trap-C概念混同 |
| 24 | 労働者派遣法と採用判定 | K5制度 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-D表面的類似 |
| 25 | 労働者派遣選別理由 | K5制度 | T4因果推論 | L2複合判定 | Trap-E引数順序 |
| 26 | 育児法制と育児休業取得 | K5制度 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-A定義逆転 |
| 27 | 就業規則の変更効力 | K5制度 | T1正誤判定 | L2複合判定 | Trap-B部分的正誤 |
| 28 | ブランド・マネジメント戦略 | K1定義 | T2分類判断 | L2複合判定 | Trap-C概念混同 |
| 29 | ソシエタル・マーケティング | K4因果 | T4因果推論 | L3計算・計測 | Trap-D表面的類似 |
| 30 | カスタマー・ジャーニー設計 | K1定義 | T2分類判断 | L1単一判定 | Trap-B部分的正誤 |
形式層の分布
| 形式層 | 説明 | 問番号 | 問数 |
|---|---|---|---|
| L1 | 単一判定(1つの概念のみ判定) | 2, 7, 10, 14, 18, 20, 30 | 7 |
| L2 | 複合判定(複数概念の組み合わせ) | 1, 5, 6, 11, 12, 13, 15, 16, 19, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28 | 17 |
| L3 | 計算・計測(数値計算や量的判断) | 3, 4, 9, 17, 21, 29 | 6 |
| L4 | 多段推論(複数ステップの論理推論) | 8 | 1 |
特徴: L2形式が支配的 — 複数の概念を組み合わせた正誤判定が主流。単純な定義問題(L1)は少数。
各問の詳細解説
Ⅰ 経営戦略論
第1問 ミンツバーグと創発的戦略
問題要旨
H.ミンツバーグによって提唱された創発的戦略に関して、最も適切な記述を選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-A定義逆転
正解
オの「創発的戦略とは、もともとの経営計画には組み込まれておらず偶発的に起こった事象に対応することで、事後的に生み出される戦略のことである」
必要知識
解法の思考プロセス
- ミンツバーグの創発的戦略は、経営計画では予定していなかったが、現場の試行錯誤から生まれた戦略を指す
- 「意図された戦略」(intended strategy) が最初の計画、「実現された戦略」(realized strategy) が実際の結果
- 創発的戦略は計画と現実のギャップから発生し、「偶発的に起こった事象に対応することで事後的に生み出される」点が本質
- オの選択肢が「もともとの経営計画には組み込まれておらず偶発的に起こった事象に対応することで、事後的に生み出される戦略」と正確に定義している
誤答の落とし穴
- ア: 「意図された戦略を計画された戦略に落とし込む方策」は、計画的な実施段階の話であり、創発的戦略の本質ではない
- イ: 「新たな事業ドメインをつくりだすための戦略」は多角化や新事業開発で、創発的戦略とは異なる
- ウ: 「新たな市場・製品分野に進出する際、シナジー効果の創出を意図する」は戦略的意図が明確で創発的ではない
- エ: 「組織形態が戦略の選択肢を与える」は戦略と構造の関係論であり、創発の本質ではない
学習アドバイス
創発的戦略は「計画されなかったが上手くいった」という矛盾した概念を理解することが鍵です。本番では、「計画と現実のズレ」をキーワードに読むとよいでしょう。
第2問 見えざる資産(無形資産)
問題要旨
伊丹敬之の提唱する見えざる資産について、最も適切な記述を選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L1単一判定 Trap-B部分的正誤
正解
エの「見えざる資産とは、企業と外部との間の情報の流れだけではなく、企業内部の情報の流れからも生じる」
必要知識
解法の思考プロセス
- 伊丹の「見えざる資産」は、帳簿に載らない無形資産(技術、ノウハウ、ブランド、組織文化、顧客との関係など)を指す
- これは「有形資産」(工場、設備)と対比される
- 見えざる資産は企業内外の情報フローから蓄積・活用される
- エは「企業と外部との間の情報の流れだけではなく、企業内部の情報の流れからも生じる」と正確に述べている
誤答の落とし穴
- ア: 「ヒト・モノ・カネ・情報以外で会社が有する資産を総称した概念」− 定義が広すぎる;見えざる資産はより限定的
- イ: 「ブランドは見えざる資産に含まれない」− 誤り;伊丹はブランドを見えざる資産の代表例として挙げている
- ウ: 「いったん出来上がると一様に利用されることはない」− 逆に見えざる資産は複数事業で再利用できる(汎用性がある)
- オ: 「差別化の源泉にはなりにくい」− 逆に見えざる資産は企業の長期的競争優位の根拠となる
学習アドバイス
見えざる資産(技術・ノウハウ・ブランド・組織文化など)と有形資産の区別を明確にしておくことが重要です。本番では「目に見えないが企業に蓄積・活用されている無形の経営資源」という視点で選択肢を検討します。
第3問 ルメルトの多角化分類
問題要旨
ある企業で4つの事業(製品A事業960億円、製品B事業10億円、部品C事業20億円、不動産事業10億円)が展開されている。ルメルトの多角化分類に基づいた場合、この企業の多角化の形態として最も適切なものを選択する。
分類タグ
K2分類 T2分類判断 L3計算・計測 Trap-C概念混同
正解
ウの「単一事業企業」
必要知識
解法の思考プロセス
- ルメルトの多角化分類では、専門化率(最大事業売上 ÷ 総売上)で企業を分類する
- 製品A事業が960億円、合計売上が960+10+20+10=1,000億円
- 専門化率 = 960 ÷ 1,000 = 96%
- 専門化率が95%以上の企業は「単一事業企業」に分類される
- 専門化率が95%未満で直接的主力事業企業が70%以上 → 垂直的主力事業企業
- 専門化率が70%未満だが関連事業企業 → 関連事業企業
- それ以外 → 非関連事業企業
誤答の落とし穴
- ア: 「関連事業企業」− 関連事業企業は通常、専門化率が70%未満のケース(複数の関連した事業がある)
- イ: 「垂直的主力事業企業」− 垂直的主力事業企業は、上流・下流事業に進出する場合(例:製造と流通);ここでは部品Cは原材料で関連性あるが、専門化率96%の方が重要
- エ: 「非関連事業企業」− 非関連事業企業は、ポートフォリオ的に無関係な複数事業;ここは製品Aが圧倒的に大きい
- (参考)製品B、部品C、不動産は合計40億円で、単なる誤差範囲
学習アドバイス
ルメルトの多角化分類では、まず専門化率を計算することが最優先です。95%というしきい値を必ず記憶し、本番でも計算ミスに注意します。
第4問 PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
問題要旨
企業Xが複数事業を展開しており、各事業について売上高、市場シェア、市場成長率が与えられている。PPMの枠組みから示唆される記述として最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T3計算実行 L3計算・計測 Trap-D表面的類似
正解
イ
必要知識
解法の思考プロセス
- PPMマトリックスの軸:
- 横軸:相対的市場シェア(相手企業のシェアと比較)
- 縦軸:市場成長率(業界全体の成長率)
- 4象限:
- 左上(高成長率&高シェア)→ 「スター」:投資優先
- 右上(高成長率&低シェア)→ 「問題児」:選別的投資
- 左下(低成長率&高シェア)→ 「現金牛」:利益回収
- 右下(低成長率&低シェア)→ 「犬」:撤退検討
- 事業データを整理し、各事業がどの象限に位置するかを判定
- 事業Dが「現金牛」(売上高55%で市場シェア№1、成長率25%)の場合、利益を他の事業に配分する戦略が考えられる
誤答の落とし穴
- ア: 「成長が遅い事業からの撤退はして株を主業に直接持ち込む」− PPMでは成長率が関数なので、撤退判断だけでは不十分
- イ: 「技術シナジー関係や製品の技術によって、事業からの技術シナジー供給に基いており、事業Aを育成する」− 不明瞭な表現;事業の選別が不十分
- エ: 「最も市場シェアの高い事業Dから技術シナジーを伴うための技術供与をしながら、技術提供を行い、事業Aを育成する」− 現金牛から育成中の事業への資源配分は妥当だが、「技術供与」が主軸かは不明確
- オ: 「最も市場シェアの点高い事業Dから資金を投資しながら、事業Cを育成する」− 事業Cの位置づけが曖昧
学習アドバイス
PPM問題は、まずテーブルの数値から各事業の象限を確認することが必須です。市場シェアと市場成長率の定義を正確に理解し、計算を間違えないようにしましょう。
Ⅱ 組織論
第5問 買収戦略「ゴールデンパラシュート」
問題要旨
他社からの買収に対応する企業Aの行動に関して、最も適切な記述を選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-A定義逆転
正解
エ
必要知識
解法の思考プロセス
- ゴールデンパラシュート:敵対的買収を受けた企業が、経営幹部に高額な退職金を支払う権利を与える防衛手段
- 買収者にとって引き継ぎコストが上昇するため、買収インセンティブが低下する
- 企業Aの観点では、経営陣の利益を守る方策
誤答の落とし穴
他の選択肢は、買収防衛策の定義を誤解させるものが多い。例えば、「経営陣の権力保持」だけに焦点を当てるものは不正確。
学習アドバイス
M&A関連の用語(ホワイトナイト、ポイズンピルなど)は、意図と実装を分けて理解することが重要です。
第6問 O.ウィリアムソンの取引コスト理論
問題要旨
企業が垂直統合を行う際の動機に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-B部分的正誤
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- 取引コスト理論:企業が市場取引をすると、契約交渉・監視・履行コストが発生
- これを削減するため、組織内に取り込む(垂直統合)
- 取引の不確実性が高い、頻度が高い、特殊資産が関わる場合に、垂直統合のメリットが大きくなる
- イの「相手企業との相互依存の強さを減らし、経営的な独立度を保つ」(誤解しやすい)、エの「取引企業による企業Aの株式の大量買収を防ぐ」は、コスト削減とは異なる目的
誤答の落とし穴
- ア: 「相手企業との相互依存の強さを減らし、経営的な独立度を保つ」− 垂直統合によって相互依存を減らすことはできるが、これは取引コス理論の主要説明ではない
- ウ: 「自社の企業規模を拡大し、規模の経済性を高めるため」− これは規模の経済論であり、取引コスト理論ではない
- エ: 「市場の新規化が高い取引相手の企業が存在しないが、自社資源を充実に活用したいと相互に関係的な管理権を行使するため」− やや複雑で誤解を招く
- オ: 「秘密の事業を参下に収めるることで、組織の経営性を高めるため」− 不正確
学習アドバイス
取引コスト理論は、「市場か組織か」の選択メカニズムです。垂直統合がコスト削減につながるシナリオを常に想定して、選択肢を読みましょう。
第7問 M.ポーターの競争戦略:代替品の脅威
問題要旨
M.ポーターの業界の構造分析(5フォーズ分析)における代替品に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L1単一判定 Trap-D表面的類似
正解
ウ
必要知識
解法の思考プロセス
- ポーターの5フォーズ:競争企業、新規参入企業、供給企業、顧客、代替品
- 代替品の脅威:ある業界の製品・サービスを代替する別の製品・サービスが出現すること
- 代替品が存在すると、顧客は価格引き下げ交渉などの切り札を持つ
- 選択肢の中から、代替品が業界全体の利益率を低下させる影響を正しく述べているものを選ぶ
誤答の落とし穴
- イ: 「代替品となるものが少ないほど、代替品の脅威は大きくなる」− 逆
- ウ: 「代替品のコストパフォーマンス比の向上が急速であれば、その代替品の脅威は大きい」− ウは正しい可能性がありますが、「Aある業界に代替品が在することは、その業界の潜在的な競争益益利に正の影響を及ぼす」は誤り
学習アドバイス
5フォーズ各要素の定義と、それぞれが業界利益に与える影響方向を明確に理解することが大切です。
第8問 賃貸業界の競争戦略(多段推論)
問題要旨
不動産賃貸業界における企業の戦略選択肢について、複数の業界要因を踏まえた最適な戦略を選択する。
分類タグ
K4因果 T4因果推論 L4多段推論 Trap-C概念混同
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- 賃貸市場は、買い手(借り手)の数が減少する市場(人口減少)
- 需要減少が明確な場合、企業は激しい価格競争を避け、ニッチ戦略などに転換
- しかし「競争の激しさ」という表現は曖昧 → 複数段階の推論が必要
- 業界全体の需要減少は、既存企業にとっても新規参入企業にとっても不利 → 競争の激しさが減少する可能性
誤答の落とし穴
- ア: 「買い手の価値観に敏感でなく、かつ買い手の交渉力がかしいほど、業界の売上が高い」− 需要減少市場では交渉力が高まり、売上圧力が増す
- イ: 「在来が見別的強調する優れやすきた優れた人のみを対象とするといった場合、部門機能内に溝断が困難になる」− 複雑で不正確
- エ: 「業界外の参入企業が『取りうち相手』の企業が存在しないが、自社資源を直接選出することができるなどの権利を行使するため」− 文脈不明確
- オ: 「秘密の事業を参下に収めることで、組織の経営性を高めるため」← 前問と同じ選択肢の繰り返し;誤り
学習アドバイス
業界要因(需要成長、競争企業数、参入障壁など)から企業戦略を逆算する論理力が問われます。常に「業界環境→戦略」の流れで思考しましょう。
第9問 ドミナントデザインと製品イノベーション
問題要旨
W.アバナシーとJ.アターバック著『イノベーションのモデル(A-Uモデル)』における製品開発パターンに関する記述として最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T4因果推論 L3計算・計測 Trap-B部分的正誤
正解
アの「ある製品について、使用状況、仕様、評価基準が顧客の間で共有されるようになると、ドミナントデザインが定まってくる」
必要知識
解法の思考プロセス
- A-Uモデル(Abernathy-Utterback Model):製品ライフサイクルと技術イノベーションの関係
- 初期段階:製品デザインが定まっていない → 企業による「プロダクト・イノベーション」が活発
- ドミナントデザイン出現:市場で標準的な設計が決まる
- 以降の段階:プロセス・イノベーション(製造効率化)が主流に
- アは「使用状況・仕様・評価基準が顧客間で共有されるとドミナントデザインが定まる」と述べており、A-Uモデルの定義として正確である
誤答の落とし穴
- イ: ドミナントデザイン出現後は製品イノベーションが沈静化し、プロセス・イノベーションが主流になるという説明の逆を述べているもの
- ウ: 「製品イノベーションはドミナントデザインが生じた後により多く現れる」− 誤り;製品イノベーションはドミナントデザイン前に最盛期を迎える
- エ: ドミナントデザイン出現後の組織形態について述べているが不正確
- オ: 「ドミナントデザイン出現後、製品・工程イノベーションがともに活発化する」− 誤り;工程イノベーションは増加するが製品イノベーションは減少する
学習アドバイス
A-Uモデルは、「ドミナントデザイン前後で技術イノベーションの焦点が『製品』から『プロセス』に移る」という転換を強調しています。この時系列を正確に記憶することが本番での正解につながります。
第10問 製品アーキテクチャ
問題要旨
製品アーキテクチャについて、インテグラル型・モジュラー型などの分類に関する記述として最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T2分類判断 L1単一判定 Trap-D表面的類似
正解
ウ
必要知識
解法の思考プロセス
- インテグラル型:複数部品が複雑に関係し合う(例:自動車全体、精密機械)
- 特定企業が全体を統括し、部品間の調整が重要
- カスタマイズが可能だが、参入障壁が高い
- モジュラー型:部品が独立した標準インターフェースで連結(例:パソコン、スマートフォン)
- 各部品を別企業が製造可能
- コスト競争が激しくなりがち
- ただし、部品の差別化が可能な場合(例:高性能CPU)は価値を創出できる
- エは「部品のコスト低減ではなく、部品の差別化をしなければならない」と述べているが、これは限定的
- モジュラー型では「コスト低減と差別化の両立」が求められるケース多数
誤答の落とし穴
- ア: 「インテグラル型のアーキテクチャを持つ製品は、標準化が進んでいる」− 逆;インテグラル型は標準化が難しく、カスタマイズが多い
- イ: 「据え合わせによって他説される価値が完全に変わられる製品については、モジュラー型のアーキテクチャを持つことが多い」− 逆;複雑な相互作用がある場合はインテグラル型
- ウ: 「部品間の相互依存性が高いインテグラル型のアーキテクチャを持つ製品の場合、部門機能内に溝断が困難になる」− やや曖昧;製造側の組織設計の話
- オ: 「モジュラー型のアーキテクチャを持つ製品では、部品調達業務は、部品のコスト低減ではなく、部品のの差別化をしなければならない」− ウとほぼ同じ
学習アドバイス
インテグラル型・モジュラー型の使い分けは、組織設計・サプライチェーン・イノベーション戦略などに影響を与えます。それぞれの特徴を事例と一緒に記憶すると、応用が利きやすくなります。
第11問 国際化と経営判断スタイル(I-R フレームワーク)
問題要旨
ある企業が国際化に際して、自社の事業特性を考え、標準化を最小限に抑えながら、現地適応を重視するという方針を立てた。この方針と合致する、I-R フレームワークに基づいた経営スタイルに関する記述として最も適切なものを選択する。
分類タグ
K5制度 T4因果推論 L2複合判定 Trap-E引数順序
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- I-R フレームワーク(Integration-Responsiveness Framework):
- Integration(統合): グローバル戦略での統一
- Responsiveness(対応性): 現地化への対応
- 4つの経営スタイル:
- グローバル戦略(高統合・低対応性)
- マルチ・ナショナル戦略(低統合・高対応性)
- トランスナショナル戦略(高統合・高対応性)
- 国際戦略(低統合・低対応性)
- 問題文:「標準化を最小限に抑え、現地適応を重視」→ 低統合・高対応性 → マルチ・ナショナル戦略
誤答の落とし穴
- ア: 「意思決定権が海外子会社に分散され、親会社はほぼ親子会社と限定的にのみ関わる」− これはむしろ国際戦略か完全な分散
- イ: 「親会社が海外子会社を公式的に管理・統制し、子会社間の調整を行うが、日常業務の意思決定権は海外子会社に分散される」− やや曖昧;意思決定権の度合いが不明確
- ウ: 「各海外子会社が採用に独立した定めおける定めおける。各海外子会社が採用に独立した定めおける。各海外子会社が採用に独立した定めおける。各海外子会社が採用に独立した定めおける。各海外子会社が採用に独立した定めおける。各海外子会社が採用に独立した定めおける。」← データ表示エラーまたは複雑な説明
- オ: 「重要な意思決定ができ本国で親会社に集中し、集締に際は子会社に統制する」− 矛盾した表現
学習アドバイス
I-R フレームワークは、グローバル経営の戦略選択を整理する重要な枠組みです。「統合 vs 対応性」の2軸を常に念頭に置き、4つのポジショニングを図とともに記憶すると良いでしょう。
第12問 企業の社会的責任とESG投資
問題要旨
企業の社会的責任やESG投資に関する記述として、最も不適切なものを選択する。
分類タグ
K5制度 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-C概念混同
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- CSR(企業の社会的責任): 企業が利益追求と同時に、社会・環境への責任を果たすこと
- ESG投資: Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の3要素に基づく投資判断
- グリーンウォッシュ: 環境配慮の見かけだけを装いながら、実際には環境負荷を改善していない企業行動
- アは「インパクト投資はリターンを求めない」という不正確な記述であり、最も不適切
誤答の落とし穴
- イ: 「統合報告書には財務・非財務情報(温室効果ガス排出量、有給休暇取得率、経営者報酬等)が記載される」− この説明は正確
- ウ: 「CSVとは、経済価値を創造しながら、同時に社会課題に対応することで社会的価値も同時に創造するアプローチ」− 正確な定義(マイケル・ポーターのCSV)
- エ: 「環境配慮を装って実態は不適切な企業を『ダイベストメント』と呼ぶ」− 誤り;ダイベストメントは「投資から撤退すること」;この行動はグリーンウォッシュ
- オ: 「環境配慮を装って実態は二酸化炭素を多く排出している企業を『グリーンウォッシュ』と呼ぶ」− 正確な定義
学習アドバイス
CSR・ESG・グリーンウォッシュ・インパクト投資などの用語を混同しやすいです。各用語の定義を正確に学び、似た概念との区別を意識することが重要です。
第13問 エフェクチュエーション
問題要旨
熟達した起業家により習われる思考プロセスであるエフェクチュエーションに関する記述として、最も不適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-A定義逆転
正解
エの「他国で競争が激しく、エネルギー価格の変動が見込まれるため、過去20年分のデータを精査して、来年度の利益目標を立てた」(目標先定型のコーゼーション思考であり、エフェクチュエーションとして最も不適切)
必要知識
解法の思考プロセス
- エフェクチュエーション(Effectuation):手段から始まる起業家的思考
- 目標を先に設定せず、自分が持つ資産(知識・スキル・ネットワーク)から出発
- 試行錯誤を通じて事業を構築
- 対比:Causation(コーゼーション)= ゴール先決定→手段選択
- この問題は「最も不適切なもの(エフェクチュエーションでないもの)」を選ぶ
- エの「過去20年分のデータを精査して利益目標を立てた」は目標先定型のコーゼーション思考 = エフェクチュエーションとして最も不適切
誤答の落とし穴
- ア: 「既存製品製造で使用していた温水を利用してイチゴのハウス栽培を始めた」− 手中の鳥原則(持てる手段を活用)= エフェクチュエーション
- イ: 「新規店舗を開設する際に、目標店舗数を設定するのではなく、許容できる損失額を重視して段階的に店舗数を増やしていった」− 許容可能な損失原則 = エフェクチュエーション
- ウ: 「大災害が起こったことによって注目が集まったことを利用して、自社製品の広告に力を入れた」− レモネード原則(予期せぬ事象を活用)= エフェクチュエーション
- オ: 「発売した新製品に対してクレームを受けたが、その顧客に製品改良のための活動に参加してもらい、製品の品質向上につなげた」− クレイジーキルト原則(顧客との相互作用)= エフェクチュエーション
学習アドバイス
エフェクチュエーションは「目標先定型」から「手段先定型」への発想転換です。スタートアップが限られた資源の中で事業を成長させるプロセスとして理解すると、事例問題で判定しやすくなります。
第14問 グローバルデザイン情報処理(組織構造)
問題要旨
J.ガルブレイスの情報処理論に基づいた組織設計に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T2分類判断 L1単一判定 Trap-B部分的正誤
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- ガルブレイスの情報処理論:
- 組織の複雑性・不確実性 ↑ → 情報処理の必要性 ↑
- 情報処理能力 ↑ → より複雑な環境に対応可能
- 情報処理能力を高める方法:
- 垂直的情報システム(上下の報告・指示)
- 水平的コミュニケーション(部門横断的協働)
- 外部情報源の活用
- 複雑な製品開発では、部門間の協働(マトリックス型)が必要
誤答の落とし穴
- ア: 「インテグラル型のアーキテクチャを持つ製品は、標準化が進んでいる」− 逆
- イ: 「据え合わせによって他説される価値が完全に変わられる製品については、モジュラー型のアーキテクチャを持つことが多い」− 逆
- ウ: 「部品間の相互依存性が高いインテグラル型のアーキテクチャを持つ製品の場合、部門機能内に溝断が困難になる」− 曖昧
- オ: 「モジュラー型のアーキテクチャを持つ製品では、部品調達業務は、部品のコスト低減ではなく、部品のの差別化をしなければならない」← これは第10問と同じ選択肢
学習アドバイス
ガルブレイスの情報処理論は、「環境の複雑性と組織内の情報フロー」の関係を強調しています。製品複雑性と組織構造の対応関係を意識して学習しましょう。
第15問 組織文化の決定要因とE.シャイン
問題要旨
組織メンバーの行動や思考パターン、価値観などに影響を与えるものとして組織文化は注目されてきた。組織文化についての代表的な研究者であるE.シャインの組織文化論に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-D表面的類似
正解
オ
必要知識
解法の思考プロセス
- E.シャイン(Edgar Schein):組織文化研究の第一人者
- 組織文化の構造:
- アーティファクト(見える行動・設備)
- 信念・価値観(見えない共有認識)
- 基本的前提(無意識の行動原理)
- リーダーは企業理念・価値観を設定・変更し、それが組織全体に浸透することで文化が形成される
- ウは「企業理念・価値観」の変更がリーダーの役割として述べられている
誤答の落とし穴
- ア: 「従業を深掘で代替人員を確保できないという場合であっても、育児休業取得権限がある労働者からの育児休業取得申請を却下することはできない」− これは育児法制の話;組織文化論ではない
- イ: 「組織文化は組織内部の統合という問題の解決に役立ってきたものであるため、長く続いている組織では組織文化を変革すべくではない」− 誤り;環境変化に応じて文化も変革が必要
- エ: 「組織メンバーであれば、目に見える組織構造や記憲といっただ『人工物(artifacts)』を子ながかりとして組織文化の基本的定義を読み融合し、組織メンバーではないい第三者に組織文化の全容を説明することは容易に行える」− 複雑で誤解を招く表現
- オ: 「組織メンバーの採用基準の施行の際にリーダーが活用する基準は、組織文化に影響を及ぼす」← これも正しいが、ウの方がより直接的に文化変革を述べている
学習アドバイス
E.シャインの3層構造(アーティファクト→価値観→基本的前提)と、リーダーシップによる文化形成・変革を一体で理解することが重要です。
第16問 複雑な意思決定における意思決定原理
問題要旨
複雑な意思決定において意思決定者は完全な合理性を持つだけの情報処理能力を持たないとされる。このような「制約された合理性」の下での意思決定に関する記述として、最も不適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T2分類判断 L2複合判定 Trap-C概念混同
正解
エ
必要知識
解法の思考プロセス
- H.A.サイモン(Herbert A. Simon):「制約された合理性」の提唱者
- 意思決定の2つのアプローチ:
- 最適化(Optimization): すべての情報を集めて最良の選択肢を追求
- 満足化(Satisficing): 「十分良い」という基準で最初にそれを満たす選択肢を選ぶ
- この問題は「最も不適切なもの」を選ぶ
- エは「一貫した利用関数をあらかじめ持つ」という完全合理性を前提とした記述 → 制約された合理性の下では不適切
誤答の落とし穴
- ア: 「限定された数の代替案のみを考慮する」− 満足化の正確な説明;適切
- イ: 「最低限の水準を設定し、その水準を満たす最初の代替案を選択」− 満足化原理の正確な説明;適切
- ウ: 「将来の結果に関する知識は不完全」− 不完全情報での意思決定として正確;適切
- オ: 「反復的な意思決定では行動プログラムのレパートリーを使用する」− 経験による意思決定パターンとして正確;適切
学習アドバイス
サイモンの「制約された合理性」と「満足化」の概念は、組織意思決定論の基礎です。「最適性の追求」ではなく「十分性での妥協」という思考転換を理解することが鍵です。
第17問 組織変革とリーダーシップ(変革型と取引型)
問題要旨
社会や組織の転換期において、既存の体制や構造を変革するために指摘されるリーダーシップと、定常的な状況下において有効と考えられる、「変革型リーダーシップ」と「交換型リーダーシップ」の代表例を示し、両リーダーシップと各リーダーシップの代表例の対応関係の組み合わせとして、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T2分類判断 L3計算・計測 Trap-E引数順序
正解
オ
必要知識
解法の思考プロセス
- 変革型リーダーシップ(Transformational Leadership):
- カリスマ的影響力
- 知的刺激
- 個別の配慮
- 鼓舞的動機づけ
- 目標・価値観の高揚
- 交換型リーダーシップ(Transactional Leadership):
- 条件付き報酬
- 例外による管理
- 定型的なルール・規則の維持
- 設問では、a~h の8つの具体例について、どちらのリーダーシップに該当するかを判定
- 選択肢を複数用意し、それぞれの対応関係を検討する必要
誤答の落とし穴
- ア: 変革型リーダーシップ: a, b, d, f, h / 交換型リーダーシップ: c, e, g → 「b」(定型的な行動)は交換型であり、変革型ではない
- イ: 変革型リーダーシップ: a, c, d, e, g / 交換型リーダーシップ: b, f, h → 「e」の内容に応じて判定が異なる
- エ: 変革型リーダーシップ: b, c, d, e, h / 交換型リーダーシップ: a, f, g → 「b」は交換型のはずだが、変革型に分類されている
- オ: 変革型リーダーシップ: b, d, e, f, g / 交換型リーダーシップ: a, c, h → 複数の誤分類がある
学習アドバイス
B.バスの変革型・交換型リーダーシップ分類は、リーダーの行動特性を理解する上で重要です。「組織変革を主導するか、既存体制を維持するか」という視点で、各具体例を判定する習慣を付けましょう。
Ⅲ 人材・労務関連
第18問 マズロー欲求段階説 vs ERG理論
問題要旨
A.マズロー の欲求段階説の修正版として、C.アルダファーのERG理論に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L1単一判定 Trap-B部分的正誤
正解
イの「ERG理論では、例えば成長欲求が満たされない場合、欲求段階説の想定とは異なり、より具体的で確実性の高い関係欲求を満たそうとするようになる可能性を想定する」
必要知識
解法の思考プロセス
- マズロー欲求段階説(5段階):
- 生理的欲求 → 安全欲求 → 愛情・帰属欲求 → 尊重欲求 → 自己実現欲求
- 下位の欲求が満たされると、上位の欲求が活性化する(一方向的)
- ERG理論(Existence, Relatedness, Growth):
- E(存在欲求): 生理的・安全的ニーズ
- R(関係欲求): 他者との関わりを求める
- G(成長欲求): 自己発展・成長を求める
- ERG理論の特徴: マズローと異なり、上位欲求が満たされない場合、下位欲求に退行することを想定(フラストレーション・リグレッション仮説)
- イは「成長欲求が満たされない場合に関係欲求が高まる可能性」を正確に述べている
誤答の落とし穴
- ア: 「ERG理論では、例えば成長欲求が満たされない場合、欲求は抱かれない場合、欲求段階説の想定とは異なり、欲求段階説の想定とは異なり、生存欲求や関係欲求が高まるまでになるという可能性を想定する」 → 「フラスレーション-リグレッション仮説」という考え方で、ERG理論が想定している。表現は複雑だが趣旨は正しい
- ア: ERG理論の欲求退行に関する記述だが、表現に誤りがある選択肢
- ウ: ERG理論の「関係欲求(R)」がマズローの欲求段階との対応について誤った説明をしているもの(関係欲求は愛情・帰属欲求と承認欲求の一部に対応する)
- エ: 「欲求段階説では生理的欲求・安全欲求・成長欲求の3つのカテゴリーに分類する」− 誤り;欲求段階説(マズロー)は5段階(5カテゴリー)に分類する
- オ: マズローとERGの比較において不正確な説明をしているもの
学習アドバイス
マズローとアルダファー(ERG)の最大の違いは、欲求の進行方向です。マズローは低次→高次の一方向進行を想定するのに対し、ERG理論は「上位欲求が満たされないと下位欲求が高まる(フラストレーション・リグレッション)」という双方向の動きを想定します。
第19問 限定配子式と公正性判断
問題要旨
限られた資源を組織メンバーに配分する場合において、その分配について公正な手続きを求めることが「公正な手続き」と呼ぶ。分配を受ける組織メンバーが、あるいはある分配手続きについて判断を行う際の判断基準に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-C概念混同
正解
エ
必要知識
解法の思考プロセス
- 公正性判断の3つの次元(Adams の公正理論):
- 分配的公正(Distributive Justice): 配分される報酬そのものの公正性
- 手続的公正(Procedural Justice): 配分をめぐる意思決定プロセスの公正性
- 対話的公正(Interactional Justice): 意思決定者の行動・対応の公正性
- 問題文は「公正な手続き」に言及しているため、手続的公正の視点が重要
- 選択肢を複数読んで、手続的公正に関する正確な説明を選ぶ
誤答の落とし穴
この問題は選択肢の表現が複雑で、正確な読解が必要です。一般的には、以下の要素が手続的公正を高めます:
- 意思決定プロセスへの参加機会
- 異議申し立ての機会
- 意思決定者の一貫性
- 利益相反の排除
- 意見を聞く機会
学習アドバイス
公正性の3次元(分配・手続・対話)は、人事管理・組織行動論の重要な概念です。各次元の定義と具体例を複数想定して学習すると、応用問題に強くなります。
第20問 組織集団内の紛争対処方法
問題要旨
組織集団において、意見の相違や利益の不一致から、個人間でコンフリクトが発生することが一般的である。コンフリクトへの対処は、自己の利益を追求する度合いと、相手の利益を追求する度合いの不一致から、個人間でコンフリクトが発生することが一般的である。コンフリクトへの対処は、自己の利益を追求する度合いと、相手の利益を追求する度合いの2つの軸で分類される。この2軸の組み合わせとして、5つの紛争対処方法があり、その対処方法について当てはまる記述を選択する。
分類タグ
K1定義 T2分類判断 L1単一判定 Trap-A定義逆転
正解
アの「『回避』とは、自己の利益を強く主張せず、かつ相手の利益もあまり許容せず、問題解決を先送りする対処である」
必要知識
解法の思考プロセス
- 紛争対処の5つのスタイル(Thomas-Kilmann Conflict Mode Instrument):
| スタイル | 自己主張 | 相手への配慮 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 競争(Competing) | 高 | 低 | 自己の利益優先 |
| 協調(Collaborating) | 高 | 高 | 双方の利益を統合 |
| 妥協(Compromising) | 中 | 中 | 双方が譲歩 |
| 回避(Avoiding) | 低 | 低 | 紛争から逃げる |
| 順応(Accommodating) | 低 | 高 | 相手に譲る |
- アは「回避(Avoiding)」を説明しており、「自己主張が低く・相手への配慮も低い」という正確な定義
誤答の落とし穴
- イ: 「競争(Competing)」の定義について、自己主張が高く・相手への配慮が低いという点が誤って記述されているもの
- ウ: 「協調(Collaborating)」の説明として「相互に譲歩し一定程度の満足を伴う」と述べているが、これは「妥協」の説明に近い(協調は双方の利益を完全に満たすWin-Winを目指す)
- エ: 「順応(Accommodating)」の定義について、相手への配慮が高く・自己主張が低いという点が不正確に記述されているもの
- オ: 「妥協(Compromising)」の定義について、双方が一定程度譲歩するという点が誤って記述されているもの
学習アドバイス
紛争対処スタイルの5分類は、自己主張と相手配慮の2軸で整理します。各スタイルの定義を正確に記憶し、ケース問題で適切なスタイルを選べるようにしましょう。
第21問 組織間関係と組織ネットワーク
問題要旨
組織間関係や組織ネットワークに関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T4因果推論 L3計算・計測 Trap-D表面的類似
正解
イ
必要知識
解法の思考プロセス
- ネットワーク論では、「弱い紐帯」(weak ties)と「強い紐帯」(strong ties)の概念がある
- 強い紐帯:
- 既に知っている組織との継続的な関係
- 信頼が高い
- 既知の情報が流通しやすい
- 弱い紐帯:
- 新しい組織との関係
- 初期段階の関係
- 新しい情報・知識が流入しやすい
- 正解イは、新たな知識獲得に適切なネットワーク戦略(弱い紐帯の活用など)を正確に述べている
- エは「これまでに築いてきた組織との結びを強める」と述べているが、これは強い紐帯の強化 → 既知の情報の共有には有効だが、新たな知識獲得には弱い紐帯(新しい組織との関係)が重要 → エの説明は誤り
誤答の落とし穴
選択肢の複雑な表現から、正確な論理推論が必要です。「新たな知識獲得」と「紐帯の強化」の関係を逆転させて述べているものが多い。
学習アドバイス
組織ネットワーク論における「弱い紐帯の強さ」(The Strength of Weak Ties)は、イノベーション・知識創造の観点から重要です。本番では「新しい情報の獲得には何が必要か」という視点で、選択肢を評価しましょう。
第22問 ダブルループ学習と シングルループ学習
問題要旨
組織学習に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-B部分的正誤
正解
エ
必要知識
解法の思考プロセス
- C.Argyris & D.Schön による学習類型:
| 学習タイプ | 説明 | 対象 |
|---|---|---|
| シングルループ学習 | 行動結果が目標と異なる場合、行動のみを修正 | 行動 |
| ダブルループ学習 | 目標そのものの妥当性も含め、基本的前提を見直す | 目標・価値観・前提 |
- エの「組織メンバーが新しい知識を獲得しても、組織の役割規定が制約となって組織学習が進まないことがある」は組織学習論として正確な説明である
- 正確には:
- シングルループ:行動レベルの修正(目標は変わらない)
- ダブルループ:目標・価値観レベルの変更
誤答の落とし穴
- ア: 「『有能さの罠』(competency trap)とは、これまでの学習の結果として高い能力を持つことが、学習をやめてしまうことであるために、学習をやめてしまうことであるために学習を著やてしまうというものである」 → 冗長だが趣旨は正しい
- イ: 「高次学習とは組織上位層のみで生じる行動レベルの学習である」 → 逆;高次学習は組織全体での学習
- ウ: 「組織学習とは、組織ルーティングの変化の中で組織結果に正の賃請をもたらすものである」 → 定義が複雑で曖昧
- オ: 「ダブルループ学習とは行動の結果を振り返り行動を修正することであり、シングルループ学習とは行動を一度だけ修正するものである」− 誤り;シングルループは行動レベルの修正(目標は変わらない)、ダブルループは目標・価値観レベルの変更(「行動一度だけ」という表現は不正確)
学習アドバイス
シングルループとダブルループの本質的な違いは「何を変えるか」にあります。シングルループは行動、ダブルループは基本的前提(目標・価値観)という点を必ず記憶しましょう。
第23問 組織ライフサイクル(成長段階モデル)
問題要旨
組織のライフサイクル仮説によれば、組織は起業者段階、共同体段階、公式化段階、様々化段階に分けて考えるとき、それぞれの段階に関する記述として、最も不適切なものを選択する。
分類タグ
K2分類 T2分類判断 L2複合判定 Trap-C概念混同
正解
エ
必要知識
解法の思考プロセス
- Greiner の組織成長段階モデル:
| 段階 | 特徴 | 危機 |
|---|---|---|
| 起業者段階 | オーナー主導、カリスマリーダー | リーダーシップの危機 |
| 共同体段階 | 熟練スタッフ、チームワーク | 委任の危機 |
| 公式化段階 | 規則・手続き、官僚制 | 官僚主義の危機 |
| 多様化段階(様々化) | 事業部制、分散経営 | 制御の危機 |
- イは「共同体段階」について述べているが、この段階では「メンバー間の自発的協力」が特徴であり、トップダウン管理の話は次の「公式化段階」の特徴
誤答の落とし穴
各段階の特徴と危機を混同すると、正答が得られません。段階ごとの管理スタイルと課題を正確に区別しましょう。
学習アドバイス
Greiner の成長段階モデルは、「企業の成長に伴う組織課題の変化」を示しています。各段階で直面する危機と、その解決方法を事例とともに学習するとよいでしょう。
Ⅳ 人事・労務(法制度関連)
第24問 労働者派遣法と採用判定
問題要旨
労働者派遣に関する法律上の記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K5制度 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-D表面的類似
正解
ウの「使用者は、就業規則に定めないあわせ労働契約を締結する際の労働条件を3ヶ月の試用期間を定めて書面により周知した場合、当該期間中に解雇することもできる」
必要知識
解法の思考プロセス
- 労働者派遣法の主要なルール:
- 派遣期間の制限(通常3年)
- 派遣労働者と派遣受け入れ企業間の直接雇用の禁止
- 均等待遇の原則
- 試用期間について:
- 試用期間は「能力適性判定期間」として認められる
- ただし、濫用的解雇は禁止
- 試用期間中でも合理的理由なき解雇は違法
- ウの説明は、試用期間の概念と実装をやや単純化しています
誤答の落とし穴
労働法は複雑で、各選択肢には微妙な法律理解が必要です。試用期間、解雇権濫用の法理、派遣期間制限などを正確に理解することが重要です。
学習アドバイス
労働法関連の問題は、実際の法律の細部を理解することが必須です。試験対策では、主要な労働法制度と、その具体的適用ケースを複数学習しましょう。
第25問 労働者派遣選別理由
問題要旨
労働者派遣に関する法律上の記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K5制度 T4因果推論 L2複合判定 Trap-E引数順序
正解
イ
必要知識
解法の思考プロセス
- 派遣法のキー概念:
- 派遣期間の上限:3年(原則)
- 3年経過後の対応:直接雇用申込み(派遣先企業が労働者に対して行う)
- 派遣労働者の権利保護
- ウは「直接雇用申込みのルール」について述べているが、表現が複雑です
誤答の落とし穴
選択肢の法律用語が複雑で、読み間違え易いです。派遣期間制限と直接雇用ルールの関係を正確に理解することが重要です。
学習アドバイス
派遣法改正は頻繁に行われており、最新情報を確認することが重要です。本番では「派遣期間3年のルール」と「その後の直接雇用」の流れを明確に理解しておきましょう。
第26問 育児法制と育児休業取得
問題要旨
育児・介護休暇法に規定される育児休業取得に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K5制度 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-A定義逆転
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- 育児休業制度(日本):
- 子どもが1歳になるまで、育児休業を取得可能
- 両親ともに取得可能
- 申出は本人が行う
- 企業側が拒否することは原則不可
- 育児休業取得のルール:
- 労働者の権利(請求権)
- 企業による拒否は違法
- ただし、労使協定で対象外とできる労働者がいる場合は例外がある
- 正解選択肢アの内容を確認し、育児休業の取得要件・手続きを正確に理解する
誤答の落とし穴
育児休業は制度改正が頻繁に行われています(2022年改正など)。申出の方法、取得可能期間、対象外労働者の要件などを正確に理解することが重要です。
学習アドバイス
育児・介護休暇制度は、社会保障制度の重要な柱です。労働者の権利と企業の責務をセットで理解し、実務面での注意点を学習しましょう。
第27問 就業規則の変更効力
問題要旨
就業規則の変更に関する法律上の記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K5制度 T1正誤判定 L2複合判定 Trap-B部分的正誤
正解
ア
必要知識
解法の思考プロセス
- 就業規則の変更要件(日本の労働法):
- 労働者への周知(法定要件)
- 合理性の判断(労働条件の不利益変更の場合)
- 「合理性あり」と判断された場合:労働者同意がなくても変更可能
- 「合理性なし」と判断された場合:変更無効
- アが正解であり、就業規則の変更に関して正確な法律上の記述をしている
- 正確な原則:「合理性がありかつ適切な周知がなされた場合、労働者の同意なしに変更可能」(不利益変更の場合は合理性の判断が厳しくなる)
誤答の落とし穴
選択肢の表現が複雑で、「合理性」と「同意」の関係を誤って述べているものが多い。判例法理をしっかり理解することが重要です。
学習アドバイス
就業規則の変更と労働条件変更は、労働法の最重要テーマです。最高裁判例(例:NEC事件)における「合理性」の判断基準を複数学習しましょう。
Ⅴ マーケティング・ブランド戦略
第28問 ブランド・マネジメント戦略
問題要旨
企業がブランド拡張あるいはブランド多様化戦略を展開する際、既存の経営資源や競争優位の活用方法に関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K1定義 T2分類判断 L2複合判定 Trap-C概念混同
正解
イ
必要知識
解法の思考プロセス
- ブランド戦略の2つのアプローチ:
- ブランド拡張(Brand Extension): 既存ブランドで新製品カテゴリーに進出
- ブランド多様化(Brand Diversification): 新規ブランドで新市場に進出
- ブランド拡張の成功要件:
- ブランド認知
- ブランド連想の活用
- 新製品カテゴリーとの相互関連性
- エは「既存ブランドを消費者想起に含める」つまり「トップ・オブ・マインド」を目指す重要性を述べている
誤答の落とし穴
- ア: 「既存事業とは異なる新たな事業領域に進出する際に、既存ブランドを新事業でも利用することを、ブランドのリポジショニングと呼ぶ」 → 「リポジショニング」は既存ブランドの認識を変えることであり、新事業進出とは異なる
- イ: 「企業が既存製品を同一カテゴリーに新製品を投入する際には、その新カテゴリーの既存製品用いてきたブランドを用いるということもあれば、あてて新しいブランドをつけることもあり、これらを『マルチ・ブランド戦略』と呼ぶ」 → 定義が不正確
- ウ: 「ブランドや企業の創業者の物語、目指す大きな方向性、専門性などをコーポレート・ブランドによって示し、その下に複数のプロダクト・ブランドが位置づけられることもあり、これら2種類のブランドを同時に並行するしていく場合:ダブルロップ戦略と呼ぶ」 → 「ダブル・ブランド戦略」という用語は一般的ではない
- オ: (省略)
学習アドバイス
ブランド戦略の基本(リポジショニング、拡張、多様化、コーポレートブランド vs プロダクトブランド)を整理し、それぞれの定義と適用場面を学習します。本番では「何をどう変えるのか」という視点で選択肢を検討しましょう。
第29問 ソシエタル・マーケティング
問題要旨
ソシエタル・マーケティングとソーシャル・マーケティングに関する記述として、最も適切なものを選択する。
分類タグ
K4因果 T4因果推論 L3計算・計測 Trap-D表面的類似
正解
エ
必要知識
解法の思考プロセス
- ソーシャル・マーケティング(Social Marketing):
- 社会的課題(禁煙、環境保護、運動推進など)の解決を目的とした活動
- マーケティング手法を社会的利益のために活用
- ソシエタル・マーケティング(Societal Marketing):
- 企業の利益追求と社会的責任を同時に実現する取り組み
- CSR活動の一環
- エの正解の内容を確認し、ソシエタル・マーケティングとソーシャル・マーケティングの定義を整理する
誤答の落とし穴
- ア: 「企業が文化支援(メセナ)や慈善活動(フィランソロピー)を行うことをソシエコロジカル・マーケティングと理解できる」− 誤り;メセナ・フィランソロピーはCSR活動であり、ソーシャル・マーケティングには該当しない
- イ: 「ソシエタル・マーケティングの根底には、社会貢献は企業の利益につながってはならないという考えがある」− 誤り;ソシエタル・マーケティングは企業利益と社会責任の「両立」を目指すもの
- ウ: 「ソーシャル・マーケティングとは社会的課題の解決を目的にマーケティング手法を活用すること」− 概ね正確な定義
- オ: (省略)
学習アドバイス
ソーシャル・マーケティングとソシエタル・マーケティングは名称が似ており、混同しやすいです。「社会的課題解決」vs「企業利益と社会責任の両立」という区別を明確にしましょう。
第30問 カスタマー・ジャーニー
問題要旨
S社は、家庭用の充電式スティック型掃除機の新製品(「W」とする)を次々を売売す予定である。そこで同社では、さまざまな顧客セグメント対してカスタマー・ジャーニーを作成しようとしている。下図は、その1つの顧客セグメント(図中の「顧客タイプ)についてのカスタマー・ジャーニーを示している。
図中の空欄 A~Dに入る語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
分類タグ
K1定義 T2分類判断 L1単一判定 Trap-B部分的正誤
正解
オ
必要知識
解法の思考プロセス
- カスタマー・ジャーニー:顧客が製品・サービスを認識から購入、その後の利用に至るまでのプロセス全体
- タッチポイント:顧客と企業(ブランド)が接触する全ての機会
- 認知段階: 広告、SNS、口コミ
- 検討段階: Webサイト、店舗、評判
- 購買段階: 店舗購入、オンライン購入
- 購買後: カスタマーサービス、レビュー
- 図の流れ:顧客セグメント → タッチポイント(A)→ タッチポイント(B)→ タッチポイント(C)→ タッチポイント(D)
- 各タッチポイントでの顧客体験(Customer Experience)が、全体のカスタマー・ジャーニーを形成
誤答の落とし穴
- ア: 各空欄に異なる語が入る場合 → 図の構造から判定
- イ: タッチポイント以外の語が含まれる → カスタマー・ジャーニー図では一貫性が重要
- エ: 表現が曖昧な選択肢 → 正確な用語選択が必要
学習アドバイス
カスタマー・ジャーニーとタッチポイントは、現代マーケティングの重要な概念です。顧客視点での各段階の接触機会を明確に設計することで、効果的なマーケティング戦略が可能になります。本番では、図とともに各タッチポイントの役割を理解しておきましょう。
思考法分布(形式層別の傾向)
| 思考法 | L1 | L2 | L3 | L4 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| T1正誤判定 | 3 | 10 | 0 | 0 | 13 |
| T2分類判断 | 4 | 5 | 0 | 0 | 9 |
| T3計算実行 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
| T4因果推論 | 0 | 2 | 4 | 1 | 7 |
| 計 | 7 | 17 | 5 | 1 | 30 |
特徴: 正誤判定(T1)が圧倒的に多く、複雑な因果推論(T4)は少数。L2複合判定が支配的。
罠パターン分布
| Trap種 | 該当問 | 説明 |
|---|---|---|
| Trap-A | 1, 5, 13, 26 | 定義を逆に述べるもの |
| Trap-B | 2, 9, 15, 18, 22, 30 | 部分的に正誤が混在するもの |
| Trap-C | 3, 6, 12, 16, 20, 28 | 異なる概念を混同させるもの |
| Trap-D | 7, 8, 10, 11, 12, 21, 24, 28 | 表面的に類似した説明 |
| Trap-E | 11, 17, 25 | 引数(パラメータ)の順序を逆転 |
特徴: Trap-D「表面的類似」が最頻出。部分的誤りの見極め(Trap-B)も多数。
年度総括と学習優先度
分野別出題バランス
| 分野 | 問数 | 割合 | 難度 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|
| 経営戦略 | 4 | 13% | 中 | ★★★ |
| 組織論 | 13 | 43% | 高 | ★★★★ |
| 人事・労務 | 7 | 23% | 高 | ★★★★ |
| マーケティング | 6 | 20% | 中 | ★★★ |
Tier 別学習優先度
Tier 1(本番頻出 + 高難度)
- 第1問: ミンツバーグ創発的戦略 — ミンツバーグの戦略類型すべて
- 第3問: ルメルト多角化分類 — 企業成長戦略全般
- 第8問: 競争戦略(多段推論) — ポーター、業界分析
- 第17問: 変革型・交換型リーダーシップ — リーダーシップ理論全般
- 第21問: 組織ネットワーク論 — 弱い紐帯の強さ
- 第24~27問: 労働法制度 — 派遣法、育児休業、就業規則
Tier 2(中程度 + 理解必須)
- 第2問: 見えざる資産
- 第4問: PPM マトリックス
- 第5~6問: 買収戦略、取引コスト理論
- 第9問: A-U モデル(ドミナントデザイン)
- 第12問: CSR・ESG投資
- 第15問: 組織文化(E.シャイン)
Tier 3(標準的 + 基本知識)
- 第7問: ポーター5フォーズ代替品
- 第10問: 製品アーキテクチャ
- 第11問: I-R フレームワーク
- 第13問: エフェクチュエーション
- 第14問: ガルブレイス情報処理論
- 第18問: ERG理論(マズロー比較)
- 第22問: ダブルループ学習
- 第28~30問: マーケティング・ブランド戦略
本番セルフチェック 5項目
試験当日、見直し時間に確認すべき項目:
- 定義の逆転チェック(Trap-A対策)
- 「企業が~である」と「企業が~ではない」の区別が正確か
- ミンツバーグ、買収戦略、エフェクチュエーションで頻出
- 複雑な因果関係の妥当性(Trap-D対策)
- 「A→B」か「B→A」かが逆転していないか
- 賃貸業界、ネットワーク論で多発
- 法制度の正確な理解(Tier 1 対策)
- 派遣期間3年、育児休業、就業規則変更の要件をそれぞれ確認
- 選択肢の法律用語が正確か
- 数値計算ミス(第3問, 第4問 対策)
- 多角化分類の専門化率 95%閾値を確認
- PPM各象限の判定ロジックを再確認
- 複合判定の論理チェーン(L2形式対策)
- 複数条件が全て満たされているか(AND論理)
- いずれか1つだけで十分な場合(OR論理)の区別
分類タグの凡例
K: 知識種類
| タグ | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| K1定義 | 概念・理論の定義 | ミンツバーグの創発的戦略、見えざる資産 |
| K2分類 | 体系的分類・カテゴライズ | ルメルト多角化分類、組織ライフサイクル |
| K3数式 | 計算・数値公式 | PPMシェア計算、投資利益率 |
| K4因果 | メカニズム・因果関係 | 取引コスト理論、紛争対処法則 |
| K5制度 | 法律・制度・基準 | 労働派遣法、育児休業法、就業規則 |
T: 思考法(問題解法プロセス)
| タグ | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| T1正誤 | 正しい説明を選ぶ / 誤りを指摘 | 各問の選択肢を一つずつ検証 |
| T2分類 | 複数の概念から正しい分類を判定 | 企業をポジショニングマップに配置 |
| T3計算 | 数値計算を実行 | 専門化率、シェア計算 |
| T4因果 | 複数段階の論理推論が必要 | 「A→B→C」という連鎖が妥当か判定 |
| T5場合 | 複数の条件分岐を整理 | (本年度は出題なし) |
L: 形式層(複雑さレベル)
| レベル | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| L1 | 単一判定 | 「この定義は正しいか」(1つの概念のみ) |
| L2 | 複合判定 | 「AかつBが成立するか」(複数概念の組み合わせ) |
| L3 | 計算・計測 | 数値計算 + 判定 |
| L4 | 多段推論 | 「X→Y→Z」という複数段階の論理チェーン |
Trap: 誤答罠パターン
| パターン | 説明 | 対策 |
|---|---|---|
| Trap-A | 定義の逆転 | 「~である」と「~ではない」を明確に区別 |
| Trap-B | 部分的誤り | 前半は正しいが後半が誤りの選択肢を検出 |
| Trap-C | 概念混同 | 似た用語を混同させた説明を除外 |
| Trap-D | 表面的類似 | 一見まともに見えるが本質が異なる説明 |
| Trap-E | 引数順序 | パラメータ(原因・結果)の順序が逆転 |
分類タグ凡例
| タグ | 意味 |
|---|---|
| K1 定義・用語 | 用語の正確な意味を問う |
| K2 グラフ形状 | グラフの読み取り・形状判断 |
| K3 数式・公式 | 公式の適用・計算 |
| K4 因果メカニズム | 原因→結果の論理連鎖 |
| K5 制度・データ | 法制度・統計データの知識 |
| T1 正誤判定 | 選択肢の正誤を判定 |
| T2 グラフ読解 | グラフから情報を読み取る |
| T3 計算実行 | 数値計算を実行 |
| T4 因果推論 | 因果関係を推論 |
| T5 場合分け | 条件による場合分け |
| L1 基礎 | 基本知識で解ける |
| L2 応用 | 知識の組み合わせが必要 |
| L3 高度 | 複数ステップの推論が必要 |
| L4 最難度 | 高度な分析力が必要 |
| Trap 逆方向誘発 | 因果の向きを逆に誘導 |
| Trap 混同誘発 | 類似概念を混同させる |
| Trap 部分正解 | 部分的に正しい選択肢で誘導 |
| Trap 条件すり替え | 前提条件を変えて誘導 |
| Trap 計算ミス | 計算過程での間違いを誘発 |
関連ページ
本解説で参照した wiki 記事(wiki 構造:/business-management-theory/knowledge-*)
作成日: 2024年7月 対象試験: 令和6年度(2024)中小企業診断士第1次試験 科目: 企業経営理論(全30問) 精度検証: 全30問解説+分類タグ完備+罠パターン分析
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