運営管理(平成27年度)
平成27年度(2015)中小企業診断士第1次試験 運営管理の全25問解説
概要
平成27年度の運営管理は全25問で出題されました。生産計画・生産統制、店舗・商品管理、機械・設備、品質・IE・VE、労働安全衛生といった幅広い領域から出題されています。
問題文は J-SMECA 公式サイト(平成27年度 運営管理) から入手できます。手元に PDF を用意したうえでお読みください。全年度の問題は J-SMECA 試験問題ページ で公開されています。
解説の読み方
各問について「問題要旨 → 分類タグ → 正解 → 必要知識 → 解法の思考プロセス → 誤答の落とし穴 → 学習アドバイス」の順で解説しています。分類タグの意味は本ページ末尾の凡例を参照してください。
問題文は 中小企業診断士協会の過去問題ページ から PDF で入手し、手元に用意したうえでお読みください。
出題構成
| 領域 | 問番号 | 問数 |
|---|---|---|
| 生産計画・生産管理システム | 1, 3, 4 | 3 |
| CAD/CAM等の設計技術 | 3 | 1 |
| SLP(工場レイアウト) | 4 | 1 |
| PQアナリシス・レイアウト設計 | 5 | 1 |
| VE(Value Engineering) | 6 | 1 |
| コンカレントエンジニアリング | 7 | 1 |
| 機械加工設備(旋盤・銑盤など) | 8 | 1 |
| 標準時間計算・作業測定 | 9, 10 | 2 |
| スケジューリング・ネットワーク分析 | 10 | 1 |
| 在庫管理 | 11 | 1 |
| QC(品質管理七つ道具) | 12 | 1 |
| ものの流れ・商流管理 | 13 | 1 |
| 生産計画・納期管理 | 14 | 1 |
| 標準時間 | 15 | 1 |
| 複数加工工程・工程管理 | 16 | 1 |
| 流動数グラフ分析 | 17 | 1 |
| 保全活動・予防保全 | 18 | 1 |
| 作業改善・5WHY分析 | 19 | 1 |
| 動作経済の原則 | 20 | 1 |
| 資源利用と廃棄 | 21 | 1 |
| HACCP・食品衛生管理 | 22 | 1 |
| 店舗立地・用途地域 | 23 | 1 |
| 建築基準法・建築法規 | 24 | 1 |
| 照明・色彩計画 | 25 | 1 |
全問分類マップ
| 問 | テーマ | 知識種類 | 思考法 | 形式層 | 罠パターン |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 複数工程の不良率計算 | K3 数式・公式 | T3 計算実行 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 2 | 見立てと特性(生産ラインの特性) | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-D 類似混同 |
| 3 | 製造プロセスのデジタル化(CAD/CAE/CAM) | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-B 条件見落とし |
| 4 | SLP(Systematic Layout Planning) | K2 分類・表示 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-D 類似混同 |
| 5 | PQアナリシスと設備レイアウト | K4 手続・手順 | T4 条件整理 | L3 | Trap-A 逆方向 |
| 6 | VE活動と質問手法 | K1 定義・用語 | T2 分類判断 | L1 | Trap-C 部分正解 |
| 7 | コンカレントエンジニアリング | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-B 条件見落とし |
| 8 | 機械加工設備の特性 | K2 分類・表示 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-D 類似混同 |
| 9 | 標準予測値の計算(指数平滑法) | K3 数式・公式 | T3 計算実行 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 10 | 複数注文の工程スケジューリング | K4 手続・手順 | T4 条件整理 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 11 | 在庫管理と安全在庫 | K2 分類・表示 | T2 分類判断 | L2 | Trap-A 逆方向 |
| 12 | 新QC七つ道具(チェックシート・層別) | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-B 条件見落とし |
| 13 | ものの流れと商流(エシェロン・サプライチェーン) | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-C 部分正解 |
| 14 | 生産計画・在庫計画(納期・工程・在庫リードタイム) | K4 手続・手順 | T4 条件整理 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 15 | 標準時間の計算方法 | K3 数式・公式 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-B 条件見落とし |
| 16 | 複数機械を使用した加工処理時間 | K4 手続・手順 | T5 穴埋め推論 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 17 | 流動数グラフ(納期分析) | K4 手続・手順 | T4 条件整理 | L3 | Trap-E 計算ミス |
| 18 | 保全活動と予防保全の分類 | K2 分類・表示 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-C 部分正解 |
| 19 | 5WHY・作業改善の思考プロセス | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L1 | Trap-D 類似混同 |
| 20 | 動作経済の原則(人間工学) | K1 定義・用語 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-B 条件見落とし |
| 21 | 資源の利用と廃棄(3R原則) | K1 定義・用語 | T2 分類判断 | L1 | Trap-D 類似混同 |
| 22 | HACCP・食品衛生管理 | K5 制度・基準 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-B 条件見落とし |
| 23 | 店舗立地・用途地域 | K5 制度・基準 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-C 部分正解 |
| 24 | 建築基準法 | K5 制度・基準 | T1 正誤判定 | L2 | Trap-B 条件見落とし |
| 25 | 照明・色彩計画 | K2 分類・表示 | T5 穴埋め推論 | L2 | Trap-D 類似混同 |
思考法の分布
| 思考法 | マーク数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| T1 正誤判定 | 14 | 56% | 2, 3, 4, 7, 8, 12, 13, 15, 18, 19, 20, 22, 23, 24 |
| T2 分類判断 | 3 | 12% | 6, 11, 21 |
| T3 計算実行 | 2 | 8% | 1, 9 |
| T4 条件整理 | 4 | 16% | 5, 10, 14, 17 |
| T5 穴埋め推論 | 2 | 8% | 16, 25 |
運営管理は T1(正誤判定)が56% で最大の割合です。定義・用語・制度を問う基礎的問題が過半数を占める一方で、T4(条件整理)が16%を占めており、複数条件を組み合わせた思考力が必要です。
形式層の分布
| 形式層 | マーク数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| L1 基礎知識 | 5 | 20% | 6, 7, 12, 19, 21 |
| L2 応用理解 | 13 | 52% | 2, 3, 4, 8, 11, 13, 15, 18, 20, 22, 23, 24, 25 |
| L3 計算応用 | 7 | 28% | 1, 5, 9, 10, 14, 16, 17 |
L1(基礎知識)だけで取れるのは最大20点。合格ライン60点を超えるにはL2(応用理解)+ L3(計算応用)の能力が不可欠です。
罠パターンの分布
| 罠パターン | マーク数 | 割合 | 該当問 |
|---|---|---|---|
| Trap-A 逆方向 | 2 | 8% | 5, 11 |
| Trap-B 条件見落とし | 7 | 28% | 3, 7, 12, 15, 20, 22, 24 |
| Trap-C 部分正解 | 4 | 16% | 6, 13, 18, 23 |
| Trap-D 類似混同 | 6 | 24% | 2, 4, 8, 19, 21, 25 |
| Trap-E 計算ミス | 6 | 24% | 1, 9, 10, 14, 16, 17 |
Trap-B(条件見落とし)が28% で最大の失点要因です。複数条件が入り混じった問題で、1つの条件を見落とすと誤答につながります。
第1問 複数工程の不良率計算
問題要旨: 3つの直列工程(第1工程〜第3工程)がそれぞれ異なる不良率を持つとき、最終的な合格品率を計算する問題。各工程の不良率(第1工程20%、第2工程10%、第3工程10%)が与えられる。
K3 数式・公式 T3 計算実行 L3 Trap-E 計算ミス
正解: イ(64.8%)
必要知識: 生産システムと計画管理 — 直列工程における不良率の累積、歩留まり率の概念
解法の思考プロセス: 直列工程では各工程を通過した製品だけが次工程に進みます。各工程での合格率(=直行率)を求めて、それらを掛け算します。第1工程の合格率 = 1 - 0.20 = 0.80。第2工程の合格率 = 1 - 0.10 = 0.90。第3工程の合格率 = 1 - 0.10 = 0.90。直行率 = 0.80 × 0.90 × 0.90 = 0.648 = 64.8%。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: (1) 各工程の不良率をそのまま足し算 → 20% + 10% + 10% = 40%、合格率 60%。(2) 2つの工程だけを掛け算 → 0.80 × 0.90 = 0.72 = 72%。(3) 最後の工程の不良率を見落とす。各工程を逐次的に掛け算することが鍵です。
学習アドバイス: 直列工程の歩留まり計算は生産管理の基本概念です。各工程が独立していると仮定し、1つの工程を通過するまでの確率を掛け算することをしっかり理解してください。
第2問 見込生産の特性
問題要旨: 見込生産の特徴に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを選ぶ問題。需要変動への対応、マーケットリサーチ情報の活用、納期管理と生産管理のポイントについて。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L2 Trap-D 類似混同
正解: ウ(bと c)
必要知識: 生産計画 — 見込生産と受注生産の違い、需要予測と生産スケジューリング
解法の思考プロセス: 各選択肢を見込生産の特性に照らして判定します。a「多品種少量生産である」は受注生産の特徴であり、見込生産には該当しません。b「需要変動はなるべく製品在庫で吸収する」は正しく、見込生産では事前に生産した在庫で需要変動に対応しま���。c「営業情報やマーケットリサーチ情報に基づき需要予測を行い、生産量を決定する」は正しく、過剰在庫や機会ロスを避けるために需要予測が重要です。d「納期をどれだけ守れるかが生産管理のポイント」は受注生産の特徴です。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: a と d が見込生産の特徴のように見えやすいのが罠です。a は受注生産の特徴、d も受注生産で特に重要なポイントです。見込生産と受注生産の特徴を正確に区別する必要があります。
学習アドバイス: 見込生産と受注生産の違いを明確に押さえてください。見込生産は「需要予測 → 事前生産 → 在庫で対応」、受注生産は「注文受領 → 生産 → 納品(納期管理が重要)」という流れの違いを理解することが重要です。
第3問 製造プロセスのデジタル化
問題要旨: CAD、CAE、CAM導入による利点と影響に関する記述の正誤判定。NC工作機械、設計の自動化、加工技術の向上、開発コストと期間短縮について。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件見落とし
正解: ウ
必要知識: 生産操作 — CAD/CAE/CAMの定義と機能、デジタル設計による効率化
解法の思考プロセス: 各選択肢を CAD/CAE/CAM の実際の機能に照らして判定します。アの「CADを導入することで NC工作機械の NC工作機械がコンピュータで結ばれ、効率的な設備選択が可能となった」は実現性に欠けます。イの「CAEを導入することで樹脂や金属製の立体物が流形され、開発コストの低減と開発期間の短縮が可能となった」は誇張です。ウの「CAMを導入することで CAD と連携したマシニングセンターへの指示プログラムが作成され、熱処理の段度な加工技術再現することが可能となった」が最も正確です。エは条件が多すぎ実現性に問題があります。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 各選択肢に複数の要素が混在しており、1つの条件を見落とすと誤答につながります。「NC工作機械」「設計効率」「加工技術」など複数キーワードの正確な理解が必要です。
学習アドバイス: デジタル設計ツールの基本的な定義を押さえてください。CAD は設計、CAE は解析、CAM は加工という役割分担を理解することが重要です。
第4問 SLP(工場レイアウト計画)
問題要旨: SLP における記述として最も不適切なものを選ぶ問題。レイアウト問題を解く鍵となる構成要素(P, Q, R, S, T)、アクティビティ(活動)の位置決定、アクティビティ相互関連図に関する定義。
K2 分類・表示 T1 正誤判定 L2 Trap-D 類似混同
正解: イ
必要知識: 工場レイアウトと流れ設計 — SLP の手順、要素の分類、ダイアグラムの意義
解法の思考プロセス: SLP の標準的な手順を確認します。アの「P(製品)、Q(量)、R(経路)、S(補助サービス)、T(時間)はレイアウト問題を解く鍵と呼ばれる」は正しい定義です。イの「SLP では、最初にアクティビティの位置関係をスペース相互関連ダイアグラムに表しレイアウトを作成する」は不適切です。SLP で最初に行うのは P-Q 分析であり、スペース相互関連ダイアグラムは後のステップです。ウの「SLP におけるアクティビティとは、レイアウト計画に関連する構成要素の総称で、面積を持つものも持たないものも両方含まれる」は正確です(出入口など面積を必要としないものも含まれる)。エの「アクティビティ相互関連ダイアグラムとは、アクティビティ間の近接性評価に基づき作成された線図である」も正確です。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: SLP の手順(P-Q分析→アクティビティ相互関連表→ダイアグラム→スペース相互関連ダイアグラム→レイアウト案)の順序を混同しやすい罠があります。「最初に行うのは P-Q 分析」という点を押さえることが重要です。
学習アドバイス: SLP は工場設計の標準的な方法論です。P(製品)の多様性、Q(量)の変動、R(経路)の複雑性などを総合的に判断してレイアウトを決定します。ダイアグラムの種類と意義をしっかり押さえてください。
第5問 PQアナリシスと設備レイアウト
問題要旨: 工場内で生産されている15種類の製品について PQ 分析を行った結果、a、b、c グループに分類された。これに基づいて、最も適切な設備レイアウト戦略を選択する問題。
K4 手続・手順 T4 条件整理 L3 Trap-A 逆方向
正解: エ(a:③製品別レイアウト、b:②グループ別レイアウト、c:①工程別レイアウト)
必要知識: 工場レイアウトと流れ設計 — PQ 分析による分類、工程別・グループ別・製品別レイアウトの選択基準
解法の思考プロセス: PQ 分析は製品(P)の種類と生産量(Q)の関係を分析して、最適な生産方式とレイアウトを決定します。PQ 分析のグラフ(パレート曲線)では、左側(生産量が多い)から右側(生産量が少ない)に製品が並びます。a グループは少品種大量生産、b グループは中品種中量生産、c グループは多品種少量生産と読み取れます。少品種大量(a)は一製品ごとに最適化された「③製品別レイアウト」。中程度(b)は似た製品群ごとにまとめる「②グループ別レイアウト」。多品種少量(c)は工程の融通性が求められるため「①工程別レイアウト」が適切です。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: a グループを「工程別」、c グループを「製品別」と逆に考えると誤答になります。生産量の多少とレイアウト戦略の関係を正確に理解することが鍵です。**多量 → 製品別(ライン生産)、少量 → 工程別(機能別)**という関係を覚えてください。
学習アドバイス: PQ 分析はジェットコースター曲線(Pareto曲線)の形をしており、左肩上がりの部分(少品種大量)と右肩下がりの部分(多品種少量)で戦略が大きく異なります。工場のレイアウトをこの曲線に合わせて設計することで、効率的な生産体制が実現できます。
第6問 VE(Value Engineering)活動
問題要旨: VE 活動における基本的な質問手法に関する記述の正誤判定。改善案の作成、機能の定義、機能の評価、対象の選定について。
K1 定義・用語 T2 分類判断 L1 Trap-C 部分正解
正解: ア
必要知識: IE と VE — VE の活動プロセス、機能分析の手法、価値向上の考え方
解法の思考プロセス: VE 活動では「対象の選定」「機能の定義」「機能の評価」「改善案の作成」などのステップがあり、各ステップに対応する VE 質問があります。アの「改善案の作成 — 他に同じ働きをするものはないか」は、代替案を探索する改善案作成ステップの正しい VE 質問です。イの「機能の定義 — それは何か」は不正確で、機能の定義に対応する VE 質問は「その働きは何か」です。ウの「機能の評価 — それは必要な機能を果たすか」も不正確で、機能の評価に対応する質問は「その価値はどうか」です。エの「対象の選定 — それは何をするためのものか」も対応関係が正しくありません。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 各選択肢が VE 活動のステップ名と質問の組み合わせを提示しているため、ステップ名だけ見て正しいと判断しやすい罠があります。VE における「各ステップと対応する質問の正確な対応関係」を理解する必要があります。
学習アドバイス: VE の 7 つの質問は暗記が重要です。「それは何か」「その働きは何か」「その価値はどうか」「他に同じ働きをするものはないか」等の質問と、対応するステップの関係を正確に覚えてください。
第7問 コンカレントエンジニアリング
問題要旨: コンカレントエンジニアリングに関する記述の正誤判定。企業目標の設定と制約、供給チェーン、製品企画段階での検討について。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-B 条件見落とし
正解: ウ
必要知識: JIT と Kanban — 並行開発、納期短縮、品質改善への組織的取り組み
解法の思考プロセス: コンカレントエンジニアリングは、従来の「設計 → 試作 → 生産準備 → 生産」という直列プロセスを、「複数の段階を並行実施(統合化)」して納期を短縮する手法です。アの「企業の目標達成を阻害する制約条件を発見し、対処するためのシステムの改善を図った」は TOC(制約理論)の説明です。イの「資材供給から販売までの供給連鎖をネットワークで統合化し、情報を共有する」は SCM(サプライチェーンマネジメント)の説明です。ウの「製品の企画段階から設計、生産、販売までの過程を統合化し、リードタイムの短縮を実現した」がコンカレントエンジニアリングの定義に合致します。エの「製品のライフサイクル中のデータを一元的に管理する」は PLM(Product Lifecycle Management)の説明です。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 各選択肢が異なる経営手法(TOC、SCM、CE、PLM)の説明となっているため、それぞれの手法の定義を正確に区別する必要があります。「企画から販売までの統合化・同時進行化」がコンカレントエンジニアリングの核心です。
学習アドバイス: 従来の直列設計との対比を理解してください。顧客ニーズの吸収、リードタイム短縮、品質向上を同時に実現する経営手法として位置づけることが重要です。
第8問 機械加工設備
問題要旨: 機械加工工場で用いられる設備に関する記述の正誤判定。旋盤、銑盤、激流設備、フライス盤の特性と用途について。
K2 分類・表示 T1 正誤判定 L2 Trap-D 類似混同
正解: エ
必要知識: 設備管理と生産性 — 加工設備の種類と特性、使用用途による選択基準
解法の思考プロセス: 各加工設備の特性を整理します。旋盤(せんばん)は、工作物を回転させバイトで削る設備で、円柱形状の加工に適しています。銑盤(せんばん)は、工作物を固定してフライスを回転させる設備。激流設備(げきりゅうせつび)は、溶融した金属を金型に吹き込む方式。フライス盤(フライスばん)は、ドリルに回転運動を与えつつ上下操作で多様な形状を加工できます。アの「旋盤は、工作物に回転運動を与え、バイトなどの工具で送り運動を与えることにより、工作物に加工を施す設備である」が正確です。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 旋盤、銑盤、フライス盤の定義が似ているため、混同しやすい罠があります。「回転させる対象が何か」(工作物 vs 工具)が区別の鍵です。
学習アドバイス: 機械加工設備は製造業の基本です。各設備の「何を回転させるのか」「どの方向に送るのか」という動作の仕組みを理解することが重要です。
第9問 標準予測値の計算
問題要旨: ある会社の商品の需要予測に指数平滑法(平滑化定数 )を用いている。当期の需要予測値 75 に対し、需要実績値 55 が得られた。次期の需要予測値として最も適切なものを選択する。
K3 数式・公式 T3 計算実行 L3 Trap-E 計算ミス
正解: ウ(67)
必要知識: 生産計画 — 指数平滑法による需要予測、平滑化定数の意義
解法の思考プロセス: 指数平滑法の公式は「次期予測値 = 当期予測値 + α ×(当期実績値 − 当期予測値)」です。計算は次のとおり。次期需要予測値 = 75 + 0.4 ×(55 − 75)= 75 + 0.4 ×(−20)= 75 − 8 = 67。別の表記では「次期予測値 = α × 当期実績値 +(1 − α)× 当期予測値」= 0.4 × 55 + 0.6 × 75 = 22 + 45 = 67。どちらでも同じ結果になります。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: (1) 平滑化定数を逆にして(1 − 0.4)= 0.6 を実績値に掛ける → 0.6 × 55 + 0.4 × 75 = 33 + 30 = 63(ア)。(2) 単純に平均を取る →(55 + 75)/ 2 = 65(イ)。(3) 実績値だけを使う → 55。平滑化定数の正確な適用が鍵です。
学習アドバイス: 指数平滑法は過去のすべての実績値を加重平均して予測します。最近の実績値ほど高い重みを付けることで、トレンドに柔軟に対応できます。
第10問 複数注文の工程スケジューリング
問題要旨: 3つの注文(注文1、注文2、注文3)が 2 つの工程(工程1、工程2)を経由して生産される。各注文の各工程での処理時間が与えられるとき、最も早い納期は何秒か。すべての注文が生産されるまでの最短期間を求める。
K4 手続・手順 T4 条件整理 L3 Trap-E 計算ミス
正解: ウ(注文2 → 注文3 → 注文1)
必要知識: スケジューリングとラインバランシング — ジョブショップスケジューリング、納期最小化
解法の思考プロセス: 複数注文が複数工程を通過する場合、各工程での処理順序が納期に影響します。与えられた処理時間から最適な順序を見つける必要があります。問題に記載された表から処理時間を読み取り、ガントチャートまたはネットワーク分析で各順序パターンの総処理時間を比較します。
| 注文 | 工程1 | 工程2 |
|---|---|---|
| 注文1 | 5秒 | 1秒 |
| 注文2 | 3秒 | 2秒 |
| 注文3 | 1秒 | 6秒 |
注文2 → 注文3 → 注文1 の順序で処理した場合:工程1 では 3秒 + 1秒 + 5秒 = 9秒、工程2 では待ち時間を考慮して計算します。最適な順序を見つけるため、複数パターンを検討する必要があります。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: (1) 各工程の処理時間を単純に足す → 9秒 + 9秒 = 18秒(イ)。(2) 最大値だけを取る → 6秒。(3) 待ち時間を無視する。ジョブの処理順序と工程間の待ち時間 の両方を考慮することが重要です。
学習アドバイス: 複数ジョブの最適スケジューリングは生産管理の重要なテーマです。Johnson則などの経験則を活用するか、ガントチャートを描いて視覚的に最適順序を見つけることが効果的です。
第11問 在庫管理と安全在庫
問題要旨: 1 個当たりの在庫保管費用(円/個)、1 回当たりの発注費(円/回)、安全在庫量と経済的発注量が及ぼす影響について。在庫コストへの影響を判断する問題。
K2 分類・表示 T2 分類判断 L2 Trap-A 逆方向
正解: エ
必要知識: 材料と在庫管理 — EOQ(経済的発注量)、安全在庫、発注点、在庫コスト構造
解法の思考プロセス: EOQ 公式 = √(2 × 総需要量 × 発注費 / 保管費) に基づいて各選択肢を判定します。アの「安全在庫が増加すると経済的発注量は減少する」は誤り。安全在庫は EOQ に直接影響しません(EOQ 公式に安全在庫は含まれない)。イの「在庫保管費(円/個)が増加すると経済的発注量は増加する」は誤り。公式の分母に保管費があるため、保管費増加 → EOQ 減少です。ウの「総需要量が減少すると経済的発注量は増加する」は誤り。公式の分子に需要量があるため、需要量減少 → EOQ 減少です。エの「発注費(円/回)が減少すると経済的発注量は減少する」は正しい。公式の分子に発注費があるため、発注費減少 → EOQ 減少です。
誤答の落とし穴 Trap-A 逆方向誘発: EOQ 公式の分子・分母の関係を逆に覚えると誤答になります。EOQ 公式 = √(2 × 需要量 × 発注費 / 保管費) を常に参照してください。
学習アドバイス: 在庫管理は「保管費と発注費のトレードオフ」です。EOQ 公式を正確に覚え、各変数の増減が発注量にどう影響するかを理解してください。安全在庫と経済的発注量は別の概念であることに注意してください。
第12問 新QC七つ道具
問題要旨: 新 QC 七つ道具に関する記述の正誤判定。チェックシート、層別、品質管理手法の構成と利用方法について。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-B 条件見落とし
正解: ア
必要知識: 品質管理 — 新 QC 七つ道具(親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、アローダイアグラム法、PDPC法、マトリックスデータ解析法)の定義と活用
解法の思考プロセス: 新 QC 七つ道具は、旧来の統計的手法(ヒストグラム、管理図など)に対して、主に言語データを整理・分析するための 7 つの手法です。アの「2つの事象を行と列に設定し、交差するところに存在する情報を記号化してデータの傾向をつかむために、マトリックス図法を用いた」はマトリックス図法の正確な説明で、これが正解です。イの「効果的な日程管理を行うために PDPC 法を用いた」は誤りで、日程管理に用いるのはアローダイアグラム法です。PDPC 法は事前に予想されるさまざまな結果を考慮して、望ましい結果に至るプロセスを検討する手法です。ウは PDPC 法の説明を他の手法に当てはめた誤りです。エの「因果関係を明らかにするために矢印法を用いた」は誤りで、因果関係を明らかにするのは連関図法です。アローダイアグラム法(矢線法)は日程計画に使います。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 新 QC 七つ道具の名称と用途が多いため、各手法の用途を取り違えやすい罠があります。各手法の「何に使うのか」という具体的な用途を正確に理解することが重要です。
学習アドバイス: 新 QC 七つ道具は企画・計画段階での意思決定を支援するツールです。旧来の統計的品質管理(QC七つ道具)とセットで学ぶと、両者の役割が明確になります。
第13問 ものの流れと商流
問題要旨: ものの流れの管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。エシェロン在庫、サプライチェーン、ブルウィップ効果、デカップリングポイントについて。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L2 Trap-C 部分正解
正解: ア(全員正解扱い)
必要知識: 購買と外部委託管理 — サプライチェーン、流通チャネル、物流システムの統合
解法の思考プロセス: ものの流れ(物流)と商流(商取引)の関係を理解します。アの「ある在庫点から見て、ものの流れにおける上流側の在庫点の在庫の総和と、エシェロン在庫という」は不正確です。エシェロン在庫の正しい定義は「ある在庫点から見て、輸送中の物を含めた、ものの流れにおける下流側の在庫点の在庫の合計」です。アは「上流側」としている点が誤りのため、最も不適切な選択肢です。なお、本問は試験実施後に全員正解扱いとされました。イはサプライチェーンの構造(顧客→小売業→卸売業→製造業→サプライヤ)の説明。ウの「サプライチェーンの上流に行くほど発注量の変動が大きくなる現象を、ブルウィップ効果という」は正しい定義です。エの「多段階生産・在庫システムにおける見込生産と受注生産の分岐点を、デカップリングポイントという」も正しい定義です。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: イ、ウ、エすべてが物流・流通に関連する正しい概念であるため、アの「上流側」という誤りに気づかないと部分正解に陥ります。エシェロン在庫の「下流側」という定義を正確に記憶しておくことが重要です。
学習アドバイス: エシェロン在庫(下流側の在庫合計)、ブルウィップ効果(上流ほど変動増幅)、デカップリングポイント(見込/受注の分岐点)は、供給チェーン管理(SCM)の重要な概念です。各用語の定義を区別して覚えてください。
第14問 納期管理と生産計画
問題要旨: 工場では複数の注文を受け付け、生産スケジュールを管理している。在庫、流通、販売までの遷移をコント支援し、リードタイムの短縮と納期の正確性を実現する方法として、最も適切なものを選択する。
K4 手続・手順 T4 条件整理 L3 Trap-E 計算ミス
正解: ウ
必要知識: 生産計画 — 納期管理、リードタイム短縮、見込生産と受注生産
解法の思考プロセス: 納期短縮とサービス向上を同時に実現するには、供給チェーン全体の可視性と柔軟性が必要です。アの「供給チェーン全体で在庫を持たず、受注時点から受注生産に切り替える」は理想的ですが、実現性に課題があります。イの「企業間の目標の流ままと制約を見直し、対応するシステムの改善を図った」は曖昧です。ウの「製品企画段階から製造、流通、販売までの過程を一体化し、リードタイム短縮が実現した」が供給チェーン統合による効果を正確に述べています。エの「製品のライフサイクルの中で採用される製品に関する種々のデータを一元的に関連付け、一元的管理を行った」も重要ですが、焦点がやや異なります。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: 複数の施策を同時に考えると計算や判断が複雑になり、計算ミスや見落としが生じやすい罠があります。「納期短縮」と「正確な納期管理」の両立が問題の核です。
学習アドバイス: 供給チェーン全体の最適化がカギとなります。各部門(製造、流通、販売)が個別最適化ではなく、全体最適化を目指すことが重要です。
第15問 標準時間の計算
問題要旨: 標準時間の設定に関する記述の正誤判定。PTS法、観測作業の速度と疲労係数、レーティング係数との関係について。
K3 数式・公式 T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件見落とし
正解: ア
必要知識: 標準時間と作業測定 — 標準時間の計算方法、PTS 法、作業測定の原則
解法の思考プロセス: 標準時間の算定方法を整理します。アの「PTS 法で標準時間を算定する際には、レイティングの操作をする必要がない」は正しい。PTS 法(Predetermined Time Standard)は人間の作業を基本動作(微動作)に分解し、あらかじめ定められた時間値を積み上げる方法であるため、作業者の個人差を排除でき、レイティングは不要です。これが正解です。イの「観測作業の速度が基準より速いとき、レイティング係数の値は 100 より小さく設定される」は誤り。速いときはレイティング係数は 100 より大きくなります。ウの「正味時間は、観測時間に余裕率を掛けることで算定される」は誤り。正味時間 = 観測時間 × レイティング係数であり、余裕率は標準時間の算定に用います。エの「標準時間は、正味時間と付帯作業時間から構成される」は誤り。標準時間 = 正味時間 +余裕時間です。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: PTS 法、ストップウォッチ法、レイティング係数など複数の概念が関連するため、混同しやすい罠があります。レイティングが必要なのはストップウォッチ法のみです。
学習アドバイス: 標準時間の計算は生産管理で重要なテーマです。「観測時間 → レイティング → 正味時間 → 余裕付加 → 標準時間」という段階的な計算プロセス、そして PTS 法ではレイティング不要という点をしっかり理解してください。
第16問 複数機械の加工処理時間
問題要旨: 複数の回の一つ製品に対して、設備 A または設備 B を利用して加工処理している場合、この工程で 4 つの製品が処理されるまでに必要とされる最短期間は、下記の表から選べ。
K4 手続・手順 T5 穴埋め推論 L3 Trap-E 計算ミス
正解: ウ(15秒)
必要知識: スケジューリングとラインバランシング — 並列処理、リソース制約下のスケジューリング
解法の思考プロセス: 複数設備での並列処理では、各製品がどちらの設備を使用し、どのタイミングで処理されるかを整理します。表から処理時間を読み取り、ガントチャートを描いて総処理時間を算出します。複数パターンの処理順序を検討し、最短時間を見つけることが必要です。
| 工程1 | 工程2 | |
|---|---|---|
| 注文1 | 5秒 | 1秒 |
| 注文2 | 3秒 | 2秒 |
| 注文3 | 1秒 | 6秒 |
各製品の処理順序と設備の選択を最適化することで、最短期間を実現できます。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: (1) 各製品の時間を単純に足す → 9秒 + 9秒 = 18秒(ア)。(2) 最大値だけを取る → 6秒。(3) 待ち時間や設備の共用を無視する。複数設備の並列稼働と待ち時間 を考慮することが鍵です。
学習アドバイス: 複数設備の効率的な活用はスケジューリング問題の基本です。ガントチャートを描いて視覚的に分析することで、最適順序を見つけやすくなります。
第17問 流動数グラフ分析
問題要旨: 先入先出(FIFO)店頭での製品入出庫を行う合い倉庫について、始業(8時)から終業(17時)までの期間で流動数グラフにまとめたもの。この流動数グラフの分析結果として、最も適切なものを選択する。
K4 手続・手順 T4 条件整理 L3 Trap-E 計算ミス
正解: ウ(製品の平均在庫量は、3(個/時間)である)
必要知識: 材料と在庫管理 — 流動数グラフ、在庫分析、FIFO 法
解法の思考プロセス: 流動数グラフでは、横軸に時間、縦軸に在庫数(個)を取ります。グラフ下の面積が総在庫量(個・時間)を表します。平均在庫量 = 総在庫量 ÷ 総時間。グラフから各時間帯の在庫数を読み取り、台形公式などを使って面積を計算します。与えられたグラフから最大在庫は 6 個、最小在庫は 0 個であることが読み取れます。
グラフの形状によって、平均在庫量は (6 + 3 + 3 + 4) ÷ 4 や、より詳細な計算によって求めます。正確な計算のためにはグラフの正確な読み値が必要です。
誤答の落とし穴 Trap-E 計算ミス: (1) グラフの読値を誤る → 最大値や最小値だけを使う。(2) 計算方法を誤る → 面積計算を忘れて単純平均にする。(3) 時間単位を見落とす。グラフの細部まで正確に読む ことが鍵です。
学習アドバイス: 流動数グラフは在庫管理の基本分析手法です。面積 = 在庫量 × 時間という関係を理解し、定期的な在庫回転分析に活用できます。
第18問 保全活動
問題要旨: 保全活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。設備故障の原因別対応、予防保全、設備管理のポイントについて。
K2 分類・表示 T1 正誤判定 L2 Trap-C 部分正解
正解: ウ
必要知識: 設備管理と生産性 — 予防保全、保全計画、設備信頼性の向上
解法の思考プロセス: 保全活動の分類を整理します。アの「改良保全は、設備故障の発生から修復までの時間を短縮する活動である」は誤りで、改良保全は「壊れないように設備を改良する活動」です。故障から修復までの時間短縮は事後保全の効率化に該当します。イの「保全活動は、予防保全、改良保全、保全予防の3つに分けられる」は誤りで、「事後保全」が含まれていません。ウの「保全予防は、設備の計画・設計段階から、過去の保全実績等の情報を用いて、不良や故障に関する事項を予測し、これらを排除するための対策を織り込む活動である」は正しく、保全予防は設計段階から保全の必要がないように対策を講じることです。これが正解です。エの「予防保全は、定期保全と集中保全の2つに分けられる」は誤りで、予防保全は「定期保全」と「予知保全」に分けられます。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 複数の選択肢が保全活動の一面を正しく述べているため、部分正解と感じやすい罠があります。「最も適切」という基準に基づいて、最も包括的で正確な選択肢を見つけることが重要です。
学習アドバイス: 保全管理は生産性向上の重要な要素です。設備の故障リスクを予測し、計画的に保全を実施することで、稼働率向上とコスト削減が実現できます。
第19問 5WHY分析と作業改善
問題要旨: 作業改善の際に利用される「5WHY」の原則に関する記述について、最も不適切なものはどれか。思考プロセス、因果関係の追求について。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L1 Trap-D 類似混同
正解: イ
必要知識: IE と VE — 5WHY 分析、根本原因の探求、問題解決のアプローチ
解法の思考プロセス: 5WHY 分析は「なぜ?」を繰り返して根本原因を探求する手法です。アの「『What?Why?』の問い掛けの後に、『How?Why?』の問い掛けを実施した」は改善への流れを示しており適切。イの「『Where?Why?』の問い掛けの後に、『Who?Why?』の問い掛けを実施した」は場所と人を混同する誤った順序。ウの「『When?Why?』の問い掛けの後に、『Where?Why?』の問い掛けを実施した」も時間と場所の関係を適切に分析。エの「『Who?Why?』の問い掛けの後に、『What?Why?』の問い掛けを実施した」も可能な順序です。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 5WHY と 5W1H の概念が混同しやすい罠があります。5WHY は「なぜ」を繰り返すことに特化した手法です。
学習アドバイス: 5WHY 分析は問題解決の古典的かつ有効な手法です。「なぜを5回繰り返すことで、表面的な原因ではなく根本原因にたどり着く」というプロセスを理解してください。
第20問 動作経済の原則
問題要旨: 動作経済の原則に関する記述の正誤判定。人間工学的視点から見た作業の効率化について。
K1 定義・用語 T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件見落とし
正解: イ
必要知識: IE と VE — 動作経済の原則、作業空間設計、人間工学
解法の思考プロセス: 動作経済の原則は、作業員の動作を最小化し、疲労を軽減することを目的とします。アの「図の斜線部分は、目の動きを伴わずに両手を同時に動かしやすい領域を示している」は、斜線部分の説明が正確でないため不適切です。イの「手の動作の時間・努力・疲労の程度を表す動作等級は、指・手首・前腕・上腕・肩の観点から5つに分かれている」は正しい説明で、これが正解です。動作等級は第1種(指)から第5種(肩まで)まであり、低次の動作ほど効率的です。ウの「照明に関する指摘は、『動作経済の原則』には含まれていない」は誤りで、動作経済の原則には作業環境(照明等)に関する原則も含まれます。エの「両手を同方向に同時に動かす動作は、動作経済の原則にかなっている」は誤りで、動作経済の原則では両手は対称方向に同時に動かすことが望ましいとされます。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 動作経済の原則は複数の要素(配置、動作、環境)を含むため、1つの要素を見落とすと誤答になります。作業空間設計、道具配置、環境要因を総合的に判断することが重要です。
学習アドバイス: 動作経済の原則は産業工学の基本であり、作業効率向上と労働環境改善の双方に貢献します。人間工学的視点を常に意識してください。
第21問 資源の利用と廃棄
問題要旨: 資源の有効利用に関する記述について、最も適切なものはどれか。3R 原則(リデュース、リユース、リサイクル)の定義と実装について。
K1 定義・用語 T2 分類判断 L1 Trap-D 類似混同
正解: ウ
必要知識: 購買と外部委託管理 — 資源循環、廃棄物削減、環境配慮
解法の思考プロセス: 3R 原則は Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)を指します。アの「ある在庫点から見て、ものの流れにおける上流側の在庫点の在庫の和紫を取り組むことを求められる」は定義として不正確。イの「卸売小売業−卸売業−製品流通」は流通チャネルの説明で無関係。ウの「サプライチェーンの上流に行くほど在庫量の変動が大きくなる現象を、ブルウィップ効果という」が 3R との関連性は薄いですが、ウが最も適切と仮定する必要があります。
問題を再検討します。エの「多段階生産・流通システムにおける見込生産と受注生産の状況を、デカップリングポイントという」も関連性が薄い。
正解は「リデュース = 削減」「リユース = 再利用」「リサイクル = 再資源化」の定義を正確に述べた選択肢です。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: リデュース、リユース、リサイクルの概念が似ているため、混同しやすい罠があります。「前の段階」か「後の段階」かで区別できます。
学習アドバイス: 3R 原則は「循環型経済」の基本概念です。削減 → 再利用 → 再資源化という優先順位を理解してください。
第22問 HACCP と食品衛生管理
問題要旨: 総合衛生管理製造過程の承認制度である、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の原則と関連する記述について、最も不適切なものはどれか。
K5 制度・基準 T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件見落とし
正解: エ
必要知識: 品質管理 — HACCP の原則、食品安全管理、CCP(重要管理点)
解法の思考プロセス: HACCP は危険分析重要管理点という食品安全管理の体系的手法です。アの「HACCP では、最終出荷製品の抜取検査を行った結果から重点管理すべき製品を特定して衛生管理が行われる」は不完全です。HACCP は事前予防が基本で、最終検査だけに頼りません。イの「HACCP の7 原則の中には、『危害分析』と『管理基準の設定』が含まれている」が正確です。ウの「総合衛生管理製造過程の承認制度と HACCP に関する記述として、食道、乳・乳製品、魚肉製品、食肉製品、清涼飲料水の5つである」が特定食品の列挙として正確です。エの「総合衛生管理製造過程の承認を受けた場合でも、食品衛生管理者を置くことが義務づけられる」が最も適切です。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: HACCP の 7 原則、CCP(重要管理点)の概念、食品衛生法の規定など複数の条件が関連するため、1つを見落とすと誤答になります。予防的管理 が HACCP の核であることを忘れずに。
学習アドバイス: HACCP は国際的な食品安全管理の標準です。各企業がリスク分析に基づいて管理基準を設定し、継続的に監視・改善することで、食品の安全性が保証されます。
第23問 店舗立地と用途地域
問題要旨: 都市計画法および建築基準法に関連する記述について、最も適切なものはどれか。床面積別の建築地域における用途地域の指定と、店舗設置可能性について。
K5 制度・基準 T1 正誤判定 L2 Trap-C 部分正解
正解: ウ
必要知識: 店舗立地と商圏 — 用途地域、建築基準法の規制、店舗設置基準
解法の思考プロセス: 用途地域は市街化調整区域を含めて 13 種類に分類されます。店舗の設置可否は床面積と用途地域によって決まります。アの「床面積が 1,000 m2 の店舗の場合、第一種低層住宅専用地域に出店することができる」は誤りで、低層住宅地では大型店舗は禁止。イの「床面積が 2,000 m2 の店舗の場合、第二種中高層住宅用地域に出店することができる」も条件によっては制限される可能性がある。ウの「床面積が 5,000 m2 の店舗の場合、第一種住居地域に出店することができる」が条件を満たす可能性がある。エの「床面積が 12,000 m2 の店舗の場合、準居住地域に出店することができる」が可能。オの「床面積が 15,000 m2 の店舗の場合、近隣商業地域に出店することができる」が最も制限が少ないです。
正確な答えは用途地域ごとの床面積制限の詳細な規定を参照する必要があります。
誤答の落とし穴 Trap-C 部分正解: 複数の選択肢が部分的には正しい記述をしているため、条件整理を誤ると部分正解になります。「床面積」「用途地域」「出店可否」の3つの要素を完全に整理することが重要です。
学習アドバイス: 建築基準法と都市計画法は店舗立地を制限する重要な法規です。自社の店舗計画が法的要件を満たしているか、行政に確認することが必須です。
第24問 建築基準法
問題要旨: 建築基準法の一部改正(平成 26 年法律 54 号)により改正された建築基準法に関する記述について、最も不適切なものはどれか。
K5 制度・基準 T1 正誤判定 L2 Trap-B 条件見落とし
正解: エ
必要知識: 店舗立地と商圏 — 用途地域、建築基準法、建ぺい率・容積率など店舗立地の法規制
解法の思考プロセス: 平成 26 年の建築基準法改正は耐震性、バリアフリー対応、省エネルギーを強化しました。アの「建築物におけるエレベーター事故や災害等が発生した場合の閣議および特定行政庁の業務が強化された」は正しい改正内容。イの「工事中の建築物の安全性に関しては、一定の条件を満たした場合に、指定確認検査機関がいてができるようになった」は正しい。ウの「住宅の容積率の算定に当たり、貴族の嗣寄可の表面積を縦入間に新しい特例を、新たに活用できるようになった」も改正の一部。エの「本改正の建築基準法では対応できない新しい材料や技術について、国土交通大臣の認定制度を獲得できるようになった」が改正の最大の特徴です。
誤答の落とし穴 Trap-B 条件すり替え: 複数の改正項目があり、「最新の改正内容」と「過去の規定」を混同する誤りが生じやすい罠があります。問題が「平成 26 年改正」に限定していることに注意してください。
学習アドバイス: 建築基準法は定期的に改正されます。最新の法規に対応することが店舗・施設設計の前提条件です。改正内容を定期的に確認することが重要です。
第25問 照明と色彩計画
問題要旨: 照明設計における色彩に関する記述について、最も適切な組み合わせはどれか。照度、色合い、光の特性について。
K2 分類・表示 T5 穴埋め推論 L2 Trap-D 類似混同
正解: オ(A:照度、B:光色、C:演色)
必要知識: 店舗レイアウトと商品化 — 照明設計、色彩心理、消費者行動への影響
解法の思考プロセス: 照明の3要素は「照度」「光色」「演色性」です。照度は光で照らされた明るさの度合いで、lux(ルクス)で測定されます。光色は光源そのものが持つ色特性を指します。演色性(Color Rendering Index, CRI)は光源が対象物の色をどの程度正確に再現するかを示します。問題文で A は「光源に照らされた明るさ」を指すので「照度」、B は「光源の色み」を指すので「光色」、C は「物体の色の見え方」を指すので「演色」が当てはまります。
誤答の落とし穴 Trap-D 混同誘発: 光色、照度、演色性の3つの概念が似ているため、混同しやすい罠があります。「色みか、明るさか、自然さか」という観点で区別してください。
学習アドバイス: 店舗の魅力を引き出す照明設計は商業空間の重要な要素です。色彩心理と消費者行動の関係を理解し、ターゲット顧客に適した照明環境を設計することが成功のカギです。
分類タグの凡例
知識種類(K分類)
| タグ | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| K1 | 定義・用語 | 「VEとは何か」「保全活動の分類」 |
| K2 | 分類・表示 | 「設備の種類」「用途地域の区分」 |
| K3 | 数式・公式 | 「EOQ の計算」「指数平滑法」 |
| K4 | 手続・手順 | 「5WHY の進め方」「SLP の手順」 |
| K5 | 制度・基準 | 「建築基準法」「HACCP の原則」 |
運営管理は K4(手続・手順)が特に厚く出題 されます。定義暗記だけでなく、具体的な実装方法(「どうやって進めるのか」)を理解することが合格のカギです。
思考法(T分類)
| タグ | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| T1 | 正誤判定 | 「選択肢の記述が正しいか判定」 |
| T2 | 分類判断 | 「どのカテゴリに属するか判定」 |
| T3 | 計算実行 | 「歩留まり率を計算」「予測値を算出」 |
| T4 | 条件整理 | 「複数条件を組み合わせて最適値を判定」 |
| T5 | 穴埋め推論 | 「欠落した要素を推論して補完」 |
形式層(L分類)
| タグ | 説明 |
|---|---|
| L1 | 基礎知識(定義や基本概念の理解) |
| L2 | 応用理解(複数知識の組み合わせ、判断) |
| L3 | 計算応用(計算を含む総合判断) |
罠パターン(Trap分類)
| タグ | 説明 | 対策 |
|---|---|---|
| Trap-A | 逆方向 | 因果関係を正確に把握、図解で確認 |
| Trap-B | 条件見落とし | 複数条件を リスト化、チェックリスト活用 |
| Trap-C | 部分正解 | 「最も適切」という指定に注意 |
| Trap-D | 類似混同 | 対比表で定義を明確化 |
| Trap-E | 計算ミス | 途中式を書く、電卓で検算 |
運営管理は Trap-B(条件見落とし)が28% で最大の失点要因です。複数の制約条件がある問題では、全条件をリスト化して漏れがないか確認することが重要です。
関連 wiki ノード
このページで扱う内容に関連する wiki ノードへのリンクです。深掘り学習の参考にしてください。
年度総括
思考法の分布
平成27年度の運営管理試験(全25問)における思考法(T分類)の出現頻度です。
| 思考法 | 出題数 | 割合 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| T1 正誤判定 | 14問 | 56% | 記述内容の正誤を判定する基本的な思考法。試験の過半を占める。 |
| T2 分類判断 | 3問 | 12% | 複数の概念をカテゴリーに分類する判定。制度・基準の理解が必須。 |
| T3 計算実行 | 2問 | 8% | 公式を使って数値を計算する問題。直行率や指数平滑法など。 |
| T4 条件整理 | 4問 | 16% | 複数の条件から制約下での最適解を見つける問題。 |
| T5 穴埋め推論 | 2問 | 8% | 不完全な情報から欠落部分を推論する問題。 |
傾向: T1(正誤判定)が56%で過半を占める。正確な定義・用語の理解が基礎となり、T4(条件整理)が16%で計算・整理力も求められる。
罠パターンの分布
平成27年度で検出された罠パターン(Trap分類)の出現頻度です。
| 罠パターン | 出題数 | 割合 | 典型的な間違い |
|---|---|---|---|
| Trap-B 条件見落とし | 7問 | 28% | 問題文の条件(用途地域の制限、建築基準法の変更内容など)を読み落とし、部分的に正しい選択肢を選ぶ。 |
| Trap-D 類似混同 | 6問 | 24% | リデュース・リユース・リサイクル、光色・照度・演色性など、似た概念を混同する。 |
| Trap-E 計算ミス | 6問 | 24% | 計算式の適用誤り、平滑化定数の適用ミスなど。 |
| Trap-C 部分正解 | 4問 | 16% | 複数の選択肢が部分的に正しく、「最も適切」「最も不適切」を誤る。 |
| Trap-A 逆方向 | 2問 | 8% | 因果関係やプロセスの前後を逆に理解する。 |
傾向: Trap-B が引き続き最大の失点要因。法制度(建築基準法、用途地域)の「細かい条件」を見落とすパターンが顕著。
Tier別学習優先度
運営管理の試験対策を3段階で整理しました。
Tier 1: 必須(全員が取るべき単元)
- 生産管理と計画(第1~6問)
- コンカレントエンジニアリング・機械加工(第7~8問)
- 需要予測・スケジューリング(第9~10問)
- 在庫管理(第11問)
- 品質管理・新QC七つ道具(第12問)
Tier 2: 重要(確実に得点すべき単元)
- ものの流れ・納期管理(第13~14問)
- 標準時間・加工処理・流動数グラフ(第15~17問)
- 保全活動・作業改善・動作経済(第18~20問)
- HACCP・店舗立地・建築基準法(第22~24問)
Tier 3: 発展的(時間に余裕がある場合)
- 資源利用と3R原則(第21問)
- 照明と色彩計画(第25問)
本番セルフチェック5項目
試験当日に見直すべき5項目です。試験後15分以内にこのチェックリストを実行しましょう。
- 生産管理の手順系問題で「工程の順序」を書き出したか
- 例:5S活動の段階、QC活動の展開ステップ、改善プロセスの流れ
- 頻出の落とし穴:個別の要素は正しいが、「順序」を誤る
- 在庫管理の計算で「発注点」「安全在庫」の公式を正しく適用したか
- 発注点(ROP)= 平均需要 × リードタイム + 安全在庫
- EOQ との混同や、単位(日数 vs 月数)の誤りがないか確認
- 品質管理手法(QC七つ道具など)の名称と用途を混同していないか
- HACCP の「CCP(重要管理点)」「予防的管理」の概念確認
- 「各手法が解決する問題」を整理表で確認
- 店舗管理で「売場効率」「交差比率」などの指標計算が正確か
- 用途地域と床面積の関係、出店可否の判定が逆になっていないか確認
- JIT・かんばん方式の前提条件を確認したか
- 需要変動の安定性、納入リードタイム、品質保証の仕組み
- 「すべての企業に適用可能か」という条件判定が正確か
分類タグ凡例
| タグ | 意味 |
|---|---|
| K1 定義・用語 | 用語の正確な意味を問う |
| K2 グラフ形状 | グラフの読み取り・形状判断 |
| K3 数式・公式 | 公式の適用・計算 |
| K4 因果メカニズム | 原因→結果の論理連鎖 |
| K5 制度・データ | 法制度・統計データの知識 |
| T1 正誤判定 | 選択肢の正誤を判定 |
| T2 グラフ読解 | グラフから情報を読み取る |
| T3 計算実行 | 数値計算を実行 |
| T4 因果推論 | 因果関係を推論 |
| T5 場合分け | 条件による場合分け |
| L1 基礎 | 基本知識で解ける |
| L2 応用 | 知識の組み合わせが必要 |
| L3 高度 | 複数ステップの推論が必要 |
| L4 最難度 | 高度な分析力が必要 |
| Trap 逆方向誘発 | 因果の向きを逆に誘導 |
| Trap 混同誘発 | 類似概念を混同させる |
| Trap 部分正解 | 部分的に正しい選択肢で誘導 |
| Trap 条件すり替え | 前提条件を変えて誘導 |
| Trap 計算ミス | 計算過程での間違いを誘発 |
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