事例Ⅰの設問型
組織・人事を中心にした設問パターンの読み分け方
このページの役割
事例Ⅰでは、まず 何のレイヤーを問う設問か を見抜くことが先です。戦略、組織構造、人事施策、組織文化 のどこを聞いているかを切り、そのあとで答案骨子へ落とします。
このページの役割
まず どのレイヤーの設問か を見抜き、そのあとで 事例Ⅰの答案骨子 へ進むためのページです。
まず固定する視点
人と組織で書く
事例Ⅰは、人と組織 の視点で書く試験です。
戦略を組織施策へ翻訳する
売上施策や生産改善そのものではなく、どんな組織体制、どんな人事施策、どんな文化 が必要かへ翻訳します。
与件で一般論を防ぐ
沿革、経営者の意図、強み、制約条件を使って、一般論だけで終わらせないことが重要です。
設問型の全体像
| 設問型 | 典型的な聞かれ方 | 与件から拾う根拠 | 答えで外せないこと |
|---|---|---|---|
| 現状分析型 | 強み、弱み、課題、要因を整理させる | 沿革、事業構成、組織風土、部門間連携、経営者の悩み | 人と組織 の言葉で整理し、売上や設備の話に逃げない |
| 組織再編型 | 体制、部門、役割分担、権限委譲を問う | 多角化、新規事業、拠点増加、外部連携、事業承継 | 何を変えるかだけでなく、意思決定と連携がどう良くなるかを書く |
| 人材育成型 | 育成、技能承継、後継者育成、評価制度を問う | ベテラン依存、若手不足、OJT 偏重、属人化 | 育成施策と評価制度、共有化をつないで書く |
| 組織活性化型 | 理念浸透、活性化、モラール向上、コミュニケーションを問う | 部門間対立、情報共有不足、方針の不一致、提案不足 | 会議や制度だけでなく、一体感や挑戦行動への効果を書く |
| 第二創業・承継型 | 事業承継、世代交代、変革期の組織づくりを問う | 新旧経営陣の役割、権限移譲、経営理念、将来事業 | 承継後の戦略と、支える組織・人材の両方を書く |
設問文の言葉で読み分ける
| 設問文の言葉 | 見るレイヤー | 最初に確認すること |
|---|---|---|
強み、弱み、要因、問題点 | 現状分析 | 組織構造か、人材面か、文化面か |
組織体制、部門、役割、権限 | 組織構造 | どの意思決定を速くしたいのか |
人材育成、評価制度、技能承継 | 人事施策 | 誰を育て、何を引き継ぐのか |
活性化、理念浸透、コミュニケーション | 組織文化 | 何が共有されていないのか |
後継者、第二創業、世代交代 | 承継・変革 | 戦略変更と組織変更が同時にあるか |
典型例題
| 例題の型 | 見抜き方 | 最初に置く答えの軸 |
|---|---|---|
新規事業拡大に対応する組織体制を助言せよ | 組織体制 と 新規事業 が並ぶので組織再編型 | 部門 / 権限 / 連携 |
技能承継を進めるための施策を答えよ | 技能承継 は人材育成型 | OJT、標準化、評価制度 |
部門間連携が弱い要因を答えよ | 要因 なので現状分析型 | 組織構造、情報共有、権限関係 |
第二創業期に必要な人事施策を答えよ | 第二創業 と 人事施策 が並ぶので承継・変革型 | 後継者育成、中核人材、権限移譲 |
社員の士気向上策を答えよ | 士気 と 向上 は組織活性化型 | 理念共有、提案制度、対話の場 |
年度別小問例
この表は、年度 からではなく どの型の小問として扱うか を決めるための補助です。問題番号を確かめたいときは 第2次試験 設問索引 を併用し、ここでは SWOT / 組織構造 / 人材育成 / 活性化 / 承継 のどこへ戻るかを固定します。
年度差が出やすいポイント
| 区分 | 比重が高い型 | 読み方の注意 |
|---|---|---|
R3〜R5 で繰り返し出る型 | 事業承継、多角化、人材育成、外部連携 | 組織の再設計と後継者育成を同時に見る |
R6〜R7 で比重が高い型 | 活性化、理念再定義、権限移譲、組織変革 | 狙い と 期待効果 を短い因果で書く |
SWOT と現状分析
| 年度 | 問題番号 | 典型テーマ | 見る軸 | 戻る先 |
|---|---|---|---|---|
R7 | 第1問 | 木製知育玩具事業進出時の SWOT 整理 | 強み、弱み、外部機会を 人と組織 の言葉で言えるか | 事例Ⅰの設問型 |
R6 | 第1問 | 2000年当時の強みと弱み | 時点をずらさず、当時の組織基盤として読めるか | 事例Ⅰの設問型 |
R5 | 第1問 | 統合前 A社の強みと弱み | 統合効果を先取りせず、統合前の組織能力を切れるか | 事例Ⅰ 組織・人事 |
組織構造と権限設計
| 年度 | 問題番号 | 典型テーマ | 見る軸 | 戻る先 |
|---|---|---|---|---|
R7 | 第3問 | 新規事業拡大に向けた組織体制 | 役割分担、資源配分、意思決定をどう変えるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
R6 | 第2問 | プロジェクト組織と長女起用の狙い | 変革推進と権限委譲を同時に書けるか | 事例Ⅰの設問型 |
R5 | 第4問-1 | 組織統合の進め方 | 統合順序、役割設計、部門間連携の因果を切れるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
人材育成と技能承継
| 年度 | 問題番号 | 典型テーマ | 見る軸 | 戻る先 |
|---|---|---|---|---|
R4 | 第2問 | 新規就農者の獲得と定着策 | 採用だけでなく、定着と育成まで一続きで書けるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
R3 | 第2問 | A社未経験の3代目をデザイン部門へ置いた理由 | 後継者育成と役割配分を同時に捉えられるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
R6 | 第4問-1 | 配置転換の狙い | 幹部育成、経験拡張、技能承継を分けて書けるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
活性化と理念浸透
| 年度 | 問題番号 | 典型テーマ | 見る軸 | 戻る先 |
|---|---|---|---|---|
R7 | 第4問 | 理念の再定義と浸透 | 理念文そのものより、共有の場と制度へ落とせるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
R6 | 第3問 | Z社がA社へ案件を持ちかけた理由 | 関係強化の背景にある組織文化と信頼を拾えるか | 事例Ⅰの設問型 |
R5 | 第2問 | 先代との差別化戦略と狙い | 戦略差よりも、現場の自主性と変革意図へ戻せるか | 事例Ⅰ 組織・人事 |
承継と第二創業
| 年度 | 問題番号 | 典型テーマ | 見る軸 | 戻る先 |
|---|---|---|---|---|
R5 | 第4問-2 | 統合後の事業展開 | 事業承継後の戦略と組織づくりを切り離さない | 事例Ⅰ 組織・人事 |
R4 | 第4問-2 | 後継者中心体制への移行 | 権限委譲、中核人材、配置の3点で書けるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
R3 | 第5問 | 承継後の長期課題と解決策 | 長期視点、事業継続、組織づくりを短い因果でつなげるか | 事例Ⅰの答案骨子 |
誤答例と直し方
| 誤答例 | どこが弱いか | 直し方 |
|---|---|---|
新規顧客を開拓する | 事例Ⅱの施策になっている | 新規事業に対応する組織体制を整える へ直す |
設備を増設して対応する | 事例Ⅲの改善になっている | 役割分担、権限委譲、連携体制 へ引き戻す |
社員教育を強化する | 誰をどう育てるかがない | 若手中核人材に OJT と研修を行い、技能承継を進める と具体化する |
理念を共有する | 行動と効果が見えない | 部門横断会議と評価制度を組み合わせ、協力行動を促す と因果でつなぐ |
よくある誤答
- 販路開拓や売上拡大だけを書き、事例Ⅱの答案になる
- 設備導入や工程改善だけを書き、事例Ⅲの答案になる
- 与件にない制度名を並べ、一般論だけで終わる
- 現状分析設問で助言を書き始め、問われ方を崩す
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