ファイナンス 基本確認問題
WACC、NPV、IRR、企業価値評価の基礎論点を短い確認問題で点検する
このページの役割
このページは、ファイナンスの基本論点を自力で言えるか を点検する演習ページです。過去問そのものではなく、過去問で問われやすい型 を短く確認します。
学習のポイント
要求収益率と投資案の価値を分けて考えるCAPM → WACC → NPVの流れを一本で理解するIRRや企業価値評価を、判断理由まで含めて説明できるようにする
基本確認問題
応用確認問題
問題 7
次の条件がある。
- 安全資産利子率:
1% - 市場収益率:
6% β値:1.2- 資本構成:
株主資本 60%、負債 40% - 税引前負債コスト:
3% - 法人税率:
30% - 株主資本コストはいくらか
WACCはいくらか
解答 7
- 株主資本コストは
1 + 1.2 × (6 - 1) = 7%です。 - 税引後負債コストは
3 × (1 - 0.3) = 2.1%です。 WACCは7% × 0.6 + 2.1% × 0.4 = 5.04%です。
問題 8
投資額が 1,000万円、1年後から3年後まで毎年 500万円 のキャッシュ・フローが見込まれる。割引率は 10% とする。
NPVはおおよそいくらか- この投資案は採択しやすいか
解答 8
NPVは500 ÷ 1.1 + 500 ÷ 1.1^2 + 500 ÷ 1.1^3 - 1,000 ≒ 243万円です。NPVがプラスなので、採択しやすいと判断します。
問題 9
相互排他的な 2 つの投資案がある。
- A案:
NPV 120万円、IRR 14% - B案:
NPV 180万円、IRR 12%
資本制約がなく、どちらか 1 つしか選べないとき、どちらを選びやすいか。また、その理由は何か。
解答 9
B案 を選びやすいです。IRR は A案の方が高いですが、企業価値をより大きく増やすのは NPV が高い B案 だからです。
問題 10
ある企業の FCF は次の見込みである。
- 1年後:
120万円 - 2年後:
160万円 - 3年後:
200万円 - 4年後以降: 毎年
1%で安定成長 WACC:6%- 3年後末の継続価値はいくらか
- なぜ
WACCと成長率の差を丁寧に確認する必要があるか
解答 10
- 4年後の
FCFは200 × 1.01 = 202万円です。 - 3年後末の継続価値は
202 ÷ (0.06 - 0.01) = 4,040万円です。 WACCと成長率の差が小さいほど分母が小さくなり、継続価値が大きくぶれやすいからです。
問題 11
相互排他的な 2 つの投資案がある。割引率は 10% とする。
- A案: 初期投資
1,000万円、1年後700万円、2年後500万円 - B案: 初期投資
1,000万円、1年後200万円、2年後1,100万円 - それぞれの
NPVはおおよそいくらか - どちらを選びやすいか
解答 11
- A案の
NPVは700 ÷ 1.1 + 500 ÷ 1.1^2 - 1,000 ≒ 50万円です。 - B案の
NPVは200 ÷ 1.1 + 1,100 ÷ 1.1^2 - 1,000 ≒ 91万円です。 B案を選びやすいです。回収が後ろでも、現在価値に直した企業価値の増加額はB案の方が大きいからです。
問題 12
ある企業について、次の条件がある。
- 安全資産利子率:
1% - 市場収益率:
6% β値:1.0- 資本構成:
株主資本 60%、負債 40% - 税引前負債コスト:
5% - 法人税率:
30% FCF見込み: 1年後120万円、2年後140万円、3年後160万円- 4年後以降の成長率:
1% - 株主資本コストはいくらか
WACCはいくらか- 3年後末の継続価値はいくらか
- 企業価値はおおよそいくらか
解答 12
- 株主資本コストは
1 + 1.0 × (6 - 1) = 6%です。 - 税引後負債コストは
5 × (1 - 0.3) = 3.5%です。 WACCは6% × 0.6 + 3.5% × 0.4 = 5%です。- 4年後の
FCFは160 × 1.01 = 161.6万円なので、3年後末の継続価値は161.6 ÷ (0.05 - 0.01) = 4,040万円です。 - 企業価値は
120 ÷ 1.05 + 140 ÷ 1.05^2 + 160 ÷ 1.05^3 + 4,040 ÷ 1.05^3 ≒ 3,870万円と考えられます。 - この問題では、
CAPM → WACC → 継続価値 → 企業価値を一本でつなげることが重要です。どこか 1 つだけを別論点として扱うと崩れやすくなります。
問題 13
投資予算が 1,500万円 しかない企業が、次の 3 案を検討している。
- A案: 初期投資
1,000万円、NPV 180万円、IRR 18% - B案: 初期投資
500万円、NPV 120万円、IRR 15% - C案: 初期投資
1,500万円、NPV 250万円、IRR 20% - どの案、または組み合わせを選びやすいか
- その理由は何か
IRRだけで判断すると、どこで誤りやすいか
解答 13
A案 + B案を選びやすいです。- 合計投資額は
1,500万円で予算内に収まり、合計NPVは180 + 120 = 300万円となり、C案の250万円を上回るからです。 IRRだけで見ると20%のC案を選びたくなりますが、資本制約があるときは企業価値をどれだけ増やせるかを見る必要があります。IRRの高さとNPVの大きさは一致しないため、ここで誤りやすくなります。
問題 14
相互排他的な 2 つの投資案がある。資本制約はなく、どちらか 1 つだけを選ぶ。
- A案: 初期投資
1,000万円、現在価値ベースの流入総額1,160万円、単純回収期間1.8年 - B案: 初期投資
500万円、現在価値ベースの流入総額590万円、単純回収期間1.2年 - それぞれの
NPVはいくらか - それぞれの
PIはいくらか NPVで選ぶとどちらかPIや回収期間法に引っ張られると、どこで誤りやすいか
解答 14
- A案の
NPVは1,160 - 1,000 = 160万円です。 - B案の
NPVは590 - 500 = 90万円です。 - A案の
PIは1,160 ÷ 1,000 = 1.16です。 - B案の
PIは590 ÷ 500 = 1.18です。 NPVで選ぶならA案です。企業価値の増加額は160万円の方が大きいからです。PIや回収期間法に引っ張られると、効率が良い案や早く回収できる案を過大評価しやすくなります。相互排他的で資本制約がないなら、どれだけ価値を増やすかを示すNPVを優先して考えるべきです。
問題 15
相互排他的な 2 つの投資案がある。どちらも初期投資は 1,000万円 である。
- A案: 1年後
800万円、2年後500万円 - B案: 1年後
100万円、2年後1,280万円 - 割引率
5%のとき、それぞれのNPVはおおよそいくらか - 割引率
15%のとき、それぞれのNPVはおおよそいくらか - 各割引率で、どちらを選びやすいか
- なぜ割引率が変わると順位が逆転しやすいのか
解答 15
- 割引率
5%のとき、A案のNPVは800 ÷ 1.05 + 500 ÷ 1.05^2 - 1,000 ≒ 215万円です。 - 割引率
5%のとき、B案のNPVは100 ÷ 1.05 + 1,280 ÷ 1.05^2 - 1,000 ≒ 256万円です。 - 割引率
15%のとき、A案のNPVは800 ÷ 1.15 + 500 ÷ 1.15^2 - 1,000 ≒ 74万円です。 - 割引率
15%のとき、B案のNPVは100 ÷ 1.15 + 1,280 ÷ 1.15^2 - 1,000 ≒ 55万円です。 - 割引率
5%ならB案、割引率15%ならA案を選びやすいです。 B案は後ろの年に大きなキャッシュ・フローが偏っているため、割引率が上がるほど現在価値が大きく下がります。逆にA案は前倒しで回収するため、高い割引率でも価値が落ちにくく、順位が逆転しやすくなります。
問題 16
次の 2 案を比較する。
- A案: 0年
△1,000万円、1年後2,300万円、2年後△1,320万円 - B案: 0年
△1,000万円、1年後650万円、2年後650万円 - 割引率
10%のとき、それぞれのNPVはおおよそいくらか - 割引率
20%のとき、それぞれのNPVはおおよそいくらか - A案では、
IRRを 1 つに決め打つとどこが危険か NPVプロファイルを見る意味は何か
解答 16
- 割引率
10%のとき、A案のNPVは△1,000 + 2,300 ÷ 1.1 - 1,320 ÷ 1.1^2 ≒ 0万円です。 - 割引率
10%のとき、B案のNPVは650 ÷ 1.1 + 650 ÷ 1.1^2 - 1,000 ≒ 128万円です。 - 割引率
20%のとき、A案のNPVは△1,000 + 2,300 ÷ 1.2 - 1,320 ÷ 1.2^2 ≒ 0万円です。 - 割引率
20%のとき、B案のNPVは650 ÷ 1.2 + 650 ÷ 1.2^2 - 1,000 ≒ △7万円です。 - A案は
負→正→負と符号が 2 回変わるため、IRRが 1 つに定まらず複数解を持ちやすいです。そのため、IRR が何%かだけで優劣を決めるのは危険です。 NPVプロファイルを見る意味は、割引率が変わると評価がどう変わるかを連続的に確認できることにあります。これで、どの資本コスト帯でどちらの案が有利かとIRR だけでは判断しづらい理由を見分けやすくなります。
問題 17
次の 2 つの設備投資案を比較する。税引後営業 CF と 税引後残存価値 はすでに求められているものとする。
- A案: 初期投資
1,000万円、1年後の税引後営業 CF420万円、2年後420万円、3年後420万円、3年後の税引後残存価値260万円 - B案: 初期投資
1,000万円、1年後の税引後営業 CF80万円、2年後500万円、3年後900万円、3年後の税引後残存価値120万円 - 割引率
6%のとき、それぞれのNPVはおおよそいくらか - 割引率
14%のとき、それぞれのNPVはおおよそいくらか - 各割引率で、どちらを選びやすいか
- なぜ
B案は資本コスト上昇に弱いのか - 残存価値を落とすと、どこで誤りやすいか
解答 17
- 割引率
6%のとき、A案のNPVは420 ÷ 1.06 + 420 ÷ 1.06^2 + 680 ÷ 1.06^3 - 1,000 ≒ 341万円です。 - 割引率
6%のとき、B案のNPVは80 ÷ 1.06 + 500 ÷ 1.06^2 + 1,020 ÷ 1.06^3 - 1,000 ≒ 377万円です。 - 割引率
14%のとき、A案のNPVは420 ÷ 1.14 + 420 ÷ 1.14^2 + 680 ÷ 1.14^3 - 1,000 ≒ 151万円です。 - 割引率
14%のとき、B案のNPVは80 ÷ 1.14 + 500 ÷ 1.14^2 + 1,020 ÷ 1.14^3 - 1,000 ≒ 143万円です。 - 割引率
6%ではB案、割引率14%ではA案を選びやすいです。 B案は3年後に大きな税引後営業 CFと残存価値が集中しているため、資本コストが上がると現在価値が大きく下がりやすいです。後ろに偏った CFほど、割引率上昇の影響を強く受けます。- 残存価値を落とすと、
最終年度にどれだけ回収できるかを見落としてA案を過小評価しやすくなります。設備投資は、税引後営業 CFだけでなく撤退時や売却時の回収まで含めて比較する必要があります。
問題 18
ある設備投資案について、次の条件がある。
- 設備取得額
1,200万円 - 追加運転資本
150万円を0年に投入し、3年後に全額回収する - 使用期間
3年、残存簿価0円、定額法で減価償却する - 毎年の売上増加額
980万円 - 毎年の現金費用
500万円 - 法人税率
30% 3年後に設備を240万円で売却する- 割引率
8% - 毎年の減価償却費はいくらか
- 毎年の
税引後営業 CFはいくらか 3年後の税引後残存価値はいくらか3年後の最終年キャッシュ・フローは合計いくらか- この投資案の
NPVはおおよそいくらか - この問題で落としやすい論点は何か
解答 18
- 毎年の減価償却費は
1,200 ÷ 3 = 400万円です。 - 毎年の
税引後営業 CFは、(980 - 500 - 400) × (1 - 0.3) + 400 = 456万円です。 3年後の税引後残存価値は、残存簿価が0円なので240 × (1 - 0.3) = 168万円です。3年後の最終年キャッシュ・フローは、税引後営業 CF 456万円 + 運転資本回収 150万円 + 税引後残存価値 168万円 = 774万円です。0年の初期投資は1,200 + 150 = 1,350万円なので、NPVは456 ÷ 1.08 + 456 ÷ 1.08^2 + 774 ÷ 1.08^3 - 1,350 ≒ 78万円です。- 落としやすいのは、
追加運転資本を初期投資に入れること、3年後にその回収を戻すこと、そして売却額をそのまま使わず税引後残存価値に直すことです。設備投資は、取得、運用、撤退を 1 本でつなぐ必要があります。
問題 19
ある設備更新案について、次の条件がある。
- 新設備の取得額
1,000万円 - 旧設備は
今売れば税引後150万円を回収できる。更新しない場合、4年後の税引後残存価値は20万円 - 新設備を導入すると、追加運転資本
50万円が0年に必要となり、4年後に全額回収する - 更新による
税引後差額営業 CFは、基準ケースでは毎年260万円、弱気ケースでは毎年220万円、強気ケースでは毎年300万円と見込む - 新設備の
4年後の税引後残存価値は120万円 - 割引率
8% - 更新投資として
0年の差額投資額はいくらか 4年後の差額終価キャッシュ・フローはいくらか- 基準ケースの
NPVはおおよそいくらか - 弱気ケースと強気ケースの
NPVはおおよそいくらか - この投資判断では、どの前提に感度が高いか
- なぜ
旧設備を今売れば得られる金額を初期投資に入れる必要があるか
解答 19
0年の差額投資額は、新設備取得額 1,000 - 旧設備売却回収 150 + 追加運転資本 50 = 900万円です。4年後の差額終価キャッシュ・フローは、新設備の税引後残存価値 120 - 旧設備を持ち続けた場合の税引後残存価値 20 + 運転資本回収 50 = 150万円です。- 基準ケースの
NPVは、260 × 年金現価係数(8%,4年) 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 71万円です。 - 弱気ケースの
NPVは、220 × 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ △61万円です。 - 強気ケースの
NPVは、300 × 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 204万円です。 - この投資判断は、
毎年の税引後差額営業 CFに対する感度が高いです。260万円が220万円に下がるだけでNPVがプラスからマイナスへ反転するためです。 旧設備を今売れば得られる金額は、更新することで放棄する機会収入だからです。更新投資は総額ではなく、更新する場合としない場合の差額で考える必要があります。
問題 20
前問の更新投資案について、基準ケースを 差額営業 CF 260万円、残存価値差額 150万円、割引率 8% とする。次のように 1つずつ前提を動かした場合 を比べる。
- ケースA:
割引率だけを10%に上げる - ケースB:
差額営業 CFだけを毎年230万円に下げる - ケースC:
差額終価キャッシュ・フローだけを90万円に下げる - 基準ケースの
NPVはおおよそいくらか - ケースA、ケースB、ケースC の
NPVはそれぞれおおよそいくらか - どの前提変更が
NPVに最も強く効いているか - なぜ
差額営業 CFの変化は効きやすいのか - 感度分析では、なぜ
1つずつ前提を動かすのが有効か
解答 20
- 基準ケースの
NPVは、前問の通り約 71万円です。 - ケースA の
NPVは、260 × 年金現価係数(10%,4年) 3.170 + 150 ÷ 1.10^4 - 900 ≒ 27万円です。 - ケースB の
NPVは、230 × 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ △28万円です。 - ケースC の
NPVは、260 × 3.312 + 90 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 27万円です。 - この比較では、最も強く効いているのは
差額営業 CFの変化です。ケースBだけがNPVを明確にマイナスへ反転させています。 差額営業 CFは4年間毎年発生するため、毎年の小さな差でも現在価値に直すと累積効果が大きくなります。残存価値は最終年1回だけなので、影響は相対的に小さくなりやすいです。- 感度分析で
1つずつ前提を動かすと、何が判断を壊したのかを切り分けやすくなります。複数の前提を同時に動かすと、WACCと差額営業 CFのどちらが原因でNPVが反転したのか見えにくくなります。
問題 21
ある企業は、今年の更新投資に使える予算を 1,200万円 までに制約されている。割引率は 8% とし、各案の 差額初期投資額 と 差額 CF の現在価値合計 は次の通りである。
- A案:
差額初期投資額 900万円、差額 CF の現在価値合計 1,010万円 - B案:
差額初期投資額 500万円、差額 CF の現在価値合計 580万円 - C案:
差額初期投資額 400万円、差額 CF の現在価値合計 470万円 - 3案は独立しており、予算内なら複数採択できる
- A案、B案、C案の
NPVはそれぞれいくらか - A案、B案、C案の
PIはそれぞれいくらか 資本制約がないとき、個別NPVの大きい順はどうなるか予算 1,200万円のとき、どの組み合わせを選びやすいか予算 1,400万円に緩むと、どの組み合わせを選びやすいか- なぜ
資本制約があると採択順位が変わるのか
解答 21
- A案の
NPVは1,010 - 900 = 110万円です。 - B案の
NPVは580 - 500 = 80万円です。 - C案の
NPVは470 - 400 = 70万円です。 - A案の
PIは1,010 ÷ 900 ≒ 1.12です。 - B案の
PIは580 ÷ 500 = 1.16です。 - C案の
PIは470 ÷ 400 = 1.175です。 資本制約がないときは、個別NPVの大きい順にA → B → Cと見やすいです。予算 1,200万円のときはB + Cを選びやすいです。必要資金は500 + 400 = 900万円、合計NPVは80 + 70 = 150万円で、A案単独の110万円を上回るからです。予算 1,400万円に緩むとA + Bを選びやすいです。必要資金は900 + 500 = 1,400万円、合計NPVは110 + 80 = 190万円で最も大きいからです。資本制約があると採択順位が変わるのは、個別 NPVだけでなく限られた資金を何に振ると合計 NPV が最大になるかを見なければならないからです。PIや組み合わせの効率を見ないと、単独では最も大きい案が最適とは限りません。
問題 22
ある企業は、老朽化した設備を更新するかどうかを検討している。更新投資としての 0年 の差額投資額は 900万円 であり、1年目 と 2年目 の 税引後差額営業 CF はそれぞれ 320万円 と見込む。割引率は 8% とする。
2年目末 に市場環境を見直したところ、その後の見通しは弱く、次の 2 つの選択肢を比較することになった。
継続する場合:3年目、4年目の税引後差額営業 CFは各110万円、5年目の税引後差額営業 CFは110万円、5年目末の差額終価キャッシュ・フローは90万円2年目末で撤退する場合: 新設備の税引後売却価額 360万円と運転資本回収 60万円を2年目末に受け取る2年目末時点で見た継続案の価値はいくらか2年目末時点で見た撤退案の価値はいくらか2年目末時点では、どちらを選びやすいか撤退オプションありでの0年時点のNPVはおおよそいくらか撤退オプションがなく、弱い見通しのまま 5 年目まで継続する場合のNPVはおおよそいくらか- なぜ
途中時点の意思決定は、その時点の価値で比較する必要があるのか
解答 22
2年目末時点で見た継続案の価値は、110 ÷ 1.08 + 110 ÷ 1.08^2 + (110 + 90) ÷ 1.08^3 ≒ 355万円です。2年目末時点で見た撤退案の価値は、360 + 60 = 420万円です。2年目末時点では撤退案を選びやすいです。420万円が継続案 355万円を上回るためです。撤退オプションありの0年時点NPVは、320 ÷ 1.08 + (320 + 420) ÷ 1.08^2 - 900 ≒ 31万円です。撤退オプションがなく、弱い見通しのまま 5年目まで継続する場合のNPVは、320 ÷ 1.08 + 320 ÷ 1.08^2 + 110 ÷ 1.08^3 + 110 ÷ 1.08^4 + (110 + 90) ÷ 1.08^5 - 900 ≒ △25万円です。途中時点の意思決定をその時点の価値で比較する必要があるのは、すでに発生した 1年目、2年目の CFはどちらの案でも共通で、比較対象にならないからです。今から先の価値だけを比べて初めて、継続と撤退のどちらが有利かを正しく判断できます。
問題 23
ある企業は、老朽化した設備について 即時更新案 と 1年延期案 を比較している。割引率は 8% とし、1年後 に需要見通しが 好調 60%、低調 40% のいずれかで判明する。
即時更新案:0年に差額投資額900万円を支出する。1年目の税引後差額営業 CFは300万円。1年目末に需要が好調なら2年目、3年目の税引後差額営業 CFは各340万円、4年目は340万円に加えて差額終価キャッシュ・フロー120万円を受け取る。低調なら1年目末に撤退し、税引後売却価額400万円と運転資本回収60万円を受け取る1年延期案:0年は更新せず、旧設備で1年目に税引後差額営業 CF 80万円を得る。1年目末に需要が好調なら差額投資額900万円を支出し、2年目、3年目の税引後差額営業 CFは各340万円、4年目は340万円に加えて差額終価キャッシュ・フロー120万円を受け取る。低調なら更新しない即時更新案の好調ケースのNPVはおおよそいくらか即時更新案の低調ケースのNPVはおおよそいくらか即時更新案の期待 NPVはおおよそいくらか1年延期案の期待 NPVはおおよそいくらか- どちらを選びやすいか
- なぜ
延期案は下振れを抑えやすい一方で、上振れの取り込みも遅くなりやすいのか
解答 23
即時更新案の好調ケースのNPVは、300 ÷ 1.08 + 340 ÷ 1.08^2 + 340 ÷ 1.08^3 + (340 + 120) ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 277万円です。即時更新案の低調ケースのNPVは、(300 + 400 + 60) ÷ 1.08 - 900 ≒ △196万円です。即時更新案の期待 NPVは、277 × 0.6 + (△196) × 0.4 ≒ 88万円です。1年延期案の期待 NPVは、80 ÷ 1.08 + 0.6 × {(-900 + 340 ÷ 1.08 + 340 ÷ 1.08^2 + (340 + 120) ÷ 1.08^3) ÷ 1.08} ≒ 114万円です。- この条件では
1年延期案を選びやすいです。好調のときだけ更新することで下振れを避けられ、期待NPVも即時更新案を上回るからです。 延期案が下振れを抑えやすいのは、低調と分かった時点で投資そのものを見送れるからです。一方で、好調でも1年目の大きい差額CFを取り逃がすため、上振れの取り込みは即時更新案より遅くなりやすくなります。
問題 24
ある企業は、新設備への更新投資について 事前調査なしで今すぐ更新する案 と 調査をしてから更新判断する案 を比較している。割引率は 8% とする。
- 更新投資の差額投資額は
850万円 高需要なら、1年後、2年後の税引後差額営業 CF は各360万円、3年後は360万円に加えて差額終価キャッシュ・フロー100万円を受け取る低需要なら、1年後、2年後の税引後差額営業 CF は各180万円、3年後は180万円に加えて差額終価キャッシュ・フロー80万円を受け取る- 事前調査をしない場合、需要が
高需要 60%、低需要 40%で発生する - 事前調査をする場合、
0年に調査費20万円を払う。調査結果は好感触 2/3、悪感触 1/3 好感触のとき、実際に高需要となる条件付き確率は80%、低需要は20%悪感触のとき、実際に高需要となる条件付き確率は20%、低需要は80%- 調査後は
更新するか更新しないかを選べる。更新しない場合のその枝の価値は0とする 高需要ケースのNPVはおおよそいくらか低需要ケースのNPVはおおよそいくらか事前調査なしで今すぐ更新する案の期待NPVはおおよそいくらか好感触の枝で、更新した場合の期待NPVはおおよそいくらか悪感触の枝で、更新した場合の期待NPVはおおよそいくらか調査をしてから更新判断する案の期待NPVはおおよそいくらか- どちらの案を選びやすいか
- なぜデシジョンツリーは
右から左に計算するのか
解答 24
高需要ケースのNPVは、360 ÷ 1.08 + 360 ÷ 1.08^2 + (360 + 100) ÷ 1.08^3 - 850 ≒ 157万円です。低需要ケースのNPVは、180 ÷ 1.08 + 180 ÷ 1.08^2 + (180 + 80) ÷ 1.08^3 - 850 ≒ △322万円です。事前調査なしで今すぐ更新する案の期待NPVは、157 × 0.6 + (△322) × 0.4 ≒ △35万円です。好感触の枝で更新した場合の期待NPVは、157 × 0.8 + (△322) × 0.2 ≒ 61万円です。悪感触の枝で更新した場合の期待NPVは、157 × 0.2 + (△322) × 0.8 ≒ △226万円です。調査をしてから更新判断する案の期待NPVは、△20 + (2 / 3) × 61 + (1 / 3) × 0 ≒ 21万円です。悪感触の枝では更新しない方が有利なので、その枝の価値は0とします。- この条件では
調査をしてから更新判断する案を選びやすいです。今すぐ更新は期待NPVがマイナスですが、調査後に悪感触なら見送ることで下振れを切り落とし、期待NPVをプラスへ持ち上げられるからです。 - デシジョンツリーを
右から左に計算するのは、まず末端の各シナリオの NPVを確定し、その後で確率加重平均と実行する / しないの選択を一段ずつ戻りながら決めるためです。末端価値が定まっていないと、途中の分岐で何を選ぶべきか判断できません。
短文説明の練習
問題 25
次の要因を使って、WACC を投資判断の基準に使う理由 を 1 文で書く。
- 株主資本コスト
- 負債コスト
- 企業全体の資金調達
解答 25
WACC は株主資本コストと負債コストを加重平均した企業全体の資金調達コストであり、投資案がそのハードルを超えるかを判断する基準になる。
問題 26
次の要因を使って、IRR より NPV を重く見る理由 を 1 文で書く。
- 相互排他的な投資案
- 企業価値の増加額
解答 26
相互排他的な投資案では、IRR の高さよりも企業価値の増加額を直接示す NPV の方が判断基準として適している。
問題 27
次の要因を使って、企業価値が上がる方向 を 1 文で書く。
FCFの増加- 割引率の低下
解答 27
将来の FCF が増えるか割引率が低下すると、将来キャッシュ・フローの現在価値が大きくなるため企業価値は上がりやすい。
問題 28
次の要因を使って、継続価値が企業価値で大きな比重を持ちやすい理由 を 1 文で書く。
- 予測期間後も事業が続く
- 長期の
FCF
解答 28
予測期間の後も事業が続いて長期の FCF が積み上がるため、継続価値は企業価値の大きな部分を占めやすい。
問題 29
次の要因を使って、収益性指数法を資本制約下で補助的に使う理由 を 1 文で書く。
PI- 投資効率
- 組み合わせ選択
解答 29
収益性指数法は PI によって投資効率を比べられるため、資本制約下では限られた予算でどの組み合わせを選ぶかを考える補助指標として使いやすい。
問題 30
次の要因を使って、準強度の効率的市場仮説 を 1 文で書く。
- 公開情報
- 株価
- 超過収益
解答 30
準強度の効率的市場仮説では公開情報がすでに株価へ反映されているため、その情報だけで継続的に超過収益を得るのは難しいと考える。
問題 31
次の要因を使って、マルチプル法と DCF法の違い を 1 文で書く。
- 類似企業比較
- 将来 FCF
解答 31
マルチプル法は類似企業比較で相対的に価値をみるのに対し、DCF法は将来 FCF を現在価値へ割り引いて自社の価値をみる方法である。
問題 32
次の要因を使って、法人税なしの MM理論で資本構成だけでは企業価値が変わりにくい理由 を 1 文で書く。
- 負債比率
- 株主資本コスト
- 打ち消し合う
解答 32
法人税なしの MM理論では、負債比率を高めると株主資本コストも上がって効果が打ち消し合うため、資本構成だけでは企業価値は変わりにくい。
問題 33
次の要因を使って、配当政策の無関連命題 を 1 文で書く。
- 投資政策
- 配当
- 企業価値
解答 33
投資政策が一定なら、完全市場では配当の出し方そのものだけで企業価値は決まりにくい、というのが配当政策の無関連命題である。
問題 34
原材料価格の上昇を避けたい企業が、将来の仕入価格を今の時点で固定したい と考えている。このとき、まず使いやすい手段は何か。また、その理由は何か。
解答 34
買い先物 を使いやすいです。将来の仕入価格を今の時点で固定できるため、原材料価格の上昇リスクを抑えやすいからです。
問題 35
変動金利借入の金利上昇が心配な企業が、支払金利を固定したい と考えている。このとき、典型的に使う手段は何か。また、その理由は何か。
解答 35
金利スワップ を使いやすいです。変動金利の支払いを固定金利の支払いへ近い形へ変え、金利上昇リスクを抑えやすいからです。
問題 36
次の各場面で、最初に使う道具 を答えてください。
- a.
β値、無リスク利子率、市場収益率が与えられ、株主が求める収益率を問われている - b. 資本構成、税引前負債コスト、法人税率が与えられ、設備投資の割引率を問われている
- c. 年度別
FCF、継続価値、有利子負債、現預金、発行済株式数が与えられ、1株当たり価値を問われている - d. 投資予算が限られ、複数案の組み合わせを検討している
解答 36
- a は
CAPMです。株主資本コストReを求める場面だからです。 - b は
WACCです。企業全体の資金調達コストを割引率として使う場面だからです。 - c は
DCF法です。FCFを割り引いて企業価値を出し、そこから株主価値と 1 株当たり価値へ落とす場面だからです。 - d は
PIを補助的に使います。投資効率を比べて組み合わせを絞り、最後はNPVの合計で確認するのが基本だからです。
問題 37
ある企業について、DCF法 で求めた企業価値が 8,400万円、有利子負債が 2,000万円、現預金が 600万円、発行済株式数が 10,000株 である。
- 株主価値はいくらか
- 1株当たり価値はいくらか
- ここで受験生が最も誤りやすい点は何か
解答 37
- 株主価値は
8,400 - 2,000 + 600 = 7,000万円です。 - 1株当たり価値は
7,000万円 ÷ 10,000株 = 700円です。 - 最も誤りやすいのは、
企業価値と株主価値を混同して有利子負債だけを引き、現預金を戻し忘れることです。企業価値 = 事業全体の価値、株主価値 = 借入返済後に株主へ残る価値と切り分ける必要があります。
問題 38
新規事業について、市場調査費 20万円 を払うと、好調シナリオ 60% と 慎重シナリオ 40% のどちらかが分かる。割引率は 10% とする。
- 好調シナリオでは、今すぐ
300万円を投資すると、1年後 200万円、2年後 200万円の営業 CF が見込まれ、2年後に撤退価値 80万円を回収できる - 慎重シナリオでは、今すぐ
300万円を投資すると、1年後 130万円の営業 CF が見込まれる - 慎重シナリオで
1年後に継続すると、2年後 130万円の営業 CF と撤退価値 60万円を回収できる - 慎重シナリオで
1年後に撤退すると、その時点で撤退価値 220万円を回収できる - 好調シナリオの
NPVはいくらか - 慎重シナリオでは、
継続と撤退のどちらを選びやすいか - 調査費を払う価値はあるか
解答 38
- 好調シナリオの
NPVは200 ÷ 1.1 + (200 + 80) ÷ 1.1^2 - 300 ≒ 113万円です。 - 慎重シナリオで
継続すると、130 ÷ 1.1 + (130 + 60) ÷ 1.1^2 - 300 ≒ △25万円です。 - 慎重シナリオで
1年後に撤退すると、(130 + 220) ÷ 1.1 - 300 ≒ 18万円です。したがって、慎重シナリオでは撤退を選びやすいです。 - 調査後の期待
NPVは0.6 × 113 + 0.4 × 18 ≒ 75万円です。ここから調査費 20万円を引いても約 55万円プラスなので、調査費を払う価値があります。 - この問題では、
各末端の NPVを先に出し、慎重シナリオでは撤退を選んでから、最後に期待値を計算する右から左へ戻る手順が重要です。
問題 39
完全市場を前提とし、必要な箇所だけ法人税の有無を考える。次の各場面について、企業価値 がどうなるか、また 株主資本コスト や 株主価値 をどう考えるか答えてください。
- a.
NPV が 200万円プラスの投資案を採択した - b.
法人税なしのMM理論を前提に、負債比率を引き上げた - c.
法人税率 30%のMM理論を前提に、負債を1,000万円増やした - d. 投資政策を変えずに、配当を増やした
解答 39
- a は
企業価値を高める場面です。NPVがプラスなので、将来FCFの現在価値が初期投資を上回っており、通常は株主価値も増えやすいです。 - b は
企業価値は変わらない場面です。無税のMM理論では、負債の安さを株主資本コストの上昇がちょうど相殺するので、WACCも企業価値も変わりません。 - c は
企業価値が 300万円増える場面です。τD = 0.3 × 1,000 = 300万円の節税効果が加わるからです。ただし、株主資本コストはなお上昇し、現実には倒産コストも考える必要があります。 - d は
企業価値は変わらない場面です。完全市場では、配当を早く払うか、内部留保して後で払うかの違いであり、投資政策が同じなら価値の源泉は変わりません。 - 過去問では、最初に
その変化は FCF を変えるのか、それとも取り分や払い出し時点を変えるだけなのかを切ると、DCF法、MM理論、配当政策を混同しにくくなります。
問題 40
ある設備更新案について、基準ケースでは NPV が 80万円 である。別の比較案とは 割引率 によって順位が入れ替わる可能性があり、さらに WACC、差額営業 CF、残存価値 のどの前提が最も判断を壊しやすいかを知りたい。また、1年待てば需要情報が分かり、その時点で 実行 と 見送り を選べるものとする。
- a.
割引率による順位逆転を見たいとき、最初に使う道具は何か - b.
どの前提が最も危ないかを見たいとき、最初に使う道具は何か - c.
待ってから決められる価値を見たいとき、最初に使う道具は何か - d. この 3 つを、基準ケースの
NPVからどの順に考えると整理しやすいか
解答 40
- a は
NPVプロファイルです。割引率が変わると各案の現在価値がどう動き、どこで順位が逆転するかを見たいからです。 - b は
感度分析です。WACC、差額営業 CF、残存価値を一軸ずつ動かし、どの前提でNPVが最も崩れるかを見たいからです。 - c は
デシジョンツリーです。延期オプションは、情報を見てから実行 / 見送りを選べる柔軟性の価値を評価する場面だからです。 - d は、
基準ケースの NPV→NPVプロファイル→感度分析→デシジョンツリーの順で考えると整理しやすいです。まず基準値を置き、次に割引率の不確実性、次に前提条件の不確実性、最後に後から選び直せるかを確認します。 - 過去問では、
NPVプロファイル = 割引率、感度分析 = 一軸ずつ原因切り分け、デシジョンツリー = 右から左と短く固定しておくと判断がぶれにくくなります。
問題 41
次の各説明について、最も中心になる理論を ポートフォリオ理論、CAPM、効率的市場仮説 の中から答えてください。
- a. 会社固有のリスクは、複数銘柄を組み合わせることで小さくできる
- b.
βが大きい株式ほど、株主が要求する期待収益率は高くなりやすい - c. 公開情報だけでは、継続的に市場平均を上回るのが難しい
- d.
分散で落ちるリスク、価格づけされるリスク、織り込み済み情報の順に理解すると整理しやすい
解答 41
- a は
ポートフォリオ理論です。分散投資で非系統的リスクを小さくできるという話だからです。 - b は
CAPMです。βを使って市場リスクに対する期待収益率を考える理論だからです。 - c は
効率的市場仮説です。どの情報まで価格へ反映されているかを問う話だからです。 - d は、順に
ポートフォリオ理論→CAPM→効率的市場仮説です。まず分散で落ちる部分を切り、その次に残る市場リスクを価格づけし、最後に情報反映の速さを考えると混同しにくくなります。
問題 42
次の各場面で、最初に使う手段 を答えてください。先物 を使う場面では、買い と 売り のどちらかも答えてください。
- a. 3か月後に銅を仕入れる企業が、価格上昇で採算が崩れるのを避けたい。
仕入価格は今の時点で固定したい - b. 3か月後にドル建て支払いを控える輸入企業が、
円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい - c. 変動金利借入をしている企業が、
支払金利を固定したい - d. 3か月後に小麦を販売する生産者が、価格下落で収入が減るのを避けたい。
販売価格は今の時点で固定したい
解答 42
- a は
買い先物です。将来買う側であり、価格上昇が困るうえに完全に固定したいからです。 - b は
ドル・コール・オプションの購入です。不利な方向だけ避けたい場面なので、義務ではなく権利を持つ手段が合います。 - c は
金利スワップです。価格そのものではなく、利払い条件を変動から固定へ近い形に変えたいからです。 - d は
売り先物です。将来売る側であり、価格下落が困るうえに完全に固定したいからです。 - 過去問では、
価格固定、片側だけ保護、金利条件の変換のどれかを先に切り、その後で将来買う側か売る側かを決めると外しにくくなります。
問題 43
次の各説明について、最も近い語を 市場ポートフォリオ、アクティブ運用、パッシブ運用、アノマリー の中から答えてください。
- a. 市場全体の株式を
時価総額比で保有した理論上の基準 - b. 銘柄選択や売買タイミングで
市場平均を上回ることを狙う運用 - c. 指数へ連動させ、
市場平均並みの収益を低コストで取りに行く運用 - d.
1月効果や小型株効果のように、EMHだけでは説明しにくい例外パターン - e.
準強度の EMH がだいたい成り立つ、特別な情報優位はないと置いたとき、まず考えやすい運用
解答 43
- a は
市場ポートフォリオです。市場全体の平均像を表す理論上の基準だからです。 - b は
アクティブ運用です。市場平均を上回る超過収益を狙って、銘柄選択や売買タイミングを工夫する運用だからです。 - c は
パッシブ運用です。市場平均へ連動させる運用であり、インデックス運用が典型例です。 - d は
アノマリーです。EMHだけでは説明しにくい観察事実として扱うからです。 - e も
パッシブ運用です。公開情報だけで継続的に勝つのが難しい前提なら、低コストで市場平均へ連動する方針が合理的になりやすいからです。 - 過去問では、
市場全体の基準、市場平均を上回りに行くか / 連動させるか、例外パターンかの 3 点で切ると整理しやすいです。
問題 44
次の各場面で、最も近い 実物オプション を 延期、拡張、縮小、切替、撤退 の中から答えてください。
- a. 制度改正の結果が 1 年後に分かるので、その情報を見てから新工場建設を決めたい
- b. まず小規模で市場参入し、需要が想定以上なら追加設備を入れて生産量を増やしたい
- c. 需要が弱ければ、一部ラインを止めて固定費負担を軽くしたい
- d. 原材料価格の変動に応じて、
原料Aと原料Bのどちらを使うかを変えたい - e. 業績が悪化したら、設備を売却して事業から抜けたい
解答 44
- a は
延期オプションです。投資前に情報が出るまで待つ権利だからです。 - b は
拡張オプションです。成功時に追加投資で規模を広げる権利だからです。 - c は
縮小オプションです。悪化時に操業規模を絞る権利だからです。 - d は
切替オプションです。原材料や用途を有利な方へ変える権利だからです。 - e は
撤退オプションです。事業をやめて回収価値を取りにいく権利だからです。 - 過去問では、
待つ、広げる、絞る、変える、やめるのどれかに言い換えてから選ぶと整理しやすいです。
問題 45
次の各場面で、最初に使う手段 を 為替予約、通貨オプション、通貨スワップ の中から答えてください。為替予約 と 通貨オプション を選ぶ場合は、ドル買い / ドル売り、ドル・コール / ドル・プット の向きまで答えてください。
- a. 3か月後に 80 万ドルを支払う輸入企業。
円安でも円高でもよいので、今のレートで固定したい - b. 3か月後に 80 万ドルを受け取る輸出企業。
円高だけ避けたいが、円安の利益は残したい - c. 3か月後に 80 万ドルを受け取る輸出企業。
円高でも円安でもよいので、今のレートで固定したい - d. 5 年間のドル建て借入があり、元本と利息を円建て負担に近づけたい
- e. 3か月後に 80 万ドルを支払う輸入企業。
円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい
解答 45
- a は
為替予約のドル買い予約です。後でドルを支払う = 後でドルを買う側であり、完全固定を求めるからです。 - b は
通貨オプションのドル・プットです。後でドルを受け取る = 後でドルを売る側であり、円高だけ避けたいのでドルを売る権利が合います。 - c は
為替予約のドル売り予約です。後でドルを受け取る = 後でドルを売る側であり、完全固定を求めるからです。 - d は
通貨スワップです。単発の受払ではなく、元本 + 利息の条件を継続的に交換したい場面だからです。 - e は
通貨オプションのドル・コールです。後でドルを支払う = 後でドルを買う側であり、円安だけ避けたいのでドルを買う権利が合います。 - 過去問では、
単発の受払か、完全固定か片側保護か、後で外貨を払うか受け取るかの順で切ると、為替予約 / 通貨オプション / 通貨スワップを逆にしにくくなります。
問題 46
次の各現象について、主にどの強度の 効率的市場仮説 とぶつかりやすいかを 弱度、準強度、強度 の中から答えてください。
- a.
1月効果 - b.
小型株効果 - c.
割安株効果 - d. 未公表の合併情報を先に知って売買すると超過収益が得られるという話
解答 46
- a は
弱度です。1月効果は暦や過去の収益率パターンに基づく話であり、過去情報は織り込み済みという弱度とぶつかりやすいからです。 - b は
準強度です。小型株効果は時価総額や企業規模という公開情報に基づくため、公開情報まで反映済みという準強度とぶつかりやすいからです。 - c も
準強度です。割安株効果はPBRやPERのような公開情報に基づくためです。 - d は
強度です。未公表の合併情報は内部情報なので、内部情報まで反映済みかを問う強度の論点だからです。 - 過去問では、
過去パターン、公開情報、内部情報のどれに基づく現象かへ戻すと、弱度 / 準強度 / 強度を切りやすくなります。
問題 47
次の各場面で、最初に使う手段 を答えてください。
- a. 3か月後にアルミを仕入れる企業が、価格上昇で採算が崩れるのを避けたい。
仕入価格は今の時点で固定したい - b. 3か月後にトウモロコシを販売する企業が、価格下落で収入が減るのを避けたい。
販売価格は今の時点で固定したい - c. 3か月後にドルを支払う輸入企業が、
円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい - d. 変動金利借入をしている企業が、
支払金利を固定したい - e. ドル建て借入の元本と利息を、円建て負担へ近づけたい
解答 47
- a は
買い先物です。商品価格の上昇リスクを、将来買う側として完全固定したいからです。 - b は
売り先物です。商品価格の下落リスクを、将来売る側として完全固定したいからです。 - c は
通貨オプションのドル・コールです。為替の片側保護であり、後でドルを払う = 後でドルを買う側だからです。 - d は
金利スワップです。単発の売買ではなく、利払い条件を変動から固定へ近づけたい場面だからです。 - e は
通貨スワップです。通貨建ての元本 + 利息の条件を継続的に交換したい場面だからです。 - 過去問では、
何が動くか、単発の将来取引か継続的な条件交換か、完全固定か片側保護かの順で切ると、先物 / オプション / スワップを横断で選びやすくなります。
問題 48
ある市場では、多くの投資家が 市場全体を時価総額比で保有した基準 を意識している。投資家Aは銘柄選択でその基準を上回ることを狙い、投資家Bは低コストでその基準に連動する運用を選んでいる。また、公開情報だけでは継続的な超過収益を得にくい と考えられている一方で、1月効果 のような例外的傾向も観察される。
次の空欄に入る語を答えてください。
- a. 市場全体の基準となるポートフォリオ名
- b. 投資家Aの運用方針
- c. 投資家Bの運用方針
- d.
公開情報まで価格に反映済みと考える効率的市場仮説の強度 - e.
1月効果のような例外的傾向の呼び名 - f.
1月効果が主にぶつかりやすい効率的市場仮説の強度
解答 48
- a は
市場ポートフォリオです。市場全体を時価総額比で保有した基準を指すからです。 - b は
アクティブ運用です。市場平均を上回ることを狙う方針だからです。 - c は
パッシブ運用です。市場平均へ低コストで連動する方針だからです。 - d は
準強度です。公開情報まで織り込み済みなら、それだけで継続的に市場平均を上回るのは難しいからです。 - e は
アノマリーです。EMHだけでは説明しにくい例外的な収益傾向だからです。 - f は
弱度です。1月効果は暦や過去収益率パターンに基づくため、主に過去情報は反映済みという弱度とぶつかりやすいからです。 - 過去問では、
基準、運用方針、例外、情報反映の範囲の順で戻ると、市場ポートフォリオ / アクティブ運用 / パッシブ運用 / アノマリー / EMH強度を一問で切りやすくなります。
問題 49
次の各場面で、最も近い手段を答えてください。
- a. 輸出企業が毎月 90 万ドルを受け取り、同じ月に原材料輸入で 85 万ドルを支払っている。まずは自社内で外貨の受払いを相殺したい
- b. 親会社が、海外子会社どうしのドル建て債権債務を集約し、差額だけ決済したい
- c. 円安が進みそうなので、2 か月後の輸入代金の支払いを前倒ししたい
- d. 3 か月後に 70 万ドルを支払う予定で、レートを今の時点で固定したい
- e. 3 か月後に 70 万ドルを受け取る予定で、円高だけ避けて円安の利益は残したい
解答 49
- a は
マッチングです。自社内に同じ通貨の受取りと支払いがあり、まずは自然に相殺したい場面だからです。 - b は
ネッティングです。グループ会社間の外貨債権債務をまとめて相殺したい場面だからです。 - c は
リーズ・アンド・ラグズです。為替見通しに応じて決済時期を前倒し・後ろ倒しする手段だからです。 - d は
為替予約のドル買い予約です。単発の外貨支払いで完全固定をしたいからです。 - e は
通貨オプションのドル・プットです。単発の外貨受取りで片側保護をしたいからです。 - 過去問では、
自社内で相殺できるか、グループで相殺するのか、時期を動かすのか、契約で固定 / 片側保護するのかの順で戻ると、リーズ・アンド・ラグズ / マッチング / ネッティング / 為替予約 / 通貨オプションを切りやすくなります。
問題 50
次の各説明について、最も近い 投資手法または運用 と、主に結び付ける 効率的市場仮説 の強度を答えてください。
- a. チャートや出来高のパターンから売買判断をして、継続的に市場平均を上回ろうとする
- b. 決算短信や財務諸表などの公表情報を分析して、継続的に市場平均を上回ろうとする
- c. 未公表の合併情報を使って超過収益を狙う
- d. 特別な情報優位を持たない投資家が、低コストで市場平均へ連動する運用を選ぶ
解答 50
- a は
テクニカル分析と弱度です。過去情報に基づく分析であり、弱度が成り立つなら継続的な超過収益は取りにくいからです。 - b は
ファンダメンタル分析と準強度です。公開情報に基づく分析であり、準強度が成り立つなら継続的な超過収益は取りにくいからです。 - c は
インサイダー情報と強度です。内部情報を使う話だからです。 - d は
インデックス運用と準強度です。特別な情報優位がない投資家にとって、公開情報だけで勝ち続けるのが難しいなら市場平均へ低コストで連動する方針が合理的だからです。 - 過去問では、
過去情報、公開情報、内部情報、市場平均へ連動する運用のどれを問われているかへ戻すと、テクニカル分析 / ファンダメンタル分析 / インサイダー情報 / インデックス運用を弱度 / 準強度 / 強度と結び付けやすくなります。
問題 51
次の各場面で、最も近い手段を答えてください。完全固定 が必要なら 買いヘッジ / 売りヘッジ / 為替予約、片側保護 が必要なら コール / プット の向きまで答えてください。
- a. 3か月後にアルミを仕入れる企業。価格上昇で採算が崩れるのを避けたい。
価格は今の時点で固定したい - b. 3か月後に大豆を販売する企業。価格下落だけ避けたいが、価格上昇の利益は残したい
- c. 3か月後に 70 万ドルを支払う輸入企業。
円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい - d. 3か月後に 70 万ドルを受け取る輸出企業。
レートは今の時点で固定したい
解答 51
- a は
買いヘッジです。仕入 = 後で商品を買う側であり、完全固定をしたいからです。 - b は
プット・オプションです。販売 = 後で商品を売る側であり、片側保護なら売る側 = プットだからです。 - c は
通貨オプションのドル・コールです。輸入 = 後で外貨を買う側であり、買う側 = コールだからです。 - d は
為替予約のドル売り予約です。輸出 = 後で外貨を売る側であり、完全固定をしたいからです。 - 過去問では、
仕入 / 輸入 = 後で買う側、販売 / 輸出 = 後で売る側と読み替えてから、完全固定か片側保護かを切ると、買いヘッジ / 売りヘッジ / コール / プットを逆にしにくくなります。
問題 52
次の各説明について、最も近い語を ランダム・ウォーク仮説、テクニカル分析、弱度 の中から答えてください。同じ語を複数回使ってかまいません。
- a. 過去のチャートだけから将来の値動きを系統的に予測しにくいという考え方
- b. 移動平均線やトレンドラインから売買判断をしようとする手法
- c. 過去の株価や出来高はすでに価格へ反映済みだと考える立場
- d. c が概ね成り立つ市場で、継続的に通用しにくいと考えやすい分析手法
解答 52
- a は
ランダム・ウォーク仮説です。過去の値動きだけでは次の値動きを系統的に読みづらいという見方だからです。 - b は
テクニカル分析です。移動平均線やトレンドラインのような過去チャートを使って売買判断する手法だからです。 - c は
弱度です。過去の株価や出来高が価格へ反映済みだと考える強度だからです。 - d は
テクニカル分析です。弱度が概ね成り立つなら、過去チャートに依存する分析だけで継続的に市場平均を上回るのは難しいと考えやすいからです。 - 過去問では、
値動きの性質ならランダム・ウォーク仮説、手法ならテクニカル分析、情報反映の範囲なら弱度と切ると、3 つを混同しにくくなります。
問題 53
次の各説明について、最も近い語を コール買い、プット買い、コール売り、プット売り の中から答えてください。同じ語は一度ずつ使います。
- a. 原資産価格の上昇で利益が大きくなり、最大損失は支払プレミアムで止まる。損益分岐点は
行使価格 + プレミアム - b. 受取プレミアムが最大利益であり、原資産価格が上がると損失が膨らむ。損益分岐点は
行使価格 + プレミアム - c. 原資産価格の下落で利益が大きくなり、最大損失は支払プレミアムで止まる。損益分岐点は
行使価格 - プレミアム - d. 受取プレミアムが最大利益であり、原資産価格が下がると損失が膨らむ。損益分岐点は
行使価格 - プレミアム
解答 53
- a は
コール買いです。上昇で得する、買い手なので最大損失はプレミアム、コールなので損益分岐点は K + Pと戻せるからです。 - b は
コール売りです。受取プレミアムが最大利益なので売り、上昇で損失が膨らむのでコールだからです。 - c は
プット買いです。下落で得する、買い手なので最大損失はプレミアム、プットなので損益分岐点は K - Pと戻せるからです。 - d は
プット売りです。受取プレミアムが最大利益なので売り、下落で損失が膨らむのでプットだからです。 - 過去問では、まず
買い手の最大損失 = プレミアム、売り手の最大利益 = プレミアムを固定し、その後でコール = K + P、プット = K - Pと戻すと、4 ポジションをかなり切りやすくなります。
問題 54
次の各説明について、最も近い 効率的市場仮説 の強度を 弱度、準強度、強度 の中から答えてください。あわせて、主に通用しにくくなる分析手法の範囲も答えてください。
- a. 過去の株価や出来高はすでに価格へ反映済みだと考える
- b. 過去情報に加えて、財務諸表やニュースなどの公開情報も価格へ反映済みだと考える
- c. 未公表の合併情報のような内部情報まで価格へ反映済みだと考える
解答 54
- a は
弱度です。主に通用しにくくなるのはテクニカル分析です。過去情報が反映済みなら、過去チャートだけで継続的な超過収益を得るのは難しいからです。 - b は
準強度です。準強度は弱度を含むので、テクニカル分析に加えてファンダメンタル分析も通用しにくくなります。公開情報まで反映済みだからです。 - c は
強度です。強度は準強度と弱度を含むので、理論上は内部情報を使う取引まで含めてあらゆる分析が通用しにくいと読みます。 - 過去問では、まず
過去情報、公開情報、内部情報のどこまで反映済みかを見て、その後でテクニカル分析だけ、ファンダメンタル分析まで、内部情報までのどこまで否定されるかへ戻すと、強度 ⊃ 準強度 ⊃ 弱度を崩しにくくなります。
問題 55
次の各場面について、状態(ITM / ATM / OTM)、本質的価値、時間価値 を答えてください。必要な場合は、満期接近やボラティリティ変化の影響も答えてください。
- a. コール・オプション。原資産価格 120円、行使価格 100円、オプション価格 28円
- b. プット・オプション。原資産価格 100円、行使価格 100円、オプション価格 14円
- c. コール・オプション。原資産価格 90円、行使価格 100円、オプション価格 6円
- d. b と c のように
本質的価値が 0のオプションで、他の条件を一定として満期までの期間が短くなる場合とボラティリティが上昇する場合の価格変化
解答 55
- a は
ITMです。本質的価値は120 - 100 = 20円、時間価値は28 - 20 = 8円です。ITMでも満期前なら時間価値が残ります。 - b は
ATMです。本質的価値は0円、時間価値は14円です。価格のすべてが時間価値です。 - c は
OTMです。本質的価値は0円、時間価値は6円です。OTMでも満期前なら価格が残りえます。 - d は、
満期接近なら時間価値が減るので価格は下がりやすく、ボラティリティ上昇なら時間価値が増えるので価格は上がりやすいです。 - 過去問では、まず
ITM / ATM / OTMを切り、その後で本質的価値と時間価値を分け、最後に満期接近 = 時間価値減少、ボラティリティ上昇 = 時間価値増加と戻すと崩れにくくなります。
問題 56
次の各説明について、最も近い語を CAPM、CML、市場ポートフォリオ、効率的市場仮説 の中から答えてください。
- a. すべてのリスク資産を時価総額比で保有した、市場全体の理論上の基準
- b. 無リスク資産と a を結んだ、効率的ポートフォリオ全体の最良の直線
- c. 個別証券の
βを使って期待収益率や株主資本コストを見積もる考え方 - d. 過去情報や公開情報など、利用可能な情報が価格へ速やかに反映されるとみる考え方
解答 56
- a は
市場ポートフォリオです。市場全体の基準を表す理論上のポートフォリオだからです。 - b は
CMLです。無リスク資産と市場ポートフォリオを結び、効率的ポートフォリオ全体のリスクと期待収益率を表す直線だからです。 - c は
CAPMです。βを使って個別証券の期待収益率や株主資本コストを見積もる理論だからです。 - d は
効率的市場仮説です。何の情報まで価格へ反映済みかを問う理論だからです。 - 過去問では、
基準なら市場ポートフォリオ、効率的ポートフォリオの線ならCML、βで個別証券を価格づけならCAPM、情報反映なら効率的市場仮説と戻すと、4 つを逆にしにくくなります。
問題 57
次の各説明について、最も近い語を SML、CML、β、標準偏差 の中から答えてください。
- a. 市場全体が 1% 動いたとき、その証券が何% 動きやすいかを表す指標
- b.
CAPMで、個別証券の期待収益率と a の関係を表す線 - c. 無リスク資産と市場ポートフォリオを結び、効率的ポートフォリオ全体の最良の組み合わせを表す線
- d. 収益率のばらつき全体を表し、
CMLの横軸で使う指標
解答 57
- a は
βです。市場全体に対する感応度を表す指標だからです。 - b は
SMLです。CAPMの期待収益率と βの関係を表す線だからです。 - c は
CMLです。無リスク資産と市場ポートフォリオを結び、効率的ポートフォリオのリスクと期待収益率を表す線だからです。 - d は
標準偏差です。収益率のばらつき全体 = 総リスクを表し、CMLではこの指標を横軸に使うからです。 - 過去問では、
SML = β / 個別証券、CML = 標準偏差 / 効率的ポートフォリオ、β = 市場感応度、標準偏差 = 総リスクと戻すと、4 つを逆にしにくくなります。
問題 58
次の各場面で、まず使う考え方を オプション価格、プット=コール・パリティ、二項モデル の中から答えてください。同じ語を複数回使ってかまいません。
- a. 同じ原資産、同じ行使価格、同じ満期の欧州型コールとプットがあり、
C、S、K、rは分かるがPだけ不明 - b. 現在価格
Sと、1期間後の上昇価格 / 下降価格、行使価格、無リスク金利が与えられている - c.
ATMのオプションで、満期接近やボラティリティ上昇が価格にどう効くかを見たい - d.
p = (1 + r - d) / (u - d)を使うかどうか迷っている
解答 58
- a は
プット=コール・パリティです。同一原資産 / 同一行使価格 / 同一満期のコールとプットの価格関係を見るからです。 - b は
二項モデルです。上昇 / 下降の2状態と無リスク金利から理論価格を出す場面だからです。 - c は
オプション価格です。本質的価値、時間価値、満期接近、ボラティリティの影響を見る場面だからです。 - d は
二項モデルです。pはリスク中立確率であり、u / d / rが出る場面で使うからです。 - 過去問では、
価格の分解 = オプション価格、整合関係 = プット=コール・パリティ、上昇 / 下降シナリオ = 二項モデルと戻すと、式の使い分けで迷いにくくなります。
事例Ⅳにつなげる観点
WACCは単独で覚えるのではなく、CAPMや負債コストとつながった数字として扱うことが重要です。NPVの問題では、計算結果より前に何と何を比較しているかを言えると崩れにくくなります。企業価値評価は難しく見えても、FCF を割り引くという一本の流れに戻せば整理しやすくなります。収益性指数法は資本制約下、効率的市場仮説は情報反映の範囲、マルチプル法は相対評価の話だと切り分けると、事例Ⅳの論点整理もしやすくなります。MM理論と配当政策は完全市場かどうか、デリバティブは何のリスクをどう抑えるかを先に切ると、周辺論点と混ざりにくくなります。
問題を解くときの観点
- まず求めたいのが
要求収益率か投資案の価値かを切る CAPM、WACC、NPVを別々の式にしないIRRは便利でも、相互排他的な比較ではNPVを優先して考える- 企業価値評価では、
FCFと割引率の前提を必ず確認する PIは効率、NPVは価値増加額を見ていると切り分ける効率的市場仮説は何の情報まで価格に織り込むかの比較だと押さえるランダム・ウォーク仮説、テクニカル分析、弱度は値動き、手法、情報反映の範囲に分けて読むポートフォリオ理論、CAPM、効率的市場仮説は分散、価格づけ、情報反映の順でつなげる市場ポートフォリオ = 基準、CML = 無リスク資産と市場ポートフォリオを結ぶ効率的ポートフォリオの線、CAPM = βで個別証券を価格づけ、効率的市場仮説 = 情報反映と戻すCAPMはβと個別証券、CMLは標準偏差と効率的ポートフォリオの話だと切るSML = β / 個別証券、CML = 標準偏差 / 効率的ポートフォリオの違いを切るβ = 系統的リスク、標準偏差 = 総リスクと戻すマルチプル法では株式価値と事業価値を混同しないMM理論では法人税なしと法人税ありの前提を混ぜない配当政策は投資政策が一定かを先に確認する投資政策がFCFを変えるのか、資金調達 / 配当政策が取り分や払い出し時点を変えるだけなのかを切り分けるデリバティブでは価格を固定したいのか不利な方向だけ避けたいのかを先に切るデリバティブでは商品価格、為替、金利のどれが主に動いているかを先に切る先物を使うなら、将来買う側 = 買いヘッジ、将来売る側 = 売りヘッジを先に固定する仕入 / 輸入 = 後で買う側、販売 / 輸出 = 後で売る側と読めるかを先に確認する為替では後で払う外貨 = 後で買う、後で受け取る外貨 = 後で売ると読み替える為替リスクでは時期調整、自社内相殺、グループ内相殺、契約固定 / 片側保護のどれかを先に切るスワップは単発の売買ではなく、継続的な条件交換の場面かを確認するオプションでは買い手の最大損失 = プレミアム、売り手の最大利益 = プレミアムを先に固定するオプションの損益分岐点はコール = 行使価格 + プレミアム、プット = 行使価格 - プレミアムと戻すオプション価値は本質的価値 + 時間価値に分けるATM / OTMでも満期前なら時間価値が残り、満期接近で減り、ボラティリティ上昇で増えると戻すオプションの問題が価格の分解、プット=コール・パリティ、二項モデルのどれを問うかを先に切るプット=コール・パリティでは同一原資産 / 同一行使価格 / 同一満期とPV(K)を確認する二項モデルではSu / Sd、Cu / Cd、リスク中立確率 p、現在価値への割引の順で計算する効率的市場仮説では過去情報 / 公開情報 / 内部情報 / 市場平均連動のどれを問われているかを先に切る効率的市場仮説では市場全体の基準、市場平均との付き合い方、例外パターンのどれかを先に切る効率的市場仮説では基準 → 運用方針 → 例外 → 情報反映の範囲の順で戻す効率的市場仮説では過去パターン = 弱度、公開情報 = 準強度、内部情報 = 強度と戻す効率的市場仮説では強度 ⊃ 準強度 ⊃ 弱度の包含関係を崩さない効率的市場仮説ではテクニカル分析だけ、ファンダメンタル分析まで、内部情報までのどこまで否定されるかへ戻す実物オプションでは待つ / 広げる / 絞る / 変える / やめるのどれかに言い換える基準ケースの NPVを置いてから、NPVプロファイル、感度分析、デシジョンツリーの順に不確実性を重ねる- 割引率が上がると、後ろに偏った
CFほど現在価値が下がりやすい 符号変化が複数回ある CFでは、IRRが 1 つに定まらないことがある税引後営業 CFと残存価値は、最終年度の回収まで入れて比較する企業価値を出したあとに、有利子負債を引いて現預金を戻すと株主価値になる- 設備投資では、
初期投資に追加運転資本を入れ、最終年度に運転資本回収と税引後残存価値を戻す - 更新投資は、
総額ではなく旧設備を残す場合との差額 CFで見て、感度分析で反転点を確認する - 感度分析では、
WACC、差額営業 CF、残存価値を一軸ずつ動かし、どの前提でNPVが崩れるかを比べる - 途中撤退を比べるときは、
すでに発生した CFを切り離し、その時点から先の価値だけで継続と撤退を比較する 延期オプションは下振れ回避と1年目の CF 取り逃がしの両方を持つ前提で比べるデシジョンツリーは、各末端の NPVを先に出し、期待値と実行 / 見送りを右から左へ戻って決める
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