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ファイナンス 基本確認問題

WACC、NPV、IRR、企業価値評価の基礎論点を短い確認問題で点検する

このページの役割

このページは、ファイナンスの基本論点を自力で言えるか を点検する演習ページです。過去問そのものではなく、過去問で問われやすい型 を短く確認します。

学習のポイント

  • 要求収益率投資案の価値 を分けて考える
  • CAPM → WACC → NPV の流れを一本で理解する
  • IRR企業価値評価 を、判断理由まで含めて説明できるようにする

基本確認問題

応用確認問題

問題 7

次の条件がある。

  • 安全資産利子率: 1%
  • 市場収益率: 6%
  • β値: 1.2
  • 資本構成: 株主資本 60%負債 40%
  • 税引前負債コスト: 3%
  • 法人税率: 30%
  • 株主資本コストはいくらか
  • WACC はいくらか

解答 7

  • 株主資本コストは 1 + 1.2 × (6 - 1) = 7% です。
  • 税引後負債コストは 3 × (1 - 0.3) = 2.1% です。
  • WACC7% × 0.6 + 2.1% × 0.4 = 5.04% です。

問題 8

投資額が 1,000万円、1年後から3年後まで毎年 500万円 のキャッシュ・フローが見込まれる。割引率は 10% とする。

  • NPV はおおよそいくらか
  • この投資案は採択しやすいか

解答 8

  • NPV500 ÷ 1.1 + 500 ÷ 1.1^2 + 500 ÷ 1.1^3 - 1,000 ≒ 243万円 です。
  • NPV がプラスなので、採択しやすい と判断します。

問題 9

相互排他的な 2 つの投資案がある。

  • A案: NPV 120万円IRR 14%
  • B案: NPV 180万円IRR 12%

資本制約がなく、どちらか 1 つしか選べないとき、どちらを選びやすいか。また、その理由は何か。

解答 9

B案 を選びやすいです。IRR は A案の方が高いですが、企業価値をより大きく増やすのは NPV が高い B案 だからです。

問題 10

ある企業の FCF は次の見込みである。

  • 1年後: 120万円
  • 2年後: 160万円
  • 3年後: 200万円
  • 4年後以降: 毎年 1% で安定成長
  • WACC: 6%
  • 3年後末の継続価値はいくらか
  • なぜ WACC と成長率の差を丁寧に確認する必要があるか

解答 10

  • 4年後の FCF200 × 1.01 = 202万円 です。
  • 3年後末の継続価値は 202 ÷ (0.06 - 0.01) = 4,040万円 です。
  • WACC と成長率の差が小さいほど分母が小さくなり、継続価値が大きくぶれやすいからです。

問題 11

相互排他的な 2 つの投資案がある。割引率は 10% とする。

  • A案: 初期投資 1,000万円、1年後 700万円、2年後 500万円
  • B案: 初期投資 1,000万円、1年後 200万円、2年後 1,100万円
  • それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • どちらを選びやすいか

解答 11

  • A案の NPV700 ÷ 1.1 + 500 ÷ 1.1^2 - 1,000 ≒ 50万円 です。
  • B案の NPV200 ÷ 1.1 + 1,100 ÷ 1.1^2 - 1,000 ≒ 91万円 です。
  • B案 を選びやすいです。回収が後ろでも、現在価値に直した企業価値の増加額は B案 の方が大きいからです。

問題 12

ある企業について、次の条件がある。

  • 安全資産利子率: 1%
  • 市場収益率: 6%
  • β値: 1.0
  • 資本構成: 株主資本 60%負債 40%
  • 税引前負債コスト: 5%
  • 法人税率: 30%
  • FCF 見込み: 1年後 120万円、2年後 140万円、3年後 160万円
  • 4年後以降の成長率: 1%
  • 株主資本コストはいくらか
  • WACC はいくらか
  • 3年後末の継続価値はいくらか
  • 企業価値はおおよそいくらか

解答 12

  • 株主資本コストは 1 + 1.0 × (6 - 1) = 6% です。
  • 税引後負債コストは 5 × (1 - 0.3) = 3.5% です。
  • WACC6% × 0.6 + 3.5% × 0.4 = 5% です。
  • 4年後の FCF160 × 1.01 = 161.6万円 なので、3年後末の継続価値は 161.6 ÷ (0.05 - 0.01) = 4,040万円 です。
  • 企業価値は 120 ÷ 1.05 + 140 ÷ 1.05^2 + 160 ÷ 1.05^3 + 4,040 ÷ 1.05^3 ≒ 3,870万円 と考えられます。
  • この問題では、CAPM → WACC → 継続価値 → 企業価値 を一本でつなげることが重要です。どこか 1 つだけを別論点として扱うと崩れやすくなります。

問題 13

投資予算が 1,500万円 しかない企業が、次の 3 案を検討している。

  • A案: 初期投資 1,000万円NPV 180万円IRR 18%
  • B案: 初期投資 500万円NPV 120万円IRR 15%
  • C案: 初期投資 1,500万円NPV 250万円IRR 20%
  • どの案、または組み合わせを選びやすいか
  • その理由は何か
  • IRR だけで判断すると、どこで誤りやすいか

解答 13

  • A案 + B案 を選びやすいです。
  • 合計投資額は 1,500万円 で予算内に収まり、合計 NPV180 + 120 = 300万円 となり、C案250万円 を上回るからです。
  • IRR だけで見ると 20%C案 を選びたくなりますが、資本制約があるときは 企業価値をどれだけ増やせるか を見る必要があります。IRR の高さと NPV の大きさは一致しないため、ここで誤りやすくなります。

問題 14

相互排他的な 2 つの投資案がある。資本制約はなく、どちらか 1 つだけを選ぶ。

  • A案: 初期投資 1,000万円、現在価値ベースの流入総額 1,160万円、単純回収期間 1.8年
  • B案: 初期投資 500万円、現在価値ベースの流入総額 590万円、単純回収期間 1.2年
  • それぞれの NPV はいくらか
  • それぞれの PI はいくらか
  • NPV で選ぶとどちらか
  • PI回収期間法 に引っ張られると、どこで誤りやすいか

解答 14

  • A案の NPV1,160 - 1,000 = 160万円 です。
  • B案の NPV590 - 500 = 90万円 です。
  • A案の PI1,160 ÷ 1,000 = 1.16 です。
  • B案の PI590 ÷ 500 = 1.18 です。
  • NPV で選ぶなら A案 です。企業価値の増加額は 160万円 の方が大きいからです。
  • PI回収期間法 に引っ張られると、効率が良い案早く回収できる案 を過大評価しやすくなります。相互排他的で資本制約がないなら、どれだけ価値を増やすか を示す NPV を優先して考えるべきです。

問題 15

相互排他的な 2 つの投資案がある。どちらも初期投資は 1,000万円 である。

  • A案: 1年後 800万円、2年後 500万円
  • B案: 1年後 100万円、2年後 1,280万円
  • 割引率 5% のとき、それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • 割引率 15% のとき、それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • 各割引率で、どちらを選びやすいか
  • なぜ割引率が変わると順位が逆転しやすいのか

解答 15

  • 割引率 5% のとき、A案の NPV800 ÷ 1.05 + 500 ÷ 1.05^2 - 1,000 ≒ 215万円 です。
  • 割引率 5% のとき、B案の NPV100 ÷ 1.05 + 1,280 ÷ 1.05^2 - 1,000 ≒ 256万円 です。
  • 割引率 15% のとき、A案の NPV800 ÷ 1.15 + 500 ÷ 1.15^2 - 1,000 ≒ 74万円 です。
  • 割引率 15% のとき、B案の NPV100 ÷ 1.15 + 1,280 ÷ 1.15^2 - 1,000 ≒ 55万円 です。
  • 割引率 5% なら B案、割引率 15% なら A案 を選びやすいです。
  • B案 は後ろの年に大きなキャッシュ・フローが偏っているため、割引率が上がるほど現在価値が大きく下がります。逆に A案 は前倒しで回収するため、高い割引率でも価値が落ちにくく、順位が逆転しやすくなります。

問題 16

次の 2 案を比較する。

  • A案: 0年 △1,000万円、1年後 2,300万円、2年後 △1,320万円
  • B案: 0年 △1,000万円、1年後 650万円、2年後 650万円
  • 割引率 10% のとき、それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • 割引率 20% のとき、それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • A案では、IRR を 1 つに決め打つとどこが危険か
  • NPVプロファイル を見る意味は何か

解答 16

  • 割引率 10% のとき、A案の NPV△1,000 + 2,300 ÷ 1.1 - 1,320 ÷ 1.1^2 ≒ 0万円 です。
  • 割引率 10% のとき、B案の NPV650 ÷ 1.1 + 650 ÷ 1.1^2 - 1,000 ≒ 128万円 です。
  • 割引率 20% のとき、A案の NPV△1,000 + 2,300 ÷ 1.2 - 1,320 ÷ 1.2^2 ≒ 0万円 です。
  • 割引率 20% のとき、B案の NPV650 ÷ 1.2 + 650 ÷ 1.2^2 - 1,000 ≒ △7万円 です。
  • A案は 負→正→負 と符号が 2 回変わるため、IRR が 1 つに定まらず複数解を持ちやすいです。そのため、IRR が何%か だけで優劣を決めるのは危険です。
  • NPVプロファイル を見る意味は、割引率が変わると評価がどう変わるか を連続的に確認できることにあります。これで、どの資本コスト帯でどちらの案が有利かIRR だけでは判断しづらい理由 を見分けやすくなります。

問題 17

次の 2 つの設備投資案を比較する。税引後営業 CF税引後残存価値 はすでに求められているものとする。

  • A案: 初期投資 1,000万円、1年後の税引後営業 CF 420万円、2年後 420万円、3年後 420万円、3年後の税引後残存価値 260万円
  • B案: 初期投資 1,000万円、1年後の税引後営業 CF 80万円、2年後 500万円、3年後 900万円、3年後の税引後残存価値 120万円
  • 割引率 6% のとき、それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • 割引率 14% のとき、それぞれの NPV はおおよそいくらか
  • 各割引率で、どちらを選びやすいか
  • なぜ B案 は資本コスト上昇に弱いのか
  • 残存価値を落とすと、どこで誤りやすいか

解答 17

  • 割引率 6% のとき、A案の NPV420 ÷ 1.06 + 420 ÷ 1.06^2 + 680 ÷ 1.06^3 - 1,000 ≒ 341万円 です。
  • 割引率 6% のとき、B案の NPV80 ÷ 1.06 + 500 ÷ 1.06^2 + 1,020 ÷ 1.06^3 - 1,000 ≒ 377万円 です。
  • 割引率 14% のとき、A案の NPV420 ÷ 1.14 + 420 ÷ 1.14^2 + 680 ÷ 1.14^3 - 1,000 ≒ 151万円 です。
  • 割引率 14% のとき、B案の NPV80 ÷ 1.14 + 500 ÷ 1.14^2 + 1,020 ÷ 1.14^3 - 1,000 ≒ 143万円 です。
  • 割引率 6% では B案、割引率 14% では A案 を選びやすいです。
  • B案3年後 に大きな 税引後営業 CF残存価値 が集中しているため、資本コストが上がると現在価値が大きく下がりやすいです。後ろに偏った CF ほど、割引率上昇の影響を強く受けます。
  • 残存価値を落とすと、最終年度にどれだけ回収できるか を見落として A案 を過小評価しやすくなります。設備投資は、税引後営業 CF だけでなく 撤退時や売却時の回収 まで含めて比較する必要があります。

問題 18

ある設備投資案について、次の条件がある。

  • 設備取得額 1,200万円
  • 追加運転資本 150万円0年 に投入し、3年後 に全額回収する
  • 使用期間 3年、残存簿価 0円、定額法で減価償却する
  • 毎年の売上増加額 980万円
  • 毎年の現金費用 500万円
  • 法人税率 30%
  • 3年後 に設備を 240万円 で売却する
  • 割引率 8%
  • 毎年の減価償却費はいくらか
  • 毎年の 税引後営業 CF はいくらか
  • 3年後税引後残存価値 はいくらか
  • 3年後 の最終年キャッシュ・フローは合計いくらか
  • この投資案の NPV はおおよそいくらか
  • この問題で落としやすい論点は何か

解答 18

  • 毎年の減価償却費は 1,200 ÷ 3 = 400万円 です。
  • 毎年の 税引後営業 CF は、(980 - 500 - 400) × (1 - 0.3) + 400 = 456万円 です。
  • 3年後税引後残存価値 は、残存簿価が 0円 なので 240 × (1 - 0.3) = 168万円 です。
  • 3年後 の最終年キャッシュ・フローは、税引後営業 CF 456万円 + 運転資本回収 150万円 + 税引後残存価値 168万円 = 774万円 です。
  • 0年 の初期投資は 1,200 + 150 = 1,350万円 なので、NPV456 ÷ 1.08 + 456 ÷ 1.08^2 + 774 ÷ 1.08^3 - 1,350 ≒ 78万円 です。
  • 落としやすいのは、追加運転資本 を初期投資に入れること、3年後 にその回収を戻すこと、そして 売却額 をそのまま使わず 税引後残存価値 に直すことです。設備投資は、取得運用撤退 を 1 本でつなぐ必要があります。

問題 19

ある設備更新案について、次の条件がある。

  • 新設備の取得額 1,000万円
  • 旧設備は 売れば税引後 150万円 を回収できる。更新しない場合、4年後 の税引後残存価値は 20万円
  • 新設備を導入すると、追加運転資本 50万円0年 に必要となり、4年後 に全額回収する
  • 更新による 税引後差額営業 CF は、基準ケースでは毎年 260万円、弱気ケースでは毎年 220万円、強気ケースでは毎年 300万円 と見込む
  • 新設備の 4年後 の税引後残存価値は 120万円
  • 割引率 8%
  • 更新投資として 0年 の差額投資額はいくらか
  • 4年後 の差額終価キャッシュ・フローはいくらか
  • 基準ケースの NPV はおおよそいくらか
  • 弱気ケースと強気ケースの NPV はおおよそいくらか
  • この投資判断では、どの前提に感度が高いか
  • なぜ 旧設備を今売れば得られる金額 を初期投資に入れる必要があるか

解答 19

  • 0年 の差額投資額は、新設備取得額 1,000 - 旧設備売却回収 150 + 追加運転資本 50 = 900万円 です。
  • 4年後 の差額終価キャッシュ・フローは、新設備の税引後残存価値 120 - 旧設備を持ち続けた場合の税引後残存価値 20 + 運転資本回収 50 = 150万円 です。
  • 基準ケースの NPV は、260 × 年金現価係数(8%,4年) 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 71万円 です。
  • 弱気ケースの NPV は、220 × 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ △61万円 です。
  • 強気ケースの NPV は、300 × 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 204万円 です。
  • この投資判断は、毎年の税引後差額営業 CF に対する感度が高いです。260万円220万円 に下がるだけで NPV がプラスからマイナスへ反転するためです。
  • 旧設備を今売れば得られる金額 は、更新することで放棄する 機会収入 だからです。更新投資は総額ではなく、更新する場合としない場合の差額 で考える必要があります。

問題 20

前問の更新投資案について、基準ケースを 差額営業 CF 260万円残存価値差額 150万円割引率 8% とする。次のように 1つずつ前提を動かした場合 を比べる。

  • ケースA: 割引率 だけを 10% に上げる
  • ケースB: 差額営業 CF だけを毎年 230万円 に下げる
  • ケースC: 差額終価キャッシュ・フロー だけを 90万円 に下げる
  • 基準ケースの NPV はおおよそいくらか
  • ケースA、ケースB、ケースC の NPV はそれぞれおおよそいくらか
  • どの前提変更が NPV に最も強く効いているか
  • なぜ 差額営業 CF の変化は効きやすいのか
  • 感度分析では、なぜ 1つずつ前提を動かす のが有効か

解答 20

  • 基準ケースの NPV は、前問の通り 約 71万円 です。
  • ケースA の NPV は、260 × 年金現価係数(10%,4年) 3.170 + 150 ÷ 1.10^4 - 900 ≒ 27万円 です。
  • ケースB の NPV は、230 × 3.312 + 150 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ △28万円 です。
  • ケースC の NPV は、260 × 3.312 + 90 ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 27万円 です。
  • この比較では、最も強く効いているのは 差額営業 CF の変化です。ケースB だけが NPV を明確にマイナスへ反転させています。
  • 差額営業 CF4年間 毎年発生するため、毎年の小さな差でも現在価値に直すと累積効果が大きくなります。残存価値 は最終年 1回 だけなので、影響は相対的に小さくなりやすいです。
  • 感度分析で 1つずつ前提を動かす と、何が判断を壊したのか を切り分けやすくなります。複数の前提を同時に動かすと、WACC差額営業 CF のどちらが原因で NPV が反転したのか見えにくくなります。

問題 21

ある企業は、今年の更新投資に使える予算を 1,200万円 までに制約されている。割引率は 8% とし、各案の 差額初期投資額差額 CF の現在価値合計 は次の通りである。

  • A案: 差額初期投資額 900万円差額 CF の現在価値合計 1,010万円
  • B案: 差額初期投資額 500万円差額 CF の現在価値合計 580万円
  • C案: 差額初期投資額 400万円差額 CF の現在価値合計 470万円
  • 3案は独立しており、予算内なら複数採択できる
  • A案、B案、C案の NPV はそれぞれいくらか
  • A案、B案、C案の PI はそれぞれいくらか
  • 資本制約がない とき、個別 NPV の大きい順はどうなるか
  • 予算 1,200万円 のとき、どの組み合わせを選びやすいか
  • 予算 1,400万円 に緩むと、どの組み合わせを選びやすいか
  • なぜ 資本制約があると採択順位が変わる のか

解答 21

  • A案の NPV1,010 - 900 = 110万円 です。
  • B案の NPV580 - 500 = 80万円 です。
  • C案の NPV470 - 400 = 70万円 です。
  • A案の PI1,010 ÷ 900 ≒ 1.12 です。
  • B案の PI580 ÷ 500 = 1.16 です。
  • C案の PI470 ÷ 400 = 1.175 です。
  • 資本制約がない ときは、個別 NPV の大きい順に A → B → C と見やすいです。
  • 予算 1,200万円 のときは B + C を選びやすいです。必要資金は 500 + 400 = 900万円、合計 NPV80 + 70 = 150万円 で、A案単独の 110万円 を上回るからです。
  • 予算 1,400万円 に緩むと A + B を選びやすいです。必要資金は 900 + 500 = 1,400万円、合計 NPV110 + 80 = 190万円 で最も大きいからです。
  • 資本制約があると採択順位が変わる のは、個別 NPV だけでなく 限られた資金を何に振ると合計 NPV が最大になるか を見なければならないからです。PI組み合わせ の効率を見ないと、単独では最も大きい案 が最適とは限りません。

問題 22

ある企業は、老朽化した設備を更新するかどうかを検討している。更新投資としての 0年 の差額投資額は 900万円 であり、1年目2年目税引後差額営業 CF はそれぞれ 320万円 と見込む。割引率は 8% とする。

2年目末 に市場環境を見直したところ、その後の見通しは弱く、次の 2 つの選択肢を比較することになった。

  • 継続する 場合: 3年目4年目税引後差額営業 CF は各 110万円5年目税引後差額営業 CF110万円5年目末 の差額終価キャッシュ・フローは 90万円
  • 2年目末で撤退する 場合: 新設備の 税引後売却価額 360万円運転資本回収 60万円2年目末 に受け取る
  • 2年目末 時点で見た 継続案 の価値はいくらか
  • 2年目末 時点で見た 撤退案 の価値はいくらか
  • 2年目末 時点では、どちらを選びやすいか
  • 撤退オプションあり での 0年 時点の NPV はおおよそいくらか
  • 撤退オプションがなく、弱い見通しのまま 5 年目まで継続する 場合の NPV はおおよそいくらか
  • なぜ 途中時点の意思決定 は、その時点の価値で比較する必要があるのか

解答 22

  • 2年目末 時点で見た 継続案 の価値は、110 ÷ 1.08 + 110 ÷ 1.08^2 + (110 + 90) ÷ 1.08^3 ≒ 355万円 です。
  • 2年目末 時点で見た 撤退案 の価値は、360 + 60 = 420万円 です。
  • 2年目末 時点では 撤退案 を選びやすいです。420万円継続案 355万円 を上回るためです。
  • 撤退オプションあり0年 時点 NPV は、320 ÷ 1.08 + (320 + 420) ÷ 1.08^2 - 900 ≒ 31万円 です。
  • 撤退オプションがなく、弱い見通しのまま 5年目まで継続する 場合の NPV は、320 ÷ 1.08 + 320 ÷ 1.08^2 + 110 ÷ 1.08^3 + 110 ÷ 1.08^4 + (110 + 90) ÷ 1.08^5 - 900 ≒ △25万円 です。
  • 途中時点の意思決定 をその時点の価値で比較する必要があるのは、すでに発生した 1年目、2年目の CF はどちらの案でも共通で、比較対象にならないからです。今から先の価値 だけを比べて初めて、継続撤退 のどちらが有利かを正しく判断できます。

問題 23

ある企業は、老朽化した設備について 即時更新案1年延期案 を比較している。割引率は 8% とし、1年後 に需要見通しが 好調 60%低調 40% のいずれかで判明する。

  • 即時更新案: 0年 に差額投資額 900万円 を支出する。1年目税引後差額営業 CF300万円1年目末 に需要が 好調 なら 2年目3年目税引後差額営業 CF は各 340万円4年目340万円 に加えて差額終価キャッシュ・フロー 120万円 を受け取る。低調 なら 1年目末 に撤退し、税引後売却価額 400万円 と運転資本回収 60万円 を受け取る
  • 1年延期案: 0年 は更新せず、旧設備で 1年目税引後差額営業 CF 80万円 を得る。1年目末 に需要が 好調 なら差額投資額 900万円 を支出し、2年目3年目税引後差額営業 CF は各 340万円4年目340万円 に加えて差額終価キャッシュ・フロー 120万円 を受け取る。低調 なら更新しない
  • 即時更新案好調ケースNPV はおおよそいくらか
  • 即時更新案低調ケースNPV はおおよそいくらか
  • 即時更新案期待 NPV はおおよそいくらか
  • 1年延期案期待 NPV はおおよそいくらか
  • どちらを選びやすいか
  • なぜ 延期案 は下振れを抑えやすい一方で、上振れの取り込みも遅くなりやすいのか

解答 23

  • 即時更新案好調ケースNPV は、300 ÷ 1.08 + 340 ÷ 1.08^2 + 340 ÷ 1.08^3 + (340 + 120) ÷ 1.08^4 - 900 ≒ 277万円 です。
  • 即時更新案低調ケースNPV は、(300 + 400 + 60) ÷ 1.08 - 900 ≒ △196万円 です。
  • 即時更新案期待 NPV は、277 × 0.6 + (△196) × 0.4 ≒ 88万円 です。
  • 1年延期案期待 NPV は、80 ÷ 1.08 + 0.6 × {(-900 + 340 ÷ 1.08 + 340 ÷ 1.08^2 + (340 + 120) ÷ 1.08^3) ÷ 1.08} ≒ 114万円 です。
  • この条件では 1年延期案 を選びやすいです。好調 のときだけ更新することで下振れを避けられ、期待 NPV即時更新案 を上回るからです。
  • 延期案 が下振れを抑えやすいのは、低調 と分かった時点で投資そのものを見送れるからです。一方で、好調 でも 1年目 の大きい差額 CF を取り逃がすため、上振れの取り込みは 即時更新案 より遅くなりやすくなります。

問題 24

ある企業は、新設備への更新投資について 事前調査なしで今すぐ更新する案調査をしてから更新判断する案 を比較している。割引率は 8% とする。

  • 更新投資の差額投資額は 850万円
  • 高需要 なら、1年後2年後 の税引後差額営業 CF は各 360万円3年後360万円 に加えて差額終価キャッシュ・フロー 100万円 を受け取る
  • 低需要 なら、1年後2年後 の税引後差額営業 CF は各 180万円3年後180万円 に加えて差額終価キャッシュ・フロー 80万円 を受け取る
  • 事前調査をしない場合、需要が 高需要 60%低需要 40% で発生する
  • 事前調査をする場合、0年 に調査費 20万円 を払う。調査結果は 好感触 2/3悪感触 1/3
  • 好感触 のとき、実際に 高需要 となる条件付き確率は 80%低需要20%
  • 悪感触 のとき、実際に 高需要 となる条件付き確率は 20%低需要80%
  • 調査後は 更新する更新しない かを選べる。更新しない 場合のその枝の価値は 0 とする
  • 高需要 ケースの NPV はおおよそいくらか
  • 低需要 ケースの NPV はおおよそいくらか
  • 事前調査なしで今すぐ更新する案 の期待 NPV はおおよそいくらか
  • 好感触 の枝で、更新した場合の期待 NPV はおおよそいくらか
  • 悪感触 の枝で、更新した場合の期待 NPV はおおよそいくらか
  • 調査をしてから更新判断する案 の期待 NPV はおおよそいくらか
  • どちらの案を選びやすいか
  • なぜデシジョンツリーは 右から左 に計算するのか

解答 24

  • 高需要 ケースの NPV は、360 ÷ 1.08 + 360 ÷ 1.08^2 + (360 + 100) ÷ 1.08^3 - 850 ≒ 157万円 です。
  • 低需要 ケースの NPV は、180 ÷ 1.08 + 180 ÷ 1.08^2 + (180 + 80) ÷ 1.08^3 - 850 ≒ △322万円 です。
  • 事前調査なしで今すぐ更新する案 の期待 NPV は、157 × 0.6 + (△322) × 0.4 ≒ △35万円 です。
  • 好感触 の枝で更新した場合の期待 NPV は、157 × 0.8 + (△322) × 0.2 ≒ 61万円 です。
  • 悪感触 の枝で更新した場合の期待 NPV は、157 × 0.2 + (△322) × 0.8 ≒ △226万円 です。
  • 調査をしてから更新判断する案 の期待 NPV は、△20 + (2 / 3) × 61 + (1 / 3) × 0 ≒ 21万円 です。悪感触 の枝では更新しない方が有利なので、その枝の価値は 0 とします。
  • この条件では 調査をしてから更新判断する案 を選びやすいです。今すぐ更新 は期待 NPV がマイナスですが、調査後に悪感触なら見送る ことで下振れを切り落とし、期待 NPV をプラスへ持ち上げられるからです。
  • デシジョンツリーを 右から左 に計算するのは、まず末端の 各シナリオの NPV を確定し、その後で 確率加重平均実行する / しないの選択 を一段ずつ戻りながら決めるためです。末端価値が定まっていないと、途中の分岐で何を選ぶべきか判断できません。

短文説明の練習

問題 25

次の要因を使って、WACC を投資判断の基準に使う理由 を 1 文で書く。

  • 株主資本コスト
  • 負債コスト
  • 企業全体の資金調達

解答 25

WACC は株主資本コストと負債コストを加重平均した企業全体の資金調達コストであり、投資案がそのハードルを超えるかを判断する基準になる。

問題 26

次の要因を使って、IRR より NPV を重く見る理由 を 1 文で書く。

  • 相互排他的な投資案
  • 企業価値の増加額

解答 26

相互排他的な投資案では、IRR の高さよりも企業価値の増加額を直接示す NPV の方が判断基準として適している。

問題 27

次の要因を使って、企業価値が上がる方向 を 1 文で書く。

  • FCF の増加
  • 割引率の低下

解答 27

将来の FCF が増えるか割引率が低下すると、将来キャッシュ・フローの現在価値が大きくなるため企業価値は上がりやすい。

問題 28

次の要因を使って、継続価値が企業価値で大きな比重を持ちやすい理由 を 1 文で書く。

  • 予測期間後も事業が続く
  • 長期の FCF

解答 28

予測期間の後も事業が続いて長期の FCF が積み上がるため、継続価値は企業価値の大きな部分を占めやすい。

問題 29

次の要因を使って、収益性指数法を資本制約下で補助的に使う理由 を 1 文で書く。

  • PI
  • 投資効率
  • 組み合わせ選択

解答 29

収益性指数法は PI によって投資効率を比べられるため、資本制約下では限られた予算でどの組み合わせを選ぶかを考える補助指標として使いやすい。

問題 30

次の要因を使って、準強度の効率的市場仮説 を 1 文で書く。

  • 公開情報
  • 株価
  • 超過収益

解答 30

準強度の効率的市場仮説では公開情報がすでに株価へ反映されているため、その情報だけで継続的に超過収益を得るのは難しいと考える。

問題 31

次の要因を使って、マルチプル法と DCF法の違い を 1 文で書く。

  • 類似企業比較
  • 将来 FCF

解答 31

マルチプル法は類似企業比較で相対的に価値をみるのに対し、DCF法は将来 FCF を現在価値へ割り引いて自社の価値をみる方法である。

問題 32

次の要因を使って、法人税なしの MM理論で資本構成だけでは企業価値が変わりにくい理由 を 1 文で書く。

  • 負債比率
  • 株主資本コスト
  • 打ち消し合う

解答 32

法人税なしの MM理論では、負債比率を高めると株主資本コストも上がって効果が打ち消し合うため、資本構成だけでは企業価値は変わりにくい。

問題 33

次の要因を使って、配当政策の無関連命題 を 1 文で書く。

  • 投資政策
  • 配当
  • 企業価値

解答 33

投資政策が一定なら、完全市場では配当の出し方そのものだけで企業価値は決まりにくい、というのが配当政策の無関連命題である。

問題 34

原材料価格の上昇を避けたい企業が、将来の仕入価格を今の時点で固定したい と考えている。このとき、まず使いやすい手段は何か。また、その理由は何か。

解答 34

買い先物 を使いやすいです。将来の仕入価格を今の時点で固定できるため、原材料価格の上昇リスクを抑えやすいからです。

問題 35

変動金利借入の金利上昇が心配な企業が、支払金利を固定したい と考えている。このとき、典型的に使う手段は何か。また、その理由は何か。

解答 35

金利スワップ を使いやすいです。変動金利の支払いを固定金利の支払いへ近い形へ変え、金利上昇リスクを抑えやすいからです。

問題 36

次の各場面で、最初に使う道具 を答えてください。

  • a. β値、無リスク利子率、市場収益率が与えられ、株主が求める収益率を問われている
  • b. 資本構成、税引前負債コスト、法人税率が与えられ、設備投資の割引率を問われている
  • c. 年度別 FCF、継続価値、有利子負債、現預金、発行済株式数が与えられ、1株当たり価値を問われている
  • d. 投資予算が限られ、複数案の組み合わせを検討している

解答 36

  • a は CAPM です。株主資本コスト Re を求める場面だからです。
  • b は WACC です。企業全体の資金調達コストを割引率として使う場面だからです。
  • c は DCF法 です。FCF を割り引いて企業価値を出し、そこから株主価値と 1 株当たり価値へ落とす場面だからです。
  • d は PI を補助的に使います。投資効率を比べて組み合わせを絞り、最後は NPV の合計で確認するのが基本だからです。

問題 37

ある企業について、DCF法 で求めた企業価値が 8,400万円、有利子負債が 2,000万円、現預金が 600万円、発行済株式数が 10,000株 である。

  • 株主価値はいくらか
  • 1株当たり価値はいくらか
  • ここで受験生が最も誤りやすい点は何か

解答 37

  • 株主価値は 8,400 - 2,000 + 600 = 7,000万円 です。
  • 1株当たり価値は 7,000万円 ÷ 10,000株 = 700円 です。
  • 最も誤りやすいのは、企業価値株主価値 を混同して 有利子負債だけを引き、現預金を戻し忘れること です。企業価値 = 事業全体の価値株主価値 = 借入返済後に株主へ残る価値 と切り分ける必要があります。

問題 38

新規事業について、市場調査費 20万円 を払うと、好調シナリオ 60%慎重シナリオ 40% のどちらかが分かる。割引率は 10% とする。

  • 好調シナリオでは、今すぐ 300万円 を投資すると、1年後 200万円2年後 200万円 の営業 CF が見込まれ、2年後撤退価値 80万円 を回収できる
  • 慎重シナリオでは、今すぐ 300万円 を投資すると、1年後 130万円 の営業 CF が見込まれる
  • 慎重シナリオで 1年後 に継続すると、2年後 130万円 の営業 CF と 撤退価値 60万円 を回収できる
  • 慎重シナリオで 1年後 に撤退すると、その時点で 撤退価値 220万円 を回収できる
  • 好調シナリオの NPV はいくらか
  • 慎重シナリオでは、継続撤退 のどちらを選びやすいか
  • 調査費を払う価値はあるか

解答 38

  • 好調シナリオの NPV200 ÷ 1.1 + (200 + 80) ÷ 1.1^2 - 300 ≒ 113万円 です。
  • 慎重シナリオで 継続 すると、130 ÷ 1.1 + (130 + 60) ÷ 1.1^2 - 300 ≒ △25万円 です。
  • 慎重シナリオで 1年後に撤退 すると、(130 + 220) ÷ 1.1 - 300 ≒ 18万円 です。したがって、慎重シナリオでは 撤退 を選びやすいです。
  • 調査後の期待 NPV0.6 × 113 + 0.4 × 18 ≒ 75万円 です。ここから 調査費 20万円 を引いても 約 55万円 プラスなので、調査費を払う価値があります。
  • この問題では、各末端の NPV を先に出し、慎重シナリオでは撤退 を選んでから、最後に期待値を計算する 右から左へ戻る 手順が重要です。

問題 39

完全市場を前提とし、必要な箇所だけ法人税の有無を考える。次の各場面について、企業価値 がどうなるか、また 株主資本コスト株主価値 をどう考えるか答えてください。

  • a. NPV が 200万円プラス の投資案を採択した
  • b. 法人税なしMM理論 を前提に、負債比率を引き上げた
  • c. 法人税率 30%MM理論 を前提に、負債を 1,000万円 増やした
  • d. 投資政策を変えずに、配当を増やした

解答 39

  • a は 企業価値を高める 場面です。NPV がプラスなので、将来 FCF の現在価値が初期投資を上回っており、通常は 株主価値 も増えやすいです。
  • b は 企業価値は変わらない 場面です。無税の MM理論 では、負債の安さを 株主資本コストの上昇 がちょうど相殺するので、WACC も企業価値も変わりません。
  • c は 企業価値が 300万円増える 場面です。τD = 0.3 × 1,000 = 300万円 の節税効果が加わるからです。ただし、株主資本コスト はなお上昇し、現実には倒産コストも考える必要があります。
  • d は 企業価値は変わらない 場面です。完全市場では、配当を早く払うか、内部留保して後で払うかの違いであり、投資政策 が同じなら価値の源泉は変わりません。
  • 過去問では、最初に その変化は FCF を変えるのか、それとも取り分や払い出し時点を変えるだけなのか を切ると、DCF法MM理論配当政策 を混同しにくくなります。

問題 40

ある設備更新案について、基準ケースでは NPV が 80万円 である。別の比較案とは 割引率 によって順位が入れ替わる可能性があり、さらに WACC差額営業 CF残存価値 のどの前提が最も判断を壊しやすいかを知りたい。また、1年待てば需要情報が分かり、その時点で 実行見送り を選べるものとする。

  • a. 割引率による順位逆転 を見たいとき、最初に使う道具は何か
  • b. どの前提が最も危ないか を見たいとき、最初に使う道具は何か
  • c. 待ってから決められる価値 を見たいとき、最初に使う道具は何か
  • d. この 3 つを、基準ケースの NPV からどの順に考えると整理しやすいか

解答 40

  • a は NPVプロファイル です。割引率 が変わると各案の現在価値がどう動き、どこで順位が逆転するかを見たいからです。
  • b は 感度分析 です。WACC差額営業 CF残存価値一軸ずつ 動かし、どの前提で NPV が最も崩れるかを見たいからです。
  • c は デシジョンツリー です。延期オプション は、情報を見てから 実行 / 見送り を選べる柔軟性の価値を評価する場面だからです。
  • d は、基準ケースの NPVNPVプロファイル感度分析デシジョンツリー の順で考えると整理しやすいです。まず基準値を置き、次に 割引率 の不確実性、次に 前提条件 の不確実性、最後に 後から選び直せるか を確認します。
  • 過去問では、NPVプロファイル = 割引率感度分析 = 一軸ずつ原因切り分けデシジョンツリー = 右から左 と短く固定しておくと判断がぶれにくくなります。

問題 41

次の各説明について、最も中心になる理論を ポートフォリオ理論CAPM効率的市場仮説 の中から答えてください。

  • a. 会社固有のリスクは、複数銘柄を組み合わせることで小さくできる
  • b. β が大きい株式ほど、株主が要求する期待収益率は高くなりやすい
  • c. 公開情報だけでは、継続的に市場平均を上回るのが難しい
  • d. 分散で落ちるリスク価格づけされるリスク織り込み済み情報 の順に理解すると整理しやすい

解答 41

  • a は ポートフォリオ理論 です。分散投資で 非系統的リスク を小さくできるという話だからです。
  • b は CAPM です。β を使って 市場リスクに対する期待収益率 を考える理論だからです。
  • c は 効率的市場仮説 です。どの情報まで価格へ反映されているか を問う話だからです。
  • d は、順に ポートフォリオ理論CAPM効率的市場仮説 です。まず分散で落ちる部分を切り、その次に残る市場リスクを価格づけし、最後に情報反映の速さを考えると混同しにくくなります。

問題 42

次の各場面で、最初に使う手段 を答えてください。先物 を使う場面では、買い売り のどちらかも答えてください。

  • a. 3か月後に銅を仕入れる企業が、価格上昇で採算が崩れるのを避けたい。仕入価格は今の時点で固定したい
  • b. 3か月後にドル建て支払いを控える輸入企業が、円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい
  • c. 変動金利借入をしている企業が、支払金利を固定したい
  • d. 3か月後に小麦を販売する生産者が、価格下落で収入が減るのを避けたい。販売価格は今の時点で固定したい

解答 42

  • a は 買い先物 です。将来買う側 であり、価格上昇が困る うえに 完全に固定したい からです。
  • b は ドル・コール・オプションの購入 です。不利な方向だけ避けたい 場面なので、義務ではなく 権利 を持つ手段が合います。
  • c は 金利スワップ です。価格そのものではなく、利払い条件変動 から 固定 へ近い形に変えたいからです。
  • d は 売り先物 です。将来売る側 であり、価格下落が困る うえに 完全に固定したい からです。
  • 過去問では、価格固定片側だけ保護金利条件の変換 のどれかを先に切り、その後で 将来買う側か売る側か を決めると外しにくくなります。

問題 43

次の各説明について、最も近い語を 市場ポートフォリオアクティブ運用パッシブ運用アノマリー の中から答えてください。

  • a. 市場全体の株式を 時価総額比 で保有した理論上の基準
  • b. 銘柄選択や売買タイミングで 市場平均を上回る ことを狙う運用
  • c. 指数へ連動させ、市場平均並み の収益を低コストで取りに行く運用
  • d. 1月効果小型株効果 のように、EMH だけでは説明しにくい例外パターン
  • e. 準強度の EMH がだいたい成り立つ特別な情報優位はない と置いたとき、まず考えやすい運用

解答 43

  • a は 市場ポートフォリオ です。市場全体の平均像 を表す理論上の基準だからです。
  • b は アクティブ運用 です。市場平均を上回る超過収益を狙って、銘柄選択や売買タイミングを工夫する運用だからです。
  • c は パッシブ運用 です。市場平均へ連動させる運用であり、インデックス運用 が典型例です。
  • d は アノマリー です。EMH だけでは説明しにくい観察事実として扱うからです。
  • e も パッシブ運用 です。公開情報だけで継続的に勝つのが難しい前提なら、低コストで市場平均へ連動する方針が合理的になりやすいからです。
  • 過去問では、市場全体の基準市場平均を上回りに行くか / 連動させるか例外パターンか の 3 点で切ると整理しやすいです。

問題 44

次の各場面で、最も近い 実物オプション延期拡張縮小切替撤退 の中から答えてください。

  • a. 制度改正の結果が 1 年後に分かるので、その情報を見てから新工場建設を決めたい
  • b. まず小規模で市場参入し、需要が想定以上なら追加設備を入れて生産量を増やしたい
  • c. 需要が弱ければ、一部ラインを止めて固定費負担を軽くしたい
  • d. 原材料価格の変動に応じて、原料A原料B のどちらを使うかを変えたい
  • e. 業績が悪化したら、設備を売却して事業から抜けたい

解答 44

  • a は 延期オプション です。投資前に情報が出るまで 待つ 権利だからです。
  • b は 拡張オプション です。成功時に追加投資で規模を 広げる 権利だからです。
  • c は 縮小オプション です。悪化時に操業規模を 絞る 権利だからです。
  • d は 切替オプション です。原材料や用途を有利な方へ 変える 権利だからです。
  • e は 撤退オプション です。事業をやめて回収価値を取りにいく権利だからです。
  • 過去問では、待つ広げる絞る変えるやめる のどれかに言い換えてから選ぶと整理しやすいです。

問題 45

次の各場面で、最初に使う手段為替予約通貨オプション通貨スワップ の中から答えてください。為替予約通貨オプション を選ぶ場合は、ドル買い / ドル売りドル・コール / ドル・プット の向きまで答えてください。

  • a. 3か月後に 80 万ドルを支払う輸入企業。円安でも円高でもよいので、今のレートで固定したい
  • b. 3か月後に 80 万ドルを受け取る輸出企業。円高だけ避けたいが、円安の利益は残したい
  • c. 3か月後に 80 万ドルを受け取る輸出企業。円高でも円安でもよいので、今のレートで固定したい
  • d. 5 年間のドル建て借入があり、元本と利息を円建て負担に近づけたい
  • e. 3か月後に 80 万ドルを支払う輸入企業。円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい

解答 45

  • a は 為替予約ドル買い予約 です。後で ドルを支払う = 後でドルを買う側 であり、完全固定 を求めるからです。
  • b は 通貨オプションドル・プット です。後で ドルを受け取る = 後でドルを売る側 であり、円高だけ避けたい ので ドルを売る権利 が合います。
  • c は 為替予約ドル売り予約 です。後で ドルを受け取る = 後でドルを売る側 であり、完全固定 を求めるからです。
  • d は 通貨スワップ です。単発の受払ではなく、元本 + 利息 の条件を継続的に交換したい場面だからです。
  • e は 通貨オプションドル・コール です。後で ドルを支払う = 後でドルを買う側 であり、円安だけ避けたい ので ドルを買う権利 が合います。
  • 過去問では、単発の受払か完全固定か片側保護か後で外貨を払うか受け取るか の順で切ると、為替予約 / 通貨オプション / 通貨スワップ を逆にしにくくなります。

問題 46

次の各現象について、主にどの強度の 効率的市場仮説 とぶつかりやすいかを 弱度準強度強度 の中から答えてください。

  • a. 1月効果
  • b. 小型株効果
  • c. 割安株効果
  • d. 未公表の合併情報を先に知って売買すると超過収益が得られるという話

解答 46

  • a は 弱度 です。1月効果 は暦や過去の収益率パターンに基づく話であり、過去情報は織り込み済み という 弱度 とぶつかりやすいからです。
  • b は 準強度 です。小型株効果 は時価総額や企業規模という 公開情報 に基づくため、公開情報まで反映済み という 準強度 とぶつかりやすいからです。
  • c も 準強度 です。割安株効果PBRPER のような 公開情報 に基づくためです。
  • d は 強度 です。未公表の合併情報は 内部情報 なので、内部情報まで反映済みか を問う 強度 の論点だからです。
  • 過去問では、過去パターン公開情報内部情報 のどれに基づく現象かへ戻すと、弱度 / 準強度 / 強度 を切りやすくなります。

問題 47

次の各場面で、最初に使う手段 を答えてください。

  • a. 3か月後にアルミを仕入れる企業が、価格上昇で採算が崩れるのを避けたい。仕入価格は今の時点で固定したい
  • b. 3か月後にトウモロコシを販売する企業が、価格下落で収入が減るのを避けたい。販売価格は今の時点で固定したい
  • c. 3か月後にドルを支払う輸入企業が、円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい
  • d. 変動金利借入をしている企業が、支払金利を固定したい
  • e. ドル建て借入の元本と利息を、円建て負担へ近づけたい

解答 47

  • a は 買い先物 です。商品価格 の上昇リスクを、将来 買う側 として 完全固定 したいからです。
  • b は 売り先物 です。商品価格 の下落リスクを、将来 売る側 として 完全固定 したいからです。
  • c は 通貨オプションドル・コール です。為替 の片側保護であり、後で ドルを払う = 後でドルを買う側 だからです。
  • d は 金利スワップ です。単発の売買ではなく、利払い条件変動 から 固定 へ近づけたい場面だからです。
  • e は 通貨スワップ です。通貨建ての元本 + 利息 の条件を継続的に交換したい場面だからです。
  • 過去問では、何が動くか単発の将来取引か継続的な条件交換か完全固定か片側保護か の順で切ると、先物 / オプション / スワップ を横断で選びやすくなります。

問題 48

ある市場では、多くの投資家が 市場全体を時価総額比で保有した基準 を意識している。投資家Aは銘柄選択でその基準を上回ることを狙い、投資家Bは低コストでその基準に連動する運用を選んでいる。また、公開情報だけでは継続的な超過収益を得にくい と考えられている一方で、1月効果 のような例外的傾向も観察される。

次の空欄に入る語を答えてください。

  • a. 市場全体の基準となるポートフォリオ名
  • b. 投資家Aの運用方針
  • c. 投資家Bの運用方針
  • d. 公開情報まで価格に反映済み と考える 効率的市場仮説 の強度
  • e. 1月効果 のような例外的傾向の呼び名
  • f. 1月効果 が主にぶつかりやすい 効率的市場仮説 の強度

解答 48

  • a は 市場ポートフォリオ です。市場全体を時価総額比で保有した基準 を指すからです。
  • b は アクティブ運用 です。市場平均を上回ることを狙う 方針だからです。
  • c は パッシブ運用 です。市場平均へ低コストで連動する 方針だからです。
  • d は 準強度 です。公開情報 まで織り込み済みなら、それだけで継続的に市場平均を上回るのは難しいからです。
  • e は アノマリー です。EMH だけでは説明しにくい例外的な収益傾向だからです。
  • f は 弱度 です。1月効果 は暦や過去収益率パターンに基づくため、主に 過去情報は反映済み という 弱度 とぶつかりやすいからです。
  • 過去問では、基準運用方針例外情報反映の範囲 の順で戻ると、市場ポートフォリオ / アクティブ運用 / パッシブ運用 / アノマリー / EMH強度 を一問で切りやすくなります。

問題 49

次の各場面で、最も近い手段を答えてください。

  • a. 輸出企業が毎月 90 万ドルを受け取り、同じ月に原材料輸入で 85 万ドルを支払っている。まずは自社内で外貨の受払いを相殺したい
  • b. 親会社が、海外子会社どうしのドル建て債権債務を集約し、差額だけ決済したい
  • c. 円安が進みそうなので、2 か月後の輸入代金の支払いを前倒ししたい
  • d. 3 か月後に 70 万ドルを支払う予定で、レートを今の時点で固定したい
  • e. 3 か月後に 70 万ドルを受け取る予定で、円高だけ避けて円安の利益は残したい

解答 49

  • a は マッチング です。自社内 に同じ通貨の受取りと支払いがあり、まずは自然に相殺したい場面だからです。
  • b は ネッティング です。グループ会社間 の外貨債権債務をまとめて相殺したい場面だからです。
  • c は リーズ・アンド・ラグズ です。為替見通しに応じて 決済時期 を前倒し・後ろ倒しする手段だからです。
  • d は 為替予約ドル買い予約 です。単発の外貨支払いで 完全固定 をしたいからです。
  • e は 通貨オプションドル・プット です。単発の外貨受取りで 片側保護 をしたいからです。
  • 過去問では、自社内で相殺できるかグループで相殺するのか時期を動かすのか契約で固定 / 片側保護するのか の順で戻ると、リーズ・アンド・ラグズ / マッチング / ネッティング / 為替予約 / 通貨オプション を切りやすくなります。

問題 50

次の各説明について、最も近い 投資手法または運用 と、主に結び付ける 効率的市場仮説 の強度を答えてください。

  • a. チャートや出来高のパターンから売買判断をして、継続的に市場平均を上回ろうとする
  • b. 決算短信や財務諸表などの公表情報を分析して、継続的に市場平均を上回ろうとする
  • c. 未公表の合併情報を使って超過収益を狙う
  • d. 特別な情報優位を持たない投資家が、低コストで市場平均へ連動する運用を選ぶ

解答 50

  • a は テクニカル分析弱度 です。過去情報 に基づく分析であり、弱度 が成り立つなら継続的な超過収益は取りにくいからです。
  • b は ファンダメンタル分析準強度 です。公開情報 に基づく分析であり、準強度 が成り立つなら継続的な超過収益は取りにくいからです。
  • c は インサイダー情報強度 です。内部情報 を使う話だからです。
  • d は インデックス運用準強度 です。特別な情報優位がない 投資家にとって、公開情報だけで勝ち続けるのが難しいなら 市場平均へ低コストで連動する 方針が合理的だからです。
  • 過去問では、過去情報公開情報内部情報市場平均へ連動する運用 のどれを問われているかへ戻すと、テクニカル分析 / ファンダメンタル分析 / インサイダー情報 / インデックス運用弱度 / 準強度 / 強度 と結び付けやすくなります。

問題 51

次の各場面で、最も近い手段を答えてください。完全固定 が必要なら 買いヘッジ / 売りヘッジ / 為替予約片側保護 が必要なら コール / プット の向きまで答えてください。

  • a. 3か月後にアルミを仕入れる企業。価格上昇で採算が崩れるのを避けたい。価格は今の時点で固定したい
  • b. 3か月後に大豆を販売する企業。価格下落だけ避けたいが、価格上昇の利益は残したい
  • c. 3か月後に 70 万ドルを支払う輸入企業。円安だけ避けたいが、円高の利益は残したい
  • d. 3か月後に 70 万ドルを受け取る輸出企業。レートは今の時点で固定したい

解答 51

  • a は 買いヘッジ です。仕入 = 後で商品を買う側 であり、完全固定 をしたいからです。
  • b は プット・オプション です。販売 = 後で商品を売る側 であり、片側保護 なら 売る側 = プット だからです。
  • c は 通貨オプションドル・コール です。輸入 = 後で外貨を買う側 であり、買う側 = コール だからです。
  • d は 為替予約ドル売り予約 です。輸出 = 後で外貨を売る側 であり、完全固定 をしたいからです。
  • 過去問では、仕入 / 輸入 = 後で買う側販売 / 輸出 = 後で売る側 と読み替えてから、完全固定か片側保護か を切ると、買いヘッジ / 売りヘッジ / コール / プット を逆にしにくくなります。

問題 52

次の各説明について、最も近い語を ランダム・ウォーク仮説テクニカル分析弱度 の中から答えてください。同じ語を複数回使ってかまいません。

  • a. 過去のチャートだけから将来の値動きを系統的に予測しにくいという考え方
  • b. 移動平均線やトレンドラインから売買判断をしようとする手法
  • c. 過去の株価や出来高はすでに価格へ反映済みだと考える立場
  • d. c が概ね成り立つ市場で、継続的に通用しにくいと考えやすい分析手法

解答 52

  • a は ランダム・ウォーク仮説 です。過去の値動きだけでは次の値動きを系統的に読みづらい という見方だからです。
  • b は テクニカル分析 です。移動平均線トレンドライン のような過去チャートを使って売買判断する手法だからです。
  • c は 弱度 です。過去の株価や出来高 が価格へ反映済みだと考える強度だからです。
  • d は テクニカル分析 です。弱度 が概ね成り立つなら、過去チャート に依存する分析だけで継続的に市場平均を上回るのは難しいと考えやすいからです。
  • 過去問では、値動きの性質 なら ランダム・ウォーク仮説手法 なら テクニカル分析情報反映の範囲 なら 弱度 と切ると、3 つを混同しにくくなります。

問題 53

次の各説明について、最も近い語を コール買いプット買いコール売りプット売り の中から答えてください。同じ語は一度ずつ使います。

  • a. 原資産価格の上昇で利益が大きくなり、最大損失は支払プレミアムで止まる。損益分岐点は 行使価格 + プレミアム
  • b. 受取プレミアムが最大利益であり、原資産価格が上がると損失が膨らむ。損益分岐点は 行使価格 + プレミアム
  • c. 原資産価格の下落で利益が大きくなり、最大損失は支払プレミアムで止まる。損益分岐点は 行使価格 - プレミアム
  • d. 受取プレミアムが最大利益であり、原資産価格が下がると損失が膨らむ。損益分岐点は 行使価格 - プレミアム

解答 53

  • a は コール買い です。上昇で得する買い手なので最大損失はプレミアムコールなので損益分岐点は K + P と戻せるからです。
  • b は コール売り です。受取プレミアムが最大利益 なので 売り上昇で損失が膨らむ ので コール だからです。
  • c は プット買い です。下落で得する買い手なので最大損失はプレミアムプットなので損益分岐点は K - P と戻せるからです。
  • d は プット売り です。受取プレミアムが最大利益 なので 売り下落で損失が膨らむ ので プット だからです。
  • 過去問では、まず 買い手の最大損失 = プレミアム売り手の最大利益 = プレミアム を固定し、その後で コール = K + Pプット = K - P と戻すと、4 ポジションをかなり切りやすくなります。

問題 54

次の各説明について、最も近い 効率的市場仮説 の強度を 弱度準強度強度 の中から答えてください。あわせて、主に通用しにくくなる分析手法の範囲も答えてください。

  • a. 過去の株価や出来高はすでに価格へ反映済みだと考える
  • b. 過去情報に加えて、財務諸表やニュースなどの公開情報も価格へ反映済みだと考える
  • c. 未公表の合併情報のような内部情報まで価格へ反映済みだと考える

解答 54

  • a は 弱度 です。主に通用しにくくなるのは テクニカル分析 です。過去情報 が反映済みなら、過去チャートだけで継続的な超過収益を得るのは難しいからです。
  • b は 準強度 です。準強度弱度 を含むので、テクニカル分析 に加えて ファンダメンタル分析 も通用しにくくなります。公開情報 まで反映済みだからです。
  • c は 強度 です。強度準強度弱度 を含むので、理論上は 内部情報 を使う取引まで含めて あらゆる分析 が通用しにくいと読みます。
  • 過去問では、まず 過去情報公開情報内部情報 のどこまで反映済みかを見て、その後で テクニカル分析だけファンダメンタル分析まで内部情報まで のどこまで否定されるかへ戻すと、強度 ⊃ 準強度 ⊃ 弱度 を崩しにくくなります。

問題 55

次の各場面について、状態(ITM / ATM / OTM)本質的価値時間価値 を答えてください。必要な場合は、満期接近やボラティリティ変化の影響も答えてください。

  • a. コール・オプション。原資産価格 120円、行使価格 100円、オプション価格 28円
  • b. プット・オプション。原資産価格 100円、行使価格 100円、オプション価格 14円
  • c. コール・オプション。原資産価格 90円、行使価格 100円、オプション価格 6円
  • d. b と c のように 本質的価値が 0 のオプションで、他の条件を一定として 満期までの期間が短くなる場合ボラティリティが上昇する場合 の価格変化

解答 55

  • a は ITM です。本質的価値は 120 - 100 = 20円、時間価値は 28 - 20 = 8円 です。ITM でも満期前なら時間価値が残ります。
  • b は ATM です。本質的価値は 0円、時間価値は 14円 です。価格のすべてが時間価値です。
  • c は OTM です。本質的価値は 0円、時間価値は 6円 です。OTM でも満期前なら価格が残りえます。
  • d は、満期接近 なら 時間価値 が減るので価格は下がりやすく、ボラティリティ上昇 なら 時間価値 が増えるので価格は上がりやすいです。
  • 過去問では、まず ITM / ATM / OTM を切り、その後で 本質的価値時間価値 を分け、最後に 満期接近 = 時間価値減少ボラティリティ上昇 = 時間価値増加 と戻すと崩れにくくなります。

問題 56

次の各説明について、最も近い語を CAPMCML市場ポートフォリオ効率的市場仮説 の中から答えてください。

  • a. すべてのリスク資産を時価総額比で保有した、市場全体の理論上の基準
  • b. 無リスク資産と a を結んだ、効率的ポートフォリオ全体の最良の直線
  • c. 個別証券の β を使って期待収益率や株主資本コストを見積もる考え方
  • d. 過去情報や公開情報など、利用可能な情報が価格へ速やかに反映されるとみる考え方

解答 56

  • a は 市場ポートフォリオ です。市場全体の基準 を表す理論上のポートフォリオだからです。
  • b は CML です。無リスク資産市場ポートフォリオ を結び、効率的ポートフォリオ全体 のリスクと期待収益率を表す直線だからです。
  • c は CAPM です。β を使って 個別証券 の期待収益率や株主資本コストを見積もる理論だからです。
  • d は 効率的市場仮説 です。何の情報まで価格へ反映済みか を問う理論だからです。
  • 過去問では、基準 なら 市場ポートフォリオ効率的ポートフォリオの線 なら CMLβで個別証券を価格づけ なら CAPM情報反映 なら 効率的市場仮説 と戻すと、4 つを逆にしにくくなります。

問題 57

次の各説明について、最も近い語を SMLCMLβ標準偏差 の中から答えてください。

  • a. 市場全体が 1% 動いたとき、その証券が何% 動きやすいかを表す指標
  • b. CAPM で、個別証券の期待収益率と a の関係を表す線
  • c. 無リスク資産と市場ポートフォリオを結び、効率的ポートフォリオ全体の最良の組み合わせを表す線
  • d. 収益率のばらつき全体を表し、CML の横軸で使う指標

解答 57

  • a は β です。市場全体に対する感応度 を表す指標だからです。
  • b は SML です。CAPM期待収益率と β の関係を表す線だからです。
  • c は CML です。無リスク資産市場ポートフォリオ を結び、効率的ポートフォリオ のリスクと期待収益率を表す線だからです。
  • d は 標準偏差 です。収益率のばらつき全体 = 総リスク を表し、CML ではこの指標を横軸に使うからです。
  • 過去問では、SML = β / 個別証券CML = 標準偏差 / 効率的ポートフォリオβ = 市場感応度標準偏差 = 総リスク と戻すと、4 つを逆にしにくくなります。

問題 58

次の各場面で、まず使う考え方を オプション価格プット=コール・パリティ二項モデル の中から答えてください。同じ語を複数回使ってかまいません。

  • a. 同じ原資産、同じ行使価格、同じ満期の欧州型コールとプットがあり、CSKr は分かるが P だけ不明
  • b. 現在価格 S と、1期間後の 上昇価格 / 下降価格、行使価格、無リスク金利が与えられている
  • c. ATM のオプションで、満期接近ボラティリティ上昇 が価格にどう効くかを見たい
  • d. p = (1 + r - d) / (u - d) を使うかどうか迷っている

解答 58

  • a は プット=コール・パリティ です。同一原資産 / 同一行使価格 / 同一満期 のコールとプットの価格関係を見るからです。
  • b は 二項モデル です。上昇 / 下降 の2状態と 無リスク金利 から理論価格を出す場面だからです。
  • c は オプション価格 です。本質的価値時間価値満期接近ボラティリティ の影響を見る場面だからです。
  • d は 二項モデル です。pリスク中立確率 であり、u / d / r が出る場面で使うからです。
  • 過去問では、価格の分解 = オプション価格整合関係 = プット=コール・パリティ上昇 / 下降シナリオ = 二項モデル と戻すと、式の使い分けで迷いにくくなります。

事例Ⅳにつなげる観点

  • WACC は単独で覚えるのではなく、CAPM負債コスト とつながった数字として扱うことが重要です。
  • NPV の問題では、計算結果より前に 何と何を比較しているか を言えると崩れにくくなります。
  • 企業価値評価 は難しく見えても、FCF を割り引く という一本の流れに戻せば整理しやすくなります。
  • 収益性指数法資本制約下効率的市場仮説情報反映の範囲マルチプル法相対評価 の話だと切り分けると、事例Ⅳの論点整理もしやすくなります。
  • MM理論と配当政策完全市場かどうかデリバティブ何のリスクをどう抑えるか を先に切ると、周辺論点と混ざりにくくなります。

問題を解くときの観点

  • まず求めたいのが 要求収益率投資案の価値 かを切る
  • CAPMWACCNPV を別々の式にしない
  • IRR は便利でも、相互排他的な比較では NPV を優先して考える
  • 企業価値評価では、FCF割引率 の前提を必ず確認する
  • PI効率NPV価値増加額 を見ていると切り分ける
  • 効率的市場仮説何の情報まで価格に織り込むか の比較だと押さえる
  • ランダム・ウォーク仮説テクニカル分析弱度値動き手法情報反映の範囲 に分けて読む
  • ポートフォリオ理論CAPM効率的市場仮説分散価格づけ情報反映 の順でつなげる
  • 市場ポートフォリオ = 基準CML = 無リスク資産と市場ポートフォリオを結ぶ効率的ポートフォリオの線CAPM = βで個別証券を価格づけ効率的市場仮説 = 情報反映 と戻す
  • CAPMβ個別証券CML標準偏差効率的ポートフォリオ の話だと切る
  • SML = β / 個別証券CML = 標準偏差 / 効率的ポートフォリオ の違いを切る
  • β = 系統的リスク標準偏差 = 総リスク と戻す
  • マルチプル法 では 株式価値事業価値 を混同しない
  • MM理論 では 法人税なし法人税あり の前提を混ぜない
  • 配当政策投資政策が一定か を先に確認する
  • 投資政策FCF を変えるのか、資金調達 / 配当政策 が取り分や払い出し時点を変えるだけなのかを切り分ける
  • デリバティブ では 価格を固定したい のか 不利な方向だけ避けたい のかを先に切る
  • デリバティブ では 商品価格為替金利 のどれが主に動いているかを先に切る
  • 先物 を使うなら、将来買う側 = 買いヘッジ将来売る側 = 売りヘッジ を先に固定する
  • 仕入 / 輸入 = 後で買う側販売 / 輸出 = 後で売る側 と読めるかを先に確認する
  • 為替 では 後で払う外貨 = 後で買う後で受け取る外貨 = 後で売る と読み替える
  • 為替リスク では 時期調整自社内相殺グループ内相殺契約固定 / 片側保護 のどれかを先に切る
  • スワップ単発の売買 ではなく、継続的な条件交換 の場面かを確認する
  • オプション では 買い手の最大損失 = プレミアム売り手の最大利益 = プレミアム を先に固定する
  • オプション損益分岐点コール = 行使価格 + プレミアムプット = 行使価格 - プレミアム と戻す
  • オプション価値本質的価値 + 時間価値 に分ける
  • ATM / OTM でも満期前なら 時間価値 が残り、満期接近 で減り、ボラティリティ上昇 で増えると戻す
  • オプション の問題が 価格の分解プット=コール・パリティ二項モデル のどれを問うかを先に切る
  • プット=コール・パリティ では 同一原資産 / 同一行使価格 / 同一満期PV(K) を確認する
  • 二項モデル では Su / SdCu / Cdリスク中立確率 p現在価値への割引 の順で計算する
  • 効率的市場仮説 では 過去情報 / 公開情報 / 内部情報 / 市場平均連動 のどれを問われているかを先に切る
  • 効率的市場仮説 では 市場全体の基準市場平均との付き合い方例外パターン のどれかを先に切る
  • 効率的市場仮説 では 基準 → 運用方針 → 例外 → 情報反映の範囲 の順で戻す
  • 効率的市場仮説 では 過去パターン = 弱度公開情報 = 準強度内部情報 = 強度 と戻す
  • 効率的市場仮説 では 強度 ⊃ 準強度 ⊃ 弱度 の包含関係を崩さない
  • 効率的市場仮説 では テクニカル分析だけファンダメンタル分析まで内部情報まで のどこまで否定されるかへ戻す
  • 実物オプション では 待つ / 広げる / 絞る / 変える / やめる のどれかに言い換える
  • 基準ケースの NPV を置いてから、NPVプロファイル感度分析デシジョンツリー の順に不確実性を重ねる
  • 割引率が上がると、後ろに偏った CF ほど現在価値が下がりやすい
  • 符号変化が複数回ある CF では、IRR が 1 つに定まらないことがある
  • 税引後営業 CF残存価値 は、最終年度の回収まで入れて比較する
  • 企業価値 を出したあとに、有利子負債を引いて現預金を戻す株主価値 になる
  • 設備投資では、初期投資追加運転資本 を入れ、最終年度運転資本回収税引後残存価値 を戻す
  • 更新投資は、総額 ではなく 旧設備を残す場合との差額 CF で見て、感度分析 で反転点を確認する
  • 感度分析では、WACC差額営業 CF残存価値一軸ずつ 動かし、どの前提で NPV が崩れるかを比べる
  • 途中撤退を比べるときは、すでに発生した CF を切り離し、その時点から先の価値 だけで継続と撤退を比較する
  • 延期オプション下振れ回避1年目の CF 取り逃がし の両方を持つ前提で比べる
  • デシジョンツリー は、各末端の NPV を先に出し、期待値実行 / 見送り を右から左へ戻って決める

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