経営分析 基本確認問題
経営分析の基礎論点を短い確認問題で点検する
このページの役割
このページは、経営分析の基本論点を自力で言えるか を点検する演習ページです。過去問そのものではなく、過去問で問われやすい型 を短く確認します。
学習のポイント
- 指標の式だけでなく、
何が高い / 低い状態かを言葉で説明する 収益性、安全性、効率性のどれかを先に決めてから解く- 分析結果を
事例Ⅳの助言へつなげる意識で確認する
基本確認問題
応用確認問題
問題 7
同業他社と比べて、ある企業には次の特徴がある。
- 新工場の稼働で固定資産が増えた
- 借入金が増えた
- 原材料費と減価償却費の負担が重くなった
事例Ⅳの第1問を想定するとき、収益性、効率性、安全性 の観点から、優先して見たい指標を 1 つずつ挙げると何が自然か。
解答 7
- 収益性:
売上高営業利益率 - 効率性:
有形固定資産回転率 - 安全性:
自己資本比率
収益性では原材料費や減価償却費の重さを見やすく、効率性では増えた固定資産に対して売上が十分かを見やすく、安全性では借入増加による財務基盤の変化を見やすいからです。
問題 8
売上高営業利益率は改善したが、ROA は悪化した。このとき、どのような状況を疑いやすいか。
解答 8
利益率は改善していても、総資産がそれ以上に増えている 状況を疑いやすいです。設備投資や運転資本の増加に対して、利益の伸びが追いついていない形です。
問題 9
事例Ⅳの経営分析で、流動比率は高いが当座比率は低い、さらに 売上債権回転期間も長い と分かった。どのような課題を短く書けるとよいか。
解答 9
在庫負担と売掛金回収の遅れにより、見かけほど資金繰りに余裕がない と書けるとよいです。流動資産の中身まで見ている説明になります。
事例Ⅳ型の短文練習
問題 10
次の要因を使って、売上高営業利益率 が同業他社より低い理由を 1 文で書く。
- 原材料価格の上昇
- 自社工場の稼働開始
- 減価償却費の増加
解答 10
原材料価格の上昇と新工場稼働に伴う減価償却費の増加により、売上高営業利益率が同業他社より低下している。
問題 11
次の要因を使って、有形固定資産回転率 が同業他社より低い理由を 1 文で書く。
- 先行投資で設備が増えた
- 売上高はまだ十分に伸びていない
解答 11
先行投資で有形固定資産が増えた一方、売上高の伸びが追いついていないため、有形固定資産回転率が低い。
問題 12
次の要因を使って、自己資本比率 が同業他社より低い理由を 1 文で書く。
- 借入依存が高い
- 設備投資資金を外部調達した
解答 12
設備投資資金を借入で調達したため負債依存が高く、自己資本比率が同業他社より低い。
第2問以降につなげる接続問題
問題 13
ある製品の売上高は 9,000万円、変動費率は 60%、固定費は 2,400万円 である。
- 損益分岐点売上高はいくらか
- 安全余裕率は何%か
- 事例Ⅳでは、この結果をどのような判断につなげやすいか
解答 13
- 損益分岐点売上高は
2,400 ÷ (1 - 0.6) = 6,000万円です。 - 安全余裕率は
(9,000 - 6,000) ÷ 9,000 = 33.3%です。 - 現在の売上高がどの程度下がると赤字化するか、また固定費圧縮や限界利益率改善の必要性がどれくらい高いかを判断しやすくなります。
問題 14
税引前当期純利益が 480万円、減価償却費が 120万円、売上債権が 90万円増加、棚卸資産が 40万円減少、仕入債務が 30万円増加 した。
- 間接法による営業 CF はいくらか
- この問題で
加算 / 減算を間違えやすい論点は何か
解答 14
- 営業 CF は
480 + 120 - 90 + 40 + 30 = 580万円です。 - 間接法では、
利益は出ているが現金がまだ入っていない増加項目は減算、現金流出を伴わない費用や運転資本の減少は加算と整理すると向きを崩しにくくなります。
問題 15
株価が 2,400円、当期純利益が 2,000万円、発行済株式数が 10万株、純資産が 1億2,000万円 である。
EPSとBPSはいくらかPERとPBRは何倍か- これらの指標は、事例Ⅳではどのような読み取りにつなげやすいか
解答 15
EPSは2,000万円 ÷ 10万株 = 200円です。BPSは1億2,000万円 ÷ 10万株 = 1,200円です。PERは2,400 ÷ 200 = 12倍、PBRは2,400 ÷ 1,200 = 2倍です。- 収益力に対して株価がどの程度織り込まれているか、純資産に対して市場がどの程度の成長性や収益性を見ているかを読む入口として使いやすい指標です。
事例Ⅳにつなげる観点
- 指標を選ぶときは、
差が大きいものと与件に根拠があるものを一致させることが重要です。 - 記述では、
数値の大小だけでなくなぜそうなったかを事業の言葉で書く必要があります。 - 経営分析の結果は、第2問以降のCVPや投資判断とは別物に見えても、
企業の課題像をそろえる土台になります。 - 第1問で見えた課題を、第2問以降の
CVP、CF、株式指標の読み取りと矛盾なくつなげると、事例全体の答案が安定します。
問題を解くときの観点
- 指標を見たら、先に
カテゴリを決める - 次に
分子 / 分母を日本語に言い換える - 高低の判断だけでなく、
なぜそう言えるかを一言で残す - 第1問の分析結果を、次の設問の課題や助言へつなげる
CVPでは限界利益率と固定費を先に分けるCFでは利益の増減と現金の増減を混同しない
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