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利益と資金の管理 基本確認問題

利益、キャッシュ・フロー、FCF の基礎論点を短い確認問題で点検する

このページの役割

このページは、利益と資金の管理の基本論点を自力で言えるか を点検する演習ページです。過去問そのものではなく、過去問で問われやすい型 を短く確認します。

学習のポイント

  • 利益現金 を分けて考える
  • 間接法 は足し引きの暗記ではなく、現金が動いたかどうかで判断する
  • FCF を、投資判断や企業価値評価へつながる数字として見る

基本確認問題

応用確認問題

問題 7

税引前当期純利益が 800万円、減価償却費が 200万円、売上債権が 150万円増加、棚卸資産が 100万円減少、仕入債務が 50万円減少 した。

  • 間接法による営業 CF はいくらか
  • この問題で 減算 しやすい項目はどれか

解答 7

  • 営業 CF は 800 + 200 - 150 + 100 - 50 = 900万円 です。
  • 売上債権の増加仕入債務の減少 は、現金がまだ入っていない、または現金が先に出ている項目として減算しやすい論点です。

問題 8

ある企業のキャッシュ・フローは次のとおりである。

  • 営業 CF: 700万円
  • 投資 CF: △900万円
  • 財務 CF: 500万円
  • FCF を簡略形で考えるといくらか
  • この企業の資金状態をどう読みやすいか

解答 8

  • FCF700 - 900 = △200万円 と考えられます。
  • 本業では現金を生んでいるが、投資が大きく、外部調達でその不足を埋めている 投資先行の成長局面 と読みやすいです。

問題 9

営業 CF が 1,200万円、設備投資額が 700万円 のとき、FCF はいくらか。また、この数字は企業価値評価でどのように使いやすいか。

解答 9

FCF1,200 - 700 = 500万円 です。DCF 法では、こうした 将来の FCF を現在価値に割り引く ことで企業価値を見積もる入口になります。

問題 10

ある企業の運転資本は次のとおりである。

  • 月初の売上債権: 800万円
  • 月初の棚卸資産: 600万円
  • 月初の仕入債務: 500万円
  • 月末の売上債権: 950万円
  • 月末の棚卸資産: 720万円
  • 月末の仕入債務: 530万円
  • 月初と月末の運転資本はいくらか
  • 現金負担はどちらの時点の方が重いか

解答 10

  • 月初の運転資本は 800 + 600 - 500 = 900万円 です。
  • 月末の運転資本は 950 + 720 - 530 = 1,140万円 です。
  • 月末の方が 240万円 だけ運転資本負担が重く、現金が寝やすい状態です。

問題 11

ある月の予算と実績は次のとおりである。

  • 売上高予算: 2,000万円
  • 売上高実績: 1,850万円
  • 変動費率: 60%
  • 固定費予算: 500万円
  • 固定費実績: 540万円
  • 予算と実績の限界利益はいくらか
  • 営業利益差異はいくらか
  • 主な要因は何か

解答 11

  • 予算の限界利益は 2,000 × (1 - 0.6) = 800万円 です。
  • 実績の限界利益は 1,850 × (1 - 0.6) = 740万円 です。
  • 予算営業利益は 800 - 500 = 300万円、実績営業利益は 740 - 540 = 200万円 なので、営業利益差異は △100万円 です。
  • 主な要因は 売上未達による限界利益の減少固定費超過 です。

問題 12

ある企業について、次の情報がある。

  • 税引前当期純利益: 1,000万円
  • 減価償却費: 150万円
  • 固定資産売却益: 40万円
  • 売上債権: 60万円減少
  • 棚卸資産: 80万円増加
  • 仕入債務: 30万円増加
  • 法人税等の支払額: 260万円
  • 固定資産売却による収入: 120万円
  • 新規設備投資による支出: 500万円
  • 間接法による営業 CF はいくらか
  • 投資 CF はいくらか
  • FCF はいくらか
  • この企業の資金状態をどう読みやすいか

解答 12

  • 営業 CF は 1,000 + 150 - 40 + 60 - 80 + 30 - 260 = 860万円 です。
  • 投資 CF は 120 - 500 = △380万円 です。
  • FCF860 - (500 - 120) = 480万円、または 860 + △380 = 480万円 と考えられます。
  • 本業では十分に現金を生みつつ、投資を進めている局面と読みやすいです。固定資産売却益 は利益に入っていますが、現金収入そのものは投資 CF にあるため、営業 CF では控除して重複を避けるのがポイントです。

問題 13

次の企業について、1年を360日 として考える。

  • 売上高: 7,200万円
  • 売上原価: 5,400万円
  • 平均売上債権: 600万円
  • 平均棚卸資産: 900万円
  • 平均仕入債務: 450万円
  • 売上債権回転日数はいくらか
  • 棚卸資産回転日数はいくらか
  • 仕入債務回転日数はいくらか
  • 資金繰りを改善するなら、まずどこに手を打ちやすいか

解答 13

  • 売上債権回転日数は 600 ÷ (7,200 ÷ 360) = 30日 です。
  • 棚卸資産回転日数は 900 ÷ (5,400 ÷ 360) = 60日 です。
  • 仕入債務回転日数は 450 ÷ (5,400 ÷ 360) = 30日 です。
  • 資金繰りを改善するなら、まず 在庫圧縮売上債権の早期回収 に手を打ちやすいです。この企業は 棚卸資産回転日数 が最も長く、現金が在庫で寝ている度合いが大きいからです。

問題 14

次の 3 社のキャッシュ・フローを比較する。

  • A社: 営業 CF △250万円、投資 CF 200万円、財務 CF 120万円
  • B社: 営業 CF 700万円、投資 CF △900万円、財務 CF 300万円
  • C社: 営業 CF 650万円、投資 CF △180万円、財務 CF △250万円
  • 再建局面 と読みやすいのはどの会社か
  • 成長局面 と読みやすいのはどの会社か
  • 成熟局面 と読みやすいのはどの会社か
  • それぞれ、どこを見てそう判断するか

解答 14

  • 再建局面 と読みやすいのは A社 です。営業 CF がマイナス で本業から現金を生めておらず、投資 CF がプラス で資産売却などによる現金回収、財務 CF がプラス で外部調達にも頼っている形だからです。
  • 成長局面 と読みやすいのは B社 です。営業 CF がプラス で本業は回っており、投資 CF が大きくマイナス で積極投資、財務 CF がプラス で成長資金を補っているからです。
  • 成熟局面 と読みやすいのは C社 です。営業 CF がプラス で本業が安定し、投資 CF は必要な投資にとどまり、財務 CF がマイナス で借入返済や株主還元を進めている形だからです。
  • 符号パターンは暗記で終わらせず、本業で現金を生めているか資産を売っているか投資しているか外部資金へ依存しているか の 3 点で読むと判断しやすくなります。

問題 15

次の 2 社は、どちらも 投資 CF がマイナス である。

  • A社: 営業 CF 900万円、投資 CF △320万円、財務 CF △250万円、減価償却費 280万円、売上高は横ばい
  • B社: 営業 CF 900万円、投資 CF △900万円、財務 CF 350万円、減価償却費 260万円、翌期に新規出店で売上拡大予定
  • 更新投資 中心と読みやすいのはどちらか
  • 成長投資 中心と読みやすいのはどちらか
  • それぞれ、どこを根拠にそう判断するか

解答 15

  • 更新投資 中心と読みやすいのは A社 です。投資 CF の規模が 減価償却費 に近く、財務 CF もマイナスで、既存事業の維持更新を営業 CF の範囲で回している形だからです。
  • 成長投資 中心と読みやすいのは B社 です。投資 CF減価償却費 を大きく上回り、財務 CF もプラスで、外部資金を使いながら将来の売上拡大へ向けて投資している形だからです。
  • 同じ 投資 CF マイナス でも意味は同じではありません。減価償却費に見合う更新か財務 CF が資金調達か返済か売上計画が拡大型か を合わせて読むと判定しやすくなります。

問題 16

ある成長企業について、次の情報がある。

  • 税引前当期純利益: 1,000万円
  • 減価償却費: 200万円
  • 売上債権: 180万円増加
  • 棚卸資産: 240万円増加
  • 仕入債務: 60万円減少
  • 法人税等の支払額: 220万円
  • 新工場投資: 900万円
  • 財務 CF: 500万円
  • 売上高は前期より増加している
  • 間接法による営業 CF はいくらか
  • FCF はいくらか
  • 売上が伸びているのに資金繰りが苦しくなりやすいのはなぜか
  • この企業は何が同時に起きている局面と読みやすいか

解答 16

  • 営業 CF は 1,000 + 200 - 180 - 240 - 60 - 220 = 500万円 です。
  • FCF500 - 900 = △400万円 と考えられます。
  • 売上成長に伴って 売上債権棚卸資産 が増え、さらに 仕入債務 も減っているため、利益が出ていても 運転資本負担 が大きくなっています。そこへ 新工場投資 が重なり、現金不足が起きやすくなっています。
  • この企業は、運転資本悪化成長投資 が同時に起きている局面と読みやすいです。財務 CF プラス は、その不足を外部資金で埋めている形と考えやすくなります。

問題 17

ある企業の 4月5月 の月次データは次の通りである。

  • 4月: 税引前当期純利益 70万円、減価償却費 20万円、売上債権 40万円増加、棚卸資産 20万円増加、仕入債務 10万円増加、設備投資 0万円
  • 5月: 税引前当期純利益 90万円、減価償却費 20万円、売上債権 120万円増加、棚卸資産 80万円増加、仕入債務 10万円減少、設備投資 140万円
  • 5月 は大型受注の影響で売上高が伸びている
  • 4月 の営業 CF はいくらか
  • 4月FCF はいくらか
  • 5月 の営業 CF はいくらか
  • 5月FCF はいくらか
  • 5月 に資金繰りが急に苦しくなりやすい主因は何か
  • 月次で先に追うべき数字は何か

解答 17

  • 4月 の営業 CF は 70 + 20 - 40 - 20 + 10 = 40万円 です。
  • 4月FCF40 - 0 = 40万円 です。
  • 5月 の営業 CF は 90 + 20 - 120 - 80 - 10 = △100万円 です。
  • 5月FCF△100 - 140 = △240万円 です。
  • 5月 は売上と利益が伸びていても、売上債権棚卸資産 が大きく増えて 仕入債務 も減っているため、運転資本負担 が先に膨らんでいます。そこへ 設備投資 が重なり、月次では現金が詰まりやすくなっています。
  • 月次で先に追うべきなのは、売上債権棚卸資産仕入債務設備投資支出 です。売上や利益だけでは、実際の資金流出タイミングを読み違えやすいからです。

問題 18

ある企業の 6月7月 の月次資金繰りは次の通りである。6月月初 の手元現金は 120万円、最低手元現金は 50万円 とする。

  • 6月: 税引前当期純利益 80万円、減価償却費 20万円、売上債権 30万円増加、棚卸資産 10万円増加、仕入債務 10万円増加、法人税等の支払額 40万円、設備投資 0万円、借入元本返済 20万円
  • 7月: 税引前当期純利益 100万円、減価償却費 20万円、売上債権 120万円増加、棚卸資産 70万円増加、仕入債務 20万円減少、法人税等の支払額 60万円、設備投資 140万円、借入元本返済 80万円
  • 6月 の営業 CF はいくらか
  • 6月末 の手元現金はいくらか
  • 7月 の営業 CF はいくらか
  • 7月末 の手元現金はいくらか
  • 最低手元現金 50万円 を守るには、7月 に短期借入をいくら追加する必要があるか
  • 7月 の利益が黒字でも資金繰りが悪化する理由は何か

解答 18

  • 6月 の営業 CF は 80 + 20 - 30 - 10 + 10 - 40 = 30万円 です。
  • 6月末 の手元現金は 120 + 30 - 0 - 20 = 130万円 です。
  • 7月 の営業 CF は 100 + 20 - 120 - 70 - 20 - 60 = △150万円 です。
  • 7月末 の手元現金は 130 - 150 - 140 - 80 = △240万円 です。
  • 最低手元現金 50万円 を守るには、50 - (△240) = 290万円 の短期借入が必要です。
  • 7月 は利益が黒字でも、売上債権棚卸資産 の増加で運転資本が先に膨らみ、さらに 法人税等の支払設備投資借入元本返済 が重なっています。利益より先に現金流出が来るため、月次の資金繰りは急に悪化します。

問題 19

ある企業の 10月 から 12月 までの 3 か月資金繰り表を作る。10月月初 の手元現金は 180万円、最低手元現金は 80万円 とする。

  • 10月: 現金回収 520万円、現金支出 430万円、賞与支払 0万円、法人税等支払 0万円、設備投資 0万円、借入元本返済 20万円
  • 11月: 現金回収 780万円、現金支出 560万円、賞与支払 160万円、法人税等支払 0万円、設備投資 0万円、借入元本返済 20万円
  • 12月: 現金回収 360万円、現金支出 390万円、賞与支払 0万円、法人税等支払 120万円、設備投資 90万円、借入元本返済 20万円
  • 各月末の手元現金はいくらか
  • 最も資金繰りが苦しいのは何月か
  • 最低手元現金 80万円 を守るには、どの月にいくらの短期借入が必要か
  • 11月 は現金回収が多いのに、なぜ 12月 の方が危なくなりやすいのか

解答 19

  • 10月末 の手元現金は 180 + 520 - 430 - 0 - 0 - 0 - 20 = 250万円 です。
  • 11月末 の手元現金は 250 + 780 - 560 - 160 - 0 - 0 - 20 = 290万円 です。
  • 12月末 の手元現金は 290 + 360 - 390 - 0 - 120 - 90 - 20 = 30万円 です。
  • 最も資金繰りが苦しいのは 12月 です。手元現金が 30万円 まで下がるからです。
  • 最低手元現金 80万円 を守るには、12月80 - 30 = 50万円 の短期借入が必要です。
  • 11月 は繁忙期で回収が多くても、翌月の 12月 には 法人税等の支払設備投資借入元本返済 が重なっています。季節変動では、売上の多い月より 現金流出が集中する月 の方が危険になりやすいです。

問題 20

ある企業は月末の手元現金を 35万円 と見込んでいる。最低手元現金は 80万円 である。次の 3 つの改善策を、1つだけ実行する場合A と B を同時に実行する場合 に分けて比較する。

  • A: 売掛回収サイト短縮 により、今月末までに 売上債権 60万円減少 が見込める
  • B: 在庫圧縮 により、今月末までに 棚卸資産 40万円減少 が見込める
  • C: 短期借入 70万円 を実行する。翌月に 元本 70万円利息 2万円 の返済が必要になる
  • A、B、C をそれぞれ単独で行ったときの月末手元現金はいくらか
  • 最低手元現金 80万円 を単独で満たせるのはどの施策か
  • A と B を同時に行ったときの月末手元現金はいくらか
  • 根本原因が 売上債権棚卸資産 の膨張である場合、どの施策を優先しやすいか
  • C だけに頼り続けると、翌月以降にどんな弱さが残るか

解答 20

  • A を単独で行うと、月末手元現金は 35 + 60 = 95万円 です。
  • B を単独で行うと、月末手元現金は 35 + 40 = 75万円 です。
  • C を単独で行うと、月末手元現金は 35 + 70 = 105万円 です。
  • 最低手元現金 80万円 を単独で満たせるのは、AC です。B75万円 なので届きません。
  • A と B を同時に行うと、月末手元現金は 35 + 60 + 40 = 135万円 です。
  • 根本原因が 売上債権棚卸資産 の膨張なら、まず AB を優先しやすいです。どちらも 営業 CF を改善し、翌月以降の資金負担も軽くしやすいからです。
  • C は当月の手元現金を増やせても、翌月に 元本返済利息負担 が残ります。営業 CF の構造が改善しないままなので、資金繰り不安を先送りしやすいです。

問題 21

ある企業の 9月 の予算と実績、月次資金繰りは次の通りである。9月月初 の手元現金は 190万円、最低手元現金は 80万円 とする。

  • 予算売上高 2,000万円
  • 予算変動費率 60%
  • 予算固定費(減価償却費を除く) 500万円
  • 減価償却費 40万円
  • 実績売上高 1,800万円
  • 実績変動費率 62%
  • 実績固定費(減価償却費を除く) 540万円
  • 9月 の実績では、売上債権 160万円増加棚卸資産 80万円増加仕入債務 20万円減少法人税等支払 60万円設備投資 50万円

加えて、翌月に向けた施策候補は次の通りとする。

  • A: 売掛回収条件の厳格化 により、手元現金を 100万円 改善できる。営業利益への直接影響はない
  • B: 在庫一掃値引き により、手元現金を 90万円 改善できるが、翌月の営業利益は 30万円 悪化する
  • C: 短期借入 120万円 を行う。翌月に 元本 120万円利息 3万円 の返済が必要になる
  • 予算営業利益はいくらか
  • 実績営業利益はいくらか
  • 営業利益差異はいくらか
  • 9月 の営業 CF はいくらか
  • 9月末 の手元現金はいくらか
  • 最低手元現金 80万円 を単独で満たせるのはどの施策か
  • どの施策が 営業利益差異 をさらに悪化させやすいか
  • どの施策が 資金繰りを直したように見えても翌月負担を残しやすいか

解答 21

  • 予算営業利益は、2,000 × (1 - 0.6) - 500 - 40 = 260万円 です。
  • 実績営業利益は、1,800 × (1 - 0.62) - 540 - 40 = 104万円 です。
  • 営業利益差異は、104 - 260 = △156万円 です。
  • 9月 の営業 CF は、104 + 40 - 160 - 80 - 20 - 60 = △176万円 です。
  • 9月末 の手元現金は、190 - 176 - 50 = △36万円 です。
  • 最低手元現金 80万円 を単独で満たせるのは C です。C を使うと △36 + 120 = 84万円 になるためです。A は 64万円、B は 54万円 で届きません。
  • 営業利益差異 をさらに悪化させやすいのは B です。在庫一掃値引き により翌月の営業利益が 30万円 悪化するからです。
  • 資金繰りを直したように見えても翌月負担を残しやすい のは C です。翌月に 元本返済利息 が発生し、営業 CF の弱さを構造的には直していないからです。

問題 22

ある企業は、10月末 の手元現金が 95万円、最低手元現金が 80万円 である。11月 に向けて、販売条件回収条件在庫政策 をまとめて見直す 3 案を比較する。各案とも、固定費(減価償却費を除く)は 400万円、減価償却費は 30万円 とする。

  • A案 拡販優先: 売上高 1,900万円、変動費率 65%、売上債権 220万円増加、棚卸資産 140万円増加、仕入債務 40万円増加
  • B案 回収優先: 売上高 1,700万円、変動費率 63%、売上債権 80万円増加、棚卸資産 30万円増加、仕入債務 20万円増加
  • C案 在庫積み増し: 売上高 1,850万円、変動費率 64%、売上債権 160万円増加、棚卸資産 200万円増加、仕入債務 30万円増加
  • 各案の営業利益はいくらか
  • 各案の営業 CF はいくらか
  • 各案の 11月末 手元現金はいくらか
  • 最低手元現金 80万円 を満たせるのはどの案か
  • 最も 利益は魅力的に見えるが、資金繰りを悪化させやすい のはどの案か
  • なぜ 販売条件、回収条件、在庫政策 を別々でなく同時に見る必要があるのか

解答 22

  • A案の営業利益は、1,900 × (1 - 0.65) - 400 - 30 = 235万円 です。
  • B案の営業利益は、1,700 × (1 - 0.63) - 400 - 30 = 199万円 です。
  • C案の営業利益は、1,850 × (1 - 0.64) - 400 - 30 = 236万円 です。
  • A案の営業 CF は、235 + 30 - 220 - 140 + 40 = △55万円 です。
  • B案の営業 CF は、199 + 30 - 80 - 30 + 20 = 139万円 です。
  • C案の営業 CF は、236 + 30 - 160 - 200 + 30 = △64万円 です。
  • A案の 11月末 手元現金は 95 - 55 = 40万円 です。
  • B案の 11月末 手元現金は 95 + 139 = 234万円 です。
  • C案の 11月末 手元現金は 95 - 64 = 31万円 です。
  • 最低手元現金 80万円 を満たせるのは B案 だけです。
  • 最も 利益は魅力的に見えるが、資金繰りを悪化させやすい のは C案 です。営業利益は 236万円 と最も高い一方、棚卸資産 200万円増加売上債権 160万円増加 により営業 CF が △64万円 まで悪化するからです。
  • 販売条件、回収条件、在庫政策 を同時に見る必要があるのは、売上高や営業利益が増えても、値引きによる粗利低下回収遅れによる売上債権増加在庫積み増しによる資金固定化 が重なると、月末現金はすぐに悪化するからです。利益改善資金改善 は一致しないため、同時に比較しなければ判断を誤りやすくなります。

問題 23

ある企業の現在の CCC95日、今月末の見込み手元現金は 20万円、最低手元現金は 80万円 である。翌月の営業利益への副作用も含めて、次の 3 つの改善策を比べる。

  • A案 回収促進: 売上債権回転日数を 45日 → 28日 に短縮できる。今月末手元現金は 85万円 改善するが、早期回収割引により翌月営業利益は 8万円 悪化する
  • B案 在庫圧縮: 棚卸資産回転日数を 70日 → 40日 に短縮できる。今月末手元現金は 120万円 改善するが、欠品対応や小口発注増で翌月営業利益は 28万円 悪化する
  • C案 支払条件見直し: 仕入債務回転日数を 20日 → 35日 に延長できる。今月末手元現金は 70万円 改善するが、仕入条件悪化により翌月営業利益は 12万円 悪化する
  • A案、B案、C案の CCC はそれぞれ何日になるか
  • A案、B案、C案の今月末手元現金はいくらか
  • 最低手元現金 80万円 を満たせるのはどの案か
  • CCC を最も短縮できるのはどの案か
  • 翌月営業利益への悪影響が最も小さいのはどの案か
  • 今月の資金繰りを守りつつ、翌月の利益もなるべく守る なら、どの案を選びやすいか

解答 23

  • A案の CCC は、95 - (45 - 28) = 78日 です。
  • B案の CCC は、95 - (70 - 40) = 65日 です。
  • C案の CCC は、95 - (35 - 20) = 80日 です。
  • A案の今月末手元現金は、20 + 85 = 105万円 です。
  • B案の今月末手元現金は、20 + 120 = 140万円 です。
  • C案の今月末手元現金は、20 + 70 = 90万円 です。
  • 最低手元現金 80万円 を満たせるのは、A案B案C案 のすべてです。
  • CCC を最も短縮できるのは B案 です。30日 短縮できるからです。
  • 翌月営業利益への悪影響が最も小さいのは A案 です。悪化額が 8万円 にとどまるからです。
  • 今月の資金繰りを守りつつ、翌月の利益もなるべく守る なら A案 を選びやすいです。105万円 で最低手元現金を満たしつつ、翌月営業利益の悪化も 3 案の中で最も小さいからです。B案 は資金繰りと CCC の改善幅は最大ですが、翌月の利益悪化が重く、C案 は副作用は中程度でも CCC の改善幅が最も小さくなります。

問題 24

ある企業の 4月末5月末 の運転資本と資金繰りは次の通りである。5月月初 の手元現金は 170万円、最低手元現金は 80万円 とする。

  • 4月末: 売上債権 180万円、棚卸資産 240万円、仕入債務 120万円
  • 4月1日当たり売上高6万円1日当たり売上原価4万円
  • 5月末: 売上債権 245万円、棚卸資産 315万円、仕入債務 135万円
  • 5月1日当たり売上高7万円1日当たり売上原価4.5万円
  • 5月 の税引前当期純利益 95万円
  • 5月 の減価償却費 20万円
  • 5月 の法人税等支払額 30万円
  • 5月 の設備投資 60万円
  • 5月 の借入元本返済 40万円
  • 4月末 の所要運転資金はいくらか
  • 4月CCC は何日か
  • 5月末 の所要運転資金はいくらか
  • 5月CCC は何日か
  • 所要運転資金は 4月末 から 5月末 にかけていくら増加したか
  • 5月 の営業 CF はいくらか
  • 5月末 の手元現金はいくらか
  • 最低手元現金 80万円 を守るには、あと何万円の資金改善が必要か
  • なぜ CCC の悪化と所要運転資金の増加を月次資金繰り表へつなげて見る必要があるのか

解答 24

  • 4月末 の所要運転資金は、180 + 240 - 120 = 300万円 です。
  • 4月CCC は、180 ÷ 6 + 240 ÷ 4 - 120 ÷ 4 = 30 + 60 - 30 = 60日 です。
  • 5月末 の所要運転資金は、245 + 315 - 135 = 425万円 です。
  • 5月CCC は、245 ÷ 7 + 315 ÷ 4.5 - 135 ÷ 4.5 = 35 + 70 - 30 = 75日 です。
  • 所要運転資金の増加額は、425 - 300 = 125万円 です。
  • 5月 の営業 CF は、95 + 20 - 125 - 30 = △40万円 です。
  • 5月末 の手元現金は、170 - 40 - 60 - 40 = 30万円 です。
  • 最低手元現金 80万円 を守るには、あと 80 - 30 = 50万円 の資金改善が必要です。
  • CCC の悪化と所要運転資金の増加を月次資金繰り表へつなげて見る必要があるのは、日数が伸びた と分かるだけでは、当月の現金不足がどこまで深いか見えないからです。CCC 60日 → 75日 の悪化が 所要運転資金 125万円増加 となり、そのまま 営業 CF 悪化月末現金不足 につながる流れまで見て初めて、実際の資金繰りリスクを判断できます。

短文説明の練習

問題 25

次の要因を使って、利益は出ているのに現金が苦しい理由 を 1 文で書く。

  • 売上債権が増えた
  • 在庫が増えた

解答 25

売上債権と在庫が増加して運転資本負担が重くなったため、利益が出ていても現金回収が追いつかず資金繰りが苦しい。

問題 26

次の要因を使って、FCF が赤字でも直ちに悪いとは限らない理由 を 1 文で書く。

  • 新工場への先行投資
  • 営業 CF は黒字

解答 26

営業 CF は黒字を維持しながら新工場へ先行投資しているため、FCF が赤字でも成長投資の段階と解釈できる。

問題 27

次の要因を使って、営業 CF プラス、投資 CF マイナス、財務 CF マイナス の意味を 1 文で書く。

  • 本業で現金創出
  • 借入返済を進めた

解答 27

本業で現金を創出しつつ投資を行い、その資金で借入返済まで進めているため、比較的安定した成熟局面と読める。

事例Ⅳにつなげる観点

  • 利益現金 を分けて見られると、経営分析の安全性指標と CF 問題の読み取りがつながります。
  • FCF を機械的に出すだけでなく、なぜ増えたか / 減ったか を投資や運転資本の動きで言えることが重要です。
  • 事例Ⅳでは、CF の良し悪しを単独で見るより、投資局面財務戦略 を合わせて読むと答案が安定します。

問題を解くときの観点

  • まず 利益の話現金の話 かを切る
  • 間接法では、現金がまだ入っていない増加項目 を減算する
  • FCF では、本業の現金創出と投資負担を分ける
  • CF の符号パターンは、成長局面か成熟局面かを合わせて読む
  • 更新投資か成長投資かは、減価償却費財務 CF も合わせて読む
  • 売上成長があっても、運転資本増加成長投資 が重なると資金繰りは苦しくなりやすい
  • 月次では、売上利益 より先に 売上債権棚卸資産設備投資支出 の増減を追う
  • 月次資金繰りでは、法人税等の支払借入元本返済 まで入れて手元現金を確認する
  • 3 か月資金繰りでは、繁忙期の売上 より 翌月以降の賞与、納税、返済 が重なる月を警戒する
  • 改善策は、営業 CF を良くする施策財務 CF で一時的に埋める施策 かを分けて評価する
  • 翌月シミュレーションでは、値引きによる売上増回収遅れ在庫積み増し が同時に起きる前提で月末現金を見る
  • CCC短縮 はそれだけで良いとは限らず、翌月営業利益の悪化 と並べて評価する
  • 所要運転資金CCC は、月次資金繰り表の 営業 CF月末現金 に落として初めて危険度が見える

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