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収益性指数法

PI の意味、資本制約下での使いどころ、NPV との違いを整理する

このページの役割

このページは、収益性指数法 を独立に整理する解説ページです。NPVIRR と混ざりやすいので、何を比べる指標かを切り分けます。

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投資予算が限られている中で、100万円投資して 130万円のリターンが得られる案Aと、500万円投資して 600万円のリターンが得られる案Bのどちらを選ぶべきでしょうか? NPV だけ見れば案Bが大きいですが、「投資 1円あたりの効率」で見ると案Aの方が優れています。この「投資効率」を測るのが収益性指数(PI)です。

学習のポイント

  • まず PI現在価値ベースの回収効率 を見る指標だと固定する
  • 次に 資本制約がある場面 で使いやすいと押さえる
  • そのうえで 相互排他的な比較 では NPV を優先しやすい理由を整理する

試験で何が問われるか

  • PI の定義と 計算 ができるか
  • NPVPI の使い分けを説明できるか
  • 資本制約下での投資案の 組み合わせ を PI で判断できるか

PI の定義と計算式

PI=将来CFの現在価値合計初期投資額PI = \frac{\text{将来CFの現在価値合計}}{\text{初期投資額}}

PI > 1 なら投資から生まれる価値が投資額を上回り、採算に合います。PI < 1 なら投資額を回収できず不採算です。NPV がプラスなら PI は必ず 1 を超え、NPV がマイナスなら PI は 1 を下回ります。

PI=1+NPV初期投資額PI = 1 + \frac{NPV}{\text{初期投資額}}

計算例

【データ】
  初期投資 200万円、将来CFの現在価値合計 260万円

PI = 260 ÷ 200 = 1.30
NPV = 260 − 200 = 60万円

→ 投資1円あたり1.30円の価値を生む(30%の超過リターン)

NPV との使い分け

場面優先する指標理由
資本制約なし、相互排他的NPV企業価値を最大化する案を選ぶ
資本制約あり、組み合わせ可能PI限られた予算で効率よく価値を生む組み合わせを選ぶ
資本制約あり、相互排他的NPV(PI を補助)最終的には価値創造額で判断

資本制約下の組み合わせ例

【データ】投資予算 300万円。3つの独立した投資案。

案A: 初期投資 100万円、PV 140万円 → NPV 40万円、PI 1.40
案B: 初期投資 200万円、PV 260万円 → NPV 60万円、PI 1.30
案C: 初期投資 150万円、PV 195万円 → NPV 45万円、PI 1.30

NPVだけ見ると: B(60)+A(40)=100万円(投資合計300万円)✓
PI順に見ると: A(1.40)+B(1.30)→投資300万円、NPV合計100万円
      または: A(1.40)+C(1.30)→投資250万円、NPV合計85万円

→ この場合は A+B の組み合わせが最大(NPV 100万円)
→ PIが高い案から順に埋めていく方法が有効

IRR との違い

指標何を測るか判断基準
NPV企業価値の増加額(絶対額)NPV > 0 なら採用
PI投資1単位あたりの価値創造(相対比率)PI > 1 なら採用
IRR投資の内部収益率(%)IRR > 資本コストなら採用

PI と IRR はどちらも「率」ですが、PI は現在価値ベース、IRR は収益率ベースという違いがあります。IRR はキャッシュフローの符号が複数回変わる場合に複数解が出る問題があり、PI にはこの問題がありません。


典型的なつまずき

  • PIIRR と同じような指標と誤解する → PI は現在価値ベースの比率、IRR は収益率
  • PI が高い案を常に最優先と考える → 相互排他的 で資本制約がないときは NPV 優先
  • 資本制約がない比較 でも PI を主軸にしてしまう → 投資規模が異なる案は NPV で判断
  • NPV と PI の関係を忘れる → PI = 1 + NPV/初期投資額

問題を解くときの観点

  • 比較しているのは 効率価値増加額
  • 資本制約 があるか
  • 投資案が 相互排他的組み合わせ可能
  • 最終的に NPV と整合するか確認する

確認問題

問1:PI の計算

初期投資 500万円、将来 CF の現在価値合計 620万円。PI と NPV を求めよ。

解答:PI = 620÷500 = 1.24。NPV = 620−500 = 120万円。検証: PI = 1+120/500 = 1.24 ✓

問2:資本制約下の選択

投資予算 400万円。案X: 投資 400万円、NPV 80万円。案Y: 投資 200万円、NPV 50万円。案Z: 投資 200万円、NPV 44万円。Y と Z は組み合わせ可能。最適な選択はどれか。

解答:案X単独: NPV 80万円。案Y+Z: NPV 50+44 = 94万円(投資合計400万円)。よって Y+Z の組み合わせが最適。PI で見ると X=1.20、Y=1.25、Z=1.22 で、PI の高い順に埋めた結果と一致する。

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